最初に
このお話は、残酷なシーンを含んでおります。(多分)
そのテのものが苦手な方は、避けたほうがいいかもしれません。(多分)
あと、バトルロワイヤル原作を曲がりなりとも知ってたら、多少は楽しめるかもしれません。
ここは、幻想郷に存在する、とある孤島。
辺鄙さは、博麗神社と大差がない。
そんな島の建物の一室に、参加者達は集められた。
霊夢「で?」
魔理沙「何だ?」
霊夢「ここ、何処?」
魔理沙「知らん。」
何故、何時の間になど、様々な疑問が浮かぶ。
見ると、二人がどっかで、いろんなとこで見たような気がする連中が集まっていた。
ほぼ全員が、困惑している模様。
そんな中、部屋に誰かが入って来た。
紫「教えてあげましょうか?」
霊夢「うん。」
紫「実は、私も知らないの。」
霊夢「いくわよ、魔理沙。」
魔理沙「合点だ。」
紫「やめて~。」
戦闘態勢に入る二人。
藍「ちょっとまった。」
そこに仲裁に入る狐が一匹。
霊夢「何よ?」
藍「せめて、紫様の遺言ぐらい聞いてやっておくれ。」
霊夢「そこまで言うなら。」
魔理沙「仕方ねえな。」
大人しく席につく二人。
藍「では、紫様、どうぞ。介錯は私が承ります故。」
紫「こんなとこで殺されてもね~。」
霊夢「で、あんたが主犯なの?」
魔理沙「返答次第じゃ、目も当てられない状態になるぜ?」
紫「私は、ある人に手伝ってって言われただけなの。」
霊夢「誰よ?その、ある人ってのは?」
?「あ~、それ、私だよ。」
魔理沙「ん?」
そこに、もう一人誰かが入って来た。
魅魔「ごきげんよう、皆の衆。」
霊夢「出た・・・・・。何で、出てくるのよ?」
魔理沙「仕方ないぜ。こいつ(作者)のSSじゃ、安売りされて・・・・・・。」
魅魔「魔理沙。」
魔理沙「何だ?」
魅魔「放送禁止コードには、くれぐれも注意するように。」
魔理沙「へい。」
霊夢「で、あんたが私らをここへ呼んだの?」
魅魔「そうよ。」
霊夢「何が目的なの?」
咲夜「私も知りたいわね。忙しいところを無理矢理連れてこられたわけだし・・・・。」
魔理沙「返答次第じゃ、いろいろ大変なことになるぜ。魅魔様。」
魅魔「まあまあ、順を追って説明するから。」
一呼吸置いて、魅魔は語り始めた。
魅魔「え~、あんた達には、今から殺し合いをやってもらいます。」
霊夢「殺し合いって言っても、いつものことじゃない。」
魔理沙「だな。」
魅魔「そこ!私語をするな!」
ヒュッ
サク・・・
皆の前で話していた人物が投げた戟は、私語をしていた二人に、
霊夢「あ~あ。」
魔理沙「いきなり不幸だったな。名無しの大妖精。」
当たらなかった。
魅魔「あら。失敗しちゃった。」
霊夢「可愛げに言うな。」
魅魔「改めて、あんた達には、今から外に出て殺し合いをしてもらいます。」
霊夢「何でよ?」
魅魔「それを聞くのは、野暮ってもんよ。」
霊夢「殺し合いに、野暮も何もあったもんじゃないわ。」
魅魔「それで、各自に島の地図を配布します。」
霊夢「他には?」
魅魔「支給しないわ。経費節約。」
霊夢「了解。」
魅魔「島はエリア分けされてます。」
魔理沙「どういうふうに分けたんだ?」
魅魔「気の向くままに。」
魔理沙「は~。」
