ここのところ、妖怪の山に色とりどりのネオンやらイルミネーションやらが無暗に光っていて、昼も夜もひっきりなしにぎらぎらしている。妖怪の時間である静ひつなる宵闇を切り裂くようで、さぞ妖怪は立腹しているだろうと思えば、ネオンを点けているのは妖怪なのである。
無論、幻想郷にネオンサインを広告にするような店はない。必然的にそれらは外界のものという事になる。
外界の人間にとっては毒々しく、辟易するような光も、それを始めて見る者には興奮を覚えさせるようで、天狗の住居から、山の木々の間、さらには麓付近の一体まで、「OPEN」「BAR」「5,000円ポッキリ」「休憩2,500円」「HOTELオアシス」などなどのネオン看板がぶら下がって、びかびか光っていた。妖怪たちは面白がっていたが、早苗だけは「不潔です、やんやん」と頬を染めて怒った。
基本的にミーハーな連中が多い幻想郷では、このド派手な光の装飾は勿論多くの者の興味を引くに充分であった。
妖怪は勿論、里の人間たちも珍しがって、普段は近づきもしない妖怪の山に近づく。すると麓に片付かない表情をした早苗が立っていて、「どうぞ、ご案内します」と丁寧に道を案内してくれる。巫女が一緒ならば大丈夫であろうと気を許した里人たちは、あれよあれよという間に守矢神社へと連れて行かれ、来たからにはやむを得ぬと参拝し、それだけでなく札やお守りなどをたくさん買わされた。
これで面白くないのが霊夢である。商売敵の方はきらびやかなネオンに彩られて参拝客も増えているというのに、博麗神社は相も変わらず閑古鳥が鳴いている。来るのはいつものように妖怪ばかりである。
別段、参拝客が来ないのはいつもの事なのだが、守矢神社が賑わっていて、しかしこちらは普段通りの無人では、矢張り面白くはない。面白くないのだが、どうしていいものか直ぐに思いつくようなわけでもない。同じようにネオンとイルミネーションで飾り立ててみようかと思ったが、博麗神社には電線が引かれていなかった。
そんなある日の昼下がり、霊夢が縁側で目白が塩を舐めたように膨れていると、魔理沙がやって来た。
「いつもに増して不機嫌そうだな」
「そりゃね」
夏はとうに過ぎていて、あちこちで秋の虫が鳴いている。秋深く、というわけではないが、もったりとした午後の斜陽と、柔らかく流れて来るそよ風は、確かに秋の気配が漂っていた。
魔理沙は帽子だけ霊夢の隣に置いて、自分は境内の玉砂利をはじいて遊んでいたが、いつまでも腰を下ろしたきりの霊夢にしびれを切らしたらしい、ずんずんと戻って来て、どっかりと霊夢の横に座った。
「偵察に行くか」
「はあ?」
「どうせ守矢神社が気になってんだろ?」
図星であった。魔理沙に見抜かれるのは少し悔しかったけれど、こうして座ったまま便便としていたところで埒が明くものではない。霊夢はため息一つして立ち上がった。
まだ日は明るいけれど、山のネオンはぎらぎら光っている。木々にはイルミネーションが巻き付けられて、季節外れのクリスマスのようである。まだ山に着くか着かぬかという所であるのに、あまりに衆目を引く有様であった。
「派手」
「異論なし、だぜ」
山に近づくと、哨戒と思しき烏天狗が数羽近づいてきたが、霊夢がひと睨みすると肩をすくめて飛び去った。
二人が眼下を睥睨しながらいよいよ山の上空まで差し掛かると、丁度守矢神社の入り口に里人一行を引き連れた早苗の姿が見えた。その前にすとんと降り立つと、一行は目を真ん丸にした。
「霊夢さんに魔理沙さんじゃないですか、どうしたんです?」
「どうしたもこうしたも」
「敵情視察ってやつさ」
と魔理沙が言うと、里人たちが面白そうに笑った。
「博麗神社はもとより人が居ませんからなあ」
「しかし、この派手な飾りは真似できないのでは」
「どうせ真似したところで二番煎じさ」
「第一、博麗神社なんぞ危なっかしくて行けませんやね」
「違いない」
「うるさい、用がないなら帰れ。とっとこ帰れ」
霊夢が怒鳴ると、里人一行はウヒョヒョヒョと笑いながら逃げて行った。早苗が「あー」と言って頬を膨らました。
「折角の参拝客をどうしてくれるんですか」
「どうせ繁盛してるんだから、一回くらいどうって事ないでしょ。お茶でもご馳走しなさい」
そう言って霊夢、早苗の方を見もせずにずんずんと大股で境内に入って行ってしまった。残された魔理沙と早苗は顔を見合わせて肩をすくめた。
