双刀の少女の矮躯が石畳に叩きつけられる轟音が、決闘の終着を告げた。
辛勝……否、ほとんど相打ち同然の勝ちをなんとか拾った咲夜は、
満身創痍の体を何とか起こし、ようやく大人しくなった少女を見やる。
魂魄妖夢。
その矮躯からは想像もつかない、嵐のような二刀の連撃を矢継ぎ早に繰り出し、
咲夜に時干渉能力を行使する暇さえ与えなかった、白玉楼の庭師。
勝負は純粋な剣技の打ち合いとなった。
結果、薄皮一枚の差で辛うじて咲夜がこの戦いを制したのだが……。
「……」
今まで数々の敵と渡り合ってきた咲夜だが、この魂魄妖夢という少女は、そのどれとも異なった種類の相手だった。
打算も、躊躇も、駆け引きもなく、唯ひたすらに真っ直ぐ向かってきた。
迷いのない瞳と、それを体現する剣閃。
それに憧憬めいた感情を感じている自分を、咲夜は漠然と感じていた。
しばらくそうしてぼんやりと立っていた咲夜は、深く息を吐くと天を睨み据える。
そう、まだ彼女の目的は果たされてはいない。
いかに満身創痍であっても、それは彼女が歩みを留める理由にはならない。
――全ては、我が主のために。
立っているのがやっとの体を引きずるようにして、咲夜はその場を離れようとする。
ゆっくりと、一歩、二歩、そして三歩目を踏み出したその刹那。
「ッ!」
背後。
動くものの気配。
ゆらり、と幽鬼の如くに佇む、双刀の少女。
(馬鹿な!あの傷で何故動ける!?)
咲夜は驚愕に身を強張らせる暇も有らばこそ、反射的に残ったナイフを構える。
だが、双刀の少女、魂魄妖夢は片手でそれを制し、首を横に振る。
攻撃の意思はない、ということらしい。
「……もう、勝負はついています。見苦しい真似はしません」
「そうしてくれるとありがたいわね」
咲夜は肩の力を抜き、構えを解く。
対する妖夢も、険の抜けた笑みを浮かべる。
「貴方、すごく、強い。……かなわないや」
「くす……お褒めに預かり光栄だわ」
周囲の惨状とは裏腹な、穏やかな笑みが二人の
「……行くんですね」
「ええ、行くわ」
短く言葉を交わす二人。
そのまま体を引きずるようにして歩を進める咲夜の背に、妖夢の声がかけられる。
「あ、あのっ……!」
「なあに?」
振り向くと、妖夢は顔をうつむかせて何事か呟いている。
ふと、咲夜の脳裏にある仮定が過ぎる。
うつむき加減の視線、詰まりがちの言葉。
それらの状況とこれまでの経験から導き出される、とある仮定。
しかし咲夜はそれを否定した。
まさか。
確かに「そういうこと」は確かに数回あったが、この娘に限ってそんなことが
「おねえさまって呼ん」
逃げた。
即座に逃げた。
あらん限りの力を振り絞って逃げた。
残っていた力を全て逃走に費やし、咲夜は紅魔館へ辿り着いた。
勢い余って門番を轢殺したような気がしたが、その程度は日常茶飯事なので気にとめる必要はない。
そのまま自室に篭った咲夜は、精神と肉体両側面の極度の疲労から病の床に臥す羽目に陥った。
だが、紅魔館のメイド長たる彼女に生ぬるい休息など許されるはずがない。
憧れのメイド長に道ならぬ想いを燃やすメイド達が、これ幸いとセクハラ同然の看護を強制執行。
咲夜の臥せる私室は一夜目にして人外魔境と化し、二夜目にして屍山血河を築くに至った。
「嗚呼! 嗚呼! メイド長!フゥゥ……ハァァ……フゥゥ……ふたぐーーーーーん!!」
「ルルイエに帰れ!!」
そして今また一人、うわごとのように現実が見えていない目で「直腸検温直腸検温直腸検温」と繰り返しつつ
両手に握り締めた体温計を振りかざしてきたメイドをマットに沈めたところだ。
「はー、はー、はー……こンの人外化生どもが……ッ」
疲労は限界だ。
呼吸は乱れ切っているし、視界も霞み始めている。
しかしそれを理由にこの戦いを止めるわけには行かない。
この拳を下ろした時が、すなわち彼女の生にピリオドが打たれるときなのだ。
