目が覚めると私は『愚者(フール)』だった。
私の名前は……他にあったのは確かだが何故か今は思い出せない。
名前だけではなく、自分が何者であるかもいまいちハッキリしない。
分かることは、今私は『愚者』であるということだけだ。
ここはどこだろうか? 目の前の風景を見てみるが、自分の部屋ではない。
家具もなく、窓もなく、ただ暗く紅い部屋だった。
「目覚めたかい、『愚者』」
そう呼びかけたのは黒い大きな帽子を被った、見るからに魔法使いの……
――それは知っている顔だった、しかし何故か名前が出てこない。
ただ、彼女が意味するものだけは自然と言葉に出てきた――
「あなたは『魔術師(マジシャン)』」
そう、彼女は『魔術師』だ。
「『愚者』、お前が失ったものは確かに大きかった。
でもお前はそれを乗り越えなければいけない。
この扉を開けて進むんだ、そこにお前が求める答えがある」
なんですって? 失ったもの? 一体どういうことなのかしら。
「これは試練だぜ、『愚者』」
『魔術師』は『杖』を振りかざすと、扉が重い音をたてながら開いた。
試練だなんて、どうして私がそんなものを受けなければいけないのだろうか。
しかし扉は一つしかない、私がどう動くにしてもそこから出なければいけないようだ。
仕方ない、私は思い切って扉から出た。
そこは一面が花畑だった。
振り返るとそこに部屋、むしろ建物自体が影も形もなかった。
瞬間移動してしまったのだろうか、もしくは幻を見ているのだろうか。
「コンパロ、コンパロ……あら、あなたは『愚者』」
そこには見知った人形が踊っていた。どこで会ったかは忘れてしまったが名前は確か――
「あなたは『女教皇(ハイプリエステス』」
――思い出せないが、『女教皇』である事は間違いない。
「『愚者』、あなたはとても辛い思いをしたのね。
その辛さを私に教えてちょうだい」
辛い思い? 何のことを言っているんだろうか。
「代わりに、この『杯』に毒を盛ってあげるわ。好きな人に飲ませるといい」
彼女は金色の『杯』を差し出した、そんな物騒なものどうしろというのか。
生憎私は毒殺したい人間なんて居ない、この人形には関わらないほうがいいだろう。
私は『杯』は受け取らず前に向かって進み、花畑を後にした。
そこは林道だった。
なんだか不思議な所に来てしまった、引き返そうにも花畑は消えて道しか見えない。
……何がなんだか分からない、さっさと抜け出したいものだが。
「ふーしぎーのくーにーの、あーなーたは『愚者』♪」
そこには見知った夜雀が歌っていた。いつ会ったかは忘れてしまったが名前は確か――
「あなたは『女帝(エンプレス)』」
――そう、『女帝』だ。
「『愚者』、辛い時は気分を紛らわせた方がいいよ。
思いつめるのは良くないわ、深く考えても辛いだけ」
思いつめる? さっきの人形といい何の事を言っているのかさっぱりだ。
私は何一つ不幸のない気ままな人生を送っている。
無視して先に進んだ、後ろでは歌が聞こえていた。
そこは竹やぶだった。
もう後ろに森はない、どうも進むたび空間が完全に切り替わっているようだ。
それが幻なのか瞬間移動なのか、どんな原因なのかは分かる術も無い。
こうやって進んでいくしかないのだろうか。
「あら奇遇ね、『愚者』」
そこに居たのは、見知った黒髪の女――
「あなたは『皇帝(エンペラー)』」
――『皇帝』だ。
「『愚者』、やる気を出しなさい。
あなたには生まれ持った責任があるはずよ」
責任? 私が何か重い責任を背負っているというのだろうか。
何か重要な地位についていたのだろうか、はたまた何らかの宿命でもあるのだろうか。
そうだ、今は私は自分のことがいまいち思い出せない。
思い出そうとすればすぐ分かるような気もするのだが……思い出す気にならない。
何故か体が拒否をしている、記憶をひっぱりだすことができない。
この怪しげな世界といい、何か幻術でもかけられているとしか思えない。
私は考えながら先に進もうとした、後ろの人物はその場から動けないようだった。
代わりにその後ろから小さな兎が飛び出した。
「『法王(ハイエロファント)』?」
私は自然とその兎をそう呼んでいた。
「『愚者』、ここに居れば永遠があなたを縛る。
その方があなたにとって幸せだから、お奨めするわ」
永遠にここに居ることが私の幸せ?
冗談じゃない、私は記憶を取り戻して元の世界に帰るんだ。
私は兎の狂言に惑わされず無視して進んだ、後ろで兎は微笑んでいた。
そこは森だった。
どうもただの森じゃないような……おそらく魔法使いが住む森だろう。
魔法使いは侵入者を阻むため森に魔法をかけると聞いたことがある、誰にかは忘れた。
「あ~……、あんまり会いたくなかったんだけど」
目の前には人形使いが立っていた。
どうやら私は避けられていたようだ、理由は分からないが。
「あなたは『恋人(ラバーズ)』」
目の前の『恋人』は、あまり目を合わそうとしない。
「『愚者』、なんて言ったらいいか分からないけど
人形で良ければ作ってあげるわ。彼女の代わりになるかは……あなたしだいだけど」
彼女の……代わり?
