Coolier - 新生・東方創想話

地霊旅行

2014/10/02 18:11:49
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 燦々(さんさん)たる陽光が魔法の森の陰鬱な植物を貫くようにして、深き闇の中にある香霖堂へ光を投げかけていた。まるで太陽の女神に愛されているかのごとく、香霖堂のみに光が当たっている。
 しかし香霖堂店内はいつも通り鬱屈としていて、とても暗い。いくらお天道様といえど、この香霖堂に光をもたらすことは不可能なのだろう。だがここに住んでいる香霖堂の店主はそれをそこまで惜しくは思わなかった。明るすぎるのは、目に痛い。
 窓から射し込むのはのどかで温かな太陽の残滓。暗闇の中にきらめくいくつもの光線が香霖堂の中にある埃を照らしている。冬に吹き荒れる雪嵐すらも溶かした春の日差しは適度という他ないくらい快適な熱を持っていた。
 香霖堂へやってくる客は、今日もなし。香霖堂ではいつも通り元気に閑古鳥が鳴いていた。香霖堂店主、森近霖之助としてはあまり喜ばしくないことではあるのだが、まあたまにはこんな日があるのも悪くない。自由気ままに悠々と——。
 ふと、霖之助の首がにわかに船を漕ぎ始めた。同時にまどろみが霖之助の意識を削り取らんばかりに奪っていく。
 霖之助は一応眠気に抗いつつ、椅子の上で思案した。元々趣味で始めた商売だ、そんなに固く構えることもあるまい。それに今日はお天道様がこんなにも暖かく、まさかこんな清々しい日にわざわざ湿気った薄暗い香霖堂へやってくるような物好きはいないだろう。自分で言っていて悲しくなるが、事実そうなのだからどうしようもない。
 霖之助の天秤の均衡はあっという間に崩れた。瞼を閉じて背もたれに体を預ける。瞼を金色の光が温めて、よく眠れそうだ。こういう日は寝るに限る。
 がくり、と霖之助の身体から力がぬけていく。睡魔が霖之助の意識を深い眠りへと持っていくのに、そう時間はかからなかった。
 しかし次の瞬間、ノック音が霖之助の脳裏を荒々しく叩く。ノックの音は乱暴ではなく、どちらかといえば礼を弁えた穏やかなものであったが、眠りにつく直前の良い所で乱入してきた音は霖之助に不快感を与えた。
 一瞬返事をかえそうか迷ったが、もしここで放置してもう一度ノックなんてされてはたまったものではない。魔理沙かはたまた霊夢が来たのかとも思ったが、よくよく考えれば彼女らはノックをするほど丁寧な人種ではないことに気づく。彼女らのノックとはつまり『扉を破壊して香霖堂へ侵入すること』であり、少なくとも霖之助はそんなものをノックとは認めない。ノックと同時にダイナミックな入店を行うノックなんぞ決して認めない。

「ごめんくださーい」

 少女の声と同時にもうひとつノック。やはり霊夢と魔理沙のどちらでもなく、それでいて霖之助の記憶の中にある誰の声とも一致しないものだった。しかし、店なのだからそのまま入ってくれば良いのにと思う。……もしかしたら、香霖堂が店なのだとは思われていない可能性もあるけれど。
 一応看板はかけてある。が、掃除は長年しておらず、霖之助自体もチェックしていないのでひょっとすると『香霖堂』の文字が見えなくなってしまっているということもあり得るかもしれない。
 だとすれば、ここが民家だと思われているという仮説も現実味を帯びてくる。霖之助は嘆息すると、仕方なく声を張った。

「開いてるよ」

 どうも、長い間大声を出さないと声の音量が下がってしまうというのは本当らしい。怒鳴る、とまではいかないまでも、それなりの力を込めて発声したはずなのだが大した大きさの声は出なかった。
 しかし相手側はそれでも聞こえたのか、木製の扉を開けた。同時に光が開かれた扉から射し込み霖之助の目にささる。眠ろうとしていた霖之助にとって、この光はとてつもなく目に痛い。
 香霖堂の扉を開けたのは、少女。燃えるような、炎のようなと形容するのが似合う赤色の髪と、二つぴょこんと存在する猫耳が可愛らしい。浮かぶ表情はこれまた明るく暖かく、人懐っこい印象を与える。

「ようこそ香霖堂へ。ここは古道具屋だよ」

 霖之助はせり上がる眠気をなんとか気合いで押さえつけながらお決まりのセリフを少女へ投げかけた。
 猫耳の少女はきょろきょろと辺りを見回すと、八重歯を見せながら霖之助を見た。

「『香霖堂』……ってことは、お兄さんがさとり様の言ってた人?」
「さとり……?」

 その名前に聞き覚えがあって、霖之助は眉を釣り上げた。
 古明地さとり。時たま香霖堂へ買い物にやってくるお客さまである。『心を読む程度の能力』を持っている悟り妖怪であり、霖之助も心を読まれてはたびたびからかわれている。地底に存在する地霊殿の主でもあり、それなりに重要な立場らしい。
 少女は『さとり様』と呼んでいた。そして彼女の頭には猫耳があり、猫に属する妖怪であることがうかがえる。加えて、さとりはたしか『地霊殿に数多くのペットを飼っている』とも言っていたから、それらから推測するに彼女はさとりのペットだろうか。

