Coolier - 新生・東方創想話

東方童話 『うさぎとかめ』

2005/09/25 06:13:43
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むか~しむかし、あるところに、足の速いウサギがいました。
ウサギはそのことを、自慢気に思っていました。

    鈴仙「って、私がウサギ役って言うのも安直過ぎよね。」

そんなウサギとは逆に、大変足の遅い動物がいました。
カメです。
ある日ウサギは、カメをからかってやろうと思ったのです。

    鈴仙「う~、何か嫌な予感がする~・・・。」

何故か妙な胸騒ぎを覚えつつ、ウサギはカメの所へ行きました。

    鈴仙「もしもしカメよ、カメさんよ。」
    輝夜「なに?」
    鈴仙「わ~~~!?姫ぇええ!?」

ウサギはびっくりしてしまいました。

    鈴仙「な、なな・・・、何で・・・?」
    輝夜「それはね。ウサギとカメだからよ。イナバ。」
    鈴仙「い、いや・・・。わけが分からないんですけど・・・。」
    永琳「姫の名前、それは何だと思う?」
    鈴仙「へ?あ、師匠。」
    輝夜「あら、動物A。」
    鈴仙「・・・A?」
    永琳「そう。今の私は、お前の師匠では無い。ただの、動物に森の動物Aよ。」
    鈴仙「は、はぁ・・・。」

ウサギがびっくりしているところに、別の動物が現れました。
カメが言うには、動物Aだそうです。

    永琳「姫の名前は輝夜。そう、『かぐや』。決して『てるよ』では無い。」
    輝夜「『てるよ』は余計よ、動物A。」
    永琳「つまり『かぐやひめ』。それを略すと、そう!『かめ』になるのよ!」
    鈴仙「そ、そんな滅茶苦茶な理由で~!」
    輝夜「まあ、そういうことね。」

その無理矢理さ加減に納得は出来ませんが、ウサギは逆らうことが出来ません。
渋々、『そーなのかー』と思うことにしました。

    鈴仙「思わない!思えないってば!」
    輝夜「で、ウサギさん。さっきは何て言おうとしたのかしら?」
    鈴仙「あ~、いや、何でもないです、さようなら。」

ウサギは怖気づいて、帰ろうとしました。
しかし。

    永琳「・・・・・・。」
    鈴仙「・・・・もしもし師匠、お師匠さんよ。」
    永琳「なあに?」
    鈴仙「何ゆえ私の目の前で、弓を構えておられるのでございますでしょうか・・・?」
    永琳「何を仰る優曇華院。それはお前が逃げないようにするためよ?」
    鈴仙「・・・。」

カメが言うところの動物Aが、ウサギを脅しています。
このままではウサギは、カメが言うところの動物Aに殺されてしまいます。
ウサギは仕方なく、カメに話しかけました。

    鈴仙「・・・も、もしもし、カメよ、カメさんよ・・・。」
    輝夜「何でしょう?」
    鈴仙「き、今日もお美しいですね・・・。」
    輝夜「あら、そう?正直なんだから。」
    永琳「・・・ふ。」
    鈴仙「(びくっ!)」

ウサギの後ろで、ギリギリッ!という音がしました。
カメが言うところの動物Aが、後ろで弓の弦を引いたようです。

    鈴仙「そ、それとですね・・・。」
    輝夜「なあに?」
    鈴仙「な、何ゆえ、そんなに足が遅いので・・・いらっしゃい・・・。」
    輝夜「・・・。」
    鈴仙「い、いらっしゃいますで・・・ございましょうか・・・?」

ウサギはカメに向かって、足が遅いことを馬鹿したようなことを言いました。

    輝夜「ふ、ふふふふふ・・・。」
    鈴仙「ひっ・・・!」
    輝夜「あは、あははははは!何を仰るウサギさん!何?!何を!何を言ってるの!?あはははは!」
    鈴仙「ひええ~!し、ししょお~!」

