Coolier - 新生・東方創想話

東方昔話 『ゆきおんな』

2003/10/24 05:07:31
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むかしむかし、あるところに、一組の父子がいました。
彼らは、山へ上って狩りをして生活していました。
ある冬の日のことです。
その日は猛吹雪で、父子は道に迷ってしまいました。

 ゴォォォォォォォ・・・・・

   魔理沙「寒いぜ、寒いぜ。寒くて本気で死にそうだぜ。」
    霊夢「死んだら、どうやって葬ってあげようか?」
   魔理沙「雪山に放置するのは、勘弁してくれ。」

父子は、寒さで死にそうな思いをしてました。
そんな死にそうになった、そのときです。

   魔理沙「おお。あんなところに、都合のいい山小屋発見。」
    霊夢「ほんと、都合がいいわねえ。」

父親が、山小屋を発見しました。
二人はそこへ避難しました。

   魔理沙「ふ~、やれやれ。本気で死ぬところだったぜ。」
    霊夢「まったく。こんなみすぼらしい所で、一夜を過ごさなきゃいけないのね。」
   魔理沙「神社も似たようなもんだろ?」
    霊夢「・・・・・・スマキにして、外に放り出してあげようか?」
   魔理沙「・・・・・さて、疲れたから寝るか。」
    霊夢「そうね。」

二人は睡眠をとりました。
外は未だに猛吹雪です。

 ゴォォォォォォォ・・・・・・・

    霊夢「・・・・・・外がうるさいわね。」

 ギィィィィィィ・・・・

    霊夢「大丈夫かな、この小屋。」
   魔理沙「zzzzzzzz・・・・・・・」
    霊夢「眠れる人は、幸せね。」

子は、不安の余り寝ることが出来ませんでした。
そのとき、小屋の中に一つの気配を感じました。

    霊夢「・・・・・・誰?」

返事はありません。
子は、おもいきって目を開けました。

   レティ「・・・・・・・・・・・・。」
    霊夢「く、黒幕・・・・・・!」
   レティ「雪女よ。」
    霊夢「白幕・・・・・・。」
   レティ「黒幕よ。」
    霊夢「どっちなのよ。」

なんとそこには、雪女がいました。
雪女に出会うと凍らされて殺される。
そんな伝説を、彼は聞いたことがありました。

   レティ「そんな迷信、信じちゃ駄目。」
    霊夢「他人の台詞をパクるな。」

その伝説を思い出した子供は、恐怖のあまり動けなくなりました。
そうこうしているうちに、雪女は父親のもとへ近づきました。

   レティ「・・・・・・・・・・ふぅ~。」
   魔理沙「zzzzzz・・・・・。」

雪女は、父親に息を吹きかけました。
雪女の吐息は、それだけで人を凍死させる力があるのです。

   魔理沙「・・・・・・・・臭い・・・・・。」
   レティ「・・・・・・・・・(怒)。」

父親の寝言に怒った雪女は

   レティ「式神『チルノ』!」

何かを召喚しました。

   チルノ「何で私が、あんたの式?」
   レティ「細かいことは気にしたら駄目よ。とりあえず、この黒いのを氷付けにして。」
   チルノ「なんか納得できないけど、わかった。」

 コチーン

   魔理沙「・・・・・・・・・・・・・。」

父親は、氷付けになってしまいました。

   レティ「ご苦労さん。」
   チルノ「私の出番、これで終わり?」
   レティ「そうね。バイト代の蛙は、あとで送っておくわ。」
   チルノ「奮発してよね。それじゃ。」

式神は消えてゆきました。
次に雪女は、子に近づきました。

    霊夢「ひぃ!・・・・とか言ってみるテスト。」
   レティ「・・・・・・じぃ~・・・・・。」
    霊夢「な、何よ・・・。」

雪女は、何故か子の顔をジロジロと見ています。
そして少し離れると、語り始めました。

   レティ「・・・・あなたはまだ若く、しかも美しい。」
    霊夢「それはどうも。」
   レティ「だから、この場はあなたを生かしておいてあげましょう。」
    霊夢「あっちはなんで殺されたの?」
   レティ「ただし、今夜のことを人に話したら、そのときは・・・・・・・。」
    霊夢「なんでなの?」

 すぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・

雪女は、消えてゆきました。

    霊夢「話、聞いてたのかな?」

 ・
 ・
 ・

子は、氷付けにされた父親を雪山に放置して家に帰りました。
そして数年が経ち、子は立派な青年になりました。
そんなある日、彼が畑を耕していると、向こうから誰かがやってきました。

   レティ「・・・・・・。」
    霊夢「あ、雪おん・・・・。」

 ポカッ!