「ああ、ごめんね、急に。あたいは火焔猫燐っていうんだ。お燐って呼んでね、お兄さん」
「お燐、ね。よろしく。僕は……」
「知ってるよ。森近霖之助、でしょ?」

 お燐は猫の尻尾を揺らしながら尖った牙を見せて得意げに笑った。

「さとり様からお話は聞いてるよ。今回はね、お兄さんに頼みがあって来たんだ〜」
「頼み?」

 オウム返しで尋ねる霖之助に、お燐は笑顔で頷いた。

「そっ、頼み。実はね、地霊殿の床暖房が壊れちゃったんだけどね」
「うん」
「その床暖房、直してほしいんだ」
「……なるほどね」
「本当ならさとり様が来るはずだったんだけど、今さとり様は八雲紫ってのとお話することがあるみたいで留守だし、お空——あ、あたいの友達ね。そいつもさとり様と一緒に行っちゃうし。で、しょうがないからあたいがお兄さんに頼みに行くよう言われたんだ」

 最近は幻想郷も流れ着いた外の道具が再利用されるようになり、すこしばかり近代的になりつつある。もっとも、あまりにも外の技術が流れ込みすぎるとまた人間達が力を付けてしまうので、そこは紫——妖怪の賢者であり、そしてこの幻想郷の管理者である八雲紫が厳しい監視の目を向けているだろう。
 霖之助はズレかけていた眼鏡を直した。
 別に地底に向かうのはいっこうに構わない。ちょうど暇だったところだし、本だってあらかた読んでしまった。
 だがそれにしても問題がある。それは地底と地上の間に結ばれた条約だ。地上の妖怪と地底の妖怪は互いに不可侵条約を結んでおり、人間を除いて地底には赴けないはずなのだ。もっとも、地底は荒んだ妖怪や鬼たちが集まる危険地帯であるため好んで向かう人間などそういないであろう。

「けれど、僕は地底に行けないだろう?」

 霖之助は半妖であり、その点でどういう扱いをされているのかはわからない。しかし半妖とはいえ一応妖怪である以上、出入り禁止の条約に引っかかる可能性は十分にある。
 だがお燐は一瞬ぽかんとした表情を浮かべると、霖之助に問うた。

「え……? お兄さん、さとり様からなにも聞かされてないの?」
「なにもって、なにがだい?」
「つい最近、地底と地上の不可侵条約はちょっとだけ緩くなったってこと」

 霖之助は顎を撫でた。

「……いや、初耳だな」
「よくよく考えてみてよ、じゃないとさとり様もあたいもここに来れないじゃん」
「いや、そこは地霊殿の主が持つ権力とかで」
「いくらなんでも権力ってそこまで万能じゃないからね? さとり様だって、そこまですごい権力持ってるわけじゃないし」

 お燐は苦笑する。
 しかし、実際さとりからはなにも聞いていない。だがそれも霖之助が内心で『地霊殿の主というくらいなのだからその権力を使ってなんとかしているのだろう』と早々に自己完結して疑問すら抱いていなかったからなのだろうか。さとりはたまに霖之助をからかいはするが、基本的には良識ある大人しい少女である。そんなさとりが意図的に情報を隠すとは考えにくい。
 
「まあ、お兄さんはさとり様から引きこもり気味だって聞いてたしなんとなく予想はついてたけど」
「……反論できないな」
「お兄さんも今度からはたまに外へ出てごらんよ。じゃないと、今回みたいに恥かくよ?」
「覚えておくよ」

 クスクスと笑うお燐に霖之助も微笑を返した。笑われているのだろうが、彼女の忍び笑いは純粋で不思議と不快にはならない。むしろこちらも釣られて破顔してしまいそうな見ていて楽しい笑いだった。今度からは、あのブン屋に新聞でも頼んでおこうか。霖之助は思案する。

「で、どう? やってくれる?」
「……そうだね、まあ良いよ。ちょうど暇だし、地霊殿の主様に恩を売るのも悪くないかな」
「捻くれてるね、お兄さん」
「よく言われる」

 霖之助は立ち上がると香霖堂の奥へ向かい、準備を始めた。道具の修理は得意ではあるが実物を見ない限りなんとも言えないので、念入りに支度をする。行ったは良いが、直せませんでした——そんな間抜けなミスは起こしたくない。
 とりあえず一通りの道具を入れた道具箱を持ってお燐のもとへ戻る。

