「お姉ちゃん、メリークリスマス!」
「こいし、今日はまだ11月あわてんぼうにしても気が早過ぎると思うわ」
「果たして本当にそうかなお姉ちゃん」
「ん、どういうこと?」
「だって、クリスマスだよ。あの12月25日は偉い人の誕生日だよ」
「そうねそれがどうしたの?」
「今年は2014年」
「ええ、そうね」
「つまり、形式的にはお燐の2014回目の誕生日になる」
「お燐は別に某聖者と同じ年齢ではないわ」
「つまり、あれから503回のうるう年があるわけ」
「ん? お燐のくだりは?」
「お燐には無関係のことだよ。空気をよんでお姉ちゃん」
「なにそれ? 私のせい?」
「それは、胸にしまっておいて欲しいと思う。だから、503日もずれたクリスマスに付き合う義理は無いと思って。そんな1225にこだわらないで。私の気持を分かって欲しい。大切な人のためなら今日がクリスマスでも問題ないでしょ」
「義理とかそういうものなの?」
「義理でチョコはバレンタインで渡すけど、だいじなお姉ちゃんに義理なんかじゃクリスマスプレゼントは渡さないよ」
「プレゼントがあるの? どうせ、秒針が妙にこっち見てる腕時計とか壁に掛けられることを拒否した壁時計なんでしょ?」
「なんで、時計限定なの?」
「ちがうの? こいしならそうなのかもと思ったけど」
「確かに、なんで分かったのプレゼントはお空が芯になっている影時計だった。そうよね? お空?」
「あ、さとり様これからもよろしくおねがいします」
「お空、さっきから黙って立ってたけどそれは影時計つもりだったの?」
「え? 影時計ってなんですか?」
「お空に聞いた私があれだったわ」
「それで、お姉ちゃん。お空の影時計気に入った?」
「気に入るもの何もお空は私にとって大事なペットであって」
「恋人未満友達以上では無いと、そうなるの? お姉ちゃん?」
「友達以上ではあると思うけど、恋人ではないと思うけど」
「じゃあ、聖夜をこうやって一緒に過ごしているのに、お姉ちゃんにとってお空は遊びなんだ」
「え? 遊び?」
「だって見てよ。お空の真剣に影時計する表情、姿、息遣い」
「なんであんなに真剣になれるのかしら?」
「それは、お空はお姉ちゃんのことが」
「いいんです。こいし様。私は黙ってここで立っていることしかできない。ヤタガラス、ただ沈黙を。っただ沈黙を」
「あなたは、ただのヤタガラスじゃない。影時計のヤタガラス。もっと、自分に自信を持って! 地底じゃ影時計はあなただけもの。もっと、自分に自信を持って。きっと、お姉ちゃんもあなたのその影の大切さに気付いてくれる。好きな本を見ていて時間を忘れてしまったお姉ちゃんがふとコーヒーが飲みたくなった時のついでに時間を知りたくなったときには貴方がいつも影時計していればいつだって時間がわかる」
「それは、確かにそうですけど。いえ、そうですね。私頑張ります。さとり様は本の方が好きかもしれませせんが必ずいつかこっちを振り向かせて見せます」
「そう、その粋よ。クリスマスでお空の背中を押した。後は空しだいよ!」
「こいし様、頑張ります!」
「その心粋よ。お空!」
「はい!」
「そういうわけだから、お姉ちゃん。お空のこと頼んだよ!」
「……ごめん、忙しいところ。その、地底に太陽ない」
でも、閏年を無視して一年を365日で数えての話をしてるからクリスマスが季節も季節に合わせて設定された日付ともズレてても当たり前って言うぶっ飛び思考で可愛いこいしちゃんと、そんな思考を姉の愛で読める素敵なさとりお姉様と、健気に頑張るお⑨(時計)と、名前しか出てこないおりんりんのハートフルストーリーって事は取り敢えず書いて置きます
それでも今回の作品は内容・流れともいい感じですね
「馬鹿」って言わない気遣いが。