どくん
心臓が高鳴った、胸が苦しい。私は大事なことを忘れている気がする。
私はもしかして大事な人を失ったのだろうか……?
誰だか思い出すことが出来ない、ただ目の前の人形使いには怒りを覚えた。
人形を代わりにしろって? 人形に想いを注げというのか。
彼女の代わりが人形につとまる訳は無いのだ、それだけは言える。
私は無視して進んだ、後ろでは人形遣いが人形と佇んでいた。
そこは草むらだった。
どんどん進んでいたのだが、虫がぷんぷん飛んでいてうざったい。
私は顔に止まった虫を叩き落した。
「こら! 『愚者』、虫達を苛めると許さないよ」
意気込んで飛んできたそれは、足をガタガタ震わせていた。
なんだ、私が怖いのか。
「『戦車(チャリオット)』、怖いのなら逃げなさい」
私は前に出て威嚇したが、『戦車』は頑にその場から動かず私に立ちふさがった。
「『愚者』、私は一族を束ねるものとして誇りがあるの。
あなたは同じ長として誇りはないの?」
長……? 私はそんな地位に居たのだろうか。
……そう思うとそんな気もするのだがハッキリしない……。
いや……違う……そうだ、私は地位のある者だった。
だから常に威厳を保って生きていくよう勤めていたのだ。
それが急に辛く……、辛く?
辛くなったのか? 何が原因で?
何かが足りない……もう少しで思い出せそうな気がする……。
私は殺生は止めて先に進んだ、後ろでは虫が腰を抜かしていた。
そこは人里だった。
どうやら人が住んでいるのだろう、手当たり次第尋ねていけば何か分かるかもしれない。
そう思って人里に入ろうとした時、目の前から人里が消えうせた。
「何をしにきた? ……『愚者』」
そうか、目の前に居る『正義(ジャスティス)』によって、なかったことにされたのだ。
「『愚者』、お前の中の歴史をなかったことにしてもらいにきたのか?
……それはお前のためにはならん、運命を否定するんじゃない」
『正義』は携えていた『剣』を私に手渡した。
「……それでお前を覆っている幻は解かれる」
そうか、これでようやく終わりなのか。
私が何を否定しているのか、気になるところだけど今はそれよりも脱出だ。
私は思い切り剣を振りかざした、すると空間に裂け目が生じた。
この世界そのものが偽りの世界だったのだろう、これで帰れるのだ。
私は裂け目に入り込んだ、後ろでは半獣が冷静に裂け目を見据えていた。
暗闇だった。
どこもかしこも先が見えない、まだ抜け出せていないのだろうか。
辺りを見回しても道は見えない。
ただ一つ、誰かが居るのが分かった。
その方向に進むと、そこには兎がうつむいて座っていた。
「『隠者(ハーミット)』……、こんなところで何を?」
『隠者』は私に気づいて顔を上げた、泣いているようだった。
「『愚者』、あなたは泣かないんですか?」
『隠者』は私に問う。
「私は泣かないわ」
私は応える。
「泣きましょうよ、辛い時は泣いていいはずです」
私の辛いことはなんだというのか、そろそろ教えてくれても良いのではないか。
「私は……罪を犯して逃げ出しました。
今でも罪悪感は募るばかりで辛いんです、独りでは生きていけません。
でも同じ辛さを持った方達と一緒に居るお陰でなんとかやってこれました。
それでも私があの方達に甘えて、逃げていることには変わりありませんが……
それの何が悪いでしょうか? 私に与えられた手段は逃げることしかないんですから」
『隠者』の言うことは私の心に重くのしかかった。
それは同情したわけではなく、共感……。
どくん。
そうだ、私は
逃げたのだ
現実から目を背けて
彼女の死から目を背けて
「……………っっ!!」
私は声にならぬ叫びをあげ『剣』を『隠者』に向かって振りかざした。
兎は音も無く、塵となって消滅した。
当然だ、これは全て幻。私が見ている幻なのだ。
これは私が作り出した世界、私が逃げ込んだ世界、全てを忘れた世界。
でもそれは綻んでしまった、私は思い出してしまったのだから。
その時私が持つ『剣』が砕け散り、闇が開いた――
そこは光だった。
辺り一面は真っ白で、先にも何も見えなかったが大事な人がそこに居た。
『運命の輪(ホイールオブフォーチューン)』、
名前は思い出せないがそんな些細なことはどうでもいい。
私は彼女の元へ走り、そして飛びついた。
だが私の体は虚しく空を切った、彼女には触ることが出来なかった。
……これも幻なのだから当然なんだろう。
彼女は既に死んでしまったのだ、原因は些細なことだった。
私は割り切れなかった、彼女と過ごした時間は忘れることは出来なかった。
運命を受け入れたくなかった、私は悲しみと辛さで一杯だった。
それなのに私の地位がそれを許さなかった。
私は辛さを隠して生きていかなければいけなかった。
そんなの耐えられなかった。
私は部屋に引き篭もり、食事も何もせず時を過ごしたのだ。
何もしたくない、何も考えたくない。
あれから私はハッキリと意識を持ったことはなかったかもしれない。
そしていつのまにかこんな世界を作ってしまったのだ。
「『愚者』……」
目の前に彼女は居るんだ、私は例え幻でも居てくれるなら共に過ごしたい。
『運命の輪』は私の心を読んだのか、静かに首を横に振った。
「……これから9人の人物が9つの問いかけをします。
その結果であなたがどうなるかが決まります」
そういったのは『運命の輪』ではない別の声だった。
声の主の姿は無く、どこからか響いてきているようだった。
……この声も、どこかで聞いた声のような気がするのだけど……
「あなたが何をさせたいのかは分からない。
でもどうでもいい、例え幻でも彼女が居てくれるなら……もう進まない」
2度と失いたくない、これでいいんだから。
『運命の輪』は、また首を横に振っている。
どうして? 何故?