「あれ、案外準備早かったね」
「僕は整理整頓が得意なんだ」
「……お兄さん、それ、お店の様子を見てからもう一度言ってみてよ」

 お燐が疑わしい半目で霖之助を見た。
 香霖堂は基本的に閑散としているものの、どこから拾ってきたのか霖之助でさえよく覚えていない商品たちが所狭しと乱雑に積み重ねられており、少なくとも綺麗な店内とは口が裂けても言えないような有様である。
 
「……僕は、整理整頓が大得意なんだ」
「声引きつってるよ」
「気のせいじゃないかな」

 「まあ良いや」とけたけた笑うお燐。
 その後、お燐は霖之助を——正確には霖之助の服を指差した。

「お兄さん、地底って今結構寒いよ。その服で大丈夫?」

 地底ではまだ冬が明けていないのだろうか。元々地獄跡であった地底は地下深くにあるためひんやりとしている、と聞いたことはあるけれども。霖之助の着ている服はいつもの青黒い模様に包まれた和服であり、耐寒にはやや心許ないかもしれない。
 だが霖之助とてそれなりに永く生きた妖怪であるため、ちょっとやそっとの寒さくらいは我慢できるだろう。それに地霊殿の下には灼熱地獄跡があると聞く。道中が寒くても、地霊殿で作業する以上そこが温かければ問題はないはずだ。床暖房が壊れているそうだが、さすがにある程度の熱は地霊殿へ届くだろう。

「ああ、大丈夫さ」
「ふーん……」

 お燐はゆらゆらと尻尾を揺らすと、霖之助に背を向けた。

「じゃあ、さすがに歩いていくのは疲れるだろうからあたいが運んであげるよ。お兄さんは死体じゃないけど、まあ今回は特別ってことにしてあげる」

 ——それとも、いっぺん死体になってみる?

 お燐が妖しく呟く。一般人なら一気に呑まれてしまいそうな幻妖な響きだが、霖之助とて伊達に大妖怪たちに絡まれているわけではない。霖之助はやれやれと額を押さえため息を吐いた。

「勘弁してくれ、僕はまだ死体になる気なんかないよ」

 お燐は目を細めて、愉快そうに笑った。

「ふふっ、冗談だよ。自分でわざわざ作った死体なんてあんまり好きじゃないし」

 お燐は軽い足取りで香霖堂から出ていく。霖之助はその背中を追って外へ出た。



 地底への入り口までそう時間はかからなかった。お燐の猫車に乗せられて、というのはいささか恥ずかしいものがあったけれど、そっちの方がはるかに早いのば事実。霖之助も無縁塚を行き来してるだけあって体力には自信があるが、それでも生粋の妖怪であるお燐に純粋な体力で勝てようはずもない。スピードもお燐の猫車の方が早い。たとえ霖之助という重りを載せていても、だ。
 妖怪の山麓の小さな森を駆け抜け、普通ならばまず間違いなく気づかないであろう獣道を抜けた先に地底への入り口はある。
 今霖之助の目の前には、大きな大きな穴が広がっていた。
 ここが地底へと繋がる出入り口である。まるで大口を開けたように不気味な威圧感を放つそこは真っ暗で、霖之助の瞳では一寸先すらも見通せない。冷たい空気と土の匂いが穴から漂ってきて、まるで侵入者を拒むような雰囲気を醸し出している。
 その嫌な感じに息を呑むが、お燐は平然とした様子でその穴の中へ進んでいく。お燐は地底に住んでいるのだから当然なのだろうが、霖之助としてはすこしばかり未知への恐怖というものがある。
 その洞穴へ連れられると、土臭さが霖之助の鼻を刺す。じめっと湿った土を踏む音が霖之助の耳へ入った。
 しかしそれらに顔を顰めるよりも先に、唐突に気持ちの悪い浮遊感が霖之助を襲った。つま先から血液が逆流するような不快感。次の瞬間には、湿った岩肌と土が混じった泥臭い匂いすらも一瞬のうちに消え失せるような強烈な風が下から吹いていて、同時に自分たちが今まさに重力に引かれて落下しているということに気づく。猫車に乗せられたままバタバタと服が波打ち、顔に叩きつけられる空気が霖之助の顔を圧迫、呼吸すらも困難になる。

「——っ!?」
「あはは、お兄さん、すこしきつい? 大丈夫大丈夫、この穴は結構大きいからさ。しばらく空の旅を楽しんでみたらどう?」
(そういうことを言いたいんじゃなくて——っ!)

