むかしむかし、あるところに、一組の父子がいました。
彼らは、山へ上って狩りをして生活していました。
ある冬の日のことです。
その日は猛吹雪で、父子は道に迷ってしまいました。
ゴォォォォォォォ・・・・・
魔理沙「寒いぜ、寒いぜ。寒くて本気で死にそうだぜ。」
霊夢「死んだら、どうやって葬ってあげようか?」
魔理沙「雪山に放置するのは、勘弁してくれ。」
父子は、寒さで死にそうな思いをしてました。
そんな死にそうになった、そのときです。
魔理沙「おお。あんなところに、都合のいい山小屋発見。」
霊夢「ほんと、都合がいいわねえ。」
父親が、山小屋を発見しました。
二人はそこへ避難しました。
魔理沙「ふ~、やれやれ。本気で死ぬところだったぜ。」
霊夢「まったく。こんなみすぼらしい所で、一夜を過ごさなきゃいけないのね。」
魔理沙「神社も似たようなもんだろ?」
霊夢「・・・・・・スマキにして、外に放り出してあげようか?」
魔理沙「・・・・・さて、疲れたから寝るか。」
霊夢「そうね。」
二人は睡眠をとりました。
外は未だに猛吹雪です。
ゴォォォォォォォ・・・・・・・
霊夢「・・・・・・外がうるさいわね。」
ギィィィィィィ・・・・
霊夢「大丈夫かな、この小屋。」
魔理沙「zzzzzzzz・・・・・・・」
霊夢「眠れる人は、幸せね。」
子は、不安の余り寝ることが出来ませんでした。
そのとき、小屋の中に一つの気配を感じました。
霊夢「・・・・・・誰?」
返事はありません。
子は、おもいきって目を開けました。
レティ「・・・・・・・・・・・・。」
霊夢「く、黒幕・・・・・・!」
レティ「雪女よ。」
霊夢「白幕・・・・・・。」
レティ「黒幕よ。」
霊夢「どっちなのよ。」
なんとそこには、雪女がいました。
雪女に出会うと凍らされて殺される。
そんな伝説を、彼は聞いたことがありました。
レティ「そんな迷信、信じちゃ駄目。」
霊夢「他人の台詞をパクるな。」
その伝説を思い出した子供は、恐怖のあまり動けなくなりました。
そうこうしているうちに、雪女は父親のもとへ近づきました。
レティ「・・・・・・・・・・ふぅ~。」
魔理沙「zzzzzz・・・・・。」
雪女は、父親に息を吹きかけました。
雪女の吐息は、それだけで人を凍死させる力があるのです。
魔理沙「・・・・・・・・臭い・・・・・。」
レティ「・・・・・・・・・(怒)。」
父親の寝言に怒った雪女は
レティ「式神『チルノ』!」
何かを召喚しました。
チルノ「何で私が、あんたの式?」
レティ「細かいことは気にしたら駄目よ。とりあえず、この黒いのを氷付けにして。」
チルノ「なんか納得できないけど、わかった。」
コチーン
魔理沙「・・・・・・・・・・・・・。」
父親は、氷付けになってしまいました。
レティ「ご苦労さん。」
チルノ「私の出番、これで終わり?」
レティ「そうね。バイト代の蛙は、あとで送っておくわ。」
チルノ「奮発してよね。それじゃ。」
式神は消えてゆきました。
次に雪女は、子に近づきました。
霊夢「ひぃ!・・・・とか言ってみるテスト。」
レティ「・・・・・・じぃ~・・・・・。」
霊夢「な、何よ・・・。」
雪女は、何故か子の顔をジロジロと見ています。
そして少し離れると、語り始めました。
レティ「・・・・あなたはまだ若く、しかも美しい。」
霊夢「それはどうも。」
レティ「だから、この場はあなたを生かしておいてあげましょう。」
霊夢「あっちはなんで殺されたの?」
レティ「ただし、今夜のことを人に話したら、そのときは・・・・・・・。」
霊夢「なんでなの?」
すぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・
雪女は、消えてゆきました。
霊夢「話、聞いてたのかな?」
・
・
・
子は、氷付けにされた父親を雪山に放置して家に帰りました。
そして数年が経ち、子は立派な青年になりました。
そんなある日、彼が畑を耕していると、向こうから誰かがやってきました。
レティ「・・・・・・。」
霊夢「あ、雪おん・・・・。」
ポカッ!