いつもは大人しいカメも、このウサギの言い草に、遂に怒りが爆発しました。
その怒りは凄まじく、馬鹿にしたウサギも圧倒されてしまいました。
ウサギは、動物Aに泣きつきました。

    輝夜「誰がこの世で一番足が遅い、ですって?誰が引き篭もり?誰がニート?
       誰がてるよ?てるよって誰?誰なのよ!?てゐよ?何それ?わけがわからないわ!
       何を言ってるのウサギさん!!私は『かぐや』、輝く夜と書いて輝夜なのよ!
       ふふ、あはは、あははははははははははは!!面白いこと言うわねえ!ウサギさん!」
    鈴仙「あわわわわ・・・。そ、そんなことまでは言ってな・・・。」
    輝夜「面白い!実に面白いわ!そこまで言うなら、お前とあの小山までかけっこで勝負してやるわ!
       どちらが先に力尽き、倒れるか!決着をつけてやる!競争?そんな生温いものじゃないわ。
       これは闘争!そう、殺し合いよ!ふ、ふふふ・・・あはははははははははははははははは!!」
    鈴仙「かけっこなのに何で殺し合いになるんですか~!!」

怒り狂ったカメは、ウサギに勝負を挑みました。
その内容とは、すぐそこの小山の頂上まで、殺し合いながら競争すると言うものでした。
競争するだけならウサギは自信満々ですが、『殺し合い』と聞いたウサギは、
すっかり腰を抜かしてしまいました。

    鈴仙「師匠!何とか言ってください~!」
    永琳「ウドンゲ・・・、いえ、ウサギさん。」
    鈴仙「は、はい!」
    永琳「貴方は姫を怒らせた。」
    鈴仙「『オラオラ』を喰らえって言うんですか~!?」

動物Aにも見捨てられ、ウサギの退路は断たれました。
と、言うわけでウサギは、カメとかけっこで競争することにしました。

    輝夜「ふ、ふふふ・・・。ふふふふふ・・・・。」
    鈴仙「姫がぁ~・・・。何かキャラ違うよぉ・・・。」
    永琳「これが姫の本性。そう思い込んでみなさい。全然、不自然じゃなくなるから。」
    鈴仙「は、はい。・・・・・・・・わぁあああ!恐いよぉおおお~!!」
    永琳「あらあら、想像力豊かね。将来有望だわ。」

ウサギは何か、とんでもないモノを幻視してしまったようです。
ウサギの、身はともかく心はもうボロボロです。

    鈴仙「し、師匠・・・私が生き残るには、どーすればいいんですか・・・?」
    永琳「何を仰るウサギさん。貴方はウサギなのよ?」
    鈴仙「・・・と、言うことは適当な所で寝てればいいんですよね?」
    輝夜「この戦いに一切の手加減は無用よ?わかってるわね、ウサギさん?」
    鈴仙「・・・・・。」
    輝夜「万一、その背中が見えた時には・・・。漏れなくブリリアントドラゴンバレッタをプレゼント。」
    鈴仙「・・・・・。」
    輝夜「ね・ら・い・う・ち♪」

早速ウサギとカメは、スタート地点に並びました。

    永琳「よーい・・・スタート!」

動物Aが、スタートの合図を出しました。

    輝夜「えーりんがーくれたーこの身体♪無駄にーしてはー罪になるー♪
    鈴仙「うわあああああああ!!」
    輝夜「難題解けたー男だけー♪この手に触れてもかまわないー♪・・・あら?」

スタートの合図と同時に、ウサギは全速力で走り出しました。
走るのが速いことが自慢なだけあって、ウサギはあっと言う間に見えなくなってしまいました。
カメは、スタートダッシュで送れてしまいました。

    輝夜「あはは~、待て~。こ~いつぅ~。」
    永琳「青春ねぇ。若いっていいわ。」

ちょっと遅れて、カメも走り出しました。
でも、物凄く遅いです。
果たしてカメは、無事にゴールできるのでしょうか?
今、血で血を洗うかけっこの火蓋が、切って落とされたのです。