 お燐はむしろこの状況を楽しむかのごとく笑っているけれど、霖之助としては気が気でない。一寸先は闇をまさに体現しているこの状況でどうして笑えようか。霖之助は半妖であるが同時に半人だ、この速度で地面やらなんやらに直撃すればまず間違いなくミンチよりひどいことになる。
 霖之助の体が猫車から離れないのが不思議ではあるが、むしろそんな事ができるのだったら自由落下ではなくて空に浮かせるなりなんなりして快適な移動を心掛けてほしいものだ。しかし現状そんなことが言えるわけでもなし、ただひたすら重力に従いこの終わりの見えない縦穴を落ち続けるのみ。真の恐怖とはこういうことを言うのだろうか。
 何分、あるいは何十分経っただろう。もしかしたら、恐怖のあまり体感時間がそこまで伸びてしまっただけで実際はそんなに時間は経っていないのかもしれない。
 遥か遥か下から吹き荒れる風の歓迎が止み、体から汗が吹き出す程度の余裕が出てくる。そこから間を置かずにゴトンと猫車が揺れ、気づけば猫車の下には地面があった。

「さー、終わりっ。ようこそお兄さん、ここが地底だよ……って、大丈夫?」
「……今度からは、もうちょっと快適な空の旅をお願いしたいね」

 霖之助は青い顔をしてぜえぜえと息を吐く。苦しかったし、割と真剣に死ぬかと思った。

「あはは、ごめんごめん。今度があれば、ゆっくり落ちてあげるよ」
「ぜひ、そうしてくれ」

 霖之助は猫車にもたれかかる。
 呼吸もだいぶ整ってきて、ようやく周りを見回すだけの余裕が出てきた。
 辺り、といっても一本道で、それ以外には土壁しかない。お燐も何食わぬ顔でその一本道を進んでいくので、猫車に載せられてガラガラと道を走っていく。
 やがてだんだんと道を進むうちに遠くで淡い金色の光が見えてきて、それがいくつも重なっていた。建物のようなものがあるのも薄くだが見えるので、たぶんあれが地底にある都『旧都』なのだろうと霖之助は予想する。
 しかしそこから少しだけ先に進むと、その黄色い光の手前に青い光があるのが目に入った。よくみればそれはただの光ではなく青い炎で、その青い炎がぼんやりと赤色の橋を照らし出していた。青い炎は橋の欄干で燃え盛っていたのだ。暗闇ゆえか、まったく気づかなかった。橋の下にはどうやら湖のようなものがあるようで、ゆらりゆらりと暗い光を反射している。
 
「あれ、パルスィ今日はいないんだ。ま、そっちのが良いかもねー」
「パルスィ?」
「うん、ここらにいる橋姫なんだけどね、もう嫉妬深いのなんのって……」

 お燐は腕を組んでうんうんと唸る。

「あたいも何度か絡まれたけど、もうそんなに妬んで疲れないのかなってくらいに妬むんだ。正直相手してて疲れるくらいだから」
「そ、そこまでなのか……」
「言葉の一つ一つに妬ましいって付けてるレベルだよ」

 そこまで行くと逆に怖い。

「とりあえず、いないならいないで地霊殿に行こう。地底なんてロクなのがいないから、お兄さんみたいなのが長くいるとどうなるかわかんないよ」

 お燐が猫車を走らせる。
 橋を越えた先にあるのは、霖之助の予想どおり旧都と呼ばれる忘れられた都だ。
 地底には当然だが空がない。それが理由なのか旧都には無数の提灯があり、それが旧都の深い闇を朧げに照らしていた。人里とはまた違った賑やかさがあり、見た目だけで言えば十分楽しそうな所だと言えるだろう——見た目だけで言えば。
 霖之助はチクチクと肌を刺す空気を敏感に感じ取っていた。
 人里とはまた違った賑やかさ、とは表現したが、いわばそれは暴力的な賑やかさである。ある種平和ボケした幻想郷とは比べ物にならないような熱さがここにはある。酒屋では大柄な男の妖怪が酒瓶を振り回しながら飲みまくり、それを不快に思ったのか隣の妖怪が席を立って大柄妖怪の襟首を掴み上げる。それに怒った大柄妖怪が襟首を掴んだ妖怪の頬を殴り飛ばし、そこから喧嘩が始まる——。
 人里であればまず問題になるであろうこんな騒ぎが、まるで当然のごとく各地で行われているのだ。頻発とまではいかないけれど、それでもその数は人里などとは比べものにならないほど多い。それが悪いこととは思わないが、なるほど、幻想郷と同じような感覚で歩いていては自分の身になにが起きても文句は言えなさそうだ。

「お燐、降ろしてくれ。ここからは自分で歩くよ」
「ん、そう?」

 霖之助は猫車から降ろしてもらうと、お燐の横に立って旧都の街道を歩きはじめた。
 旧都からまっすぐいけばすぐに地霊殿だろう。土地勘のない霖之助だが、離れたところに洋風の館が立っているのが見えた。目視できるぐらいだからそう遠くはないはずだ、なにもお燐の手を煩わせることはないし、突き刺さる好奇の視線はすこしばかり痛い。それにお燐がいるから厄介事に巻き込まれることは滅多にないだろうが、それは言ってしまえば霖之助の希望的観測でしかない。舐められて荒事を起こされるという危険がある以上自分で歩いた方が良いだろう。とにかく、用心に越したことはない。
 すると、後ろから声がかかった。