霊夢「痛い!何するのよ!」
レティ「私は旅をしているものですが、道に迷って食料も無くなり、路銀もありません。」
霊夢「うちにお金は無いわよ。」
レティ「そんなわけで、少しの間、宿を貸していただけませんか?」
霊夢「随分とあつかましいわね。まあ、いいけど。」
旅をしていたという女性、名前を「くろまく」というそうです。
くろまくは、大変美しい女性だったので、青年は徐々にくろまくに惹かれてゆきました。
霊夢「いや、そんなことは、ない。」
一方のくろまくも、青年の優しさに惹かれていったようです。
レティ「あの・・・・。」
霊夢「何?」
レティ「私、ずっとここにいたら駄目ですか?」
霊夢「駄目。」
レティ「いいんですね。うれしい!」
霊夢「人の話を聞け。」
こうして二人は結婚し、夫婦となりました。
霊夢「・・・・・・何故?」
・
・
・
二人は大変仲のよい夫婦でした。
二人の間には子供が一人生まれ、三人で幸せな家庭を築き上げました。
チルノ「何で私が、紅白と黒幕の子供?」
霊夢「それは私が聞きたい。」
レティ「細かいことは、気にしちゃいけないわ。」
幸せの絶頂にあった、ある冬の日、青年はくろまくと茶を飲んでいました。
霊夢「冷えるわね~・・・・・。」
レティ「そう?私は大丈夫だけど。」
霊夢「そりゃ、あんたは雪おん・・・・。」
ポカッ!
霊夢「痛いわね!」
レティ「あ~、お茶がおいしい。」
霊夢「しかし、冬になると思い出すねえ。」
レティ「何を?」
霊夢「冬の雪山で、父親が死んだこと。」
レティ「え・・・・・・・・・・・。」
霊夢「そのときに現われたのが、雪女で・・・・。」
レティ「・・・・・・・・・。」
霊夢「父は雪女の式神に殺されましたとさ。めでたし、めでたし。」
レティ「・・・・・・・・・・・。」
くろまくはその話を聞くと、立ち上がりました。
霊夢「まあ、葬ってくれてよかったけど・・・・・。どうした?」
レティ「何故、喋ってしまったの・・・・・・?」
ゴゥ!
くろまくがそう言うと、突然吹雪が起こりました。
そして、
レティ「・・・・・・私が、あなたの父親を殺した雪女です。」
霊夢「知ってたわよ。」
雪女が現われました。
なんと、くろまくは、あのときの雪女だったのです。
レティ「喋ってしまった以上、あなたを殺さなければならない。でも、私にそんなこと出来ない。」
霊夢「まあ、一面ボスじゃあ、ねえ。」
レティ「私の正体が知れた以上、最早あなたの所には居れない。」
霊夢「いや、知ってたから。」
レティ「さようなら・・・・・・。」
霊夢「いや、だから、話聞いてる?」
雪女は、青年のもとから姿を消しました。
部屋を見ると、寝ていたはずの子供の姿もありません。
霊夢「・・・・・・・結局、なんだったのよ。」
彼女を愛していた青年は、冬になると必ず雪山へ向かいました。
霊夢「愛してない、愛してない。」
しかし、彼女を見つけることはできませんでした。
彼はそのうちに雪山で遭難し、帰らぬ人となってしまったそうな。
霊夢「勝手に殺すな。」
おしまい
キャスト
青年 博麗 霊夢
父親 霧雨 魔理沙
雪女(くろまく) レティ・ホワイトロック
式神、子供 チルノ
彼らは、山へ上って狩りをして生活していました。
ある冬の日のことです。
その日は猛吹雪で、父子は道に迷ってしまいました。
ゴォォォォォォォ・・・・・
魔理沙「寒いぜ、寒いぜ。寒くて本気で死にそうだぜ。」
霊夢「死んだら、どうやって葬ってあげようか?」
魔理沙「雪山に放置するのは、勘弁してくれ。」
父子は、寒さで死にそうな思いをしてました。