 ・
 ・
 ・

    鈴仙「はぁ・・・はぁ・・・。こ、これだけ離せば、大丈夫よね・・・。」

ウサギは後ろを振り向きましたが、カメの姿は見えません。
カメの足の速さを考えれば、今からなら歩いてゴールに向かっても、余裕で勝てます。

    鈴仙「あ~、とりあえず休憩しよう・・・。」

とりあえず、ここまで全力で走ったので、ウサギはもうクタクタです。
その場によっこらせと腰を下ろし、あたりを見回しました。

    鈴仙「あ~、お花畑が綺麗ね。」

見ると綺麗なお花畑があり、ウサギの心を和ませてくれます。

 メディスン「コンパロコンパロ~。毒よ集まれ~。」
    鈴仙「ってそこ!何やってんのよ!」

そこに水を差すかのように、森に住む動物Bが現れました。
毒を集めることの出来る、新種の動物です。

 メディスン「何って・・・。ん~、命の洗濯?」
    鈴仙「何でこんな所でやってるのよ!」
 メディスン「何でって言われてもねえ。ここ、スーさんがいっぱいだもの。」
    鈴仙「へ?」

よく見ると、そこは何と鈴蘭の畑でした。
鈴蘭は毒の花なので、このままここに居ては、ウサギの身体は毒に侵されてしまいます。

    鈴仙「ああああ・・・、気付いたら身体がしびれてきたあ・・・・。」

絶体絶命の大ピンチ、命の危機です。
このままでは、ウサギは死んでしまいます。
と、そのときです。

     ?「ガスマスクー、ガスマスクは~いらんかね~?」

何やら声が聞こえてきました。

    てゐ「毒花の花粉、毒ガス、某妖怪の靴下まで~。毒を未然に防ぐガスマスクはいかがかね~。」

ガスマスクを持った動物が現れました。

    鈴仙「て、てゐ・・・。一体何やってんのよ・・・?」
    てゐ「あら、今の私は因幡てゐではなく、森に住む動物Cですけど?」
    鈴仙「そーなのかー。・・・じゃなくて・・・ああ、痺れるぅ・・・。」
    てゐ「大変だねえ。ガスマスクはいかが?」
    鈴仙「い、一個頂戴・・・。」
    てゐ「へい、毎度~。一個百万で。」
    鈴仙「高いわよ!」
    てゐ「命が助かるなら、一億でも十億でも安いもんだと思うがね。」
    鈴仙「そんな、某闇医者みたいな台詞、何処で覚えたのよ・・・。」
    てゐ「で、どうする?死んでも知らないよ~?」
    鈴仙「・・・ください。料金は後払いで・・・。」
    てゐ「へい、まいど~。」

法外な値段ですが、背に腹は変えられず、命がかかっている状況です。
ウサギは泣く泣く、動物Cからガスマスクを買いました。

    鈴仙「う゛~・・・、こんな、安っぽい白いマスクが百万だなんて・・・。」
    てゐ「砂漠なら、水でも貴重品。」
    鈴仙「わかってるわよぉ・・・」

ガスマスクは、よく台所で使われるような白いやつでした。
それでも効果はあるらしく、ウサギは動けるようになりました。

    鈴仙「ふう、ここには長く居られないわね。先を進まなきゃ。」

さっさと進まなければ、カメに追いつかれてしまいます。
ウサギは、先を急ごうとしました。
しかし、

    鈴仙「・・・・うあ・・・。」

ばたっ、とその場に倒れてしまいました。

    鈴仙「な、なんで・・・。」
    てゐ「あら~、手遅れだったみたいだね。毒が回りきってる。」

どうやら、身体に毒が回りきってしまったようです。

    鈴仙「ふ、防げるんじゃなかったの・・・?」
    てゐ「だから~、手遅れだってば。もっと早く買っておけば、こうはならなかった・・・と思う。」
    鈴仙「そ、そんな~・・・。」
    てゐ「で、丁度都合よく、ここに解毒剤があるけどぉ?どうする?」
    鈴仙「・・・いくら?」
    てゐ「五百万。」
    鈴仙「・・・・もっと安く。」
    てゐ「三百万。」
    鈴仙「・・・・もっと。」
    てゐ「何だかんだ言って、結構余裕あるね。二百五十万。」
    鈴仙「・・・い、いや、もう、む、無理・・・い・・・。でももう一声。」
    てゐ「二百万。これ以上は下げれないね。」
    鈴仙「・・・・・くらはい(下さい)・・・。」
    てゐ「へい、まいど~。」
    