「おや、お燐じゃないか。そこの隣の坊主は、見たことない顔だね」
「あっ、姐(あね)さんじゃん」
「おいおい、その呼び方やめろって」

 お燐に続くようにして振り向くと、そこには杯を加えた一本角の女性がいた。その顔は赤く、にわかに酒の匂いがする。おそらく酔っているのだろうが、それも頭の一本角を見れば納得できる。
 霖之助も彼女の名は知っている。星熊勇儀、という『鬼』だ。その力は大妖怪と呼ぶに相応しいもので、この旧都にもその名は広まっているのか彼女が現れた瞬間空気がすこしだけ変わった。

「んで? そこの坊主は妖怪も混ざってるみたいだが——お燐やい、いつのまにそんな混じりもんを食べるようになったんだい?」
「冗談きついね、姐さん。あたいが人間とか食べないこと知ってるでしょ」
「じゃあ、なんのためにこんなとこに連れてきたんだい? そこの坊主、えーと……」
「霖之助、だ。森近霖之助」
「あん、霖之助? 霖之助、霖之助……ああ、お前があのさとりが言ってた半妖かね」

 勇儀はぐいっと杯を傾けると、中に注がれていた酒を一息で飲み干した。まるで水のごとく飲んでいるけれど、あれは鬼の酒だ。まともな人間がひとしずくでも口に含もうものなら泥酔してしまうだろう。そんなものをグビグビと飲み干す彼女はやはり鬼の名に違わず酒好きらしい。
 ぷはっ、と豪快に酒を一気飲みした彼女は霖之助の顔をずいと覗き込んだ。その顔は睨むようでもあり、試すようでもあった。

「ふーん……いい目してるね、お前」

 勇儀は一人で納得し、一人で豪気に笑うと霖之助の背中をバンバンと叩いた。

「はは、気に入ったよお前。私は星熊勇儀、お前たしか、こーりんどーとかいう場所にいるんだったな? 今度行ってやるよ」
「そうかい。じゃ、ご来店をお待ちしているよ」
「おうよ。じゃ、私はこれからツレと飲みにいく約束があるんでな、じゃあな!」

 勇儀は愉快そうに笑うと、杯に酒を注ぎながら旧都の喧騒の中へ消えていった。いったいなにがおかしいのだろうかと思うが、彼女の笑いには嘲るような色もなかったし、まあ良いかと自己完結。人間と妖怪にはどうやっても越えられない思想の壁というものがあり、霖之助はどちらかといえば人間寄りの思想を持つ。たぶん深く考えても彼女の真意をつかむことは不可能だろう。
 まるで暴風かなにかのような妖怪だったな、と霖之助は内心で顎を指で撫でる。勝手に突っかかってきて、勝手に気に入って、勝手に笑ってどこかへ行ってしまった。その強引とも言い換えられる行動はまさに鬼のようである。
 結局霖之助のなにが彼女を気に入らせたのかはわからないが、とりあえずお客がひとり増えたのだと前向きに考えておく。鬼という大妖怪だ、きっとなにか厄介事も持ってくるだろうがそれは考えないものとする。
 その時ふと横を見ると、お燐が霖之助を見ながらつぶやいた。

「へええ。お兄さんって、実は結構すごい人だったり?」
「……なんで?」
「いや、姐さんって強い人しか認めないもん。お兄さんって強いの?」
「逆に聞くけど、強いと思うのかい?」
「……くす、ぜんぜん」

 地底に向かうまでの霖之助の姿を思い出したのか、お燐は苦笑して答えた。



「寒っ……!」

 地霊殿前にまでやってきた霖之助は、自らの腕を抱えながらすこしだけ震えた。正直これは想像以上に寒い、旧都はなんだかんだで暖かかったが地霊殿の周りには民家もなにもなく、地底のひんやりとした空気があるだけ。
 これは着ていく服を間違えた、と霖之助は後悔する。あの時お燐の忠告をちゃんと聞いてさえいればとも思うが、まさしく後の祭り。

「もー、だから言ったじゃん。はい、これ巻いて」
「ああ、ありがとう……」

 お燐が苦笑しながら霖之助にマフラーを差し出した。お燐が着ている服と同じような色で、結構温かい。
 
「あ、それあたいのマフラーだから後で返してね」
「ああ、わかったよ」

 なるほど、お燐のマフラーだったらしい。
 霖之助はお燐の優しさに感謝しながら、目の前に建つ地霊殿を見上げる。
 旧都が人里に似た和風の民家や建物を中心とした場所だったのに対し、地霊殿はいっそ場違いなくらい洋風の館だった。紅魔館とはまた違った曲線的な線が多く、それはおとぎ話に出てくるお城のようでもある。
 
「さっ、こっちこっち」

 お燐が地霊殿の扉を開けて、それに着いていく。
 暗めの赤や黒、紫といった色をチェック柄に彩った床を踏み中へ入る。床にはいくつもの円形のステンドグラスがあるのだが、それらの大半は色を無くしてしまっていた。
 お燐はそこで立ち止まると、しゃがんで床のステンドグラスを指差した。霖之助もお燐の指に従うようにしゃがみ、ステンドグラスを見る。