次第に、彼女の持つ光が薄れ……消えていこうとするのが分かった。
やめて、もう、失いたくないのに、こんなに辛いのに……!
「……お願い……」
彼女は温かい目で見つめてくれるだけで、そのまま消えていった。
その場には『金貨』を残して。
『運命の輪』は消えてしまった。
……彼女は私と共に居ることを選んでくれなかった。
それが運命だからとでもいうのか?
私はその運命に耐えることなんかできやしないのだ、これからどうしろというのだ。
「死ねばいい」
耳元で囁いたその者は私の首を背後から締めた。
いつの間に……? 振り返るとスキマから手だけが出ていた。
「……っく」
私はその手を思い切り振りほどいた。
スキマから傘を持った妖怪『力(ストレングス)』は出てきてこう問いた。
「『愚者』、あなたの信念は何かしら」
信念? それがなんだというのだ。
以前はあったかもしれないが、もうそんなものは必要ない。
彼女が居なければ何もかもが無意味というものだ。
生きている意味も無い。
……そうか、私はもう死人と同然なんだ。
「あなたの生と死の境界は曖昧になっている、踏み込めばもう死は目の前なの。
あなたにはもう力が無い、心も体も弱りきってしまった。
このまま無様な生き恥をさらすの?」
……私はもうこれ以上生きていても仕方が無いか……それなら。
「諦めるんですか?」
その声は『力』ではない。
――目の前の『力』は姿を変え、二刀使い『吊るされた男(ハングドマン)』になった――
「『愚者』、あなたにとって彼女の死はなんだったのでしょう」
彼女の死。
それを失ったことで私の心には何も無くなった。
彼女の存在に私は全てを依存していたのだろう、何も出来なくなってしまった。
「あなたは彼女がどんな思いで逝ってしまったのか分かりますか?
仕える者の気持ちはあなたには分からないかもしれませんが
今のあなたはとても見ていられません」
彼女がどんな思いだったかなんてもう知る由も無い。
彼女は最後まで元気に、私に仕えてくれた。
互いに死なんて意識してなかっただろう
「しかし――」
『吊るされた男』の後ろから出てきたのは、扇を構えた『死神(デス)』だった。
「彼女は死んでしまった、それはどうしょうもない事実なの。
『愚者』、貴女はその彼女の死を受けてどうするの。
このまま留まっていても仕方ないものね、終わりにする?」
……そう、もうどうしょうもない真実は理解した。
終わりにするしかない、何もかも。
もういい、この問いかけも必要ない、瞼を閉じよう。
どこからともなく、さきほどの声が聞こえてきた。
「……『愚者』あなたは全てを放棄するのですね。
分かりました、それでは私があなたを無に還しましょう」
これでいい、私はここで終わるのだから。
―――ま……
既に未練も何も無い。
――さま……
これで苦しみも無い、平穏が戻ってくるのだ。
―うさま……
だんだん……意識も遠の……い…………て………………
――――お嬢様!――――
「!!!」
カッと目を見開き、私の意識は覚醒した。
この声の人物は『運命の輪』……、いや違う。
咲夜だ、私の大事な咲夜だ。
ようやく大事な人の名前を思い出した、私に生涯仕えてくれたメイド長の名前を。
ふと、先ほど拾った『金貨』を握り締めていたことを思い出した。
手を開いてみるとそこには『金貨』はなく、懐中時計があった。
死んでしまった彼女の形見の品だ、彼女が唯一残してくれた物だ。
「お嬢様」
『私の中の咲夜』が語りかけてきた。
「私はとても幸せでした、お嬢様もどうか幸せに生きてください」
……これは、咲夜が死ぬ間際に残した言葉だ。
そういえばこんなことを言っていたのだった、
あの時の私は錯乱していてほとんどまともに聞けていなかったみたいだ。
「……私はメイドとしてお嬢様に誠心誠意尽くすことが出来たと信じています。
最後にメイド長として言わせていただく事は……
私が残したものを無駄にしないで下さい、お願いしますね」
咲夜が残してくれた物――懐中時計――はその時にもらった。
咲夜の死因は病だ、いや寿命とでも言えるかもしれない。
おそらく咲夜の持つ強力な能力は、人間には不相応な代物だったゆえに、反動が大きかったのだろう。
そんな訳である日に急に倒れてしまい、医者の手も及ばずそのまま死んでいった。
突然のことだったから咲夜も私に残す言葉や形見を用意していた訳ではない。
だからは咲夜は咄嗟に、身近な大事な物を渡すことしか思い浮かばなかったのだろうが……。
そう、咲夜は私の幸せを最後まで願っていてくれた、最後に彼女が言ったことは――
「パチュリー様、どうかお嬢様といつまでも友達で居てくださいね」
――私の親友へ捧げた言葉だった。
……まだ私は死ぬわけにはいかない。
咲夜の懐中時計が私に僅かな勇気を与え奮い立たせてくれた。
せめてこの世界くらいは、果てまで行ってみせる。
誇り高き吸血鬼として。
「『審判』、続きの問いかけをお願い」
「……分かりました『愚者』、続けますよ」
私の目の前に現れたのは、角を生やした半獣『節制(テンパランス)』だ。
「『愚者』、お前は人々に害なす吸血鬼だ。
今の自身がどんな生き物なのか客観的に考えたことはあるか。
そして、それを受けてお前は何を思うか」