「霊夢さん、機嫌が悪いみたいですね」
「いつもの事だろ」
そうして霊夢の後を追った。
だだっ広い守矢神社は閑散としていた。
山の中はネオンで飾られて仰々しいのに、神社の境内は思いの外静かで、電飾もまるでないのに霊夢は拍子抜けした。しかし考えてみれば、さすがに神社の中までも毒々しいネオンサインをはびこらせるのは気が引けるように思われる。
「あの、じゃあお茶でも淹れますね」
完全に諦めたらしい風体の早苗は、お茶を淹れに母屋の方へ行った。霊夢と魔理沙は拝殿の前の段に並んで腰を下ろした。神に尻を向ける罰当たりな様相だが、その神とは既知である。だから遠慮しない。尤も既知でなくとも遠慮しないだろうけれども。
霊夢は閑散とした、飾り気のない境内をじろじろと眺めた。
「電飾で有象無象をかき集めて、それから神社に誘導する作戦というわけね」
「有象無象扱いかよ」
「別に神社を飾り立てる必要はないって事かあ」
「それが分かったなら、博麗神社への獣道を整備した方がいいと思うぜ」
「えー、もっと楽な方法ないかしら」
「参拝に来たら何か特典があるとか」
「肩叩き券とか?」
「孫がじいさんにやるんじゃあるまいし。お神酒の一本やらお札やらがいいんじゃないのか」
「やーよ、それじゃ返って赤字になるじゃない」
霊夢がふてくされたように口を尖らしていると、早苗が「お茶でーす」とやって来た。そうして三人そろってお茶をすする。母屋から外を運んできたせいだろう、ややぬるい。霊夢は眉をひそめた。
「ぬるい」
「だって母屋からここまで結構あるんですよ。母屋まで来ればよかったのに」
「あんたたちの悪だくみを見れなきゃ意味がないじゃない」
「なんですか悪だくみって、人聞きの悪い」
「山の電飾の事だよ」と魔理沙が口をはさんだ。「昼も夜もぎらぎらしてて、風情がないぜ」
「へえ、魔理沙さんから風情なんて言葉が出るとは」
「お前はわたしを何だと思ってるんだよ」
「そんな事はどうでもいいわ。あんな電気飾り、何処から引っ張って来たのよ」
「ネオン自体は河童たちがため込んでたんですよ。最近発電量がすごくて、供給過多になっていてですね。それで余った電気をとにかく何かに使おうという事で」
「はあ? それじゃあ別に守矢神社の客引きの為じゃないって事?」
「そうですよ。なんでラブホテルの看板で神社の宣伝をしなきゃいけないんですか」
「ラブホテル?」
「なんだそれ?」
「あ、えっと、その……ふっ、不潔です、やんやん!」
早苗は頬を染めてぷりぷり怒った。
その時、拝殿の閉じた扉が音を立てて開き、八坂神奈子が突っ立った。
「こら早苗、のんびりお茶なんか飲んでどういうつもりなの」
「どうしたんですか神奈子さま」
「どうしたもこうしたも、参拝客はどうしたのよ」
「霊夢さんが追い返しちゃいました」
「えっ、それじゃあ兼ねてから打ち合わせていた、拝殿からわたしが荘厳に現れて、畏怖と崇敬を一身に集めようという計画は破綻!?」
「あ、そういえばそんな計画でしたね」
「忘れていたのか、この不心得者! ちょっとドキドキしながら今か今かと待っていたわたしの純粋な心をどうしてくれる!」
「こんなのが主神の神社に参拝客が来て、うちには来ないのが納得行かないわ」
「どっちもどっちじゃないか」
「神奈子さま、とりあえずお茶をどうぞ」
「くそ、気合入れて準備してたのに」
拝殿の中では、大仰な光と音の演出が、見せる者もないままむなしく騒いでいる。それを背後に、少女たちは並んでお茶を飲んだ。高い秋の空は抜けるように青く、一筋のぼんやりした雲がたなびいている他には何もない。
それにした所で、すでに秋彼岸を過ぎているというのに、妙に蒸すように暑い。博麗神社に居る時は大して感じなかったが、どうにも妖怪の山に降り立ってから、ただこうして安穏とお茶をすするだけで額に汗がにじむ。
魔理沙も同様のようで、長袖をまくり上げて手団扇をぱたぱたとあおいでいた。
守矢神社による集客戦略は、単なる偶然の産物であったことが分かってしまったので、霊夢は手持無沙汰な気分になった。帰ってもいいが、何か腑に落ちない部分があって、それが彼女の腰を重くしていた。
「そういや諏訪子は何処に行ったんだ?」
魔理沙が思い出したように言った。そういえばもう一柱の神である洩矢諏訪子の姿がない。
神奈子はお茶をすすって、言った。
「間欠泉地下センターを見に行ってるよ。ちょっと気になる事があってね」