「いつもなら、このステンドグラスがあったかいんだけどねー……この前から、ステンドグラスが暗くなっちゃって」
「ふむ……」

 どれ、と霖之助はつぶやくとステンドグラスに手を当てた。
 すると霖之助の頭の中に、どこからともなく文章が浮かんでくる。『名称:特殊ステンドグラス』。『灼熱地獄跡の熱を地霊殿に届ける程度の用途』。
 これが霖之助の能力、『道具の名前と用途がわかる程度の能力』だ。残念ながらどういう風に使うのかまではわからないけれど、それは過ぎた望みというものだろう。自分の能力に無いものねだりをしても仕方がない。
 霖之助は眼鏡を指でクイっと上げて位置を調整する。
 なるほど、どうやらこれは地霊殿の下に存在するという灼熱地獄跡の熱を調節、快適な温度にした上で地霊殿へ届けるという役割を持っているらしい。これがお燐の言う『床暖房』だったわけだ。——外の世界の品物でもなんでもないから、外の専用技術などがなくても直せそうなことは幸いである。
 さて、故障しているということが確かなのはわかった。問題はこのステンドグラス自体が壊れているのか、もしくは灼熱地獄跡自体になにか異変が起きているのか。そこである。
 霖之助は立ち上がる。

「お燐、灼熱地獄跡まで連れていってくれるかい」
「……あれ、あたいお兄さんに灼熱地獄跡のこと話したっけ?」

 お燐が要領を得ない、といった表情で首を傾げた。霖之助はすこしだけ得意げに微笑む。

「僕の能力によるものだよ。まあ、本来の用途ではないけどね。それに、さとりからもちょっとだけ聞いたことがある」
「ふーん……」

 お燐はわかったようなよくわからないような表情を浮かべると、すくっと立ち上がった。尻尾を揺らして霖之助に背を向ける。

「じゃあ、こっちに来て。案内してあげる」
「ああ、頼むよ」



 ——ここが、灼熱地獄跡。
 目の前にある溶岩の海を前にして、霖之助は頬に汗を浮かべた。
 すでにマフラーなどお燐へ返しているし、服もある程度はだけさせて風通しを良くしている。だというのに霖之助の体に浮かぶ汗はとどまることを知らない。先ほど寒い寒いと言っていたのは、いっそ夢か幻だったのではないかと勘繰ってしまうほどである。
 灼熱地獄跡は、地霊殿の地下に大きな縦穴のような形状をして広がっている。円柱を想像すればわかりやすいだろう。その円柱の最下層に溶岩の海——かつての灼熱地獄があり、その中層にザラザラと赤茶色に染まった手すりが付いた足場がある。この足場から灼熱地獄を監視したり管理したりするらしい。霖之助たちがいるのも、ここである。
 灼熱の海ははるか下にあり、赤熱の光が霖之助の顔を照らす。ジリジリと焼け焦げてしまいそうな熱さだ。その熱は『暑い』という言葉で表すようなものではなく、『熱い』と形容すべきものである。どう見積もっても霖之助十人分は離れているというのに、まるで真夏日にストーブの前で毛布を被りながら佇んでいるような感覚が霖之助を襲っていた。

「あー……暑い。大丈夫、お兄さん?」
「お燐こそ、大丈夫かい?」

 お燐の額にはにわかに汗が浮かんでいるものの、霖之助のそれと比べればずっとずっと少ない。
 お燐は自らに向けて手で風をおくりながら、けろりとした様子で答える。

「あたいはほら、『火車』だし、妖怪だし」
「……なるほどね」
「まあ暑いのは平気だけど、寒いのは苦手かなー。猫だし」

 そういうものなのだろうか、と霖之助は思案するも、熱気の邪魔が入りそれを断念。どうせどう考えても霖之助は猫でもないし猫にもならないし、意味のないことだ。一生かかってもわからないだろう。誰に強制されたわけでもなく霖之助は言い訳すると、ちらりと溶岩を見下ろす。
 溶岩の表面にはいくつもの泡が浮かんでいて、それが割れてはぼこっ、ぼこっと破裂音を響かせている。温度も冷え切っているというわけでもないし、いたって正常であるといえるだろう。すくなくとも、霖之助が見る限りは。
 
「お燐、ここってどうやって管理してるのかな」
「え? どうって……うーん、あたいは詳しい担当じゃないからわかんないけど」

 お燐は錆びついた手すりに背を向けて、反対側の壁を指差した。指差した先にあったのは、黄色い板のようなもの。レバーがいくつか付いており、一番上には『CAUTION!』と書かれている。

「たぶん、このレバーを使ってるんじゃないのかな? あたいもこのレバーはあんまり触ったことないけど」
「ふむ、どれどれ……」
「あっ、ちょっ、勝手に触って大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫、へんなことはしないよ」