魅魔「一定時間ごとに禁止区域を設置するから、いつまでも同じところには隠れていられません。」
魔理沙「禁止区域に入ったら、どうなる?」
魅魔「こちらの先生が、始末してくれます。」
紫「zzzzzz・・・・・・。」
魔理沙「もう寝てやがる。」
魅魔「先生が禁止エリア内に現われ、そこに居るやつを片っ端から弾幕結界に放り込んでくれます。」
魔理沙「弾幕結界の制限時間は?」
魅魔「無制限。」
魔理沙「死ねってことか・・・・。」
魅魔「最後まで生き残った一人だけが、ここから脱出できます。じゃ、がんばってね~。」
部屋から出て行く主催者。
説明が一通り終わり、一同呆然。
霊夢「・・・・・・どうなるのよ。これ。」
魔理沙「まあ、なるようにしかならないんじゃないか?」
霊夢「そうね・・・・。」
・
・
・
『博麗 霊夢』は、言われるまま、流されるままに、地図を受け取る。
魅魔「はい、あんたの分の地図。」
霊夢「生き残ったら、あんたを封印してやるわ。二度とこんなこと出来ないようにね。」
魅魔「はいは~い、がんばってね。次の人、どうぞ~。」
霊夢「腹立つわ・・・・・・。」
腹が立ちながらも、建物の外へ出る霊夢。
少し歩いたが、特に何事もなかった。
そこへやってくる何事か。
レミリア「食料発見。」
霊夢「食うな。」
レミリア「じゃ、非常食ね。」
霊夢「インスタントの紅茶か。」
現われたのは紅魔館主、『レミリア・スカーレット』
霊夢「で、いきなり殺りあう気?」
レミリア「まさか。」
霊夢「それじゃ、何の用なの?」
レミリア「一緒に行かない?その方が楽だし。」
霊夢「あんたがか?」
レミリア「お互いによ。」
霊夢「・・・・・ま、いいけどね。」
霊夢は、レミリアと共に行くことにした。
そうして暫く歩いていると
ルーミア「とりゃあああああ~!」
霊夢「うわ!」
突然、宵闇の妖怪『ルーミア』が襲ってきた。
霊夢「いきなりなんて、礼儀知らずもいいところだわ。」
ルーミア「こうでもしないと、勝てない気がして。」
レミリア「一面ボスだしね。」
霊夢「無理ね。」
ルーミア「ふふふ。しかし、今日の私は一味違う。」
霊夢「世間で言うEX化?」
ルーミア「違うわ。うふふ、これでも喰らえ!」
バッ!!
ルーミアは、両手を広げた。
ルーミア「秘儀、聖者の磔刑。」←(十進法ポーズ)
霊夢「・・・・・それだけ?」
ルーミア「それだけよ。」
霊夢「で、それだけでどうしようって・・・・・・。」
レミリア「う・・・・・・・。」
霊夢「ん?」
レミリア「く、苦しい・・・・・。」
レミリアが突然、苦しみはじめた。
ルーミア「そっちのラスボスさんには、効くみたいね。」
霊夢「・・・・・・・ああ、なるほど。弱点は十字架。」
レミリア「うう・・・・、助けて・・・・。」
霊夢「助けるって、具体的にどうやって?」
レミリア「とりあえず、目隠しして。」
霊夢「こう?」
霊夢は両手で、レミリアの目を覆った。
レミリア「あ~、ちょっと楽になったわ。」
ルーミア「ふっふっふ、ひっかかったわね、紅白。」
霊夢「何が?」
ルーミア「それでは、手も足もでないでしょ?」
と言って、近づいてくるルーミア。
ゲシィ!