私は吸血鬼よ、間違いない。
だからなんだというの、野暮ったいわねぇ。
目の前の半獣は姿を変え、七色の羽を持つ『悪魔(デビル)』となった。
「『愚者』、何もかも壊してしまえば簡単に解決できるよ。
この世の全ては脆く、私達の手で簡単に壊せるわ。
さあ、解き放たれて自由にいこうよ」
確かに、やろうと思えばかなりの事が実現できる。
私や、妹、パチェ、メイド達、勢力は幻想郷の中でもかなりのものがあるだろう。
でもね、そんなことにはなんの意味も無いの。
『悪魔』の誘惑なんかにはのらないわ、今の私は――強い、逆に『悪魔』を抑えてやる。
目の前の『悪魔』は姿を変え、私を畏れぬ『塔(タワー)』になった。
「『愚者』、あなたたちの人生は一度きりよ。大事な彼女も2度と生き返らないように。
あなたの周りに人が居る限り、これからも同じことが起きるかもしれない。
あなたは来るべき不幸への対処は出来るのかしら」
それは……あまり考えたくないかもしれない。
でもおそらくもう無様にはならないわ、今の私には……、
というか
「お前なんかが咲夜の事を口にするな」
私は『塔』の元を駆け抜け、爪で切り裂いてやった。
『塔』は塵とも分からぬものに消滅して、そして
――復活した。
「『愚者』、あなたはなんだかんだいってまだ若い。
やりなおしがきくのは今のうちよ、人生を良く見つめ直しなさい」
そういって今度は自ら消えていった、なんだこのおせっかいな人間は。
……おせっかい、ねぇ。
咲夜がしてきてくれた事もたまに「おせっかいがすぎる」と思ったことはある。
彼女を疎ましく思うこともちらほらあった。
いなくなった今だからこそ思うが、それは全て優しさだったわけだ。
例えば彼女の立場なら、「人間を傷つける行為」なんてとても許さない気もしたが、
それについて咎められたことは全く無かった。
おそらく吸血鬼という私の種を理解し尊重してくれたからこそなんだろう。
彼女には、深く感謝しなければいけないと思った。
何も無かった風景がガラリと変わり、暗闇――夜空――になった。
そこには点々といくつもの星が輝いていた。
綺麗……ね、何か足りない気もするけれど。
「『愚者』、あんたはどんな希望を持っているのかしら」
気づけば目の前には『星(スター)』が居た。
「知ってるかしら、夜空に見える星にはすでに存在していないものも紛れているのよ。
それはね、星の光があんたの元に届くまでに凄い時間がかかるから。
目に見えている光は、実は全てが嘘の光なのよ」
そういえばそんなことを聞いた覚えがある。
結果的に見えてるんだからそれでいいじゃないって事で流したが。
「あんたが今持ってる希望って、どれも確かなもの?
いいや、確かな希望なんてどうやったって萃まらないよ。
あんたは持ってるのは全て偽りの希望さ」
「『星』、この世には希望なんてどこにもない……というのかしら」
「僅かにも無いね、『愚者』。仮に希望を信じてもそれは一方的なものさ。
見せられる希望はどれも過去の遺物、過去にすがったイメージでしかないんだから」
……確かに言っていることは正しいように聞こえる。
でも少なくとも、こいつは間違っている。
……『星』、鬼が先に人間を見限ってしまったのよ。
夜空にはいつのまにか大きな月があった。
そうだ、足りなかったのは月だった。
「『愚者』、貴女は誰のおかげで幸せに生きられますか」
そして目の前には『月(ムーン)』が居た。
「知っている? 太陽と月は反対のものとして比較されるけど決定的な違いがある。
太陽と違い月は自分で光を発することをしていない、月の光は太陽の光そのものなの」
それも聞いた覚えがある。
そもそも太陽の事なんてどうでも良かったから適当に流したが。
「貴女は一人では弱い。 どんなに強い人間でも弱い一面は必ずある。
それを埋めてくれる存在は誰か居るかしら? 感謝しているかしら?」
「……」
「居ないの? それとも誰が貴女にとってそういう存在か気づいていないのかしら。
貴女の存在は、他者によって初めて確立されたと意識できるものなの。
どんなに優秀な人間でも、自己存在意義は独りでは決して満たされることが無い」
「『月』、あらゆる万象は単体では価値は無いということかしら」
「ええ、ゼロよ。ただね、自己存在意義を満たすというのも結局は自己満足に過ぎない。
幻想を与えてもらって、幸せを見せてもらっているだけ。
貴女も、私も存在そのものが幻想であり結局価値なんて無いの。
誰にも価値を認識されない存在……それを理解しても幸せに過ごせるかしら」
……自分の価値は自分で決めるものだ、他人の評価とは絶対的に異なるのは必然だ。
そもそも価値の有る無しなんてナンセンスな話、生きることに関係は無い
でもこいつは、罪に縛られ、自分を殺しすぎて、自分を過小評価しすぎて、間違っている。
……『月』、共に罪を犯した貴女だからこそ姫を支え従者を守る事ができるのよ。
夜道を迷う人間の道標のようにね、独特の魔力を持つ月にしか出来ないことよ。
夜空が晴れて再び光にが訪れた。
いよいよこの世界もクライマックスが近づいているのを感じた。
そこには大きな太陽、そして『太陽(サン)』が現れた。
「『愚者』、あんたは誰かを幸せにしてる?」
……私が、誰かを幸せに?