「……あの~、咲夜さま? まだご無事ですか……?」
控えめなノックの音と、同じく控えめな声。
咲夜は一瞬反射的に身構えるが、声の主を確認して安堵のため息をつく。
「ああ……貴方だったの、小悪魔。何? 入っていいわよ。当面は片付いたようだから」
「はあ、では失礼します……うわ~、もうメイド部隊って全滅したんじゃないですかあ?」
足の踏み場もないほどにメイド達の屍が敷き詰められた部屋へ、小悪魔は爪先立ちになりながら進む。
ようやく肩で息をしている咲夜のところまで来た小悪魔は、一枚のプリントを取り出して用件を切り出した。
「ええとですね、ここ数日の騒ぎのせいでメイド部隊はほぼ行動不能に陥っています。
ですのでレミリアさまにお許しを頂いて、一時的にアルバイトを雇うことにしました」
「まぁ……妥当な判断ね。わたしは対応できるような状態じゃなかったし……で、それは? 見たところ履歴書のようだけど?」
「ええ、まだ知らせを出したばかりですので1名だけですが、さっそく優秀な人材が見つかりましたよ」
「へえ、貴方が言うんだから信用は出来るんでしょうけど、どんな人なの?」
「ええと、メイドの経験はないそうなんですが、似たような仕事をされている方だそうです。
炊事洗濯なんでもOK、ついでに庭いじりなんかも出来るみたいですね。
わたしが面接させて頂いたんですけど、すごく礼儀正しい態度で、立派な人でした」
「ふぅん……臨時のバイトとしては問題なさそうね。分かったわ、応接間までお連れして。
わたしは着替えてくるから。流石にこんなぼろぼろの格好じゃあね」
わかりましたっ、と元気に返事をして部屋を出て行く小悪魔の背を見送る。
咲夜は空間をいじってメイド部隊の屍をさっさと室外に廃棄、それからのろのろとクローゼットに手を伸ばし――
「……?」
背後を振り返る。
彼女以外は誰もいない。
誰もいないはずの部屋に、確かに誰かの……何者かの気配が、する。
神経を張り詰め、耳を澄ます。
集中した意識が、部屋の一点……彼女のベッドに向けられた。
一気に歩み寄り、騒ぎでくしゃくしゃになったシーツを掴み、引き剥がす。
「嗚呼……これが夢にまで見たおねえさまの汗と涙とその他諸々のアレが染み付いたベッドのにほひ……ス・テ・キ」
「……」
ベッドの上で、一匹の見覚えのある魔物が息を荒げてのた打ち回っていた。
やおら魔物はのたくるのをやめ、むくりと身を起こす。
そして愛くるしい……客観的にはそう表現して差し支えない笑顔で両手を広げ、
現世には有るまじき超高密度の瘴気の凝縮された呪文を放った。
「おねえさまカモーン♪」
「ナニがカモーンよナニがッッッ!?」
間髪入れず、至近距離から遠慮も呵責も容赦もない一撃を放つ咲夜。
命中不可避の間合いで放たれたナイフは、狙い違わず魔物の眉間に突き刺さる。
有り余る運動エネルギーは魔物を縦に回転させ、そのまま背後の壁面へと叩きつけた。
「ッてそれ以前になんで貴方がこんなところにいるのッ!?ちょっと!聞いてるの!?」
壁に叩きつけられた魔物はもうもうと煙る粉塵の中、数瞬のうちに身を起こした。
至近距離からの必殺の一投が無為に終わったというありうべからざる事実のもたらす驚愕に、咲夜の全身が硬直する。
眉間からとめどなく流れ出る血潮もそのままに、魔物はわざとらしくしなを作り、頬を染め、上目遣いに再度呪文を放った。
「……もっと(はぁと)」
「~~~~っっっ!!!」
咲夜の中で、何かが、致命的な何かが音を立てて切れた。
一瞬の意識の空白の中で、咲夜は確かに、箍タガの外れる甲高い金属音を聞いた。
疲労がピークを迎えていたのも忘れ、咲夜はありったけの霊力を注ぎ込んで
魔物を取り囲むナイフの、一瞬の静止。
転瞬、全てのナイフが一斉に雪崩を打って魔物に襲い掛かる。
360度全方位から迫りくるナイフを同時に回避する手段などない。