ルーミア「ぐはあ!」
蹴りをかます霊夢。
霊夢「足は出るけど。」
ルーミア「そ、そーなのかー・・・。」
霊夢「一名討ち取ったり・・・・・。」
霊夢の蹴りを喰らい、その場に倒れこもうとするルーミア。
と、そのとき
魔理沙「魔符『ミルキーウェイ』!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
ルーミア「あ~・・・・・・・。」
たくさんの星が、ルーミアを飲み込んでいった。
そして現われたのは、魔法使い『霧雨 魔理沙』。
魔理沙「危なかったな。大丈夫か?」
霊夢「ほんとに危なかったわよ。」
レミリア「もうちょっとで、こっちに来るところだった。」
魔理沙「いいじゃねえか。」
二人「よくない。」
魔理沙「まあ、あいつを殺ったのは、緊急として仕方ない。そうだな。」
霊夢「どこが緊急?」
魔理沙「あんた、両手をふさがれて、なぶり殺しにされてたじゃねえか。」
霊夢「どこを、どう見たらそう見えるかな?」
レミリア「私は見てなかったけど。」
霊夢「耳は聞こえてたでしょ。」
魔理沙「・・・・・・ま、いいじゃねえか。無事だったことだしな。」
霊夢「いいけどね。」
魔理沙「それより、あんたら。これからどうするんだ?」
霊夢「どうするったって。」
レミリア「ねえ。」
魔理沙「このゲームから脱出できる方法があるんだが、乗らないか?」
霊夢「成功するの?」
魔理沙「ああ、大丈夫。」
レミリア「具体的に、どうするの?」
魔理沙「まず、私らが生き残る。」
霊夢「他の連中は?」
魔理沙「連れて行けそうなのは連れて行く。そうでなければ、撃墜。」
レミリア「それから先は?」
魔理沙「機密だ。」
霊夢「う~ん。なんだかよく分からないけど。」
レミリア「脱出できるっていうんだったら。」
霊夢「乗るか。」
魔理沙「よし。決まりだな。」
霊夢らは、魔理沙と同行することにした。
そんな折、島の放送設備から、何かが聞こえてきた。
リリーホワイト『あ~、あ~、本日晴天也。本日晴天也。』
放送しているのは、春の妖精『リリーホワイト』。
リリーホワイト『みなさ~ん!聞こえますか~!?』
霊夢「何よ、あれ。」
魔理沙「危険だな。」
霊夢「何で?」
魔理沙「わからねえか?敵に、私はここに居ますって知らせてるようなもんだ。」
霊夢「なるほど。」
リリーホワイト『みなさ~ん!戦いをやめて、私の言うことをきいてくださ~い!』
霊夢「この馬鹿ゲームをやめさせようとしてるのかな?」
レミリア「助けに行く?」
魔理沙「そうだな・・・・・。」
一行が、放送設備へと向かおうとした次の瞬間。
リリーホワイト『不肖、春の妖精。皆さんに春をお伝えしま~~す!!!』
ドテッ!
一同、こける。
魔理沙「行くか。」
霊夢「そうね。」
その場から離れる霊夢たち。
リリーホワイト『春を伝えに・・・・・って、何ですか、あなた?・・・・・・・あ~れ~・・・・・・・。』
放送設備から、断末魔の声が聞こえてきた。
霊夢「立派に春を伝えた勇者に、敬礼。」
・
・
・
放送設備にて。
リリーホワイト「・・・・・・・・・・・・。」
春の妖精は、動かなくなっていた。
それを見つめる一つの影。
フランドール「・・・・・・・・・・・。」
『フランドール・スカーレット』はその場から飛び立った。
・
・
・
『紅 美鈴』は、島にあった民家に隠れていた。
物騒な連中がそろっている以上、自分に勝ち目はないと思ったからである。
美鈴「だ、誰も来ないかな・・・・・。」
もう、一時間ほど隠れている。
誰も来ないものと安心していた、そのとき。
ぎぃ・・・・
ドアが開く音がした。
美鈴「(き、来た・・・・・。)」
コツ、コツ・・・・・
足音が聞こえる。
足音は、美鈴が隠れている部屋に、近づいてくる。
美鈴「(こうなれば背水の陣で・・・)。」