そんなことは考えたこともなかった。
咲夜が死ぬ前は、人々には恐怖を与える事、
周りのものとは楽しく生きていくことくらいしか考えなかった。
咲夜が死んで、このおかしな世界に入り込んでから自分のことを良く考えた。
そこで私は自分は咲夜に与えてもらった幸せ、親友達の支えを受けていたことを実感した。
それについて感謝の気持ちも持った、が。
私は誰かを幸せにしてあげられていただろうか。
咲夜……死ぬ間際の言葉では「幸せでした」と言ってくれた。
でもそれが私のおかげである、とはハッキリ言っていない。
……私がいくらか咲夜の幸せに貢献できたと信じたい……が実際にはもう分かることは無い。
「太陽の光は全てを照らすわ、物が良く見えるし、それに暖かい。
夜と違って見渡せばものがはっきり見えるし、洗濯物だって乾くし、昼寝にも丁度良いわ」
そう言われても私にはいまいち実感できないが……まあ気持ちは伝わってくる。
「今まで色んなことを考えてきたでしょう、生きていればいろんなことがあるわ。
面倒くさいことや災難に遭ったり、悲しんだり辛くて落ち込んだり……本当、疲れるわよねえ。
そのためには休息が必要になるわ、心の休息ね。
人によってそのやりかたは違うけど、お茶を飲むとか……まあ要するに安らげる環境を作るって事」
「私の場合は、紅茶を飲むことかしら。……いや、皆と紅茶を飲むことかしらかね」
まあ独りだとつまらないしね。
「誰にでも休息ってのは必要だけど、それを忘れて焦って行動しちゃうやつもいるのよねぇ。
常に心に余裕を持たないとね、そうやって周りのものを冷静に判断するの」
「『太陽』、そのくらいのことはやってるわ」
「あらそう? でもあんたの場合は周りのものが心休まることなく大変だったんじゃないかしら」
「いいえ、そんな事はないわ。
メイドとか働くものが忙しいのは当然として、でも休息はちゃんと与えているし
親しいものとは紅茶を飲んでゆっくりと過ごしているから」
「じゃあ、彼女が死んでからは?」
「……まあ周りには迷惑をかけたかもしれないわね」
色々と、当り散らしたりもしてしまった気がする。
メイド達も私の変貌振りに戸惑ってしまっていただろう。
「『愚者』、あんたは良くも悪くも周りのものに多大に影響を与える存在なの。
それはあんたが意識していてもいなくても、ね」
確かに、それは人の上に立つものとして気をつけるべき事柄のひとつだ。
下のものに示しを付けなければいけない、威風堂々と。
「太陽は人々にとって必要な存在よ。でもしっかりと見つめるものはいない、眩しいから。
でも太陽が出す光は敏感に感じることができるわ、雲がかかればすぐ気づくしね。
……生物は皆そう、存在そのものは確かにあるし大きい。
でも実際にそれぞれ全てをきちんと個々の存在として捉えて生きている者は居ない。
実際に個々として認識されるのは、とても曖昧なものなの。
それはなんだと思う?」
「……その者のもつオーラ……カリスマってところかしら」
「不正解」
「じゃあ、純粋な能力や、それらから導き出される客観的な意味合いでの価値」
「不正解」
「なんなのよ」
「太陽は、どうして太陽なのかしら」
「大きくて、明るいから」
「正解は、太陽だから」
「……意味が分からないわ」
「あんたがあんたなのは、あんただから。
仮に私があんたを太陽だと思えば、あんたは太陽になる。あんたは太陽だから。
理論的に考えればあんたは太陽じゃないかもしれないけど、そんな細かいことはいいのよ。
あんたの存在は、あんたを知る者の数だけ、存在をそれぞれ定義される。
それを周りのものに定義させること自体が強く生きている証になるのよ」
「あなたの口からこんな哲学な話をされると思わなかったわ」
「言うわね、『愚者』。
さて最初に戻るけど、あんたは誰に大事な存在に思われてるかしら」
……親友の顔が思い浮かんだ。
「それじゃ、私は消えるから」
『太陽』は言うだけ言って去っていった。
……『太陽』は不思議な魅力があって、多くの人に好かれ必要とされている。
だがあの『太陽』は特に周りのものを必要としていない。そこが私とは全く違う、吸血鬼よりも冷たい奴だ。
私を本当に慕ってくれるものは多くは無いが……私は同様にその者を慕いたいし強く慕われたい。
「さて――聞きましょうか『愚者』」
あの声の主だ。
もうコレが何を意味するのか分かっているが。
「『愚者』、あなたは惨めな人生を終え死ぬことを決意したのですか?」
「いいえ、『審判(ジャッジメント)』。
私は吸血鬼として人間に恐れられる存在として生きていくわ」
「貴女はこれから生きていくというの?
