Coolier - 新生・東方創想話

バトルロワイヤル IN 幻想郷 『悪霊の野望 気の向くままに』

2003/12/06 10:37:32
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放送を聞いていた、博麗 霊夢とその一行。

     霊夢「気にするほどのことでもないわね。」
   レミリア「パチェはやられちゃったのね。誘ったらこっちにつくと思ったのにな~。」
    魔理沙「ま、済んだことを気にしても、仕方ないぜ。」
   レミリア「ところで、お腹すいたわ。」
    魔理沙「我慢しな。」
   レミリア「腹が減っては戦はできないわ。」
    魔理沙「・・・・それもそうだな。」
     霊夢「でも、この辺で血なんて置いてるとこ、あるの?」
    魔理沙「さあ?」

とりあえず腹ごしらえのために、家を探した。

 ・
 ・
 ・

ある場所にて

      ?「首尾は?」
      ?「上々だ。」
      ?「よろしい。では、早速・・・。」
      ?「何するつもりだ?」
      ?「まあ、楽しみにしてなさい。うふふふ・・・・。」
      ?「(ロクなこと考えちゃいないな、こりゃ)。」
      ?「何か言った?」
      ?「いや、別に。」

 ・
 ・
 ・


庭師『魂魄 妖夢』は、ゲームが始まってからずっと、とある人物を探していた。

     妖夢「幽々子様、どこいったのかなあ・・・・・。」

そんな折、一件の民家を見つける。

     妖夢「ここに隠れてたり、しないかな。」

少しばかりの期待をよせ、妖夢は民家に入る。
しかし、そこで見た物は、

     妖夢「・・・・・キョンシー?」

ではなく、頭にナイフを立てられた、中国っぽい妖怪の死体。

     妖夢「このナイフ・・・・。あの犬ね。」

とりあえず、探している人物でないことを確認した妖夢は、民家を後にする。

     妖夢「幽々子様、私が参るまで、どうかご無事で・・・・・。」

 ・
 ・
 ・

    ルナサ「・・・・・・・・・・。」

『ルナサ・プリズムリバー』は、目的がないので、とりあえず歩いていた。

    ルナサ「・・・・・・・・・二人を見つけても、きっとロクなことにならない。」

そうつぶやいてみた矢先
    
    リリカ「あ、姉さんみ~つけた!」
    ルナサ「リリカ・・・。」

ルナサの妹にして、見つけるとロクでもないことになると言わしめる『リリカ・プリズムリバー』が現われた。
リリカは、姉に向かって走りよる。

    リリカ「ねえさ~ん!会いたかったよ~!」
    ルナサ「(!殺気)。」

 ブン!

リリカは、持っていたキーボードで、姉に攻撃を仕掛けた。
それを避けるルナサ。

    ルナサ「・・・・・・危なかった。」
    リリカ「姉さん、何で避けるの~?」
    ルナサ「キーボードで直接攻撃だなんて、避けたくもなるよ。」
    リリカ「残念。」
    ルナサ「残念じゃない。で、殺る気?」


(BGM:幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble)


    リリカ「えへへ~。」
    ルナサ「えへへ~、じゃない。・・・・本気、らしいね。」
    
お互いに臨戦態勢をとる。
そして

    リリカ「じゃ~んけ~ん!」
    ルナサ「!!」
    
 ぽん

    リリカ「(グー)。」
    ルナサ「(パー)。」

何故かジャンケン。
そして

 バキィ!

    ルナサ「ぐ・・・・・。」

グーで姉をぶん殴る妹。

    リリカ「わ~い。試合に負けて勝負に勝った~!」
    ルナサ「・・・・・・・・遺言は、しかと聞いたよ。」
    リリカ「ん?」


 (BGM:ボーダーオブライフ)

    
    リリカ「あれ?音楽が・・・・・。」
     
ルナサは、手に持っていたヴァイオリンを握り締めた。
そして
 
 ドガァ!!

    リリカ「あう・・・・・・。」
    ルナサ「・・・・・・・・。」

一発。

 ドガァ!!