 霖之助はレバーを食い入るように見つめた。レバーは三つあり、『温度調節用』と『出入り口開閉用』と『床暖房用』がある。
 『温度調節用』のレバーは真ん中程度で止められていて、『出入り口開閉用』のレバーは今霖之助たちが入るために使ったので開の方へレバーが傾けられている。
 一番問題そうな床暖房用のレバーは、『OFF』に設定されていた。——なるほど、理由はここにあったか。霖之助は原因が判明したことと、そしてこんな簡単なことが原因であることに対して安堵と拍子抜けの意を半々に示すため息を吐いた。

「……なんだ、こんな簡単なことじゃないか」
「なにかわかったの、お兄さん?」

 無言でレバーから顔を離して、床暖房用のレバーを指差す。お燐の顔がそこへ近づけられて、あっと声を漏らした。

「たぶん、なにかの間違いでレバーが切れてたんだろうね」
「こんな単純なことだったか〜……最初からお空に詳しく聞いておけば良かった」

 お燐は額に手をやりながら盛大にため息を吐くと、困ったように笑いながら霖之助に手を合わせて謝罪した。

「ごめんねお兄さんっ、こんなとこまで来てもらったのに……」
「いや、別に良いけどね。ちょうど暇だったから、特にやることもなかったわけだし」

 たまには外の空気を吸うのも悪くないだろう。また恥をかかないためにも。
 霖之助が微笑みで返してやると、お燐は嬉しそうにはにかむ。そして手すりにもたれかかって、ぱたぱたと自らの体を扇ぐ。
 どうやら妖怪であるお燐でも、もうそろそろきつくなってきたらしい。かくいう霖之助もさすがに限界がちかくて、これ以上ずっといたらそのうち倒れてしまいそうですらある。半妖とはいえ、霖之助の体はそう強いものでもない。

「さ、戻ろうか。いつまでもこんな熱いとこにいたら骨まで溶けそうだ」
「あは、そうだね。じゃ、さっさと出て——」

 その時だった。
 お燐が体を預けていた手すりが不穏な金切音を上げる。錆びた鉄同士がこすり合わされるような不快な音が霖之助の耳朶を打って、それが縁起の悪い音となって霖之助の脳内をかき回す。
 よく見れば、お燐が背を預けている手すりはギシギシと奇妙な音を立て今にも崩れ落ちそうだった。不安げに揺れるそれがどうしようもなく危なっかしく、そして不吉に見える。
 気づけば霖之助は手を伸ばしていた。
 どちらが早かったのかはわからない。けれどほぼ同時ともいえるようなタイミングで手すりがポキリと折れ、お燐の体が傾く。
 お燐の体を支えていたものはなくなり、お燐の体は溶岩へと落ちていく。

「っあ——」

 やけに景色がスローモーションに見えた。お燐が驚愕で目を開くさまも、お燐がぽつりと零した言葉ともわからない声ですらも、霖之助の耳にはしっかり届いていた。
 もはや自分でもなにを考えているのかわからない。ただ思うがまま、体が勝手に動いてお燐の手を掴むべく進んでいく。
 
「——お燐!」

 壁を手で押すように叩いて、その反動で突き進むようにしてお燐の手を掴む。
 がしっ、という暖かくて柔らかいお燐の手の感触が伝わってきて、霖之助の片腕に重みが載った。

「おい、大丈夫かっ!?」
「え、あ、うん……」

 お燐の体を気合いで引き上げる。普段から力仕事をやっていないのが祟ったのか、非力な男である霖之助がお燐の体を引き上げるのには大変な労力を要したけれど、なんとか足場の上にその体を乗せた。
 
「まったく……肝が冷えたよ、本当に」

 霖之助は安堵の意が混じった苦笑いを浮かべると、お燐の手を離して手すりを撫でる。
 霖之助のような道具のプロでなくともわかるくらいのひどい劣化具合だった。すこしでも負担がかかれば、いつ壊れてしまってもおかしくないくらいだ——そう、今のお燐のように。
 しばらくは俯いていたお燐だったが、霖之助が手すりの具合を確かめ終わったあたりで顔を上げて申し訳なさそうに笑った。

「……ふぅ。いやあ、ありがとね、お兄さん」
「今度からはちゃんと注意してくれよ。あと、手すりも替えておくように」
「うん、さとり様に伝えとく」

 そのあと、お燐は霖之助に体を近づけた。

「ふふふ、あたいも一応飛べるのにお兄さんがすごい必死な顔して掴んでくれるんだから、つい呆然としちゃったよ」
「……あ」

 基本、妖怪は霖之助のような混ざり物でなおかつ霖之助のような貧弱でない限り、飛行くらいはできる程度の妖力を持ち合わせているものだ。無論それはお燐とて例外ではなかっただろう。——たとえそれを知っていたからといって、あの時手を出さなかったかと問われれば返答に困るのだが。
 余計なお世話だっただろうか、と霖之助はぽりぽりと後ろ頭をかく。しかし、お燐は嬉々とした表情で見惚れるような笑みを浮かべて霖之助を見た。