美鈴、覚悟を決める。
そのとき、声が聞こえた。
?「誰か、居ないの?」
美鈴「(この声・・・・・。)」
聞き覚えのある声に、美鈴は部屋から出る。
美鈴「咲夜さん!やっぱり。」
咲夜「あ、門番中国。」
美鈴「あ~、もう、中国でいいです。よかった~。知り合いに会えて・・・・。」
咲夜「私もうれしいわ。」
知った顔に近づく美鈴。
ドスッ
そして、鈍い音。
美鈴「さ、咲夜、さん・・・・・・?」
咲夜「思いがけず敵に遭えて、よかったわ。」
美鈴「そ、そんな・・・・。」
咲夜「悪く思わないでね。」
美鈴「お、思わないけど・・・・。」
咲夜「けど?」
美鈴「頭にナイフを刺されるのは、流石に痛い・・・・・・・・。」
咲夜「大丈夫。ギャグキャラは死なないわ。」
美鈴「私って、ギャグキャラ?」
咲夜「ん~、むしろネタキャラね。でも大丈夫。安心して倒れてなさい。」
美鈴「は~い・・・・・・。」
パタ・・・・・・
美鈴は、力尽きた。
咲夜「お嬢様以外は、みんな敵。それが、紅魔館住人であっても、ね・・・・・。」
『十六夜 咲夜』は、余りに非情な宣言をした後、家から出て行った。
咲夜「お嬢様、どこにいるのかしら・・・・・?」
・
・
・
普段図書館に引篭もって、本を読むのが日課の魔女『パチュリー・ノーレッジ』は、当てもなくその辺を歩いていた。
パチュリー「う~ん、本を見ても、こんな馬鹿ゲームの脱出方法なんて載ってないし・・・・。」
そりゃあ、そうである。
困ったパチュリーは、ひとまずその辺を見回してみた。
パチュリー「あれ?あそこにいるのは・・・・。」
知った顔を見つけた。
とりあえず、近づいてみるパチュリー。
パチュリー「妹様。そんなところで、何をして・・・・・。」
パチュリーの目に入ったのは、友達の妹であるフランドール。
そして、その足元に倒れている、名も無き小悪魔。
パチュリー「妹様、これはいったい・・・・。」
フランドール「パチュリー。私は、久しぶりにお外に出たわ。」
フランドールは、淡々と語り始める。
フランドール「そして、こんな楽しそうなことやるっていうもの。楽しませてもらわなきゃ。」
パチュリー「・・・・・・・・。」
フランドール「でも、少し考えてみたわ。」
パチュリー「何を・・・?」
フランドール「このままゲームを続けるのと、それとも放棄して悪霊払いにかかるのと、どっちが面白いかをね。」
パチュリー「その、答えは・・・・?」
フランドール「わかんない。」
パチュリー「・・・・・・。」
フランドール「そこで、このコイン。表が出れば続ける。裏が出たら放棄する。」
ピン
そう言って、フランドールはコインを投げた。
チャリーン・・・・・
フランドール「・・・・・・・表ね。」
パチュリー「・・・・・。」
フランドール「覚悟はいいかしら?パチュリー。」
パチュリー「・・・・・・いくら出す?」
フランドール「コインいっこ。」
パチュリー「コインいっこでは、私の命と本は安い。」
フランドール「いっこ以上の弾なら、どうかしら?」
弾幕ごっこの開始。
そして。
バッターン!
地に倒れる人影と、見下ろす人影。
フランドール「・・・・・・・。」
パチュリー「・・・・・・しくしく。」
フランドール「弾幕ごっこ開始前に、貧血で倒れなくてもいいじゃない。」
パチュリー「しくしく・・・・・。折角のシリアスが~・・・・。」
フランドール「私、もう行くわ。あ、そうだ。本を貰っていくわね。
パチュリー「もってかないでー。」
フランドール「じゃあね。」
パチュリー「ま、まって~・・・・。うう・・・・。」
フランドールは、貧血で倒れたパチュリーをおいて、その場を後にした。
・
・
・
ピンポンパンポ~ン
魅魔『え~、本日晴天也。』
会場に放送が流れる。