    霊夢「痛い!何するのよ!」
   レティ「私は旅をしているものですが、道に迷って食料も無くなり、路銀もありません。」
    霊夢「うちにお金は無いわよ。」
   レティ「そんなわけで、少しの間、宿を貸していただけませんか?」
    霊夢「随分とあつかましいわね。まあ、いいけど。」

旅をしていたという女性、名前を「くろまく」というそうです。
くろまくは、大変美しい女性だったので、青年は徐々にくろまくに惹かれてゆきました。

    霊夢「いや、そんなことは、ない。」

一方のくろまくも、青年の優しさに惹かれていったようです。
 
   レティ「あの・・・・。」
    霊夢「何?」
   レティ「私、ずっとここにいたら駄目ですか?」
    霊夢「駄目。」
   レティ「いいんですね。うれしい!」
    霊夢「人の話を聞け。」

こうして二人は結婚し、夫婦となりました。

    霊夢「・・・・・・何故?」

 ・
 ・
 ・

二人は大変仲のよい夫婦でした。
二人の間には子供が一人生まれ、三人で幸せな家庭を築き上げました。

   チルノ「何で私が、紅白と黒幕の子供?」
    霊夢「それは私が聞きたい。」
   レティ「細かいことは、気にしちゃいけないわ。」

幸せの絶頂にあった、ある冬の日、青年はくろまくと茶を飲んでいました。

    霊夢「冷えるわね~・・・・・。」
   レティ「そう?私は大丈夫だけど。」
    霊夢「そりゃ、あんたは雪おん・・・・。」

 ポカッ!

    霊夢「痛いわね!」
   レティ「あ~、お茶がおいしい。」
    霊夢「しかし、冬になると思い出すねえ。」
   レティ「何を?」
    霊夢「冬の雪山で、父親が死んだこと。」
   レティ「え・・・・・・・・・・・。」
    霊夢「そのときに現われたのが、雪女で・・・・。」
   レティ「・・・・・・・・・。」
    霊夢「父は雪女の式神に殺されましたとさ。めでたし、めでたし。」
   レティ「・・・・・・・・・・・。」

くろまくはその話を聞くと、立ち上がりました。

    霊夢「まあ、葬ってくれてよかったけど・・・・・。どうした?」
   レティ「何故、喋ってしまったの・・・・・・?」

 ゴゥ!

くろまくがそう言うと、突然吹雪が起こりました。
そして、

   レティ「・・・・・・私が、あなたの父親を殺した雪女です。」
    霊夢「知ってたわよ。」

雪女が現われました。
なんと、くろまくは、あのときの雪女だったのです。

   レティ「喋ってしまった以上、あなたを殺さなければならない。でも、私にそんなこと出来ない。」
    霊夢「まあ、一面ボスじゃあ、ねえ。」
   レティ「私の正体が知れた以上、最早あなたの所には居れない。」
    霊夢「いや、知ってたから。」
   レティ「さようなら・・・・・・。」
    霊夢「いや、だから、話聞いてる?」

雪女は、青年のもとから姿を消しました。
部屋を見ると、寝ていたはずの子供の姿もありません。

    霊夢「・・・・・・・結局、なんだったのよ。」

彼女を愛していた青年は、冬になると必ず雪山へ向かいました。

    霊夢「愛してない、愛してない。」

しかし、彼女を見つけることはできませんでした。
彼はそのうちに雪山で遭難し、帰らぬ人となってしまったそうな。

    霊夢「勝手に殺すな。」   


      おしまい


 キャスト

青年       博麗 霊夢
父親       霧雨 魔理沙
雪女(くろまく)  レティ・ホワイトロック
式神、子供    チルノ
 昔話第10弾、雪女。私が聞いたのは、確かこんな感じのお話・・・。
 最萌にあわせたかのような提出になりました。っていうか、あわせたんですけどね。これの原稿書いてたら、丁度最萌が近いことに気付き、どうせならと提出するタイミングを見計らっていたのですが。まあ、大した意味はないですけど。
 最近は、これまで不遇というか、出番少なかった人たちがメインで出てくるようになった気がします。次は妹様に頑張ってもらう方向で・・・・。
Piko
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コメント



0.910簡易評価
1.50AR削除
相変わらず、霊夢が見事に霊夢だwああ、もう、こう言う話大好き。
2.40すけなり削除
ぁぁ、もう!東方キャラが東方キャラしててツッコミどころ満載(笑 そんなPikoさんのSSは和みますね(マテヤ
3.40七誌削除
次回作の構想は既におありのようですが、東方キャラで「水戸黄門」とか読んでみたいな、とか言ってみる。
4.無評価Piko削除
東方時代劇シリーズ・・・・。考えてみます。
5.50Kom削除
台詞の掛け合いが面白くて激しくGJ!
16.40T.A削除
・・・・・・・・・・・臭い・・・w