彼女を失い、何もかも失ったというのに」
「いいえ、『審判』。
彼女は大切なものを色々残してくれたわ、だから私はまた踏み出せるのよ」
「彼女のことを忘れるのですか?」
「忘れるわけは無い、けれど束縛もされない」
「貴女は孤高の存在、吸血鬼。
そのことに負い目は無いのですか?」
「あるわけないわ、『審判』。
私は誇り高き吸血鬼として生きていく」
「では吸血鬼として、多くの人を襲い、殺し、生きていくのか」
「それもないわ、『審判』。
私の趣味じゃないし。まあたまにやるかもしれないし、血は吸うけど」
「今回のような事がまた起きても、あなたは耐えられますか?
そして、自制できますか?」
「できるわ、『審判』。
私を慕ってくれる者が居る、それが……確かな自信になるのだから」
「……貴女にはこれから確かな希望も無い。
この絶望の中どうやって生きていくというのか」
「それは違うわ、『審判』。
生きていることこそが希望なのよ。
可能性の問題ね、ゼロじゃなければそれにすがればいいの。
私が誰かに支えてもらって生きているように、私も誰かを支えましょう」
「――良く分かりました、『愚者』」
そう、私は私らしくあればそれで良かったのだ。
純粋に、素直に、一生懸命生きれば。それが幸せに生きるということなのだ。
「判定を下します。貴女は……96点です、お疲れ様」
意識が覚醒していくのが分かった、この世界が音も無く崩壊していく様子も。
これで元の世界に帰れるのね……、嬉しいけど一つ不満。
「満点じゃないのね――」
目を開いた。
天井が見えた、この天井はもう見飽きた。
ここは私の寝室だ、間違いない。
私はようやく元の世界に帰ってきたのか、ということはあの世界は夢だったのか?
「……目が……覚めたのね」
私に優しく言葉をかけてくれたのは……大事な親友だ。
「おはよう、パチェ」
私は軽く体を起こして彼女を見た、少し疲れているようだった。
……ずっと私に付き添っていてくれたのだろうか。
いや待って、私はいつから眠っていたのかしら。
「レミィ、まだ意識がハッキリしてないかもしれないけど聞いて。
貴女はあれから……暴れて、泣き叫んで、喚いて、それで部屋に塞ぎこんで……
私たちの声も届かず、手の付けられない状態だったの。そこまでは覚えてる?」
「ごめん、あんまり……」
あの時は冷静じゃなかった、傍目から見るとやはり相当酷かったのね、私。
「とても見ていられる状態じゃなかったから……3日前の新月の日、
貴女が眠っている間に術をかけさせてもらったわ」
「術?」
そういえばベッド全体に魔方陣が書かれていることに気づいた。
「“Judgement of Arcana”、対象の精神力を成長、復活させる禁術よ」
「そう、つまり私が見ていた夢は、パチェによるものだったのね」
あの世界はパチェが作り出したものだったとは、全くこの親友には恐れ入る。
「そういえば、『世界(ワールド)』が出てこなかったわ、出し忘れたの?」
「レミィが見た夢の内容は私には分からないわよ、私は関与していないから」
「え、そうなの?」
「この術は、対象を『愚者』にして様々な者との出会いで成長させるものなの。
基本的には対象の持つ知人のイメージから配役をあてはめて世界が構成される。
まあいわば対象は『愚者』であり『世界』であったのよ」
つまり全ては自問自答だったということなのか?
一応理にかなっているわね、一番完璧な解決になるだろうし。
「まあなかなか便利な術よね、どうして禁術なんて大層な扱いなのかしら」
「失敗すると対象が精神崩壊し死ぬから」
ぶっ
口に水とか含んでいなくて良かった。
「さ、さすがはパチェね。平然と友を殺せるなんて」
「どういたしまして、って私は貴女の苦しみ方があまりにも酷かったから……
殺してでも楽にしてあげたかっただけよ、あんなレミィは見ていられなかった」
「殺すのがメインだったみたいな言い方しないでくれる?」
「まあ自信なかったし」
「おいおい」
分かってる、彼女の優しさは。
いやそれどころか、辛い私を楽にするために
友を殺させるというという辛い選択肢まで与えてしまった。
「本当に迷惑を……かけたわ、ごめんなさい」
「いいっこ無しよ、レミィ」
私は本当に良き親友をもったものだ、幸せな身だ。
「それよりこれから大変よ、レミィ。
亡くなった彼女の代わりのメイド長を選んだりしないといけないしね。
……まだ辛いようなら私がサポートするわ」
「ああ、それは平気よ、間抜けな咲夜のためにも落ち込んでいられないわ」
「間抜け?」
「ええ、だって彼女にもらった懐中時計」
手元に握り締められていた懐中時計を開き、見せる。
「動いていないんだもの」
その時計は確かに止まっていた。
「止まってるわね……不思議ね、そう壊れるものでもないと思うのだけど」
「でしょう、謎よね」
「……ねえ、レミィ。これは私の推測でしかないけれど……
きっと、咲夜は自分の懐中時計の時を止めて渡したのよ。
時計はもう動かない、けれどこうやって時計を覗けば動いてた日々を思い出すことができる。
彼女も貴女にとってそうありたかったのよ、彼女のメッセージね」
「詩人ねえ、パチェ」
「どういたしまして、レミィ」
もし本当にそうだったとしたら……、いや例えそうじゃなくても
そのメッセージに気づけていたらこんな大事にはならなかったのかもね。
ぽたっ
「あれ?」
ぽたっぽたっ
しまった、涙が流れているのか。何をやっているんだ私は。
彼女のためにも強く在らなければいけないのに……!