「気になる事?」
どうやら早苗も知らないらしい、首を傾げてハテナマークを浮かべた。
「最近電力が供給過多なのよ」
「それはさっき聞いたわ」
「あ、そう。それでね、それだけならいいんだけどどうも山そのものの温度が上がって来てるみたいなのよ。こうしてネオンなんかでエネルギーを消費してはいるんだけど、このままエネルギーが溜まり続けるとちょっと困るからね」
「何が困るのよ」
「山が噴火するかも知れないって事」
それを聞いて、霊夢始め魔理沙も早苗もギョッとしたように表情をひきつらせた。
「ほ、本当ですか、それ」
「可能性の段階よ」
「というかネオンもただの遊びじゃなかったんだな」
「そりゃ意味もなくあんな事しないよ。この山が噴火したら幻想郷が大変な事になるわ」
「あんたたちが噴火に巻き込まれるだけならいいんだけどねえ」
「霊夢さん、ひどい」
「流石の貴女も暢気には構えてられなくなるわよ。火山弾や溶岩は人にも自然にも直接にダメージを与えるし、更に分厚い火山灰が空を覆えば気温は下がって農作物は大被害を受けます。様々な面で外界に依存している幻想郷でも、基本的に食に関しては自給自足。ひとたび飢饉が起きれば取り返しがつかない事になるでしょう」
「むう」
成る程、厄介な妖怪が出るだけならばしばき倒せばいい話だが、兵糧攻めは流石の霊夢も対策の仕様がない。空腹のみじめさはよく知っている。少し前に地底から怨霊が吹き上がって来た時とは勝手が違うらしい。
その時ざくざくと玉砂利を踏んで、洩矢諏訪子が戻って来た。随分汗をかいている。しかめっ面でやって来て、そのままに霊夢たちをじろじろ見た。
「ありゃ、何だか賑やかだね」
「どうだった」
「まずいね。ただ融合炉が必要以上に稼働しているだけならよかったんだけど、管理してる地獄鴉がちょっとね」
「地獄鴉……たしかさとりのペットだったな。あれがどうかしたのか?」
魔理沙が言うと、諏訪子は肩をすくめた。
「融合炉の調子の良さに当てられて、地獄鴉の方が暴走してるのさ。しかも地下の核融合炉はあいつが操作してるから、あいつが暴走すると一緒におかしくなるみたいで、相互作用でえらい事になってるみたいだね」
「なんだ、それならそいつを何とかすればいいんじゃないか」
「簡単に言うけどねえ。何にせよ暑くてたまんないから、戻って来たよ。対策を考えなきゃだね」
諏訪子はそう言って神奈子の横にぽんと腰を下ろした。
何やら難しそうな専門用語が交わされるので、霊夢や魔理沙は出番がない。早苗は初めから任せるつもりらしく、恬然とした様子で座っていた。
高い秋空に、彼岸過ぎのそやそやした風が吹いている様は、何事もなく平和なように思えるが、その実地下では面倒事が起こっている。地底の連中って、どうしていつもこんなに面倒なのかしら、と霊夢は嘆息した。
しばらくは侃侃諤諤の話し合いが行われていたが、どうにも煮詰まったらしい、神奈子も諏訪子もくたびれたように黙って、何か考えるような顔をした。
もうする事もないし、守矢神社の参拝客増加の秘訣は単なる偶然で、博麗神社には活かせそうもないし、そろそろ帰ろうかと霊夢が腰を上げかけると、魔理沙が立ち上がった。
「話し合ってて埒が明かないなら、見に行こうぜ」
「そうねえ、やっぱり現場を見ないとダメかもねえ」と神奈子が言う。
「ああ、そう。頑張ってね」
「なんだ、霊夢は行かないのか?」
「何でわたしが行かなきゃいけないのよ。山の事は山で解決すればいいじゃない」
「そりゃ発端は山だけど」と諏訪子が肩をすくめた。
「噴火は幻想郷全体の問題よ」と神奈子が言った。
「つまりこれは立派な異変だぜ。異変解決は巫女の仕事だろ?」
苦虫を噛み潰したような顔の霊夢を見て、魔理沙はしてやったりというように笑った。とどめに早苗が颯爽と立ち上がる。
「霊夢さんが行かないなら、もちろんわたしが行きます! そうすれば手柄は守矢神社のもの! 参拝客ももっとたくさん――」
「あー、分かった分かった! 行けばいいんでしょ、行けば!」
ちょっと様子を見に来ただけなのに、なんでこうなるのかとぶつぶつ独り言ちる霊夢に、他の少女たちは愉快そうに笑った。霊夢に来てほしかったというよりは、からかうのが楽しかったというような顔である。