ウサギは、動物Cから何とか半分以下に値切って、薬を買いました。
これ以上放っておいたら本当に死んでしまうので、ウサギはさっさと薬を飲みました。    
すると、あっという間に、ウサギの顔に生気が戻ってきました。

    鈴仙「あ~、すっきりした。すっきりした・・・けど・・・。」

料金後払いとは言え、ウサギの財産は残っていません。

    鈴仙「うう・・・。老後の貯蓄があ・・・。」
    てゐ「金は天下の回り物。使わなきゃ損するってもんよ。」
    鈴仙「・・・もういい。私は行くから。」

いい加減休みすぎたようなので、ウサギはさっさと出発することにしました。
カメが相手とは言え、ひょっとしたら追いつかれているかもしれません。

    鈴仙「全然休めてないってば。」
    てゐ「あ。」
    鈴仙「ん?」

走ろうとしたウサギでしたが、何かに気付きました。

    輝夜「(シコー・・・、シコー・・・)」
    鈴仙「わぁあああ!?あ、暗黒卿がぁあああ!?」

何やら、どっかで見た様な黒い被り物をつけ、手に光る棒を持った動物が現れました。
どっかの世界のどっかの星の、全身真っ黒な騎士様のような格好です。

    てゐ「あ~、あれ姫だから。」
    鈴仙「へ?ひ、姫・・・?」」

どうやら、カメのようです。
何でカメがそんな格好を出来るのかはわかりません。
きっと動物Aなら、

    永琳「だって、『かめ』だし。」

とか、言うことでしょう。

輝夜「(シコー・・・、シコー・・・)」
    てゐ「姫が被ってるのは、私が売った特大のガスマスク。」
    輝夜「(シコー・・・・。)」
    てゐ「マントは飾りだけど、手に持っているライト何とかは香霖堂で。」
    鈴仙「そんなもん買うな売るな!」
    てゐ「セットで特別価格。何と百ぴったり!こいつぁお買い得だぁ!」
    鈴仙「安っ!・・・て、じゃあ何でこんなのが百万とかするのよ!」
    てゐ「こちらも慈善事業じゃぁなくてね。損した分は、どっかで取り返さなきゃ・・・。」
    鈴仙「私から巻き上げないでよ!!」

どうやら、黒い被り物もガスマスクの一種のようです。
詐欺紛いの商売をする動物Cに、ウサギは抗議します。
しかし、

    輝夜「追イツイタワヨ、イナバ。」
    鈴仙「うわっ!喋った!?」

カメが、話しかけてきました。

    輝夜「サア、約束ドオリ、決着ヲツケルワヨ。」
    鈴仙「ひ、姫・・・その、手に持ったライト何とかを振りかざしたりしてどうす・・・。」
    輝夜「フンッ!」
    鈴仙「!?」

カメは問答無用と言わんばかりに、手に持った何とかセイバーでウサギに斬りかかりました。
しかしウサギは、それを紙一重で避けました。

    鈴仙「あ、危なかった・・・。」
    輝夜「ナカナカ、ヤルワネ。ナラ、本気デ行クワ。フフフ・・・。」
    鈴仙「げっ!」
    輝夜「殺(ヤ)ァアアアアア!!」
    鈴仙「うわわ~!」