ない、はずだった。
無数の刃の雨が降り注ぐ中、魔物はその全身を瞬く間に切り刻まれ……そして霧散した。
「あン、おねえさまのい・け・ずぅ」
「なんで後ろにいるのそして耳は! 耳に息は止めなさいッッッ!」
背後から、しかも至近距離から、魔物の熱く湿った呼気が咲夜の首筋を舐める。
半身を使った幻術だと悟ったときにはもう遅かった。
気付いたときには咲夜は背中から魔物に抱きすくめられていた。
「せえっかくおねえさまを慕ってここまで来たのに……いきなり眉間にナイフはひどいでしょ?」
「! まさか、バイトの面接に来たのって……!」
「えへへ、当たりですう。能力的には問題ナシですよね?」
「性格的法的人道的道徳的に問題大有りよ!! あと背中に指先で『の』の字を書くな!!」
背中にへばりついた魔物をなんとか引き剥がそうとするが、相手はその矮躯を巧みに利用して咲夜の手を逃れる。
それと同時に魔物は咲夜の弱点を的確に点穴していくため、咲夜の手は空しく虚空を掠めるのみだ。
「うふふふ……敵の間合いのさらに内側に入ってしまえばこっちのモノ。
さああおねえさま、そろそろ膝が笑い始めたようね……はみっ(甘噛み)」
「ぷひょおおお!(←悲鳴)こ、このままでは敬愛するレミリアさまに(一方的且つ強制的に)捧げる予定のわたしの貞操が
咲き乱れる桜の如く散華してしまう……ッ!」
魔物の零距離複合攻撃にまともに晒され、いよいよ足元が覚束なくなってきた咲夜。
両の足が自重を支えることを忘却し始め、両の手が抵抗を試みることを放棄し始める。
と、その時。
「ちょおっと待ったあ!このわたしを差し置いて咲夜さんとネチョろうとは許せません!」
窓を叩き割って飛び込んでくる、チャイナ服を纏い、赤い髪を靡かせる人影。
彼女こそ誰も本名で呼ばないことで有名な紅魔館門番、通称中国だ。
彼女の赤毛は冒頭で咲夜に轢殺されたのと今しがた飛び込んだときにしこたまガラスの破片が頭部に刺さった事に起因する出血で、
彼女の怒りを映し取ったかのようにその
中国が咲夜の私室に辿り着いた時点で彼女は全血液の40%を失っていたが、
その程度のことはここ紅魔館では日常なので彼女自身が率先して流していた。
「あんたこそちょっと待ちなさいよ誰が誰とネチョるって!?」
「『言わせる』のって……ムネキュン?」
「お願いだから通常言語を発語してよ!」
「それはともかくそこのちみっ子!さっさと咲夜さんから離れておうち帰ってうまい某でも食べてなさい!」
「わたしの貞操ってば『それはともかく』扱い!?」
花の
対する魔物は、動じることはない。
笑みを……そう、この世界に存在するあらゆる生物に根源的な恐怖をもたらす、魔物の笑みを浮かべる。
「ふぅん……見たところ所謂チャイナキャラのようだけど……はッ、所詮パチモンね」
「んなッ!こ、このわたしのどこがパチモンだって言うのよ!」
「だって語尾がアルアルしてない」
「ニァーーーんだとこのホンダワラ!今時語尾がアルアルしてたらむしろそっちがパチモンだっつーの!!」
「名前を覚えてもらえない」という時点で常に自我同一性に恒常的な不安定性を持つ中国。
その中国の、数少ない拠り所である「チャイナキャラ」をも否定するその言葉。
単なる侮辱と言う次元を遥かに超越した、自我そのものを揺るがすその言葉に、中国は激昂せざるを得ない。
そこに、度し難い隙が生じた。
その隙を魔物の刃が襲わないはずはない。
双刀の姿をとった魔物の牙が、粘つく殺意を乗せて閃く。
「隙ありッ!人鬼・未来永劫斬!!」
「アイゴーーーーーッ!!」
長く尾を引く悲鳴を残し、中国は浸入の際に半壊させた窓を今度は全壊させて吹き飛んでいく。
「ふ、馬脚を現したわね。それは韓国語よ」
魔物は剣を収めると、再び咲夜に向き直る。
「ふーん……けっこう頑張りますね、おねえさま。まだ落ちないなんて」