さて、霊夢、魔理沙、早苗の三人はふわふわ飛んで地獄谷の間欠泉センター入り口までやって来た。通り過ぎた地獄谷は秋の紅葉で絢爛な様相を呈していたが、例に漏れずそこかしこにネオンサインがぎらぎらしていた。
「風情も何もあったもんじゃないわね」
「他の連中は面白がってるみたいだがな」
「幻想郷の人たちって新しいもの好きですよね」
間欠泉地下センターは巨大な縦穴である。直径にして百メートルはあろうかというその穴は、いつもはしんかんとして、ほんの幾ばくかの湯気を噴いているばかりであったが、今は火山の火口の如き勢いでもうもうと湯気が上がっている。そうして既に三人は蒸し暑さに汗をにじましていた。
「ここでこの温度じゃ、地下に降りたら凄そうだな」
「あいつらが来たがらなかったのが分かった気がするわ」
神奈子と諏訪子なんやかんやと屁理屈をこねて来なかった。霊夢という異変解決者が体よく舞い込んで来たので、押し付けてしまえと思ったのが本音であろう。
本来ならば飛んで降りるところであるが、こうも湯気が多いのでは危ない。三人は据え付けられたエレベーターに乗り込んで、ぐんぐんと地下へと下って行った。下りる程に温度が高くなるように思われた。額どころでなく、全身から汗が噴いて、服が素肌に張り付く。
服の首元をつまんでぱたぱたと涼を取る霊夢を見て、魔理沙が目を細めた。
「相変わらずぺったんこだな」
「どこ見てんのよ、馬鹿」
チンと音をさして、エレベーターが最下層に止まった。扉が開くと思った程の湯気は立ち込めてはいないが、温度は地上に増して高い。核融合炉の他に、何か得体の知れないエネルギーが充満しているように思われた。
「いつもはここからでも空が見えるんですが……」
と早苗が空を見上げる。しかし湯気に遮られて何も見えない。
「まるで蒸し風呂だわ」
「塩とタオルを持って来るべきだったな」
「軽口を叩いてる場合じゃないですよ。早く地獄鴉を見つけないと」
だが、上空からの光も湯気で遮られているので、間欠泉地下センターは薄暗く、しかも物音がしない。ただ地鳴りのような低く、重苦しい響きが足元から伝わって来るばかりである。
三人とも妙に気が引けるらしい、黙ったまま、互いに誰か足を出さないものかと伺い合っていると、向こうの方でパッと何かが光って、ちらちらと散らばって消えた。それが断続的に起こり、何かが壊れるような物騒な音も聞こえ出した。
「誰か暴れてる?」
「ありゃ弾幕じゃないのか。先客がいるみたいだな」
弾幕勝負は少し経って終わった。しんとした暗がりの向こうを三人が注意深く見つめていると、唐突に誰かが飛んで来た。
「げ」
霊夢が顔をしかめた。
飛んで来たのは地霊殿の主である古明地さとりであった。さとりの方も三人に驚いたらしい、眠そうな目に困惑の色を浮かべて、三人の前にすとんと着地した。
「なぜここに……? いや、あなた方もここの異変に感づいて来たのですね」
「勝手に心を読むんじゃないわよ」
霊夢は機嫌悪そうに吐き捨てた。前の怨霊の異変でさとりと邂逅して以来、霊夢は心を読む彼女が苦手であった。それは霊夢に限った事ではない。
しかし少女らがさとりを苦手といったところで、既に居てしまっては止むを得ない。苦々しい顔をしながらも、並んで遠い湯気の向こうを見た。さとりは嫌われるのは慣れていると見えて、ちらとも表情を変えない。
「で、さっき弾幕勝負をしてたのはあんた?」
「ええ、うちのペットが暴走気味のようでしてね。説得しようと思ったのですが、どうも言葉が通じないみたいで」
「うーん、それじゃ説得は無理そうですね。退治しちゃいましょうか」
「やめてください、仮にもわたしのペットですから」
「ペットの管理くらいきちんとしなさいよ」
「すみません」
「けどなんで暴走してるんだ?」
「身に宿った八咫烏の力がですね」
「力が?」
「ええ、どうも調子が良すぎて、返ってお空の体の方が暴走してるみたいで」
「頭空っぽの地獄鴉に神様の力なんか詰め込んだからよ」
「詰め込んだのはわたしではないですよ」
「なんだ、やっぱり守矢神社のせいじゃないか」
「ホント碌な事しないわね」
「そんな目で見ないでください!」
所在がなくなったらしい早苗がごまかすように大きな声を出した。
すると、向こうの方でびかりと何か光ったと思うと、熱源が迫って来る気配がした。四人はすばやく散らばった。直後、大きな火の玉がエレベーターに直撃し、粉々に爆散してしまった。