「でも——ちょっとカッコよかったよ、お兄さん。ありがとね」
「……」

 霖之助はその笑顔を見て、しばらくは驚いたような顔をしていたが——やがて、釣られるように笑う。
 
「それは、どういたしまして」
「えへへっ。じゃ、いこっか」

 どことなく上機嫌なお燐。どこかおかしいことがあっただろうか、と霖之助は不審に思ったが、気にするほどのものでもないかと自己完結。
 お燐に連れられて、灼熱地獄跡を出た。


 
「にゃー」
「にゃーじゃない、ほら、どきなさい」
「んにゃ?」
「いや、そこにいると邪魔で本が読めないんだけど」

 霖之助が鬱陶しそうにつぶやいた。
 お燐はいま、香霖堂で本を読む霖之助の膝の上に乗っていた——もちろん、猫の状態で。人型のときに霖之助の膝の上にでも乗ろうものなら、霖之助を狙っているという妖怪の賢者や博麗の巫女、その他大勢の少女たちが今にもすっ飛んでくるだろう——霖之助自身はたぶん、『うざったい』の一言で済ませるのだろうけれど。
 さすがに霖之助といえ、気持ち良さそうに寝ている猫を強制的にどかすようなことはできないのか困ったような顔をしている。それを眺めながら、お燐は喉をごろごろと鳴らした。
 あのとき——お燐が灼熱地獄に落ちそうになったときの、霖之助の表情を思い出す。
 最初に霖之助の顔を見たときは、いかにも無愛想な、冷たくも温かくもない顔をしていたが、あの時だけは違っていた。ただひたすらに手を伸ばすその表情は、見ているこちらの方が息を呑みそうなくらいに必死で暖かかくて。
 勇儀が霖之助を認めた理由も、あの時なんとなくわかった。その金色の目は頼りなくてひょろひょろとしているけれど、いざとなった時の彼の瞳はまっすぐで真剣で、なにより強い。それを勇儀は最初から見抜いていたのだろう、彼の内にある芯の強さは本物なのだ。
 これは惚れちゃう人も出てくるかもねー……そんなことを考えて、内心でクスリと笑う。自分の主である古明地さとりもお熱の半妖、いったいどんな人物かと思えばなるほど、案外、霖之助を狙う少女たちの戦いに参加するのも悪くないかもしれない。
 お燐はぴょんと跳ねて霖之助の膝から降りると、人型となった。

「お兄さん」
「ん?」

 霖之助は本から視線を離して、お燐の目を真っ直ぐ見る。
 お燐は霖之助から背を向けて、香霖堂の扉を開けた。

「あたいね、お兄さんのこと結構好きだよ。生かしとくには、ちょっともったいないくらい」
「……喜んで良いのか、反応に困るね」

 霖之助は困ったような苦笑いを浮かべる。心なしか、引きつっているようにも見えた。
 お燐は満面の笑顔をその顔に向けて、ぱっと振り返る。

「でも、やっぱりお兄さんは死体じゃなくて良いや。生きてるお兄さんの方がカッコイイしね」
「それはどうも」
「もー、反応薄いなあ……」

 ——なるほど、これは、とんでもなく手強いわけだね。
 お燐は少女たちが悪戦苦闘している理由を悟ると、最後に霖之助へ手を振った。

「じゃね、また来るよお兄さん」
「はい、じゃあね。またのご来店を」

 ぶっきらぼうな彼の声を聞きながら、香霖堂を出る。香霖堂の外では、太陽の光が祝福するようにキラキラと輝いていた。
 ゆっくりと魔法の森を歩きながら、お燐は獰猛に八重歯を見せて笑う。

 ——油断してるとあたいが持ってっちゃいますよ、さとりさま。
どうもです、灰皿です。今回はお燐霖を書いてみました。
いやはや、地霊殿の設定は正直うろ覚えなものが多くて、設定間違えてないかビクビクしてたり。「ここ設定違うぞオラァ!」というところがあったら指摘してくれると嬉しいです!
お燐ちゃんと霖之助のお話もっと増えないかなあ(願望)
灰皿
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コメント



0.940簡易評価
5.90名前が無い程度の能力削除
この二人はカップリングというよりコンビとして面白いです。
それにしても、最初からさとりと霖之助が知り合いという設定にしていても違和感が無いとは時間の流れと先人の偉大さを感じます。
7.90奇声を発する程度の能力削除
この組み合わせも悪くないですね
16.無評価灰皿削除
>>5名前が無い程度の能力様
コメントありがとうございます!
そうですねえ、お燐ちゃんと霖之助の場合案外そっちの方がしっくり来るのかも。個人的にはその内自然にくっついちゃうイメージがあったりしますねー。
さと霖もいつか書いてみたいのですが、いかんせんネタが…。で、でもまあ、いつかはきっと書けるようになるはず…!

>>7奇声を発する程度の能力様
コメントありがとうございまっす!
お燐ちゃんと霖之助、もっともっと増えても良いと思うのですよ!(力説)