    リリカ「おう・・・・・・。」
    ルナサ「・・・・・・・・。」

もう一発。
そして

 バキィ! ドガァ! バキィ! ズガァ! ドカァ!・・・・・・

もう数十発

    リリカ「ばたんきゅ~・・・・。」
    ルナサ「・・・・・・・・・・。」

 ぱた・・・

ヴァイオリンで、思いっきり、無言で、しかも繰り返し妹を殴る姉。
その攻撃に、成す術なく妹は倒れる。


 (BGM:停止)


    ルナサ「さようなら、リリカ。あなたはいい妹だったけど・・・・。」
      ?「けど?」
    ルナサ「グーで殴ったのがいけなかったのだよ!」
      ?「そりゃ、痛いわね。でも、妹を殺るなんて、いただけないわねえ。」   
    ルナサ「って、あなたは・・・・?」

と、次の瞬間、ルナサの周囲に大量のナイフが出現した。

     咲夜「だから、おしおきよ。」

 ドドドドドドドド!!!

ナイフは全て、ルナサに刺さった。

    ルナサ「・・・・・・・・・。」
     咲夜「まあ、同僚殺った私も、人のこと言えないかもしれないけどね。」
    ルナサ「それは、言えない。」
     咲夜「そういうわけで、恨みっこは無しよ。」
    ルナサ「どういう理屈なのやら。」
     咲夜「・・・・・・・。」
    ルナサ「・・・・・・・。」

しばし沈黙。

     咲夜「・・・・・・・・・・ちょっと。」
    ルナサ「ん?」
     咲夜「全身ナイフが刺さってハリネズミ状態なのに、なんで死なないかな?あんたは。」
    ルナサ「あ~、それは、ほら、あれだ。」
     咲夜「どれよ?」
    ルナサ「ギャグキャラは、死なない。」
     咲夜「・・・・・・・・・・。」
    ルナサ「まあ、そういうわけだけど、私自身をギャグキャラと位置付けるのもあれなので・・・。」

 パタ

    ルナサ「大人しく倒れておく。」  
     咲夜「・・・・そうしていて。」

ルナサを倒したのを確認すると、咲夜はその場を去った。

     咲夜「・・・・・・・・なんか、納得いかない。」

 ・
 ・
 ・

妖夢は、主人を探していた。

     妖夢「どこに隠れておられるのやら・・・・・。」
 
半分うんざりしている模様。
と、そのとき

     妖夢「ん・・・・?」

何かを見つけた。

     妖夢「誰かと思えば、ハリネズミ・・・・。」
    ルナサ「微妙に違う。」

全身ナイフまみれのルナサだった。

     妖夢「もとい、プリズムリバーの。このナイフは、もしや・・・。」
    ルナサ「犬肉。」
     妖夢「やっぱり。」
    ルナサ「殺る気満々みたい。」
     妖夢「そう。ところで、うちのお嬢様、見なかった?」
    ルナサ「見てない。」
     妖夢「そう。それじゃ、お大事に。」
    ルナサ「うん。」

妖夢は、去っていった。

     妖夢「・・・・・・・・・・ん?」

何かに気付いた。

     妖夢「何で、生きてるのかなあ?」

それは、ほら、あれだ。
ギャグキャラは、死なない。

 ・
 ・
 ・

こちらは霊夢一行。
とりあえず家を見つけたので、そこで休憩中。

   魔理沙「ほい、お茶だ。人間用だけどな。」
    霊夢「ありがと。」
  レミリア「さすがに、血は無かったのね。」
    霊夢「・・・・・あげないわよ。」
  レミリア「大丈夫よ。安心して。」
    霊夢「そう?」
  レミリア「あなた達の飲んだりなんかしたら、どうなるかわからないし。」
    霊夢「何か言った?」
  レミリア「いえいえ。何も。」

