レミフラアイスクリームあるある
初投稿です
今は夏、うだるような暑さの日であった。
幻想郷でも一際目立つ紅い館、紅魔館。そこに少女たちは集まっていた。
「ふーん、パチェと咲夜がよく一緒にいると思ったら、こんなもの作ってたのね」
そう言ったのは青い吸血鬼、レミリアだ。口調は落ち着いているが、目はとてもキラキラしている。
その目線の先にあるものは小さめの機械、ソフトクリーム製造機?いや、その下。アイスクリームである。
少女たちが今日集まったのは、この機械が作るソフトクリームを食べるためである。
「はい。河童や魔理沙たちにも手伝ってもらって、ようやく完成したんです」
「中々美味しそうじゃない? よく冷えてるし、夏にはうってつけね。流石咲夜。じゃあ、そろそろ私にも」
「わあぁ! 美味しそう! ねえ、私の分はまだかしら!? 早く早く!」
レミリアの声を遮るようにして声を張り上げたのは、金の吸血鬼、フランドールだ。
いつもはほどよく落ち着いていて感情を表に出すことはあまりないが、今は新しく見る美味しそうなものに期待と喜びを隠せないでいる。
「こらフラン、少し落ち着きなさい。逃げるものじゃないんだから」
「落ち着け、なんてお姉様に言われたくないわ! そっちだって目キラキラさせちゃって。楽しいんでしょ?」
「むむむ、まあそうだけど、でもレディはこういう時でも静かにしているものよ。そういうところでは、フランはまだまだね」
「ぐぬぬ」
「お嬢様方、楽しくしているところ悪いのですが、よろしいですか? そふとくりーむの味を決めていただきたいのですが」
フランとレミリアが小さな姉妹喧嘩をしているところに咲夜が入り、味の種類が書かれたメニューを渡す。
「そうね、じゃあ私はこの赤いやつ。ストロベリーで」
「ふっふーん、お姉様ったら子供っぽーい。私はこの緑のやつ! 抹茶!」
「こっ子供っぽいって何よ! というかそもそも」
「はいはい。ストロベリーと抹茶でよろしいですね?」
また姉妹喧嘩が始まる前に、咲夜が話を流して制する。
未だぐぬぬ、という顔をしたレミリアと少し得意げなフランドールを背に、機械は稼働し始めた。
「はい、出来上がりましたよ。どうぞ」
咲夜はレミリアに赤いソフトクリームを渡す。
そしてそれを、レミリアが両手で大切そうに受け取る。
「おお… ひんやりしているわね。 …当たり前か」
初めて手にするそれにレミリアのテンションは最高潮に達し、上手く言葉を選べないようだった。
そしてしばらくそれを眺めたのち、レミリアはソフトクリームを口に運ぶ。
「…! 美味しい、甘くて美味しい。うん、気に入ったわ」
もう既に最高潮に達していたはずのレミリアのテンションは、ソフトクリームを口にしたことで限界突破をしたようだ。
口調こそ大人しい。が、目は口ほどに物を言う。レミリアの目は万華鏡や宇宙にも負けないほど輝いていた。
しかしそこに面白くなさそうな顔をした少女が。フランドールだ。
フランドールはしばらくそうしてレミリアを眺めていたが、突然はっとした顔をすると、ニヤニヤしながらレミリアに近付いていった。
「……わっ!」
「ひゃあぁ!?」
フランドールがレミリアの後ろから声を出し、驚かす。
ちょうどソフトクリームを捕らえようとしていたところだったので、レミリアの左頬付近にクリームがベチャァっと付く。
そしてその隙にフランドールは回りこみ、レミリアの頬に付いたクリームをペロッと舐めとった。
「…………!!??!? …っ!??!?」
「ふふふ…」
「なっ、何するのよ!?」
「ぼーっとしてるからよ。欲しいモノが、手の届く範囲に無防備にあったら取るでしょう?」
「それとこれとは…っ話が別!」
ソフトクリームより赤くなったレミリアを見て、してやったり。と言うような顔をするフランドール。
レミリアも何か言いたげだったが、混乱した頭では上手く単語をまとめられないようだ。
「はーい、妹様。お待ちかねですよ」
そうしているうちに、咲夜がフランドールにもソフトクリームを持ってくる。
フランドールも姉と同じような反応をしながら受け取った。
「おお! 冷たい! やっぱり夏には冷たいものよね」
そしてフランドールは抹茶味のソフトクリームを口に運ぶ。
最初は満面の笑みを浮かべていたフランドールだったが、クリームを口に含んだ瞬間、困ったような顔に変化した。
「うっ…ううぅ……にっがーい! これって甘いものなんじゃないのぉ!?」
どうやらソフトクリームとはいえ、抹茶はフランドールの子供舌には合わなかったようだ。
えーっとクリームを舌の上に乗せ、口の外に出す。
しかし、またはっとしたような顔をすると、苦い顔をしながらも舌をしまい飲み込んだ。
……そしてそれを眺めている者がいた、レミリアだ。
レミリアは、意地悪そうな笑みを浮かべるとそっとフランドールに近付いていった。
(ふふふ…私に恥ずかしい思いをさせた罰を受けさせてあげるわ!)