そんな死にそうになった、そのときです。
魔理沙「おお。あんなところに、都合のいい山小屋発見。」
霊夢「ほんと、都合がいいわねえ。」
父親が、山小屋を発見しました。
二人はそこへ避難しました。
魔理沙「ふ~、やれやれ。本気で死ぬところだったぜ。」
霊夢「まったく。こんなみすぼらしい所で、一夜を過ごさなきゃいけないのね。」
魔理沙「神社も似たようなもんだろ?」
霊夢「・・・・・・スマキにして、外に放り出してあげようか?」
魔理沙「・・・・・さて、疲れたから寝るか。」
霊夢「そうね。」
二人は睡眠をとりました。
外は未だに猛吹雪です。
ゴォォォォォォォ・・・・・・・
霊夢「・・・・・・外がうるさいわね。」
ギィィィィィィ・・・・
霊夢「大丈夫かな、この小屋。」
魔理沙「zzzzzzzz・・・・・・・」
霊夢「眠れる人は、幸せね。」
子は、不安の余り寝ることが出来ませんでした。
そのとき、小屋の中に一つの気配を感じました。
霊夢「・・・・・・誰?」
返事はありません。
子は、おもいきって目を開けました。
レティ「・・・・・・・・・・・・。」
霊夢「く、黒幕・・・・・・!」
レティ「雪女よ。」
霊夢「白幕・・・・・・。」
レティ「黒幕よ。」
霊夢「どっちなのよ。」
なんとそこには、雪女がいました。
雪女に出会うと凍らされて殺される。
そんな伝説を、彼は聞いたことがありました。
レティ「そんな迷信、信じちゃ駄目。」
霊夢「他人の台詞をパクるな。」
その伝説を思い出した子供は、恐怖のあまり動けなくなりました。
そうこうしているうちに、雪女は父親のもとへ近づきました。
レティ「・・・・・・・・・・ふぅ~。」
魔理沙「zzzzzz・・・・・。」
雪女は、父親に息を吹きかけました。
雪女の吐息は、それだけで人を凍死させる力があるのです。
魔理沙「・・・・・・・・臭い・・・・・。」
レティ「・・・・・・・・・(怒)。」
父親の寝言に怒った雪女は
レティ「式神『チルノ』!」
何かを召喚しました。
チルノ「何で私が、あんたの式?」
レティ「細かいことは気にしたら駄目よ。とりあえず、この黒いのを氷付けにして。」
チルノ「なんか納得できないけど、わかった。」
コチーン
魔理沙「・・・・・・・・・・・・・。」
父親は、氷付けになってしまいました。
レティ「ご苦労さん。」
チルノ「私の出番、これで終わり?」
レティ「そうね。バイト代の蛙は、あとで送っておくわ。」
チルノ「奮発してよね。それじゃ。」
式神は消えてゆきました。
次に雪女は、子に近づきました。
霊夢「ひぃ!・・・・とか言ってみるテスト。」
レティ「・・・・・・じぃ~・・・・・。」
霊夢「な、何よ・・・。」
雪女は、何故か子の顔をジロジロと見ています。
そして少し離れると、語り始めました。
レティ「・・・・あなたはまだ若く、しかも美しい。」
霊夢「それはどうも。」
レティ「だから、この場はあなたを生かしておいてあげましょう。」
霊夢「あっちはなんで殺されたの?」
レティ「ただし、今夜のことを人に話したら、そのときは・・・・・・・。」
霊夢「なんでなの?」
すぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・
雪女は、消えてゆきました。
霊夢「話、聞いてたのかな?」
・
・
・
子は、氷付けにされた父親を雪山に放置して家に帰りました。
そして数年が経ち、子は立派な青年になりました。
そんなある日、彼が畑を耕していると、向こうから誰かがやってきました。
レティ「・・・・・・。」
霊夢「あ、雪おん・・・・。」
ポカッ!