お茶で一息入れる一行。

    霊夢「で。」
   魔理沙「ん?」
    霊夢「あんた、こっから出るための策があるって言ってたけど。」
   魔理沙「ああ、それは秘密だ。」
    霊夢「そうじゃなくて、何でこんな突然な状況で、そんなんが思い浮かぶのかなと。」
   魔理沙「あ~・・・・・。」
    霊夢「ひょっとして、あんた、この馬鹿ゲームがあるってこと、知ってたんじゃないの?」
   魔理沙「そうだな、どこから話したものやら・・・・。」

少し間をおいて、語り始める魔理沙。

   魔理沙「むか~し、むかし。あるところに、美少女魔法使いとその師匠がおりました。」
  レミリア「昔話風ね。」
    霊夢「何かごまかそうとしてるんじゃないかしら?」
   魔理沙「ある日のこと、ちょっと酒を飲んで気分がよかった師匠は、魔法使いさんにお話を始めました。」
    霊夢「うん。」
   魔理沙「『なんか、壷の中に蛇とか百足とか入れる呪いって、あったわよね~。』って。」
    霊夢「・・・・はあ。」
   魔理沙「魔法使いさんは、『いきなり何を言うの?』と聞きました。」
  レミリア「ふむふむ。」
   魔理沙「すると師匠、『その辺から妖怪とか集めて、それでやってみたら面白いかな~。』と言いました。」
    霊夢「・・・・・で?」
   魔理沙「魔法使いの少女は嫌な予感がしたので、あの手この手を使って今日のことを知ろうとしました。」
    霊夢「・・・・・・。」
   魔理沙「めでたし、めでたし。」
  レミリア「めでたくないわ。」
    霊夢「・・・・・・それで。」
   魔理沙「何だ?」
    霊夢「あんたは、その事を私らには話さなかったってわけね。」
   魔理沙「・・・・・人生、知らない方がいいこともある。」
    霊夢「知ってた方がいいこともある。っていうか、これは知るべきことだったわ。」
   魔理沙「・・・・・悪かった。悪かったから、その懐に入れた手を、何も出さずに外へ出してくれないか?」

ちょっと危機感を覚える魔理沙。

    霊夢「まあ、とっとと出れるって言うんなら、全面的に協力するけど・・・・。」
  レミリア「いつまでも、こんなとこに居たくないし。」
   魔理沙「協力、感謝するぜ。」

とりあえず話はまとまる。

   魔理沙「ま、暫くはここでゆっくりしようぜ。次はいつ休めるかわからん・・・・・。」

 ど~ん!

外から音がした。

   魔理沙「何だ?」
  レミリア「外で誰か戦ってるのかしら?」
    霊夢「おちおち休んでいられないわ。」
   魔理沙「・・・・・・ジャンケン!!」
  レミリア「!」
    霊夢「!?」

ポン。
  
   魔理沙「(チョキ)。」
  レミリア「(チョキ)。」
    霊夢「(パー)。」
   魔理沙「そういうことで。」
  レミリア「気をつけてね。」
    霊夢「何で私一人でいかなきゃいけないのやら・・・・。」

霊夢は、しぶしぶと外の様子を見に行った。

 ・
 ・
 ・

一行が篭城中の家の近くでは、二人の人影による弾幕が展開されていた。

  メルラン「めるぽ~。」

一人は『メルラン・プリズムリバー』。
たまに調子が悪いとのことだが、どうやら調子が悪いらしい。

   チルノ「も~!何なのよ、こいつ!」

もう一人は、氷精『チルノ』。
調子の悪いメルランに襲われたようである。

    霊夢「・・・・・・・・。」

その様子を見ていた霊夢。

    霊夢「関わらないほうが、身のためね・・・・。」

引き返そうとした。
しかし、

   チルノ「ちょっと、そこの紅白!あれ何とかしてよ!」
    霊夢「何とかっていったって、どうしろってのよ。」

チルノに声をかけられてしまった。

  メルラン「めるぽ~!めるぽ~!」

 ど~ん!