そんなことを考えながら。
「うう…どうしよ、食べられる気がしない。でもあいつの前であんなこと言っちゃったし…うー……」
フランドールがうーうー唸りながら歩き回っていると、突然隣の茂みからガサッという音がした。
「!? …何? なんかいる?」
フランドールは少し恐怖を感じた。なぜなら、ガサッという音が出るまでそこの気配に気が付かなかったのだから!
「な…何よ、何なのよお!」
恐怖を少しでも紛らわすために、フランドールは大きな声を出しながらみんなのいる方向へ走っていく。
(ふっふっふっふっふ、上々ね)
その姿を見て、茂み…レミリアはまた嬉しそうに音を立てた。
「はあ、はあ、ここまで来れば大丈夫でしょう…咲夜もパチュリーもいるし、なんとかなる」
そうしてフランドールはみんなのいるところまで駆け抜けてきた。
取り敢えず落ち着こうと椅子に腰掛けた時声をかけられた。
「あら、妹の方。元気してた?」
「よう。お前も今日は出禁解除か」
霊夢と魔理沙だ。
出禁って何よ、一応ここは私の家でもあるのよ! とフランドールは心の中で悪態をつきながら、顔をそちらに向ける。
すると、魔理沙にソフトクリームを発見された。
「お? お前珍しいもの食べてるじゃないか。苦くないのかぁ?お前」
フランドールは魔理沙の指差す方向を見る。すると、そこには最初の一口で崩れた部分以外は全く崩れていないソフトクリームがあった。
まずい、とフランドールは思った。走る途中で放り投げてしまえばよかった、とも思った。
魔理沙はニヤニヤしている。
「おい、ちょっとそれ食べてみろよ。自分で選んだってことは、好きなんだろ?」
フランドールの脳内を、先程の恐怖とはまた違う恐怖が渦巻く。
心なしか霊夢もニヤついている気がする。とフランドールは思った。
ここで食べなければこの二人に馬鹿にされて、今夜の酒の肴にもされるだろう。
しかし、食べてあの苦い思いをまたするのは…と、フランドールの思考は堂々巡りをしていた。
だが、一回だけでいいんだし、食べちゃえ! という考えの方が勝ったのか、フランドールはキッとした表情をする。
そしてええい、ままよ! とソフトクリームを口に含んだ。
フランドールが耐え切れずに舌を出すのと、影が飛び出してくるのはほぼ同時だった。
影はレミリアであった。レミリアはフランドールの顎を捕まえると、そのまま顔を近付けて舌を伸ばした。
それに驚いてフランドールが舌を引っこめると、レミリアはフランドールの口内に侵入し、そのまま舌でべロリ、とクリームを舐めとった。
一瞬であった。
「ふふん、私に挑んだのが運のツキね。みんなの前で舐められるのは、どんな気分だったかしら?」
レミリアはぐるりと辺りを見渡す。顔を真っ赤にしている巫女と黒白に、本やお盆で顔を隠すパチュリーと咲夜。
その様子を見てレミリアは得意げに鼻を鳴らした。
しかし本命であるフランドールがなんの反応も示さないことを訝しみ、フランドールに再び近付いていった。
「ちょっと? 聞いているの? 何か反応しなさいよ、面白くな」
ドカーーーーーーーーン!!!!!!!!!!
次の日!そこにはフランドールの照れ隠しで半壊した紅魔館と、ミンチ状態で生活するレミリアの姿が!