ふわっ……
「パチェ?」
「レミィ、貴女はあれから泣かなかった。
誇り高くあろうとして、それでも辛くて、どっち付かずで精神が追いつかなかった。
無理して溜め込みすぎたのよ、今くらいは思い切り泣いていいと思うわ」
ぽたぽたぽたっ
もう……駄目、何も考えられない……。
「ぅ……ううぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
パチェが抱きとめて、肩をさすってくれる。
私は思い切りその好意に甘えて、ただひたすらに泣いた。
「……」
「……」
パチェは何も言わずに寄り添い続けてくれた。
私が落ち着いて、言葉が出てくれるまで、それまで待っていた。
「ありがとう、パチェ。もういいわ」
パチェはにっこり微笑んでくれた、本当に本当に、いくら感謝しても足りないだろう。
「レミィ、妹様や魔理沙も皆も心配してたから、その元気な笑顔を見せてあげてね」
「ええ、分かったわ」
私はにっこり微笑み返した。
「それじゃあ私は戻るわね、じゃあまた」
そういってパチェは諸々の本、そして食器を片付けて部屋を出る準備をした。
そうか、三日前からずっと居てくれたんだっけ。
彼女も相当疲れてるだろう、正直なところもうちょっと居てほしかったのだが。
引き止めるわけにも行かない、黙って見送ろう。
……あれ?
酷く違和感を感じた。
彼女が持っているものの中に、夢の中で見た覚えがあるものがあった。
それは金の『杯』だ。
「パチェ、その『杯』は――」
彼女は一瞬振り返り、一言だけ言って、部屋を去った。
「レミィ、死ぬときは一緒よ」
文章に力がありすぎて読むの疲れた( ´Д`)
もうちょっと改行が多くてもいいかも
ええ、とても……。
こんな紅魔組は理想ですネ♪
締めも興奮しました。
最後の締めも良く、いいものを読ませて頂きました。
タロットの名前が出てくるたびにジョジョの奇妙な冒険がちらつきましたが_| ̄|○
薬によって取り戻せる健康も正しさは無い。
心も体も、虚構に騙されていると気付いた時程、何かを探ろうと躍起になる。
自分の正位置を見つけられるのは、いつだって自分でしかない。
薬は所詮まやかしの偽り、多すぎる薬は、真(シン)を殺す毒となる。
金の杯は禁の杯。 毒を持って独を制す・・・・・・。
だからこそ、二人の静かな友情が、今は真でありますように。
筆主様の見事な言の葉の匠に、心より酔わせて頂きました。
真ボス倒せねぇ・・・
実力の差を感じた・・・_| ̄|○
深い話ですね。色々考えさせられました。
そして何より締めが旨い。
ちょっと読みづらかったですが、何はともあれGJです!
詩的表現と暗喩、アルカナの背景えお認識してあるため、時間が過ぎるのを忘れさせる程面白かったです。
しかしクラブは…、出しようがなかった様子で。
したらばの門板にもこのようなタロットスレがあり語り合いがありますが、それともまた違う。
なんともミステリアスでした。
できれば「嬉しいというより戸惑っています」と言いたいのですが、普通に歓喜してます(笑
色々な賛美の言葉に本当に嬉しく思い励みになっています。
>>こんな紅魔組は
ちゅうご(ry。ちなみに彼女はレミリアに意識されてなさそうな存在だと思ったので居ません
>>ジョジョの奇妙な冒険がちらついて
私も似たようなもんです、自分の場合はジョジョよりエンドセクターでした。
>>締めがうまい
最初に思いついたのが締めですから(笑。
締めが書きたいがために、いかに締めを際立たせるかを考えたのです。
そしてタロットやらの重く暗喩的な表現で盛り上げようと思ったので……。
>>クラブは…
こっそり『魔術師』が振っています(笑。
まあ自分もどこで出すか一番迷ったのがコレなんで、無理やりで適当です。
>>タロットスレ
後で見に行って見ます。
>>塔って誰?もこ?