霊夢「痛い!何するのよ!」
レティ「私は旅をしているものですが、道に迷って食料も無くなり、路銀もありません。」
霊夢「うちにお金は無いわよ。」
レティ「そんなわけで、少しの間、宿を貸していただけませんか?」
霊夢「随分とあつかましいわね。まあ、いいけど。」
旅をしていたという女性、名前を「くろまく」というそうです。
くろまくは、大変美しい女性だったので、青年は徐々にくろまくに惹かれてゆきました。
霊夢「いや、そんなことは、ない。」
一方のくろまくも、青年の優しさに惹かれていったようです。
レティ「あの・・・・。」
霊夢「何?」
レティ「私、ずっとここにいたら駄目ですか?」
霊夢「駄目。」
レティ「いいんですね。うれしい!」
霊夢「人の話を聞け。」
こうして二人は結婚し、夫婦となりました。
霊夢「・・・・・・何故?」
・
・
・
二人は大変仲のよい夫婦でした。
二人の間には子供が一人生まれ、三人で幸せな家庭を築き上げました。
チルノ「何で私が、紅白と黒幕の子供?」
霊夢「それは私が聞きたい。」
レティ「細かいことは、気にしちゃいけないわ。」
幸せの絶頂にあった、ある冬の日、青年はくろまくと茶を飲んでいました。
霊夢「冷えるわね~・・・・・。」
レティ「そう?私は大丈夫だけど。」
霊夢「そりゃ、あんたは雪おん・・・・。」
ポカッ!
霊夢「痛いわね!」
レティ「あ~、お茶がおいしい。」
霊夢「しかし、冬になると思い出すねえ。」
レティ「何を?」
霊夢「冬の雪山で、父親が死んだこと。」
レティ「え・・・・・・・・・・・。」
霊夢「そのときに現われたのが、雪女で・・・・。」
レティ「・・・・・・・・・。」
霊夢「父は雪女の式神に殺されましたとさ。めでたし、めでたし。」
レティ「・・・・・・・・・・・。」
くろまくはその話を聞くと、立ち上がりました。
霊夢「まあ、葬ってくれてよかったけど・・・・・。どうした?」
レティ「何故、喋ってしまったの・・・・・・?」
ゴゥ!
くろまくがそう言うと、突然吹雪が起こりました。
そして、
レティ「・・・・・・私が、あなたの父親を殺した雪女です。」
霊夢「知ってたわよ。」
雪女が現われました。
なんと、くろまくは、あのときの雪女だったのです。
レティ「喋ってしまった以上、あなたを殺さなければならない。でも、私にそんなこと出来ない。」
霊夢「まあ、一面ボスじゃあ、ねえ。」
レティ「私の正体が知れた以上、最早あなたの所には居れない。」
霊夢「いや、知ってたから。」
レティ「さようなら・・・・・・。」
霊夢「いや、だから、話聞いてる?」
雪女は、青年のもとから姿を消しました。
部屋を見ると、寝ていたはずの子供の姿もありません。
霊夢「・・・・・・・結局、なんだったのよ。」
彼女を愛していた青年は、冬になると必ず雪山へ向かいました。
霊夢「愛してない、愛してない。」
しかし、彼女を見つけることはできませんでした。
彼はそのうちに雪山で遭難し、帰らぬ人となってしまったそうな。
霊夢「勝手に殺すな。」
おしまい
キャスト
青年 博麗 霊夢
父親 霧雨 魔理沙
雪女(くろまく) レティ・ホワイトロック
式神、子供 チルノ