Coolier - 新生・東方創想話

神隠し

2015/05/23 21:26:44
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私が幻想郷に来てから3か月がたった。
だいぶ生活にも慣れてきている。
幻想郷には農村が点在している。
中心に少し大きな町(または里)があり、幻想郷の経済の中心となっている。
家は中心部では江戸時代のような長屋が立ち並び、郊外に行くと茅葺の昔ながらの家になる。私は森に近い郊外の村で村長の家に居候しながら暮らしている。
私が幻想郷に来たのは夏の夜の日だった。

幻想郷に来たのは、久しぶりに横浜の中華街で飲んでいた時だった。
その日は丁度仕事を辞め、気持ちが浮ついていた。
私は裏路地の奥の汚い店で食事を取り、竹葉青酒を静かに飲んでいた。
カウンタの隣には若い女性が座っていた。
長い金髪と紫(むらさき)の目、明らかに日本人ではないが、横浜という土地では外国人はそう珍しい存在ではない。
私は彼女に話しかけた。
ナンパをしようという意図はなかったが、はたから見ればナンパ以外の何物でもなかった。彼女は私の話をよく聞いてくれた。聞き上手なため、私は必要のないことまで話した記憶がある。
彼女は酒豪だった。1時間程度話をしたときには焼酎の瓶を2本開けていた。
その後、彼女はさらに私に酒をすすめ、また彼女も盛大に飲んでいた。
彼女が話す詳細な内容は忘れてしまったが、レイムとかいう子の話や、チェン(中国人か?)という子の話、ランという部下の話をした。
愚痴に近い話が多かったが、当時、私も彼女に劣らない程度に酔っぱらっていたため、彼女の話を親身になって聞くことができた。
焼酎によって出来上がった私たちは店が閉まるという要因の為、店から追い出された。
彼女は汚い言葉で店に文句を言っていたが、店を離れると行きつけの屋台に行こうと言い出した。なんでも閉店しないらしい。
中華街を出て南に歩き雑居ビルの隙間の路地を通り抜け、あるビルの地下へ続く階段を下りた。扉を開けるとそこはバーのような場所で、カウンタに5つばかり椅子が並んでいた。
彼女はなれたように明かりをつけ、関係者外立入禁止と書かれた扉の中に入り、私を手招きした。扉の向こうは通路となっており、段ボール箱やがらくたが散乱していた。
通路の向こう側には地上に出るであろう階段があり。私たちは廃墟のような通路を通り抜け階段を上がった。
階段の先は森の中だった。
森の中に二階より上が崩壊したビルが1棟だけ立っていた。
普通の状態であれば横浜という土地に森があるという不自然な事象に気が付いたであろうが、その時、私は残念ながら普通ではなかった。
あいまいな記憶の中で私は横浜ベイスターズの応援歌を彼女と大声で歌っていたような気がする。つまりはそういう状態だったのだ。
京急線の1駅程度の距離を歩くと森の中に明かりが見えた。
そこは開けたスペースになっていて、その中心に屋台が一台出ていた。
その日の最後の記憶は2人で一本ずつ一升瓶を持ち、互いに日本酒を注ぎ合ったことだ。
次の記憶は、次の日の昼ごろに屋台で目を覚ました時だった。
仕込みを行っていた奇妙な帽子をかぶった少女が水を持ってきてくれた。
代金は彼女が払ってくれたとのことだった。
私は現在位置がまったく分からないことを少女に伝えた。
少女はあきれながらも私を近くの村まで送ってくれた。
私は江戸時代にタイムスリップしたような村で駅の方向を尋ね、村人と話をするうちにようやく異世界に来てしまったことを悟った。
私はほとんど道順など覚えていなかったが、どうにか森の中の廃墟のビルを探しだし、地下を探索した。
バーの奥には私が入ってきた、横浜に帰るための階段は見当たらなかった。

私は村長に起こったことを話すと、村長は私を村に住むことを許可してくれた。
行く当てのない私はこの村で農業に従事した。
私はオフィスワークしかしたことがなかったため最初は農作業に戸惑い、筋肉痛に悩まされたが3か月も経つと慣れていた。
幻想郷は不思議な場所だった。
江戸時代のような家に住んでいるにも関わらず、村の集会所には電気が通り、携帯電話が通じた。ただしGPSで位置を測定する事は出来なかった。
また、馬車が主流ではあるが、おんぼろの自動車(主にトラック)も見かけた。
食事は主に雑穀と野菜、山菜の類だったが、まれに森で捕えた鹿やイノシシの肉が食卓に上がった。

私は収穫期を過ぎた暇なタイミングを見計らい、里に下りた。里に向かうトラックの荷台に乗せてもらい、2km程度悪路を揺られると里の中心街に到着する。
私が目的もなしに歩いていると、里の甘味屋に見間違うことのない長い金髪を発見した。彼女は中国の民族衣装のような服を着た少女とパフェを食べていた。
私は彼女に声をかけた。するとこんな回答が返ってきた。

「あなた、誰?」
以上のようにして神隠しの主犯は次々に犠牲者を増やしていきます。

教訓
・お酒の飲みすぎには注意しましょう。
・知らない人について行くのはやめましょう。


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謝辞

先日初投稿させていただいたMiniです。
語彙が少なく、表現の乏しい私の作品を読んでいただき有難うございます。
先日の投稿時、多くの皆様にご指摘をいただき、大変感謝しております。
今後もご指導をよろしくお願いいたします。

お詫び

「幻想郷が舞台とは思えない」とのご指摘をいただきましたが、作者自身その通りだと思います。
徐々に改善を図っていくつもりではありますが、作者の趣味でさまざまなものが登場する可能性があります。
ご容赦ください。

追記分

誤字のご指摘ありがとうございます。
指摘をいただいた点を修正させていただきました。
一応、友人に読んでもらい、校正はかけていたのですが抜けてしまいました。
申し訳ありません。
mini
[email protected]
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コメント



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1.無評価名前が無い程度の能力削除
いや、ご容赦下さいって、さっそく指摘を聞く気がないじゃんか
2.無評価名前が無い程度の能力削除
主人公がなまるで本当に横浜に居る気がする。もしかして、作
5.10名前が無い程度の能力削除
独特の世界観で書こうとするのは別にいいのですが、その世界観についての説得力を感じません。話の筋である神隠しと紫の態度についても今一つピンときませんでした。
自分の書きたい物をもう少し掘り下げてみるのもいいかも知れません。
6.70名前が無い程度の能力削除
まあまあよかったです←上から目線
こういう作風も嫌いじゃないや
7.50名前が無い程度の能力削除
最後って卯酉東海道な蓮メリなのかなぁ
14.40名前が無い程度の能力削除
出だしから誤字が
がったった
がたった

この外来人が妖怪の餌にならずに無事人里でやっていけて何よりです。

独自の幻想郷を描くのは大変かもしれませんが、期待しています