    霊夢「わ!」

チルノに声をかけられたばかりに、霊夢もその標的に入ったようである。

     霊夢「やるしか、ないようね・・・。」
    チルノ「じゃ、あとよろしくね。」

 ダッ!

その場から走り去るチルノ。

    霊夢「こら~!こんなん押し付けて逃げるな~!」
  メルラン「こんなんとは、失礼ね。」

メルランが普通に話し掛けてきた。

    霊夢「・・・・正気になったの?」
  メルラン「私はいつでも普通よ。」
    霊夢「さっきのは普通には見えなかった。」
  メルラン「きっと気のせいよ。」
    霊夢「・・・・・まあ、こうして問答していても埒があかないので。」
  メルラン「ので?」
    霊夢「ちょっと、お払いでも・・・・・。」

そう言って霊夢はお払い棒を振りかざし、

 ガッ!

  メルラン「めるぽ・・・・・・。」

 ドサ・・・

メルランを思いっきりぶん殴った。
メルランは、その場に倒れ伏す。

    霊夢「これで事件は解決ね。」

そう霊夢はつぶやいて、とっとと篭城中の民家に帰っていった。

 ・
 ・
 ・


   チルノ「あ~、酷い目にあった・・・・。」

メルランの相手を霊夢に押し付けて逃げてきたチルノは、一息ついていた。

   チルノ「これからどうしようかな・・・・・。って、あら?」

チルノは何かを見つける。

     藍「・・・・・・・・・・。」←(スペル発動のポーズで)
   チルノ「変わった地蔵ね。」
  
なんか、狐って感じの地蔵を見つけた。
余りに怪しいので、チルノはとりあえず近づいてみることにした。

     藍「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」←(例のポーズで)
   チルノ「ん~、なんか、どっかで見たような気が・・・・。」

地蔵をジロジロと見るチルノ。
と、そのとき

     藍「わああああああ~~!!!!」
   チルノ「ぎゃあああああああああ~~~~!!!!!!」

地蔵が突然、大声をあげた。
びっくり仰天したチルノ、なりふりかまわず逃げ出す。

     藍「お~い、そっちには肥溜めが・・・・・・・。」

 どっぽ~ん!

・・・・・チルノは、肥溜めの中に消えていった。

     藍「ちょっと驚かせようとしただけだったけど、悪いことしたかな?」

『八雲 藍』はちょっとだけそう思うと、再び地蔵のポーズをとった。

     藍「・・・・・・・・(暇だな~)。」

 ・
 ・
 ・

一方で民家。
霊夢が帰ってきた。
  
    霊夢「ただいま~・・・・。」
   魔理沙「おう、おかえり。」
  レミリア「おかえりなさい。生きてたのね。」
    霊夢「まあね。ちょっと疲れたけど。いろんな意味で。」

一息つく霊夢。
しかし、

 ザ・・・・。

足音が聞こえた。

    霊夢「お客さんみたいね・・・・。」
   魔理沙「そうだな。」
    霊夢「ロクに落ち着けやしないわ。」
  レミリア「どうするの?」
    霊夢「魔理沙、次はあんたが行って。」
   魔理沙「・・・・・しょうがねえな。」

魔理沙は、外の様子をうかがいに行く。

 ・
 ・
 ・

民家の外。
妖夢は、まだ主人を探していた。

    妖夢「幽々子様、いずこに・・・・・。」

辺りを見回す妖夢。
そのとき、背後に気配を感じた。
 
    妖夢「誰・・・・・・?」
  
と言った瞬間、背後に誰かが現われた。

   魔理沙「動くな。」

妖夢は背中をとられる。

    妖夢「不覚!」
   魔理沙「・・・・動くなよ。動くと・・・・・。」
    妖夢「動くと・・・・・?」
   魔理沙「私も動く。」
    妖夢「じゃあ、動くわ。」
   魔理沙「そうか。じゃあ、私も動くぜ。」