初投稿です
今は夏、うだるような暑さの日であった。
幻想郷でも一際目立つ紅い館、紅魔館。そこに少女たちは集まっていた。
「ふーん、パチェと咲夜がよく一緒にいると思ったら、こんなもの作ってたのね」
そう言ったのは青い吸血鬼、レミリアだ。口調は落ち着いているが、目はとてもキラキラしている。
その目線の先にあるものは小さめの機械、ソフトクリーム製造機?いや、その下。アイスクリームである。
少女たちが今日集まったのは、この機械が作るソフトクリームを食べるためである。
「はい。河童や魔理沙たちにも手伝ってもらって、ようやく完成したんです」
「中々美味しそうじゃない? よく冷えてるし、夏にはうってつけね。流石咲夜。じゃあ、そろそろ私にも」
「わあぁ! 美味しそう! ねえ、私の分はまだかしら!? 早く早く!」
レミリアの声を遮るようにして声を張り上げたのは、金の吸血鬼、フランドールだ。
いつもはほどよく落ち着いていて感情を表に出すことはあまりないが、今は新しく見る美味しそうなものに期待と喜びを隠せないでいる。
「こらフラン、少し落ち着きなさい。逃げるものじゃないんだから」
「落ち着け、なんてお姉様に言われたくないわ! そっちだって目キラキラさせちゃって。楽しいんでしょ?」
「むむむ、まあそうだけど、でもレディはこういう時でも静かにしているものよ。そういうところでは、フランはまだまだね」
「ぐぬぬ」
「お嬢様方、楽しくしているところ悪いのですが、よろしいですか? そふとくりーむの味を決めていただきたいのですが」
フランとレミリアが小さな姉妹喧嘩をしているところに咲夜が入り、味の種類が書かれたメニューを渡す。
「そうね、じゃあ私はこの赤いやつ。ストロベリーで」
「ふっふーん、お姉様ったら子供っぽーい。私はこの緑のやつ! 抹茶!」
「こっ子供っぽいって何よ! というかそもそも」
「はいはい。ストロベリーと抹茶でよろしいですね?」
また姉妹喧嘩が始まる前に、咲夜が話を流して制する。
未だぐぬぬ、という顔をしたレミリアと少し得意げなフランドールを背に、機械は稼働し始めた。
「はい、出来上がりましたよ。どうぞ」
咲夜はレミリアに赤いソフトクリームを渡す。
そしてそれを、レミリアが両手で大切そうに受け取る。
「おお… ひんやりしているわね。 …当たり前か」
初めて手にするそれにレミリアのテンションは最高潮に達し、上手く言葉を選べないようだった。
そしてしばらくそれを眺めたのち、レミリアはソフトクリームを口に運ぶ。
「…! 美味しい、甘くて美味しい。うん、気に入ったわ」
もう既に最高潮に達していたはずのレミリアのテンションは、ソフトクリームを口にしたことで限界突破をしたようだ。
口調こそ大人しい。が、目は口ほどに物を言う。レミリアの目は万華鏡や宇宙にも負けないほど輝いていた。
しかしそこに面白くなさそうな顔をした少女が。フランドールだ。
フランドールはしばらくそうしてレミリアを眺めていたが、突然はっとした顔をすると、ニヤニヤしながらレミリアに近付いていった。
「……わっ!」
「ひゃあぁ!?」
フランドールがレミリアの後ろから声を出し、驚かす。
ちょうどソフトクリームを捕らえようとしていたところだったので、レミリアの左頬付近にクリームがベチャァっと付く。
そしてその隙にフランドールは回りこみ、レミリアの頬に付いたクリームをペロッと舐めとった。
「…………!!??!? …っ!??!?」
「ふふふ…」
「なっ、何するのよ!?」
「ぼーっとしてるからよ。欲しいモノが、手の届く範囲に無防備にあったら取るでしょう?」
「それとこれとは…っ話が別!」
ソフトクリームより赤くなったレミリアを見て、してやったり。と言うような顔をするフランドール。
レミリアも何か言いたげだったが、混乱した頭では上手く単語をまとめられないようだ。
「はーい、妹様。お待ちかねですよ」
そうしているうちに、咲夜がフランドールにもソフトクリームを持ってくる。
フランドールも姉と同じような反応をしながら受け取った。
「おお! 冷たい! やっぱり夏には冷たいものよね」
そしてフランドールは抹茶味のソフトクリームを口に運ぶ。
最初は満面の笑みを浮かべていたフランドールだったが、クリームを口に含んだ瞬間、困ったような顔に変化した。
「うっ…ううぅ……にっがーい! これって甘いものなんじゃないのぉ!?」
どうやらソフトクリームとはいえ、抹茶はフランドールの子供舌には合わなかったようだ。
えーっとクリームを舌の上に乗せ、口の外に出す。
しかし、またはっとしたような顔をすると、苦い顔をしながらも舌をしまい飲み込んだ。
……そしてそれを眺めている者がいた、レミリアだ。
レミリアは、意地悪そうな笑みを浮かべるとそっとフランドールに近付いていった。
(ふふふ…私に恥ずかしい思いをさせた罰を受けさせてあげるわ!)