殺る気は充分、カメは全力で、ウサギに斬りかかります。
ウサギはこの一閃も、何とか避けることが出来ました。

    輝夜「チッ!」
    鈴仙「う、うわぁああああああ!!」

ウサギが避けたので、カメの攻撃は空振りです。
その隙をついてウサギは、全速力でその場を去って行きました。

    輝夜「アハハ~、マテ~、コイツ~。」

カメも、急いで後を追います。

    てゐ「青春だねえ。」
 メディスン「ねえ、ちょっと良い?」
    てゐ「何?」
 メディスン「私の存在がすっかり忘れさられて居たのは、この際置いておくけど。」
    てゐ「ふんふん。」
 メディスン「貴方はガスマスク付けなくて大丈夫なの?て言うか、大丈夫じゃないはずなんだけどなぁ。」
    てゐ「・・・・・・あ。」
 メディスン「ひょっとして、今気付いた?」
    てゐ「き、気付いたら苦しい・・・・。ぐう・・・。」
 メディスン「やっぱり、気分的な問題で効き加減が違うのかな。」

動物Cは、うっかりガスマスクを付け忘れてしまったため、
毒にやられて倒れてしまいました。

    てゐ「私はこのまま死んであの世に逝って、強い魂を集める役目を担う・・・。」
 メディスン「あ~あ。身体だけじゃなくて頭もやっちゃったのね、スーさん。ぐっじょぶ。」
    てゐ「オー○ィン様、今そちらにぃ~・・・。」

こうして動物Cは、天界みたいな所に逝って、戦乙女として転生した・・・
かどうかは、わかりません。

 ・
 ・
 ・

さて、こちらは逃げるウサギと追うカメです。
ウサギは足が速いはずなのですが、今はカメに追われています。
それもそのはず、先程の鈴蘭の毒の後遺症で、ウサギの足の速さは、
本来のスピードの半分も出ないのです!

    鈴仙「あいつのEX攻撃こんなところにも・・・・!」
    輝夜「破(ハ)ァァァアアアアア!!」
    鈴仙「うわっ!」

もう、何撃避けたかわかりません。
カメは執拗に、ウサギを攻撃してきます。
ウサギの体力は、もう限界です。

    輝夜「ドウシタノ?モウオワリカシラ?」
    鈴仙「こ、このままでは・・・・・はっ!?」

今にも倒れそうなウサギでしたが、その目にあるモノが映りました。
それは何と・・・!

    鈴仙「ゴ、ゴールだ!」

そう、ゴールが見えたのです。
そこにカメより先に辿り着けば、この勝負はウサギの勝ちです。

    輝夜「殺ァア!」
    鈴仙「しっ!姫!この勝負、私がいただきます!」
    輝夜「何・・・?シマッタ!」

ウサギはカメの攻撃を避けると、最後の力を振り絞ってゴールへと駆け出しました。
カメもその後を追いますが、追いつけません。
そして・・・。

    鈴仙「・・・・やったぁああああ!」

ウサギは、ついにゴール地点へと到達しました。

    妹紅「わ~おめでと~すご~い。」
    慧音「あ~、ご苦労様。」
    鈴仙「・・・喜びぶち壊しの賞賛はやめてよ。」

ゴールに待っていた動物DとEも、拍手を送ってくれています。
やや乾いているような気もしますが。

    妹紅「じゃ、私らは帰るから、あとはごゆっくり。」
    鈴仙「へ?ごゆっくりって・・・?」
    輝夜「イャアアアア!」
    鈴仙「うわったあっ!?」

勝利の喜びも束の間。
カメは再び、ウサギに攻撃を仕掛けました。

    鈴仙「ひ、姫!何するんですかっ!」
    輝夜「カケッコ?ソンナモノ、何ノ意味ガアルノ?」
    鈴仙「え?ええ!?」
    輝夜「真ノ勝者ハ、ソウ。最後ニ立ッテイタ者ヨ。」
    鈴仙「ええーーーー!!!」
    慧音「南無。」
    妹紅「ま、頑張りなさい。」
    鈴仙「ちょ・・・!た、助けてよおぉ~!ほら、姫がいるよ!?」」
    妹紅「あ~、今日は遠慮しとく。」
    輝夜「アラ、遠慮シナクテモイイノヨ?一緒ニ楽シマナイ?」
    妹紅「殺らないわよ。この変態仮面。」
    輝夜「ジャ、マタ後デネ。」
    妹紅「殺らないって。」