妖夢と魔理沙は、お互いに構えを解く。

   魔理沙「で、あんたは何してんだ?」
    妖夢「幽々子様を探して、こんなみょんなところに来てみたんだけど。」
   魔理沙「生憎、この辺にはいないぜ。」
    妖夢「そう・・・・・。で、あんたは何を?」
   魔理沙「ん~、ひゃんな連中と一緒にいる。」
  レミリア「ひゃんな連中って、何?」
   魔理沙「見ての通り、こんな感じの。」
    霊夢「わかりにくい表現をするな。」
   魔理沙「ちょっと、みょんに対抗してみたかっただけだ。」
  レミリア「何で?」
    霊夢「そういう年頃なのよ。きっと。」
  レミリア「反抗期ね。」
    霊夢「違いないわ。」

霊夢とレミリアが姿を現す。
一行と妖夢は、情報交換をした。

  レミリア「そう。咲夜はやる気満々なのね。」
    妖夢「あいつのことだから、あなたは襲わないと思うわ。お嬢さん。」
   魔理沙「でも、私らは襲われるな。きっと。」
    霊夢「あんなの相手にしてたら、しんどいだけよ。何とかならない?」
  レミリア「それじゃ、私の能力で咲夜に出会わないようにする運命を見出して・・・・。」
   魔理沙「一方で、被害者が増えるわけか。」
    霊夢「残念だけど、あんたのとこのお嬢様は見かけなかったわ。」
    妖夢「そう・・・・。」
   魔理沙「ま、そう気を落とすなって。」
    霊夢「で、ものは相談だけど・・・。」
    妖夢「何?」
    霊夢「私達と一緒に来ない?味方は多いほうがいいわ。多分。」
    妖夢「・・・・・・・。」
   魔理沙「そうだな。そっちのお嬢様も味方になれば戦力もアップするしな。」
    妖夢「・・・・・残念だけど・・・。」

妖夢は少し下を向いたあと、言葉を続ける。

    妖夢「私は、幽々子様を探すのに専念したいの。申し出は有難いんだけど・・・・。」
    霊夢「そう。残念ね。」
  レミリア「でも、一人は結構危険よ?」
    妖夢「覚悟の上よ。」
   魔理沙「それじゃあ、止めようがねえな。」
    妖夢「でも、幽々子様を見つけたら、そのときは・・・。」
    霊夢「そのときに、期待させてもらうわ。」
   
そして妖夢は去ろうとする。

   魔理沙「ああ、待った。」
    妖夢「?」
   魔理沙「狼煙の代わりだ。『マスタースパーク』もってけ。」
    妖夢「いいの?」
   魔理沙「探し物が見つかったら、迷わずこれを撃ちな。」
    妖夢「わかった。」
  レミリア「今、あなたの運命を見てみたけど、絶対に会えるって事だけはわかったわ。」
    妖夢「本当?」
  レミリア「ほんとよ。」
    妖夢「ありがとう。私にはそれだけで充分よ。」
    霊夢「ま、気をつけて行きなさい。」
    妖夢「お互いにね。それじゃ。」

一行に見送られ、妖夢は去っていった。  
     
 ・
 ・
 ・

フランドールは、標的を探して徘徊していた。
そして、その後を追う黒い影。

   レティ「・・・・・・・・流石に、強いわね。」
   
後を追うのは、黒幕こと『レティ・ホワイトロック』。
彼女は、たまたまフランドールを見つけて以来、ずっと後をつけていた。

   レティ「でも、いくら強くても、巫女魔女メイドと戦っては、消耗も激しいはず。」

小声で独り言。

   レティ「そして、消耗しきったところで私が出て行って、見事撃墜・・・。そして私は真の黒幕に!」

ちょっと大きな声になる。

   レティ「っと、いけないいけない。黒幕は黒幕らしく、闇に隠れてないと・・・。」

そう言ってフランドールを追いかける。
と、そのとき

 ピンポンパンポーン

    魅魔『あ~、あ~。元気かね、諸君。』

このゲームの黒幕による放送が流れ始めた。

    魅魔『それでは、脱落者の発表~。ええと、ちんどん屋三姉妹。後は、いっぱいいっぱいな妖精ね。』
   レティ「・・・・・恋娘はやられたか。残念ね。」
    魅魔『次に、禁止エリアの発表~。禁止エリアは・・・・・。』