避けて着地した霊夢は、ぎろりと火の玉が飛んで来た方を睨んだ。ばさばさと羽をはばたかす音がして、霊烏路空が現れた。胸の所に浮き出た八咫烏の瞳が不自然な程にぎらぎらと光っている。
「コラ、なんて事すんのよ!」
霊夢が怒鳴ると、空は無邪気な顔でけらけら笑った。
「すごく体の調子がいいの! 今なら誰にでも勝てそう!」
「お空、少し落ち着きなさい」
「あ、さとり様だ! さっきの続きしましょうよぉ!」
言うが早いか空は左腕の制御棒を振り上げて、先端に火の玉を作り出した。
「こりゃ駄目だ」魔理沙はひょいと箒に飛び乗ると、ふわりと浮き上がった。「力づくで黙らせるしかなさそうだぜ」
そうして愛用のミニ八卦炉を懐から取り出すと、空に向けて構えた。
技を発するはほぼ同時であった。空の放った火の玉と、魔理沙の光線が空中でぶつかり合い、文字通り激しい火花を散らした。破壊に特化したような魔理沙の魔法と、神の力である空の火の玉はおおよそ互角であるように思われた。
予想以上の威力に魔理沙は冷や汗をかいたが、空の方はきゃっきゃと嬉しそうに笑っている。
「すごいすごーい! じゃあちょっと本気出しちゃおうかな!」
「なんだと」
驚く魔理沙をよそに、火の玉はぐんぐんと大きさを増し、魔理沙の光線を押し返し始めた。
「やばっ」
不利を悟った魔理沙は、即座に光線を解除すると身を翻して更に上へと飛び上がった。その下を火の玉が通り抜け、背後の壁を大仰な音で吹き飛ばした。魔理沙は熱風と衝撃にバランスを崩しかけるも、何とか着地した。熱さが原因ではない汗が背筋を伝った。
「マスタースパークが押し返されるなんてな……」
「くそ、面倒な……」
霊夢は額から流れて来る汗をぬぐった。今のやり合いで、間欠泉地下センター内の気温は著しく上昇したようである。汗はさらに噴き出すし、頭はぼうとするし、とても弾幕ごっこなぞやっている場合ではない。元気なのは空ばかりである。
霊夢は怒鳴った。
「一度外に出るわよ、このままじゃ熱中症よ!」
エレベーターが壊れたので、四人は長い縦穴を飛んで登らねばならなかった。熱い湯気が立ち込める中を、「あっつっつっつ!」と喚きながら外まで抜け出すと、汗と湯気でびたびたになった体に、秋の涼風が身に染みて気持ちがいい。
「馬鹿と鋏は使いよう。でも鋏を持った馬鹿は厄介でしょうがないわ!」
と霊夢は毒づいた。魔理沙と早苗は同意するように頷き、さとりは片付かない顔をして、出て来たばかりの穴の方を見つめている。
穴の中では空が暴れているらしい、湯気の下の方がぱっぱっと光って地鳴りがする。湯気で見えていなかったのか、まだ霊夢たちが穴の中に居ると思っているのであろう。
穴の脇で汗をぬぐいながら、どうしたものかと考えていると、神奈子と諏訪子がふわりと下りて来た。
「ありゃ、やっぱり駄目だったか」
「やっぱりじゃないわよ。分かってて行かせたわね、あんたたち」
「参ったねー、相手がただの妖怪ならよかったんだけど、曲がりなりにも神の力だからなあ」
「あのな、そもそもあの八咫烏の力だって、お前らが原因じゃないか」
と魔理沙が毒づくと、二柱の神は肩をすくめた。
「ま、過ぎた事はしゃーない」
「ともかく、今は目の前の問題に集中しましょう」
「問題起こした当人が言う台詞じゃないだろ……」
「で、来たからには何か案があるんでしょうね」と霊夢が睨む。
「地獄鴉に溜まったエネルギーをびゅびゅっと放出させればいいんだけどねー」
「溜まった……放出……」
「……さとり、あんた何か卑猥な妄想してない?」
「なっ……他人の心を読むなんて不躾ですよっ」
「サトリ妖怪の言う事かね」
「というか今の一言で墓穴を掘りましたよね」
「うぅ、もうやだぁ」
「話が進まないからちょっと黙っててくれる? それでね、放出させるにしても、一気にやると爆発みたいな事象が起こりそうなのよ。だから少しずつ放出させなきゃダメなのさ」
「成る程! つまり振りに振った炭酸水の蓋を一気に開けてはいけないのと同じですね!」
「じゃあ具体的にどうするわけ?」
「ひとまずあの地獄鴉を炉から離さないと駄目ね。炉の近くに居られるとエネルギーはずっと供給されるみたいだから」
「へえ」
「あなたたちに釣られて穴から出てくると思ったけど、気付かずに中で暴れてるみたいだし」
「わたしたちを餌にしたんですか、神奈子さま……」
早苗が言うと、神奈子はごまかすようにオホンと咳払いをした。