動物Dと動物Eは、さっさとその場から離れて行きました。
残されたのはウサギとカメだけです。

    輝夜「マア、イイワ。ソレジャアイナバ、覚悟シナサイ。」
    永琳「これも、自然界の掟。悪く思わないでね、ウサギさん。」
    鈴仙「何で師匠までぇえええ!?」
    輝夜「ダッテ、ネエ?フフフ・・・。」
    永琳「ええ、まったく。ふふふ・・・。」
    鈴仙「怖いですよ!お二人とも!」
    永琳「覚悟なさい!ウドンゲ!」
    輝夜「アハハ~、捕マエタワヨ~、コ~イツゥ~。」
    鈴仙「あ~~れぇぇぇえええ・・・・。」

 ・
 ・
 ・

山のてっぺん。
勝負に勝って生存競争に負けたウサギは、無残な姿にされてしまいました。
この物語も、これで幕を閉じる。
誰もが、そう思っていました。
しかし。

     ?「・・・さん。ウサギさん・・・ウサギさん・・・。」
    鈴仙「ん・・・。誰・・・?」

ウサギは、誰かに呼ばれて目を覚ましました。

    てゐ「私よ、ウサギさん・・・。」
    鈴仙「てゐ・・・、って、あんたもウサギでしょ?」
    てゐ「ふ。今の私は、ウサギではないわ。」
    鈴仙「じゃあ、動物C?」
    てゐ「動物Cは、死んだわ。って、そんなことはどうでもいいわ。行くよ。」
    鈴仙「へ?何処に?」
    てゐ「貴方は霊体となって、あるお方に仕えるの。私はその案内役・・・のバイトしてるの。」
    鈴仙「状況がよく飲み込めないんだけど・・・。」
    てゐ「つべこべ言わずに、ついてくる!」
    鈴仙「ああ、ちょっと!耳引っ張らないでよ!いたたたた!」

ウサギは動物Cに掴まれて、どっかに連れて行かれました。
そして色々無視していつの間にか、お城の玉座みたいな所に、ウサギはいました。

    てゐ「連れて来ました。○ーディン様。」
   幽々子「ご苦労。」

そこには、何かと威厳たっぷりの偉そうな人がいました。
とりあえず伏字にしなきゃいけないっぽいです。

    鈴仙「・・・ここどこ?」
    てゐ「ここはあの世よ。」
    鈴仙「はい?」
   幽々子「う~ん、なるほど。美味しそうな食材ね。身は引き締まって、特に足なんかが美味しそうね~。」
    鈴仙「あ、何となく状況が飲み込めた。」
   幽々子「物分りのいい娘は好きよ。じゃ、さっそく料理して頂戴。」
    妖夢「かしこまりました。」
    鈴仙「やっぱりぃぃいいいい!!」

偉い人がちょいと命令を出すと、でかい包丁持った料理人が出てきました。
料理人は、ウサギを連れてゆこうとします。

   幽々子「今回の貴方の働きは・・・すばらしいわ!」
    てゐ「へへ~。ありがたき幸せにございます~。で、報酬は・・・。」
    鈴仙「こんなオチいやだぁあああああ~~~!!」
    妖夢「・・・可哀想に。同情するわ。でも料理はする。」
    鈴仙「あ~れぇ~・・・・。」

こうしてウサギはオ○ディン様に食われてしまって、
ヴァル腹という所にに逝ってしまったそうな・・・・。


 おしまい



 キャスト

ウサギ    ・・・ 鈴仙・優曇華院・イナバ
カメ     ・・・ 蓬莱山 輝夜
動物A    ・・・ 八意 永琳
動物B    ・・・ メディスン・メランコリー
動物C    ・・・ 因幡 てゐ
動物D    ・・・ 藤原 妹紅
動物E    ・・・ 上白沢 慧音