禁止エリアが発表される。

    魅魔『・・・以上。あと十秒以内に出て下さい。例によって、先生が弾幕結界に引きずり込んでくれるからね。』
   レティ「って、ここ、禁止エリア?」

自称黒幕、ちょっとあせる。

    魅魔『そんなわけで、とっとと出ないと、先生が・・・、って、こら。』
     紫『・・・・・・・・・・』←(寝てるらしい)
    魅魔『起きろ。仕事しろ。』
     紫『・・・・・・・・・。』←(寝てるらしい)
    魅魔『起きろ~~!!』

一方では真の黒幕も、ちょっとあせる。

   レティ「で、妹君は・・・・・。」

フランドールは何故か、そこでボーっとしている。

   レティ「な、何で動かないのよ?ここは禁止エリアにされるっていうのに・・・・・。」

黒幕、かなりあせる。

   レティ「あと五秒。仕方ないわね。ここから逃げて・・・・。って?」

ふと、フランドールのいる方を見てみる。
すると、フランドールの姿は、どこにもなかった。

   レティ「うそ・・・。何で・・・?」

黒幕、驚愕する。
そして

     紫「ふぁ~。いちめいさま、ごあんな~い・・・・。」
   レティ「ち、ちょっと待った!そこに妹君が・・・・。」
     紫「?そんなのいないでふよ~。寝ぼけてる?」
   レティ「いや、寝ぼけてるのはあなたの方・・・・・・。」
     紫「いいじゃない~。普通と禁止の境界なんて、曖昧なものなのよ~・・・。」

と、まあ、自称黒幕は、弾幕結界へと放り込まれた。
で、突然消え去ったフランドールは、

フランドール「秘弾『そして誰もいなくなるのか?』・・・。姿を消すことくらい、造作も無いわ。」

そんなものを使って、姿を消していた。

フランドール「全部聞こえてたんだけど。」

そうして、禁止エリア外に姿を現したフランドールは、ゲームを再開した。
      

 ・
 ・
 ・

で、霊夢一行。
篭城していた民家が禁止エリアになったので、そこから脱出したようである。

  レミリア「ねえ。一ついい?」
   魔理沙「何だ?」
  レミリア「十秒じゃ、明らかに脱出不可だと思うんだけど。」
    霊夢「そうね。」
  レミリア「じゃあ、何で私たちは脱出できたの?」
   魔理沙「あ~、それはだな・・・。」
    霊夢「ほら、放送聞いたでしょ?」
  レミリア「うん。」
    霊夢「あの時、放送を聞く限りでは、先生(紫)が寝てたって判断できるのよ。」
   魔理沙「つーか、そうとしか判断しようが無いけどな。」
    霊夢「あるいは、禁止エリア内にいた誰かを迎えに行ってたとかね。」
  レミリア「ふむふむ。」
   魔理沙「このことから、私らが脱出するまで、結構時間があったってわけだ。」
    霊夢「実質、時間は五分ぐらいあったのよ。きっと。」
  レミリア「なるほど。随分いい加減ね。」

お嬢様、納得。
    
    霊夢「さて、これからどうしたものやら。」
  レミリア「とりあえず、休める場所がほしいわね。」
   魔理沙「さっきまで休んでたじゃねえか。」
  レミリア「仕方ないわよ。私、病弱っ子だから。」
   魔理沙「人間に比べたら、遥かに頑丈だよ。心配ない。」
  レミリア「あら、あなた達には勝てる自信がないわ。」
    霊夢「聞いた?私ら、吸血鬼より丈夫だって。」
   魔理沙「ふん。それじゃあ、死ぬことなんざ出来ねえな。」