「まあ、だからね、もう一度穴の中に入って、地獄鴉をおびき出して――」
「絶対に嫌」
神奈子の言葉を遮って、霊夢がきっぱりと言った。心底嫌そうに顔をしかめている。
「行くなら自分で行きなさいよ。あんな暑い所、もうごめんよ」
「あら、博麗の巫女てのも案外貧弱なのね」
「ああん? 喧嘩売ってんの?」
「な、仲間割れはやめましょうよぉ」
「あのぅ……」
と、そこで赤くなって縮こまっていたさとりがおずおずと手を上げた。
「少し考えがあるのです、が……」
「ふぅん?」
○
一方こちらは穴の中で立ったりしゃがんだりしながら大暴れしていた空である。湯気と闇とに遮られて相手の姿が見えないので、がむしゃらに攻撃を放っていたが、声もなければ反撃もない。
さてはもう死んでしまったかしら、と攻撃をやめてぽつねんと立ってみると、体の奥底にむらむらと沸き立つ異様なエネルギーが、なおさら激しく波打っているのを感じた。黙って立っているのも落ち着かない。渦巻くエネルギーを外に出さねば気が済まない。
「ううう、もっと動きたいよぅ」
空は、相手がいないならばそれで構わないから、穴の中を滅茶苦茶に壊してやろうと思い立ち、左腕を振り上げた。
その時、丁度空の目の前に、妙なものがするすると下りて来た。それは蛇であったが、その蛇の尾を別の蛇が咥えて、それが延々と上の方まで続いているらしい。一番下の蛇はくねくねと挑発するように身をくねらせた。
空は咄嗟に蛇を右手で捕まえた。すると、上で尾を噛んでいた蛇がパッと口を離し、掴まれた蛇はしゅるると空の腕に巻き付いた。
「うにゅっ!」
空は絡みついた蛇を投げ捨てると、連なっている蛇の一番下、つまりさっきまで尾を咥えていた蛇を掴む。するとその上の蛇が咥えていた尾を離して、掴んだ蛇は空の腕に絡む。その蛇を投げ捨てて上の蛇を掴むと、またその蛇は切り離される。
そんな事を繰り返しているうちに空は次第に穴の上へ上へと導かれ、ついには湯気を突っ切って穴を飛び出し、秋空の青をその瞳にはっきりと映した。
「おいおい本当に釣れたぞ」
「馬鹿というか単純というか……」
飛び出して来た空を見て、少女たちは呆れたような感心したような、曖昧な声を出した。
神奈子と諏訪子が何か投げつけようとしているらしいが、空がびゅんびゅん飛び回っているから狙いが定まらないらしい、「少し動きを鈍らせて頂戴」と言った。誰が行くか、と顔を見合わせかけた所で、魔理沙が箒に乗って浮かび上がった。
「やられっぱなしは性に合わないんでな、リベンジだ!」
そうして飛び回る空と同じようにびょうびょうと空中を飛び回る。諏訪子が、「あいつって噛ませ犬体質だねぇ」と呟いた。
「魔理沙、間違ってやっつけちゃ駄目よ」
「分かってるって! まあ、向こう次第だがな!」
空の方が暴走気味で、話を聞くような状態でないから、スペルカードルールに則った弾幕勝負は望めぬようである。しかしながら、霊夢や早苗は、魔理沙に加勢しようという気は皆無のようで、上空で飛び回る二つの影を、片や面倒そうに、片やはらはらした面持ちで見つめていた。
空は火の玉を出すだけでなく、自らも色の薄い炎をまとい、火の鳥の如く魔理沙を追い回す。魔理沙は箒でそれをかわしつつ、色とりどりの星をばらまく。星はちかちかと光りながら、空にまとわりついたが、空のまとう炎が熱いらしい、触れるそばから砂糖菓子のように溶けてしまった。
「魔理沙さんとは相性が悪いみたいですね」
「厄介ね。こっちは手加減しなきゃいけないのに、向こうは全力だし」
神奈子曰く、空をのしてしまうと、制御を失ったエネルギーがどうこうして、空を中心に大爆発が起こって幻想郷が焼け野原になる云々。
「この騒動が片付いたら、あんたらの発電計画は見直しね」
「わーってるよぅ」
「何にせよ、今までの発電システムは欠陥が多かったからね。新しいシステムを構築しないと」
その時、さっき霊夢に追い返されたと思しき里人の一団が、この騒ぎを聞きつけてがやがやと現れた。空中で暴れまわる二つの影を見て、面白いものに遭遇したとばかりに騒ぎ立てた。
「ありゃ霧雨の娘っ子ではないか」
「あちこちに首を突っ込んでると思ったら」
「しかしこれだけの事が出来るんじゃ、道具屋に収まるには勿体ない」
「スカートで空を飛ぶとは破廉恥だね」
「箒が燃えなきゃいいが」
騒ぐ里人たちを見て、神奈子が嘆息した。