魅魔『それじゃ、脱落者の発表するよ~。まずは、え~と、妖怪。』
紫『結構いいかげんね。』
魅魔『沢山の雑魚の顔なんて、いちいち覚えてられないわ。』
会話も流れる。
魅魔『え~、気を取り直して。まず、宵闇の妖怪。名無しの何か、春の妖精。あと、本名不肖の中国。以上。』
紫『最初に死んだ名無しの大妖精は?』
魅魔『別にいいじゃない。』
紫『そうね。え~、それと禁止エリアは・・・・。』
禁止エリアが発表される。
魅魔『あと十秒以内に、外に出て下さい。以上。』
放送が切られる。
・
・
・
パチュリー「ま、まずい・・・・・。ここが禁止区域に・・・・・。」
パチュリーは、まだ貧血で動けない。
あと五秒。
パチュリー「ああ、まだ読んでない本が沢山・・・・・。」
四秒
パチュリー「返して貰ってない本も、沢山・・・・・。」
三秒
パチュリー「う~ん・・・・、もうだめ~・・・・・。」
二秒
一秒
パチュリー「・・・・・。」
零
紫「は~い、一名様ご案内~。」
パチュリー「やめて~・・・・・。」
パチュリーは、すきまに引きずり込まれていった。
・
・
・
ピンポンパンポ~ン
魅魔『追加放送。魔女が一名、貧血で倒れて、そのまま弾幕結界に放り込まれました。以上。』
ゲームはまだ、始まったばかりである。
続く
このお話は、残酷なシーンを含んでおります。(多分)
そのテのものが苦手な方は、避けたほうがいいかもしれません。(多分)
あと、バトルロワイヤル原作を曲がりなりとも知ってたら、多少は楽しめるかもしれません。
ここは、幻想郷に存在する、とある孤島。
辺鄙さは、博麗神社と大差がない。
そんな島の建物の一室に、参加者達は集められた。
霊夢「で?」
魔理沙「何だ?」
霊夢「ここ、何処?」
魔理沙「知らん。」
何故、何時の間になど、様々な疑問が浮かぶ。
見ると、二人がどっかで、いろんなとこで見たような気がする連中が集まっていた。
ほぼ全員が、困惑している模様。
そんな中、部屋に誰かが入って来た。
紫「教えてあげましょうか?」
霊夢「うん。」
紫「実は、私も知らないの。」
霊夢「いくわよ、魔理沙。」
魔理沙「合点だ。」
紫「やめて~。」
戦闘態勢に入る二人。
藍「ちょっとまった。」
そこに仲裁に入る狐が一匹。
霊夢「何よ?」
藍「せめて、紫様の遺言ぐらい聞いてやっておくれ。」
霊夢「そこまで言うなら。」
魔理沙「仕方ねえな。」
大人しく席につく二人。
藍「では、紫様、どうぞ。介錯は私が承ります故。」
紫「こんなとこで殺されてもね~。」
霊夢「で、あんたが主犯なの?」
魔理沙「返答次第じゃ、目も当てられない状態になるぜ?」
紫「私は、ある人に手伝ってって言われただけなの。」
霊夢「誰よ?その、ある人ってのは?」
?「あ~、それ、私だよ。」
魔理沙「ん?」
そこに、もう一人誰かが入って来た。
魅魔「ごきげんよう、皆の衆。」
霊夢「出た・・・・・。何で、出てくるのよ?」
魔理沙「仕方ないぜ。こいつ(作者)のSSじゃ、安売りされて・・・・・・。」
魅魔「魔理沙。」
魔理沙「何だ?」
魅魔「放送禁止コードには、くれぐれも注意するように。」
魔理沙「へい。」
霊夢「で、あんたが私らをここへ呼んだの?」
魅魔「そうよ。」
霊夢「何が目的なの?」
咲夜「私も知りたいわね。忙しいところを無理矢理連れてこられたわけだし・・・・。」
魔理沙「返答次第じゃ、いろいろ大変なことになるぜ。魅魔様。」
魅魔「まあまあ、順を追って説明するから。」
一呼吸置いて、魅魔は語り始めた。
魅魔「え~、あんた達には、今から殺し合いをやってもらいます。」
霊夢「殺し合いって言っても、いつものことじゃない。」
魔理沙「だな。」
魅魔「そこ!私語をするな!」
ヒュッ
サク・・・
皆の前で話していた人物が投げた戟は、私語をしていた二人に、
霊夢「あ~あ。」