咲夜は魔物の拘束から開放されてはいたが、それだけだ。
限界まで消耗した心身は枷となり、咲夜にたった一歩の逃走も許しはしない。
それを分かった上で魔物は、悠々と咲夜に近づく。
口元には、残酷な、酷薄な、凄絶な、そして妖艶な、狩猟者の笑み。
「……ああ、そうか。そうすればいいんだ」
言うと魔物は床にへたり込んだ咲夜と目の高さを合わせるようにしゃがみこむ。
咲夜は怯える。何だ、今度は一体何をする気だ。
そんな咲夜の様子をひとしきり愉しんだ後、魔物は不可解な言葉を口にした。
「
「は……?」
その言葉の意味を咲夜は図りかね――それが故に咲夜の精神は一瞬、空白であった。
その致命的にして決定的な
魔物が眼前に迫っていた。
しゃがみこんだ咲夜と視線を合わせるために……否、咲夜の視線よりも下から彼女を見上げるために、その場に屈み込む。
――魔物の言霊が、深く、濃く、鮮やかな紅色となって刻み付けられた。
「咲夜……『おねえちゃん』」
「――――――」
最初に制御を失ったのは呼吸器。
息を吸って吐く、ただそれだけの日常的動作が再現できない。
次に循環器。
通常の血圧を完全に忘却した心臓が送り込んでくる圧倒的な血流が咲夜の頭を痺れさせ、正常な思考能力を削り取っていく。
ヤバい。マズい。
通常の思考が霞の如く淀んでいくのが手に取るように分かる。
辛うじて理性が踏み止まるも、首の皮一枚で繋がっているに過ぎない。
足元が崩れ落ちて、その先に、無間の闇と、無限の奈落が口を開けている。そう確信する。
あらゆる均衡を失ってその場に崩れ落ちる咲夜に、魔物はさらに追い討ちをかける。
うずくまる咲夜の背後から、耳元に唇を寄せて、囁く。
「あれ? どうしたの? さくやおねえちゃん」
「ひらがなしゃべりッッッ!!?」
直撃。激震。倒壊。爆裂。融解。
明瞭な物理的感触として、自らの理性が崩壊していくのを咲夜は感じていた。
それでもなお残留した理性の欠片に縋り、咲夜は耐える。
無駄な抵抗を、と言わんばかりの邪悪な笑みを魔物は浮かべた。
ほんの一押し、指先でつつくだけで……否、微風がその背を押しただけで
だが、確実に堕ちるはずのエモノに、魔物はそれ以上手を出そうとしない。
……その、邪悪さの故に。
そう、ただ堕とすのでは容易い。生ぬるい。面白くない。興が無い。
自らの意思で、奈落へ落ちることを選択させる。そうでなくてはいけない。
咲夜の震える両手が、導かれるように、吸い寄せられるように魔物へと伸びる。
その目にはもはや理性の光は認められない。
「あ……う、う……!」
咲夜の指先と魔物までの距離は、そのまま彼女の魂と魄が奈落の闇へ堕ちるまでの距離。
徐々に詰まるその間合い。
決定的接触まで、あと4センチ、3センチ、2センチ、1センチ――
――そこで、目が覚めた。
「ッッッ!?」
寝汗でぐっしょりと濡れた体をバネ仕掛けの人形のように起こす咲夜。
動悸と息切れで朦朧とする頭でなんとか現状を把握しようと辺りを見回す。
家具が散乱した部屋。穴の空いた壁。幾筋もの切り傷の刻まれた床。
その中で辛うじて形を保っている数少ない家具の一つであるベッドに、自分は横たわっている。
「……ああ、思い出してきたわ……」
咲夜の脳裏に、ほぼ2日に渡るメイド達との激戦が蘇り……咲夜はそれ以上思い出すのを止めた。
当然だ。あの悪夢のような戦いは思い出して気持ちのいいものではない。
だが不幸中の幸いというべきか、あの魔物だけは真に悪夢の中だけの存在だったようだ。
悪夢とは確かに恐ろしいものではあるが、いかに恐ろしくともそれはあくまで夢である。
日中の日差しの中には、悪夢は存在しない。
安堵のため息を一つ。
そのまま咲夜は身を起こしたばかりのベッドに背中から倒れこむ。
「はあ……まったくウチのメイド達ときたら、なんで揃いも揃ってあんな」
ぐにょっ