普通に世間話。

   魔理沙「大体、あんたも妹君ぐらい元気に暴れてみるぐらいしたらどうだ?」
    霊夢「あんた、ここに来て何もしてないじゃない。」
  レミリア「いい年した大人が、私を虐める。私、まだ五百歳なのに・・・・・。うるうる・・・・。」
   魔理沙「私らは十代だぜ。きっと。」
    霊夢「つまりは、あんたも役に立て、一回ぐらい危ない橋を渡れ、って言ってるのよ。例えば・・・・・。」

 ザワザワ・・・・・・

周囲の空気が変わった。

    霊夢「・・・・・早速、出番みたいよ。レミリア。」
   魔理沙「方々で派手に暴れてるのは、こいつか。」
  レミリア「・・・・・・・・。」

何かの気配に気付く三人。
そして

 ザ!

フランドール「禁弾『カタディオブトリック』!!」

 ど~ん!

  レミリア「わ!」
   魔理沙「何だ!?」
    霊夢「奇襲だなんて、やってくれるじゃない・・・・。」

フランドール先手を打って攻撃してきた。

    霊夢「ほら、あの物騒なのをさっさと説得しなさい。」
  レミリア「・・・・・・ん~。」
   魔理沙「どうした?」   

考え込むレミリア。
そして一言、

  レミリア「無理。」

と言って、レミリアは後方に駆け出した。

    霊夢「あ、待て!」
   魔理沙「逃がすか!」
フランドール「逃がさないわ。」

レミリアを追っかける人間二名。
それを追いかける吸血鬼。

   魔理沙「おい、どうして逃げる?」
  レミリア「説得は無理なのよ。」
    霊夢「どうして?」
フランドール「禁弾『スターボウブレイク』!」

 ダダダダダダ!!

無数の弾が、直線上にいる三人を襲う。

   魔理沙「ちぃ!」
    霊夢「く!」
  レミリア「(ぱたぱた)。」←(コウモリ化)

弾幕を避ける三人。

  レミリア「わかった?」
    霊夢「あんたがズルしたのは、わかった。」
  レミリア「あいつも、殺る気満々なのよ。しかも咲夜と違って、私も標的に入ってるわ。」
   魔理沙「さて、どうするかね。」
    霊夢「迎え撃つ?」
   魔理沙「そうだな・・・・。」

霊夢の言葉に、魔理沙は覚悟を決め、

   魔理沙「それじゃ、任せたぜ!」

 ぴゅ~!

自慢のスピードで、戦場から離脱した。
    
    霊夢「・・・・・こ、こら~!」

慌てて後を追う霊夢。
しかし、周知の通り、スピードは魔理沙のほうが速い。
霊夢はどんどん引き離されていく。

    霊夢「待て~!置いていくな~!!」
   魔理沙「霊夢~!生きてたら、また会おうぜ~!」
  レミリア「しっかりね~!」

見るとレミリアは、コウモリのまま魔理沙にくっついている。

    霊夢「お、覚えてなさいよ~!!」
   魔理沙「そろそろ後ろを気にしたほうがいいんじゃないか~!」
    霊夢「!?」

霊夢の後方から、フランドールが迫ってくる。

    霊夢「・・・・逃げるか。」

つぶやいた後、さっきとは別方向に逃げ出す霊夢。
しかし、その方向が悪かった。

    霊夢「も~、なんでこんな時に限って、勘がはずれるかな~。」

霊夢の目の前には、海が広がっている。
これ以上真っ直ぐ逃げたら、時間無制限弾幕結界の餌食になる。
そして、後方にフランドール。

    霊夢「う~ん・・・。殺らなきゃ、殺られるわけね。」

霊夢は臨戦態勢に入った。

フランドール「いつぞのようにはいかないわ。紅白。」
    霊夢「元気そうね。妹君。」
フランドール「お蔭様でね。あなた達の保護者さんには感謝しなきゃ。」
    霊夢「あんなん、保護者なんかじゃないわ。で、また弾幕ごっこがお望み?」
フランドール「このゲームで、私の弾幕はパワーアップしたわ。」
    霊夢「それじゃ、見せてもらおうかしら?」
フランドール「・・・禁忌『クランベリートラップ』!」

戦闘が開始された。
フランドールが使ったスペルカードは、クランベリートラップ。

    霊夢「・・・パターン化の典型ね。こんなんがいまさら、私に通用すると思って?」
フランドール「プラス!」
    霊夢「!?」
フランドール「禁書『パチュリーがいつも持ってる本』!」

 ブン!