魔理沙「いきなり不幸だったな。名無しの大妖精。」
当たらなかった。
魅魔「あら。失敗しちゃった。」
霊夢「可愛げに言うな。」
魅魔「改めて、あんた達には、今から外に出て殺し合いをしてもらいます。」
霊夢「何でよ?」
魅魔「それを聞くのは、野暮ってもんよ。」
霊夢「殺し合いに、野暮も何もあったもんじゃないわ。」
魅魔「それで、各自に島の地図を配布します。」
霊夢「他には?」
魅魔「支給しないわ。経費節約。」
霊夢「了解。」
魅魔「島はエリア分けされてます。」
魔理沙「どういうふうに分けたんだ?」
魅魔「気の向くままに。」
魔理沙「は~。」
魅魔「一定時間ごとに禁止区域を設置するから、いつまでも同じところには隠れていられません。」
魔理沙「禁止区域に入ったら、どうなる?」
魅魔「こちらの先生が、始末してくれます。」
紫「zzzzzz・・・・・・。」
魔理沙「もう寝てやがる。」
魅魔「先生が禁止エリア内に現われ、そこに居るやつを片っ端から弾幕結界に放り込んでくれます。」
魔理沙「弾幕結界の制限時間は?」
魅魔「無制限。」
魔理沙「死ねってことか・・・・。」
魅魔「最後まで生き残った一人だけが、ここから脱出できます。じゃ、がんばってね~。」
部屋から出て行く主催者。
説明が一通り終わり、一同呆然。
霊夢「・・・・・・どうなるのよ。これ。」
魔理沙「まあ、なるようにしかならないんじゃないか?」
霊夢「そうね・・・・。」
・
・
・
『博麗 霊夢』は、言われるまま、流されるままに、地図を受け取る。
魅魔「はい、あんたの分の地図。」
霊夢「生き残ったら、あんたを封印してやるわ。二度とこんなこと出来ないようにね。」
魅魔「はいは~い、がんばってね。次の人、どうぞ~。」
霊夢「腹立つわ・・・・・・。」
腹が立ちながらも、建物の外へ出る霊夢。
少し歩いたが、特に何事もなかった。
そこへやってくる何事か。
レミリア「食料発見。」
霊夢「食うな。」
レミリア「じゃ、非常食ね。」
霊夢「インスタントの紅茶か。」
現われたのは紅魔館主、『レミリア・スカーレット』
霊夢「で、いきなり殺りあう気?」
レミリア「まさか。」
霊夢「それじゃ、何の用なの?」
レミリア「一緒に行かない?その方が楽だし。」
霊夢「あんたがか?」
レミリア「お互いによ。」
霊夢「・・・・・ま、いいけどね。」
霊夢は、レミリアと共に行くことにした。
そうして暫く歩いていると
ルーミア「とりゃあああああ~!」
霊夢「うわ!」
突然、宵闇の妖怪『ルーミア』が襲ってきた。
霊夢「いきなりなんて、礼儀知らずもいいところだわ。」
ルーミア「こうでもしないと、勝てない気がして。」
レミリア「一面ボスだしね。」
霊夢「無理ね。」
ルーミア「ふふふ。しかし、今日の私は一味違う。」
霊夢「世間で言うEX化?」
ルーミア「違うわ。うふふ、これでも喰らえ!」
バッ!!
ルーミアは、両手を広げた。
ルーミア「秘儀、聖者の磔刑。」←(十進法ポーズ)
霊夢「・・・・・それだけ?」
ルーミア「それだけよ。」
霊夢「で、それだけでどうしようって・・・・・・。」
レミリア「う・・・・・・・。」
霊夢「ん?」
レミリア「く、苦しい・・・・・。」
レミリアが突然、苦しみはじめた。
ルーミア「そっちのラスボスさんには、効くみたいね。」
霊夢「・・・・・・・ああ、なるほど。弱点は十字架。」
レミリア「うう・・・・、助けて・・・・。」
霊夢「助けるって、具体的にどうやって?」
レミリア「とりあえず、目隠しして。」
霊夢「こう?」
霊夢は両手で、レミリアの目を覆った。
レミリア「あ~、ちょっと楽になったわ。」
ルーミア「ふっふっふ、ひっかかったわね、紅白。」
霊夢「何が?」
ルーミア「それでは、手も足もでないでしょ?」
と言って、近づいてくるルーミア。
ゲシィ!