「野次馬根性にも程があるわ。少しは怖がりなさいってのよ」
「あ、魔理沙さん不利です!」
早苗が指さす先で、魔理沙が襲い来る炎に四苦八苦していた。空はその翼から炎をまとった羽根一枚一枚を飛ばして、それらが魔理沙を囲むように飛び回っていて、魔理沙の星と押し合いへし合いしているらしい。
得意の火力を存分に発揮できないから、魔理沙の実力はほとんど半減していた。空の次なる一撃は、左腕の制御棒から吹き出すほとんど白に近い炎である。魔理沙は諦めたらしい、持ち前の逃げ足の早さで急降下し、そそくさと戻って来た。動き回った上に、炎に煽られてまたしても汗まみれになっていた。
「リベンジはどうしたのよ」
「それは任せた。どうも手加減なんていうのは苦手だぜ」
魔理沙は汗を拭って、悪びれもせずに笑った。それを見て里人どもがげらげら笑う。
「一番手だが、善戦とは言い難かったな、霧雨の」
「相手の手の内は明かせたのかい」
「本気でやっても勝てたかどうだか」
「図太い所は親父とそっくりだな、ワハハハ」
「やかましい。お前らこんな所に居たら火だるまになっちまうぜ」
魔理沙が言ったのとほぼ同時に、空の放った大きな火の玉が里人一行に直撃した。
「ぎゃあ、あちちちちちちち!!」
「あちちちちちちち!!」
「あちちち!!」
「らめぇええええええ! 熱いの感じちゃうのっほぉおおおおおおお!!」
燃え盛る里人たちは、「あっつい! あっつい!」と喚き散らしながら、近くの沢まで駆け下りて行った。
「あー……」
「やっちゃったねえ……」
「な、なんだよーっ、わたしのせいじゃないぞーっ」
「遊んでる場合じゃないわよ、早く誰か行きなさい、こっちを狙ってるじゃないの」
騒ぐ魔理沙を押しのけて、神奈子がせっついた。空がばらばらと弾幕をばらまいたので、少女たちは散らばって銘々に避けた。あちこちの木々に火がつき、ぶら下げられたネオンサインが砕けて、ぢぢぢと音を立てて光が消えた。「河童を呼ばなきゃ」と諏訪子が呟いた。
霊夢は早苗を見た。早苗はどうぞどうぞと譲るようなしぐさをした。さとりを見た。ふるふると首を振った。嘆息して、霊夢は浮かび上がった。
「スペルカードルールじゃなくて妖怪退治なら容赦しないからね」
下でさとりが、「殺さないでくださいね、手加減して上げてくださいね」と言っているが、聞こえないふりをした。
空は次なる相手を見て大はしゃぎである。暴れるのが楽しくて仕様がないという顔をして、早速攻撃を放った。レーザーのような、直線状の熱線である。
「あっつ」
避けるのは楽であったが、避けてもたいへん暑い。霊夢は早速汗をかいた。また着物がじっとりと肌に張り付いて来て、動きにくい事この上ない。
「面倒!」
霊夢は怒鳴ると、すっと目を閉じて体の両側に手を広げた。
「ルーミアの真似!?」と早苗が叫んだ。
「違う、夢想天生だ! 霊夢の奴、本気だぞ」
何か薄ぼんやりとした膜のようなものが霊夢を取り巻いたと思ったら、空の攻撃がするすると霊夢をすり抜ける。そうして陰陽玉が幾つも浮かび上がって、霊夢の周りをぐるぐる回り出し、そこから光の弾が生き物のように空を狙って飛び出した。
「うにゅにゅにゅ!」
空は弾をかわしながら反撃を加えるが、そもそも攻撃が霊夢をすり抜けてしまうのだから、反撃の態を成していない。
霊夢の光弾は空を追い回し、空は熱線や火の玉で相殺するが、光弾が次から次へと放たれるから、ついには霊夢に攻撃するどころか、防戦一方、迫りくる光弾をはじいたりかわしたりするだけになってしまった。一方的な展開に、見上げる少女たちはぽかんと口を開けた。
「うわあ、エグイですね……」
「無敵の上に、攻撃も自動で相手を狙うからな」
「ふぅん、それならエネルギーを使わせるという意味じゃ適任ね、このまま放って帰ろうかしら」
「待ってください、それじゃお空が可愛そうじゃありませんか」と、さとり。
「それにエネルギーがなくなる前に地獄鴉の方が力尽きたらどうすんだよ、爆発するんだろ?」と、魔理沙。
「冗談よ」と、神奈子は少し残念そうに肩をすくめた。
「それにしても、このままじゃ地獄烏を先に倒しちゃうんじゃないの」
「あり得るな、霊夢の奴考えなしだから困るぜ」
魔理沙が言った途端、陰陽玉からの光弾が一つすっ飛んで来て、地面にぶち当たって土埃を上げた。
「あっぶないなあ。もう!」
「聞こえてんのかよ、物騒な奴だな!」
