ふと、目が醒める。
鈴虫の鳴き声が聞こえる。
外はまだ暗闇が全てを包んでいて、丸く満ち陰りのない月が凛然と輝いている。
月の位置からして、まだ夜は明けそうもないし、まだ眠たいのでもう一眠りしようと乱れた布団を被り直す。
しかし、ジメッとした空気が部屋を覆い、まったく眠りにつくことはできない。
意識が覚醒し始めるにつれ、体が汗でベタついていることや髪の毛が体にペタリとひっついていることが気にかかり、なおさら眠りが遠のく。
……水でも飲もう。
布団を出て台所へ向かう。
湯のみに水を入れそれを口に含む。
発汗し水分が抜けた分、体は水を欲していたようで、私はゴクッゴクッと喉を鳴らしすぐに飲み干してしまう。
もう一杯水を飲む。
萎びていた体の全身に染み渡るような感覚が巡る。
なんとなく、縁側に出てみた。
風に当たりたかったのか、月を眺めたかったのか、理由はわからないが外を見に出た。
夜が広がっている。どこまでも。仄暗く、底の見えない闇が。
妖怪の時間が。
本来、人がいるべき時間ではない。毎日を我が物顏で過ごす人間が、世界から拒絶される時間。
だが、『博麗の巫女』である私は、夜のしじまを駆けることが決められている、『人間』だ。
私は人間でありながら夜を過ごすことがある。
当然、昼間も人間として過ごす。
昼にも夜にも、生きる必要のある私は、なんなのだろうか。博麗の巫女とは、なんなのだろうか。
なによりも自由で、なににも囚われず、なにからも解き放たれていると言われる存在。
そんな私は、どこにいても独りぼっちなのではないだろうか。
夜の空を眺めていると、そんな感情が、心の底から滲んでくる。
きっとアイツが聞いていたら、オマエはオマエさ、などと笑うのだろうか。
それとも、アイツにもこういった感情があるのだろうか。
やめておこう。こんなこと。
考えても無駄だ。どれだけ考え、辿り着いたどんな言葉であっても、感情なんてそう簡単に説明もできないし、名前をつけられるものでもないのだから。こんな思いは、泡沫のような、夢想のような、その程度のものなのだから。
そう、暑さに惑わされ、夜に唆された、悪夢のようなものなのだから、こんな感情は。
そうして部屋に戻ろうとする前に、なんとなく、もう一度、夜空を見上げてみる。
……空は、思っている以上に明るかった。
空には満天の星が、散らばっている。
アイツが使う魔法のような、綺麗な灯火が輝いていた。アイツのように、輝いていた。
それを見ると、私はなぜか笑みをこぼしてしまう。
そうか、と。やはり、難しく考えることは無かったな、と。
きっとアイツは、私がいつどこで飛んでいても、どこまで飛んで行こうとも、この星達のように、どこにでも輝いているんだ。
そんな、幻想が心に浮かんだ。
部屋へ戻り、布団に入る。
やはり、まだ体は眠りに足りないようで、すぐに微睡みがやってきた。
水を飲んだからか、風に当たったからか、なぜだろうか、先程までとは違いあっさりと眠りに落ちていく。
意識が消えゆく中、私が眺めていたあの空を、アイツも遠くで眺めている、そんな幻想が見えた気がした。
鈴虫の鳴き声が聞こえる。
外はまだ暗闇が全てを包んでいて、丸く満ち陰りのない月が凛然と輝いている。
月の位置からして、まだ夜は明けそうもないし、まだ眠たいのでもう一眠りしようと乱れた布団を被り直す。
しかし、ジメッとした空気が部屋を覆い、まったく眠りにつくことはできない。
意識が覚醒し始めるにつれ、体が汗でベタついていることや髪の毛が体にペタリとひっついていることが気にかかり、なおさら眠りが遠のく。
……水でも飲もう。
布団を出て台所へ向かう。
湯のみに水を入れそれを口に含む。
発汗し水分が抜けた分、体は水を欲していたようで、私はゴクッゴクッと喉を鳴らしすぐに飲み干してしまう。
もう一杯水を飲む。
萎びていた体の全身に染み渡るような感覚が巡る。
なんとなく、縁側に出てみた。
風に当たりたかったのか、月を眺めたかったのか、理由はわからないが外を見に出た。
夜が広がっている。どこまでも。仄暗く、底の見えない闇が。
妖怪の時間が。
本来、人がいるべき時間ではない。毎日を我が物顏で過ごす人間が、世界から拒絶される時間。
だが、『博麗の巫女』である私は、夜のしじまを駆けることが決められている、『人間』だ。
私は人間でありながら夜を過ごすことがある。
当然、昼間も人間として過ごす。
昼にも夜にも、生きる必要のある私は、なんなのだろうか。博麗の巫女とは、なんなのだろうか。
なによりも自由で、なににも囚われず、なにからも解き放たれていると言われる存在。
そんな私は、どこにいても独りぼっちなのではないだろうか。
夜の空を眺めていると、そんな感情が、心の底から滲んでくる。
きっとアイツが聞いていたら、オマエはオマエさ、などと笑うのだろうか。
それとも、アイツにもこういった感情があるのだろうか。
やめておこう。こんなこと。
考えても無駄だ。どれだけ考え、辿り着いたどんな言葉であっても、感情なんてそう簡単に説明もできないし、名前をつけられるものでもないのだから。こんな思いは、泡沫のような、夢想のような、その程度のものなのだから。
そう、暑さに惑わされ、夜に唆された、悪夢のようなものなのだから、こんな感情は。
そうして部屋に戻ろうとする前に、なんとなく、もう一度、夜空を見上げてみる。
……空は、思っている以上に明るかった。
空には満天の星が、散らばっている。
アイツが使う魔法のような、綺麗な灯火が輝いていた。アイツのように、輝いていた。
それを見ると、私はなぜか笑みをこぼしてしまう。
そうか、と。やはり、難しく考えることは無かったな、と。
きっとアイツは、私がいつどこで飛んでいても、どこまで飛んで行こうとも、この星達のように、どこにでも輝いているんだ。
そんな、幻想が心に浮かんだ。
部屋へ戻り、布団に入る。
やはり、まだ体は眠りに足りないようで、すぐに微睡みがやってきた。
水を飲んだからか、風に当たったからか、なぜだろうか、先程までとは違いあっさりと眠りに落ちていく。
意識が消えゆく中、私が眺めていたあの空を、アイツも遠くで眺めている、そんな幻想が見えた気がした。
テーマがあるのなら、それに沿って物語を展開させてみてください。ぐっと面白くなりますよ。
あと、この辺は好みもあるので余計なお世話かもしれませんが描写が一人称なのに客観的すぎると思います。
>>月の位置からして、まだ夜は明けそうもないし、まだ眠たいのでもう一眠りしようと乱れた布団を被り直す。
例えばこの文は
月の位置を見る。まだ夜明けは遠いようだ。布団の中でもう一眠りしよう。
くらい主観的でいいと思います(もちろんもっと良い表現はあるでしょう)
説教臭くてすみません。次作を期待します。