ルーミア「ぐはあ!」
蹴りをかます霊夢。
霊夢「足は出るけど。」
ルーミア「そ、そーなのかー・・・。」
霊夢「一名討ち取ったり・・・・・。」
霊夢の蹴りを喰らい、その場に倒れこもうとするルーミア。
と、そのとき
魔理沙「魔符『ミルキーウェイ』!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
ルーミア「あ~・・・・・・・。」
たくさんの星が、ルーミアを飲み込んでいった。
そして現われたのは、魔法使い『霧雨 魔理沙』。
魔理沙「危なかったな。大丈夫か?」
霊夢「ほんとに危なかったわよ。」
レミリア「もうちょっとで、こっちに来るところだった。」
魔理沙「いいじゃねえか。」
二人「よくない。」
魔理沙「まあ、あいつを殺ったのは、緊急として仕方ない。そうだな。」
霊夢「どこが緊急?」
魔理沙「あんた、両手をふさがれて、なぶり殺しにされてたじゃねえか。」
霊夢「どこを、どう見たらそう見えるかな?」
レミリア「私は見てなかったけど。」
霊夢「耳は聞こえてたでしょ。」
魔理沙「・・・・・・ま、いいじゃねえか。無事だったことだしな。」
霊夢「いいけどね。」
魔理沙「それより、あんたら。これからどうするんだ?」
霊夢「どうするったって。」
レミリア「ねえ。」
魔理沙「このゲームから脱出できる方法があるんだが、乗らないか?」
霊夢「成功するの?」
魔理沙「ああ、大丈夫。」
レミリア「具体的に、どうするの?」
魔理沙「まず、私らが生き残る。」
霊夢「他の連中は?」
魔理沙「連れて行けそうなのは連れて行く。そうでなければ、撃墜。」
レミリア「それから先は?」
魔理沙「機密だ。」
霊夢「う~ん。なんだかよく分からないけど。」
レミリア「脱出できるっていうんだったら。」
霊夢「乗るか。」
魔理沙「よし。決まりだな。」
霊夢らは、魔理沙と同行することにした。
そんな折、島の放送設備から、何かが聞こえてきた。
リリーホワイト『あ~、あ~、本日晴天也。本日晴天也。』
放送しているのは、春の妖精『リリーホワイト』。
リリーホワイト『みなさ~ん!聞こえますか~!?』
霊夢「何よ、あれ。」
魔理沙「危険だな。」
霊夢「何で?」
魔理沙「わからねえか?敵に、私はここに居ますって知らせてるようなもんだ。」
霊夢「なるほど。」
リリーホワイト『みなさ~ん!戦いをやめて、私の言うことをきいてくださ~い!』
霊夢「この馬鹿ゲームをやめさせようとしてるのかな?」
レミリア「助けに行く?」
魔理沙「そうだな・・・・・。」
一行が、放送設備へと向かおうとした次の瞬間。
リリーホワイト『不肖、春の妖精。皆さんに春をお伝えしま~~す!!!』
ドテッ!
一同、こける。
魔理沙「行くか。」
霊夢「そうね。」
その場から離れる霊夢たち。
リリーホワイト『春を伝えに・・・・・って、何ですか、あなた?・・・・・・・あ~れ~・・・・・・・。』
放送設備から、断末魔の声が聞こえてきた。
霊夢「立派に春を伝えた勇者に、敬礼。」
・
・
・
放送設備にて。
リリーホワイト「・・・・・・・・・・・・。」
春の妖精は、動かなくなっていた。
それを見つめる一つの影。
フランドール「・・・・・・・・・・・。」
『フランドール・スカーレット』はその場から飛び立った。
・
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『紅 美鈴』は、島にあった民家に隠れていた。
物騒な連中がそろっている以上、自分に勝ち目はないと思ったからである。
美鈴「だ、誰も来ないかな・・・・・。」
もう、一時間ほど隠れている。
誰も来ないものと安心していた、そのとき。
ぎぃ・・・・
ドアが開く音がした。
美鈴「(き、来た・・・・・。)」
コツ、コツ・・・・・
足音が聞こえる。
足音は、美鈴が隠れている部屋に、近づいてくる。
美鈴「(こうなれば背水の陣で・・・)。」
美鈴、覚悟を決める。
そのとき、声が聞こえた。
?「誰か、居ないの?」
美鈴「(この声・・・・・。)」
聞き覚えのある声に、美鈴は部屋から出る。
美鈴「咲夜さん!やっぱり。」
咲夜「あ、門番中国。」
美鈴「あ~、もう、中国でいいです。よかった~。知り合いに会えて・・・・。」
咲夜「私もうれしいわ。」
知った顔に近づく美鈴。
ドスッ
そして、鈍い音。
美鈴「さ、咲夜、さん・・・・・・?」
咲夜「思いがけず敵に遭えて、よかったわ。」
美鈴「そ、そんな・・・・。」
咲夜「悪く思わないでね。」
美鈴「お、思わないけど・・・・。」
咲夜「けど?」
美鈴「頭にナイフを刺されるのは、流石に痛い・・・・・・・・。」