フランドールは、懐からブ厚い本を取り出すと、霊夢に向かって投げつけた。

 スコーン!

    霊夢「うあ・・・・・・。」

本は、霊夢の頭部に命中した。
哀れ霊夢は撃墜され、

 ひゅうううううう・・・・・

落下していった。     

フランドール「紅白討ち取ったり。」

フランドールは、恐らく殺ったであろう霊夢を振り返ることなく、再び得物を探し始めた。

 ・
 ・
 ・

 ザザ~・・・
 ザザ~・・・

ここは砂浜。
何の変哲もない砂浜。
普段は何の変哲も無いが、今は変哲があった。

     ?「気絶したまま落ちてくるなんて、誰かと殺り合ってたみたいね。」
    霊夢「・・・・・・・・う~・・・・・・・。」

変哲の一つは、気絶した霊夢。
もう一つの変哲は、その霊夢を抱きかかえる少女。

     ?「でも、おかげで私にも運が向いてきたかしら。」

少女は霊夢を抱きかかえ、砂浜から姿を消した。


 続く



 バトルロワイヤルの続きです。副題に大した意味はありません。『?』表記のキャラは、次回で名前出します。まあ、大体解ってしまいそうですが。
 原作本が手元に無いので、記憶を頼りに執筆。結果、かなり歪んだものになった気がしますが、ご了承ください。
 戦闘シーンがあったわけですが、どうも上手く表現できません。修行あるのみ。
 あと、この場を借りて、キャラの役どころとか、扱いについて言い訳させて下さい。

霊夢:主人公なので主人公。ただし、誰かを助けようなんて思ってません。
レミリア:ヒロイン的存在。基本的に何もしない。それがヒロインであると思ったりしてみる。
魔理沙:魔理沙なので、謎めいた部分とかは一切見当たりません。
咲夜:殺る気充分。思ったより暴走してないなあ・・・。
妹様:殺る気満々。この後も散々に暴れ回ってもらう予定です。
大妖精:ゲーム開始前に消化。紅魔郷本編以下の扱いになった気が。
小悪魔:妹様に消化される。やはり紅魔郷本編以下の扱いになった気が。
リリー:台詞があった分、名無しの二人よりマシかなあ・・・・。
パチェ:さっさと消えてしまったのは勿体無い気がしましたが・・・。
ルナサ:・・・・・ギャグキャラ?
メルラン:めるぽにしてしまった・・・。死に様も、霊夢に叩かれて・・・。
リリカ:普通に殺る気。
レティ:黒幕。妹様との頭脳戦に敗れたのはどうかと思いましたが。
チルノ:酷い。酷過ぎる死に様だ。反省。
魅魔:真の黒幕。ゲームの主催者にて、作者の代弁者。・・・か?
紫:真の黒幕の共犯者。ゲームは彼女が(寝ぼけ眼で)監視している。はず。

他のキャラについては、また次回言い訳させて下さい。っていうか、弁明になってないなあ・・・。
Piko
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コメント



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1.40アーち削除
おお!原作の中盤くらいまで至ったね。ちなみに、ただ一言だけ、ただ一言「めるぽ~」で私は笑い死に掛けましたっ!
2.40菜梨削除
ちるのぉぉ~~!!!。・゚・(ノД`)・゚・。
3.40MDFC削除
何はともあれギャグキャラは死なないのです、はい。今日のMVPは三姉妹ってことでひとつ(意味不明
4.40ななすぃ削除
一つ一つ、バトロワの内容を頭に浮かべながら読んでいくのが面白い!
しかし、ここまでよくキャラやシナリオをあわせましたね……凄い。