オー○ィン様 ・・・ 西行寺 幽々子
料理人    ・・・ 魂魄 妖夢
 『悪てゐープロファイル(ワルてゐープロファイル)』は、冥界の最高権力者ゆゆ様に雇われた因幡てゐが、彼女の空腹を満たすための食材を見つけ、口八丁手八丁で騙し、ゆゆ様の胃袋(ヴァル腹と命名)に連れて行くゲームです。多分。ウドンゲは最初に選ばれた犠牲者です。他にもリグル、みすちー、慧音、文などが食材候補です。なお、てゐはきっと、こーりんにストーキングされてます。

 鈴蘭と聞いたら真っ先にアレが思い浮かんで・・・。

 で、このお話自体の元ネタって何でしたっけ?的にもうぶち壊しまくったわけですが、念のため、『うさぎとかめ』です。『うさぎとか(ぐやひ)め』でも可。もう、原作を完膚無きまでに叩き潰すのが、童話を書くときのスタイルになってる気がします。
 明らかにカメの方が強いのは・・・まぁ仕様。当然ウドンゲが酷い目に遭うのも・・・ファンの皆さんごめんなさい・・・。何故か『ダースカグヤー』なんてモノを幻視してしまい、ついつい登場してしまいました。輝夜があの仮面を被ってライト何とかを持ったお姿で・・・怖い。思いっきり狂気な(演技してる)輝夜とかもう・・・「いやー!蓬莱人こわい~!!」(鈴仙)
 花映塚も無事発売されて、新キャラも良い感じな方々が多いです。なわけで、メディに登場して貰いました。が、思いっきり素です。やってることが普段と変わってない気がします。もっと良い役柄を演じて貰いたいと思いました。コンパロは素敵です。

以下私的なことですが。
    ↓
 とりあえず思うところがあって、名乗りを改めました。ていうか、元に戻しました。でも基本部分は変わらんので、気軽にピコさんピコくんピコ様このピコ野郎!うんじゃばだばー等等、好きに呼んだって下さい。何時の間にやら初投稿から二年経ってしまいましたが、まだ当分の間、よろしくお願いします。

追記:何というか名前統一した方がいいかなぁ何て思ったので、過去の名前を全部今の名前にしてきました
    ↑
以上私的なことでしたが。

勝手に捏造しながら何ですが、悪てゐープロファイルやってみたいなぁ・・・何て思った今日この頃。
Piko
[email protected]
http://yugenshokan.fc2web.com/
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コメント



0.1620簡易評価
4.70床間たろひ削除
うんじゃばだばー様、いつもいつも面白おかしいお話を提供下さりありがとうございますだ。
ただ一言……何で今回いつも裏方さん達が出ないんじゃあっっ!!
7.90名前が無い程度の能力削除
あぁもう鈴仙、強く生きろとしか言いようがないなぁ・・・もう死んでるけど
輝夜達によるイジメも面白いが、「悪てゐープロファイル」に大笑いw
つまりルシオが鈴仙?そしてレザード=こーりん・・・?見てみたかったかも
9.80名前が無い程度の能力削除
亀って時点で玄爺を連想しましたが、まさかこう来るとは
10.90名前が無い程度の能力削除
とりあえずPikoさんには「褒め言葉」としてこの言葉を贈ります…。
『あんた最高のバカだよっ!』!
ああ笑いすぎてお腹痛い…。
11.90 削除
あなたの作品は緒おしろいのばかりです
次の作品を楽しみにしてます
25.70七死削除
かぐやひめ、略してかめ。
この国が誇る千年小説を根底から揺るがす大暴言!
それをしれっと思いつくPikoさんに痺れるあこがれるぅ!

悪てゐープロジェクト! 是非!なんとしても実現を! 応援してます!
36.70名前が無い程度の能力削除
ヴァル腹!腹がヴァル腹。ヴァル腹が腹。ハハハッ、ヒヒヒヒ…フホッ!?