咲夜「大丈夫。ギャグキャラは死なないわ。」
美鈴「私って、ギャグキャラ?」
咲夜「ん~、むしろネタキャラね。でも大丈夫。安心して倒れてなさい。」
美鈴「は~い・・・・・・。」
パタ・・・・・・
美鈴は、力尽きた。
咲夜「お嬢様以外は、みんな敵。それが、紅魔館住人であっても、ね・・・・・。」
『十六夜 咲夜』は、余りに非情な宣言をした後、家から出て行った。
咲夜「お嬢様、どこにいるのかしら・・・・・?」
・
・
・
普段図書館に引篭もって、本を読むのが日課の魔女『パチュリー・ノーレッジ』は、当てもなくその辺を歩いていた。
パチュリー「う~ん、本を見ても、こんな馬鹿ゲームの脱出方法なんて載ってないし・・・・。」
そりゃあ、そうである。
困ったパチュリーは、ひとまずその辺を見回してみた。
パチュリー「あれ?あそこにいるのは・・・・。」
知った顔を見つけた。
とりあえず、近づいてみるパチュリー。
パチュリー「妹様。そんなところで、何をして・・・・・。」
パチュリーの目に入ったのは、友達の妹であるフランドール。
そして、その足元に倒れている、名も無き小悪魔。
パチュリー「妹様、これはいったい・・・・。」
フランドール「パチュリー。私は、久しぶりにお外に出たわ。」
フランドールは、淡々と語り始める。
フランドール「そして、こんな楽しそうなことやるっていうもの。楽しませてもらわなきゃ。」
パチュリー「・・・・・・・・。」
フランドール「でも、少し考えてみたわ。」
パチュリー「何を・・・?」
フランドール「このままゲームを続けるのと、それとも放棄して悪霊払いにかかるのと、どっちが面白いかをね。」
パチュリー「その、答えは・・・・?」
フランドール「わかんない。」
パチュリー「・・・・・・。」
フランドール「そこで、このコイン。表が出れば続ける。裏が出たら放棄する。」
ピン
そう言って、フランドールはコインを投げた。
チャリーン・・・・・
フランドール「・・・・・・・表ね。」
パチュリー「・・・・・。」
フランドール「覚悟はいいかしら?パチュリー。」
パチュリー「・・・・・・いくら出す?」
フランドール「コインいっこ。」
パチュリー「コインいっこでは、私の命と本は安い。」
フランドール「いっこ以上の弾なら、どうかしら?」
弾幕ごっこの開始。
そして。
バッターン!
地に倒れる人影と、見下ろす人影。
フランドール「・・・・・・・。」
パチュリー「・・・・・・しくしく。」
フランドール「弾幕ごっこ開始前に、貧血で倒れなくてもいいじゃない。」
パチュリー「しくしく・・・・・。折角のシリアスが~・・・・。」
フランドール「私、もう行くわ。あ、そうだ。本を貰っていくわね。
パチュリー「もってかないでー。」
フランドール「じゃあね。」
パチュリー「ま、まって~・・・・。うう・・・・。」
フランドールは、貧血で倒れたパチュリーをおいて、その場を後にした。
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ピンポンパンポ~ン
魅魔『え~、本日晴天也。』
会場に放送が流れる。
魅魔『それじゃ、脱落者の発表するよ~。まずは、え~と、妖怪。』
紫『結構いいかげんね。』
魅魔『沢山の雑魚の顔なんて、いちいち覚えてられないわ。』
会話も流れる。
魅魔『え~、気を取り直して。まず、宵闇の妖怪。名無しの何か、春の妖精。あと、本名不肖の中国。以上。』
紫『最初に死んだ名無しの大妖精は?』
魅魔『別にいいじゃない。』
紫『そうね。え~、それと禁止エリアは・・・・。』
禁止エリアが発表される。
魅魔『あと十秒以内に、外に出て下さい。以上。』
放送が切られる。
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パチュリー「ま、まずい・・・・・。ここが禁止区域に・・・・・。」
パチュリーは、まだ貧血で動けない。
あと五秒。
パチュリー「ああ、まだ読んでない本が沢山・・・・・。」
四秒
パチュリー「返して貰ってない本も、沢山・・・・・。」
三秒
パチュリー「う~ん・・・・、もうだめ~・・・・・。」
二秒
一秒
パチュリー「・・・・・。」
零
紫「は~い、一名様ご案内~。」
パチュリー「やめて~・・・・・。」
パチュリーは、すきまに引きずり込まれていった。
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ピンポンパンポ~ン
魅魔『追加放送。魔女が一名、貧血で倒れて、そのまま弾幕結界に放り込まれました。以上。』
ゲームはまだ、始まったばかりである。
続く
脚本家の方ですか?^^