そうこうしているうちに、空の方は疲れて来たらしい、焦りの色が目に浮かび、かけ声一閃、体を中心に放射状に熱線を放ち、迫りつつあった光弾をまとめて打ち消した。
「おお、ボムか?」
「隙あり、よっこらせー」
「そうれ」
イマイチやる気のないかけ声と共に、諏訪子が鉄の輪を、神奈子がしめ縄を放り投げる。両方とも空の左腕の制御棒に巻き付いた。
「えっ、何これ!?」
空は手を振って振り解こうとするが、鉄の輪もしめ縄も取れない。ならば火を出して燃やしてくれようとするも、何やら力が弱まったようで、火力もまるで心許なく、鉄の輪もしめ縄もびくともしなかった。それを見て、諏訪子がやれやれという面持ちで首を振った。
「ふう、これでエネルギーの出力は抑えられた筈だよ」
「成る程な。じゃあ霊夢を止めないと」
「霊夢さーん、ストップストップ!」
早苗が叫ぶと、霊夢はパチっと目を開けて、するすると下りて来た。
「やれやれ、ようやく幕引き?」
「さて、どうかな?」
空がどうなるかと面白そうな顔をして見上げる少女たちに、さとりがおずおずと話しかけた。
「あの……お空は大丈夫なのでしょうか、とっても困惑してるみたいですけど……あ、そうなんですね、じゃあ後はお空の攻撃をやり過ごすだけだと、はあ、分かりました」
「一人でしゃべくって、馬っ鹿みたい」
霊夢はふんと鼻を鳴らした。
「うにゅにゅ、このぉー」
空はいよいよ痺れを切らしたらしい、鉄の輪やしめ縄をくっつけたまま、左腕を構えた。熱線を撃ち出そうとしているらしい、先端に橙色の光の塊が集まり出した。
「元気な奴だな」
「避け続けるのも面倒ね、後はあんたたち何とかしなさいよ」
「毒を食らわば皿まで、最後まで付き合いなさいよ」
霊夢たちが押し合いへし合いしているうちに、空は充填が終わったらしい、今にも熱線を撃ち出しそうな格好をした。
その時さとりが叫んだ。
「お空、ばんざい!」
「はいっ、さとり様!」
普段命令される癖が出たのだろう、空は咄嗟に両手を上げた。同時に制御棒の先からポンと音をさして、妙なものがしゅるしゅると打ち上がったと思うや、どかぁんと花を咲かした。
「ありゃりゃ」
「花火だ」
花火は次から次へと空の左腕から打ち上げられた。どうやら止められないらしい、空は「わわわ、止まらないよぉ」と騒いでいる。
暮れかけた夕闇の空に大仰な音をさせながら、火と光の花が次々と咲いて、消えて行った。魔理沙が感心したように腰に手を当てた。
「おーおー、中々綺麗じゃないか」
「ああ、お空、あのままずっと花火の発射台に……あ、あらら……? 何だか楽しんでるのね……ならいいわ」
何やらきゃっきゃと笑いながら花火を打ち上げている空を見て、飼い主のさとりも放っておく事に決めたようである。木についた火は、騒ぎを聞きつけて現れた天狗と河童の一団が消し止めた。ネオンは電力が供給されなくなったからだろう、明かりが消えて、変に悲しげに黙っている。
「ともあれ、これで一件落着みたいですね!」と早苗が言った。
「ええ、後はあれでエネルギーを出し尽くしてしまえばいいわ。まさか花火になるとは思わなかったけど」
「秋の夜長に花火ってのも、風流でいいんじゃない」
にゃはははと暢気に笑う神二柱に、今まで黙っていた霊夢は無言で拳骨を食らわした。神奈子と諏訪子は予想外の一撃に頭を押さえてうずくまった。
霊夢は無表情のまま二柱の神を見下ろした。
「何か言う事は……?」
「すみませんでした」
「今度から気を付けます」
「よろしい」霊夢は傲然と鼻を鳴らした。「なら、打ち上げよ。酒持ってこい」
「お、そりゃいいな。虫の音に花火、妙な取り合わせだがありだな」
そうして、異変解決後の恒例とでも言うかの如く、宴会と相成った。酒は守矢神社から振る舞われ、天狗や河童も混じって賑やかな様相を呈した。
その時、先ほど燃え上って沢へと下った里人の一団が、アフロヘアーに全裸という出で立ちで現れた。そうして花火を見て「こいつは綺麗だ」と騒ぎ、そのまま宴会に乱入した。色とりどりの光に照らし出される、屈強な男たちの肢体。それを見た早苗は顔を真っ赤にして怒った。
「不潔です、やんやん!」
早苗さんぐうかわ。
これなら毎月守矢神社に行きますわ
・・・可愛ゆす!!
いつの間にか夏らしい暑さが終わり、ちょっと寂しくなってしまいましたねぇ
深刻なはずなのにほのぼのな空気の異変解決が幻想郷らしい作品でした。