そんなことを考えながら。
「うう…どうしよ、食べられる気がしない。でもあいつの前であんなこと言っちゃったし…うー……」
フランドールがうーうー唸りながら歩き回っていると、突然隣の茂みからガサッという音がした。
「!? …何? なんかいる?」
フランドールは少し恐怖を感じた。なぜなら、ガサッという音が出るまでそこの気配に気が付かなかったのだから!
「な…何よ、何なのよお!」
恐怖を少しでも紛らわすために、フランドールは大きな声を出しながらみんなのいる方向へ走っていく。
(ふっふっふっふっふ、上々ね)
その姿を見て、茂み…レミリアはまた嬉しそうに音を立てた。
「はあ、はあ、ここまで来れば大丈夫でしょう…咲夜もパチュリーもいるし、なんとかなる」
そうしてフランドールはみんなのいるところまで駆け抜けてきた。
取り敢えず落ち着こうと椅子に腰掛けた時声をかけられた。
「あら、妹の方。元気してた?」
「よう。お前も今日は出禁解除か」
霊夢と魔理沙だ。
出禁って何よ、一応ここは私の家でもあるのよ! とフランドールは心の中で悪態をつきながら、顔をそちらに向ける。
すると、魔理沙にソフトクリームを発見された。
「お? お前珍しいもの食べてるじゃないか。苦くないのかぁ?お前」
フランドールは魔理沙の指差す方向を見る。すると、そこには最初の一口で崩れた部分以外は全く崩れていないソフトクリームがあった。
まずい、とフランドールは思った。走る途中で放り投げてしまえばよかった、とも思った。
魔理沙はニヤニヤしている。
「おい、ちょっとそれ食べてみろよ。自分で選んだってことは、好きなんだろ?」
フランドールの脳内を、先程の恐怖とはまた違う恐怖が渦巻く。
心なしか霊夢もニヤついている気がする。とフランドールは思った。
ここで食べなければこの二人に馬鹿にされて、今夜の酒の肴にもされるだろう。
しかし、食べてあの苦い思いをまたするのは…と、フランドールの思考は堂々巡りをしていた。
だが、一回だけでいいんだし、食べちゃえ! という考えの方が勝ったのか、フランドールはキッとした表情をする。
そしてええい、ままよ! とソフトクリームを口に含んだ。
フランドールが耐え切れずに舌を出すのと、影が飛び出してくるのはほぼ同時だった。
影はレミリアであった。レミリアはフランドールの顎を捕まえると、そのまま顔を近付けて舌を伸ばした。
それに驚いてフランドールが舌を引っこめると、レミリアはフランドールの口内に侵入し、そのまま舌でべロリ、とクリームを舐めとった。
一瞬であった。
「ふふん、私に挑んだのが運のツキね。みんなの前で舐められるのは、どんな気分だったかしら?」
レミリアはぐるりと辺りを見渡す。顔を真っ赤にしている巫女と黒白に、本やお盆で顔を隠すパチュリーと咲夜。
その様子を見てレミリアは得意げに鼻を鳴らした。
しかし本命であるフランドールがなんの反応も示さないことを訝しみ、フランドールに再び近付いていった。
「ちょっと? 聞いているの? 何か反応しなさいよ、面白くな」
ドカーーーーーーーーン!!!!!!!!!!
次の日!そこにはフランドールの照れ隠しで半壊した紅魔館と、ミンチ状態で生活するレミリアの姿が!
けど物語の起承転結はちゃんとしているのは良かったです。
そして、フランドールも。
だったら、凄くイかれててロックだと思いました。
これからも期待します。