もこです。ここで言うのも何なのですが自分は永夜キャラはまだ深い思い入れが無いんですよね。
好きじゃないとかでなく、自分の中で「キャラが立ってない」とでも言うのでしょうか。
ので味が薄かったり、魅力を引き出せていない可能性は多々あります。
重い話ならではの読みにくさの指摘は「若干あるくらいがちょうどよい」と思ってたのですが
でもちょっとやっぱり読みにくすぎたようですね……。
ただ「雰囲気を壊さない程度に読みやすくする」事は自分にはいじり方がわかりませんでした。
ここらへんが素人の限界ってやつですね、とりあえず意識するようにします。
私にタロットの知識が全く無いのが残念ですが、素晴らしい出来だったと思います。
締めがたまらなくナイス。親友っていいなあ。
出来ているか不明ですが。
心理療法の一環として、自分の中の対象物のイメージと徹底的に対話させる事
で自己心理の奥底を探る手法がありますが、そこにあるのは決して綺麗なもの
とは限らない。それは正に両刃の剣。レミリアは乗り越える事ができたのです
けど……
間違えてたらすいません。もしかして「金の杯」は使用済だったりします?
感動をありがとうございます!!
流れるように詠うように進む物語に、最後の〆の見事さ加減が絶妙でした。
大満足の一本です。
エンデの闇の考古学(だったかな?連作短編みたいなの)を読んだ時のような。
これを読んでいる間、『愚者』とともにあの作られた世界を旅していました。
とりあえず一言だけ言わせてもらうなら、ただ「ありがとう」とだけいいたい。
何を言ってるやら・・・間違いなく5000は超える。(ニヤニヤ
それはともかく素晴らしい内容でした。
咲夜が死んでお嬢様が発狂するというSSはここでも何作か読んだことがありますが、その中でも非常に素晴らしい出来だと思います。
パチェの友人を想う気持ちがすごく暖かくて感動(つwT)
覗けば,でしょうか?
最後のパチュの一言にクラッときました。
余談ですが、短剣・杖・杯・金貨ですが、たまに杯と金貨がごっちゃになる私・・w だってDiskとcupっていうし~(TДT
まぁ、この辺は 魔方陣 や 聖杯 って所で妥協してます^^;w
このSSはうまくそれを使ってるなぁ
そういえば「愚者」には「精神状態の不安定」という意味も有りましたっけ
「世界」は「勝利」という意味があるけどこれは自分への勝利ということか?・・・奥が深い
鳥肌がたちました。私は満足しましたよw
最後のイレギュラー的な締めが良い感じに際立っていました。
上手い。この一言以外ありません。
STRENGTH、THE HERMIT、WHEEL of FORTUNE、JUSTICEの順番を
変えていますがそれもなにか意味があるのでしょうか?
素晴らしいお話をありがとうございました。
GJでした。
いいえ、半月も三日月もどれも正しい月のはずよ」
「でもより完璧な月が満月なのは間違いないでしょう?」
「ではもし皆に『月を書いてごらんなさい』と言ったらどうなるかしら。
満月を書くものの数、三日月を書くものの数……その値こそが答えよ」
>>床間たろひ氏
怖い、とお褒めの言葉ありがとうございます。
杯に関しては『私は未使用と定義しています』とお答えします。
ですが使用済と解釈してくれた事には感謝しています、
貴方の様な読者が居てくれるのは作者にとってはとても嬉しいことです。
>>紅狂氏
『ウエイト系タロット』をご存知ですか?
100年前に広まったソレは、氏の言うとおり力が先に来て正義が後になります。
元の『マルセイユ系タロット』と言われるものは正義が先になります。
ってパチェが言ってた
>>haze氏
指摘ありがとうございます、修正しました。
点数が異様に高いんですが……、これは次回作への超重圧攻撃ですね。
レミパチェの友情だけは俺の中で譲れないんですよ!!GJ!!!
あとやっぱ霊夢はそんな感じですよね
都合3回読み返し、その度に新たなる発見があり……間違っていたとはいえ
楽しい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございます。
正直、タロットや魔術はJOJOレベルのアンポンタンですが奥が深い世界
ですね。
二度の書き込みで点数を入れて良いのか解らないので、気持ちだけでも。
つ90点
力強い文章で非常に魅力的だったと思います
まさか初作で6000点行くなんて……例え題材が良かっただけだったとしても素直に嬉しいです。
イメージMIDI作ってみました
th2_0056.zip
大層なものじゃありませんが、雰囲気の高揚に役立つ、かもしれません。
まあこのレスに気づいてなおかつ暇な人だけが利用してみてください。
それではこの作品についてはこの辺で、また次回宜しくお願いします。
他のヒトが言ってるけど『塔』だけ妹紅とのイメージが繋がらなかったです。いいけど。
タロットに詳しいヒトならなんとなくでも楽しめる作品だと思います。
あとはやはりパチェが。静かに熱い友情が。
文句無し!最高です!
主人公が咲夜かと騙されたうちの一人です_| ̄|○
個人としては『審判』がわからなかったんですが、パチェで正解なんでしょうか?
タロットに絡めた話は大好きですw 金の杯のラストも綺麗に纏まっててこのみでした
バッドエンドだとああ使われちゃってるんですけどね……あっちで紅美鈴が出ないのはそういう理由だったんですか
『塔』だけ最後まで分かりませんでした…orz
タロットを使った話の展開がうまかったです
レミリアの精神的成長がとてもよく実感できました
最後もよかった。パチュリーの気持ちがよく伝わりました
ちなみに「塔」はちゃんと分かりました。むしろ「太陽」がなかなか分かりませんでした。もう一回読んだらあっさり分かりましたが
素敵なSSありがとうございました。
タロットカードの運命とレミリアの運命を重ねるとは
奥深い作品です。
>>6
なにそれ
すてき