突如襲ってきたその想定外のおぞましい感触が、そしてそれのもたらす戦慄が、咲夜を再びベッドから叩き起こした。
のみならず、一息に壁際まで飛び退る咲夜。
静寂。
激しい動悸に起因する荒い息遣いを喉の奥に押し込めて、咲夜はたった今まで身を預けていたベッドを凝視し、耳をそばだてる。
咲夜の凝視するベッドにかけられているシーツ。
その皺が、まるで人間の顔のように見えてくる。馬鹿な。否定。
その人間の顔のように見える皺の、ちょうど口に当たる部分から何か聞こえてくる。馬鹿な。否定。
だがいくら否定しても、微かに、確かに、その声は聞こえてくる。
両手で耳をふさいで目もつぶってその場に蹲ってしまいたい衝動が咲夜の全身に熱病のように広がる。
その衝動をこそ否定しなくてはならない。
そんな咲夜の葛藤をあざ笑うかのように、声は明瞭さを増していく。
「……えさまってば寝るときは裸にワイシャツ略してはだワイなんですねっああンっハ・ラ・ショおおおーーーっ!!!」
「ひぃぃぃぃ嫌ぁぁぁぁぁっ!!」
昆虫が蛹の殻を破って生まれ出でるかの如く、ベッドとシーツの隙間に挟まっていたのであろうそれは、
瘴気の混じった絶叫と共にシーツを引き裂いてその姿を現した。
それは悪夢そのままだった。
それは悪夢の再来だった。
それは悪夢の再現だった。
それは、悪夢そのものだった。
咲夜は恐怖に麻痺する思考の中で、あらゆる随意筋が動くことを拒絶した硬直の中で、認識を改めた。
「悪夢とは確かに恐ろしいものではあるが、いかに恐ろしくともそれはあくまで夢である」だと?
「日中の日差しの中には、悪夢は存在しない」だと?
なんて安穏とした、なんて無防備な思い込みだろう。
悪夢とは、そんな可愛げのあるものではない。
現実の存在として確固とそこに在るその悪夢は、じわりじわりと間を詰める。背後は壁。逃げられない。
咲夜には逃走は許されない。許されるのはただ、追い詰められた獲物に相応しい叫喚を上げる事だけ。
「お許しくださいお嬢様!咲夜は……咲夜は堕ちてしまいますうううううう!!」
そう、悪夢は昼に、牙を剥く。
韓国人は無いだろオイ・・・中国人は「アイヤー」ですので・・・
っつーかそれしか思い浮かびません。
でも流れるような展開は非常に面白かったです。
ガツガツ進む文章が上手かったので問題ないです。
要は面白ければ何でも許されるのですな。 ご馳走様。
咲夜が白玉楼から逃げ出したあたりから、
某アレ妖夢と食尽鬼と化した幽々子の印象新しい偉い人が脳から離れなくなりました。
面白さ満点。
でも頭の隅っこで「これ、いいのかなあ…」とか思ってしまいました。
>嗚呼! 嗚呼! メイド長!
フゥゥ……ハァァ……フゥゥ……ふたぐーーーーーん!!
ああもう、祈祷なのか喘ぎなのか(笑
メイドたちも中国も妖夢もダメ人間。だめにんげんのうた。
(ちなみに、『さくやおねえちゃん』で堕ちました。)
>「ニァーーーんだとこのホンダワラ!
>今時語尾がアルアルしてたらむしろそっちがパチモンだっつーの!!」
ニア アンダー7吹いた。
ってか懐かしすぎ
・・・・・・・・(思考中)
・・・・・・・ゲファ!(死)
だってどうして何からどうすれば!(壊
つか素で怖いよエロ妖夢! 咲夜さん堕ちてんじゃん!
スティーブン・キングも真っ青の恐怖 ふはw
・・・そりゃ止まらないわけだ
きゃつも怖いが、百合い家の大量生息地にして人外魔境な紅魔館も恐い
咲夜さん・・・がんばれ。もう駄目っぽいけど
>ルルイエに帰れ!!
クトゥルー吹いたわ。このツッコミベリーナイス
地の文だけ見ると、本当、背筋が寒くなります。
会話部を読むと……もう普通に双月亭様のアレが思い浮かびます。
>あの妖夢 ←大爆笑
「すごく礼儀正しい態度で、立派な人でした」って、
騙されてる、騙されてるよ小悪魔。
悪魔としてそれでいいのか!!
私はいいと思います。