まずいことになっちまったぜ。
一体、どうすればいいんだ?
クソッ 今日は厄日のよーだ。無事に帰ったらとっとと寝よう。
まぁ、捕まっても永遠の眠りにはつけるんだがな。
私の名は霧雨 魔理沙。魔法使いだ。
突然だが、私は今、ここ紅魔館の主の妹であり、究極最終兵器『フランドール・スカーレット』に追われている。
30分前だろうか。
ここの図書館に本を借りに来た私は、帰りに何か食わせてもらおうと思い厨房に向かった。
そこには『食べてください』と言わんばかりに美味そうなケーキが置いてあるではないか!
「お、ラッキー!」と、何の躊躇いも無く私はそれを頬張った。美味い。美味すぎる。
と、その時だった。
私の背中に突き刺さる強烈な殺意のこもった視線。
振り向くと、そこにはフランドールが居た。
「・・・それ、私の血入りケーキ。」
「!?」思わずケーキを吐いちまった。
なんてこった、血入りと言うのもあるが、よりにもよってフランドールの物だったとは!
「手を洗ってから食べようと思っていたのに・・・。」
「ゲホッ!ゲホッ! わ、悪かった。許してくれ・・・ 咲夜に新しい物作ってやるように頼むから、な?」
フランドールの体は微かに震えていた。やばい、ディ・モールト気まずい。
やがて、フランドールは口を開いた。
「・・・もう、いいよ。」
「え?」
「・・・目の前に、新しい玩具があるから。」
「あのー・・・フランドール?」
「・・・・。」
『に、逃げなきゃ、や、殺られる・・・。』
「ま、まあ、落ち着け、な?い、いますぐ咲夜の所に行って作って貰うように頼むから、な?」
と、私が踵を返し、厨房から逃げるように去ろうとした途端、
バシュッ!!
エネルギー弾が、私の頭を掠めた。
あと2cm動いていたら、私の頭と胴体はサヨナラしていただろう。
「じょ、冗談じゃねーぜ!!」
「待ってー 新しい玩具ー!」
と、こういうわけだ。
今は、厨房から遠く離れた廊下の角にへばりついている。
あの吸血鬼め、シ○ーマン並に追いかけてくるのは勘弁してくれ。
うーん?どうすればいいんだ?
・・・仕方がない。
とりあえず、図書館に行って、パチュリーにかくまってもらおう。
5分後
私は図書館に居た。
「さっき、妹様が貴方を捜してたけど、何かしたの?」
「あぁ、思いっきり何かしたぜ。だからこーして追われてるんだ。」
「フーン。で、かくまって欲しいと?」
「あぁ、その通りだぜ。」
「嫌よ。もし妹様に私がかくまっているのがバレたら、私消し炭になっちゃう。」
「私だって、アイツに捕まったら消し炭にされちまう。」
「だから・・・」
パチュリーは私の額に指を当て、呪文を唱えた。
「鏡の前に立ってみて。」
言われたとおり、鏡の前に立つ。
何と、私の姿が鏡に映っていないではないか!
「透明魔法。効力が切れるまでの10分の間に、ここを出ることね。」
「おぉ!こりゃスゴイ。感謝しとくぜ!パチュリー!」
「だって、貴方に死なれたら、私の本が返ってこないもの。」
図書館から門までは7分で行ける距離だ。
私は全速力で門まで行った。
門まで行くと、聞き覚えのある声がする。
「・・・魔理沙?いえ、見ませんでしたが。」
「チッ ここにも居ないのか・・・ あの白黒め、必ずとっ捕まえて・・・・フフフフフ」
門番(名前失念。中国とでも呼ぶか)とフランドールがなにやら話している。
お、落ち着け、私。私は今透明なんだ。
見つかるはずは無い。
フランドールから、なるべく離れて出ることにしよう。
その時だ。
「ん?」
突然、フランドールがこっちを見た!
「うわ!」
・・・・ しまった。
余りに驚いたんで、声を出してしまった。
「・・・・今、『うわ!』って聞こえたよね。何も居ない空間から。」
「えぇ、聞こえました。何も居ない空間から。」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
「・・・さては、パチュリーに透明魔法をかけてもらったでしょ。」
「・・・・まさか、魔理沙さん?」
私は意を決して全速力で飛び立つことにした!
テイク オフ!ってヤツだぜ!
「禁忌『カゴメカゴメ』」
突然、私の周囲をエネルギー弾が取り囲んだ。
クソッ!逃がさないつもりか!
「え、えと。あの、その。」
中国はうろたえている。チッ!役に立たない中国だ。
とりあえず、普段通りにかわす。
「・・・・。なんか無駄な時間を過ごしてる気がスゴイする。」
と、フランドールがつぶやいた。
そうだ、無駄な時間を過ごしてるんだから早く諦めてくれ。
そして私を帰らせてくれ。頼むから。
「「あ。」」
二人が見事にハモる。
なんだ!?何が「あ」なんだ・・・・。あ。
私の体が現れ始めている。透明魔法の効力が切れたのだ。
ここで決着をつけるしか無いみたいだ。やれやれだぜ。
「無駄なことじゃなかったみたい。」
「あぁ、なんてこった、って感じだぜ。」
「本当、なんてこった、って顔してる。」
「顔に出るのか、そう言う事も。それにしても、少ししつこくないか?」
「えぇ、食べ物の恨みは恐ろしいって言うでしょ?」
「たかがケーキ一個だろ?」
「私にとってはされどケーキ一個なのよ。」
(♪U.Nオーエンは彼女なのか)
「ラチがあかないから、弾幕ごっこで決着つけようじゃないか。」
「えぇ、それ賛成。」
「参加料は?」
「コインいっこ」
「お互いに」
「コンティニュー」
「させないように、か?」
「させないように、ね。」
厨房にて。
「妹様ー?どこですかー?さっきのケーキ失敗作でしたから、新しいのを・・・。」
とあるメイド長が厨房を見る。
床には元ケーキが散乱していて、壁は破壊されている。
オマケに、金色の髪の毛もそこには落ちていた。
「…。」
メイド長・十六夜 咲夜は何も言わず、持っていたケーキを落とした。
すると、猛ダッシュで門まで向かった。
ここから先は読者である貴方に判断していただきたい。
結末は一体、誰の罪なのか?
失敗作をわざわざあそこに置いておいた咲夜か?
なんのためらいも無く口にした魔理沙か?
ケーキ一個にやたら固執するフランドールか?
…事実だけを記そう。「失敗作の血入りケーキ」は最悪の事態を引き起こした。
魔理沙は生き残ったが、翌日、原因不明の腹痛を起こし……
フランドールは………そのままケーキはおあずけになった。
霧雨邸にて。
ベッドに横になっている魔理沙の元に、博麗神社の巫女、霊夢がやってきた。
「ったく、なんでもかんでも広い食いするからそうなるの。」
「…あぁ、今になって「君子危うきに近寄らず」の意味を思い出したぜ。」
「で?弾幕ごっこはどっちが勝ったの?」
「…引き分け、だ。」
「…引き分け、なんてあるの?」
「あるんだよ。」
「例えば?」
「……鬼のような、乱入者が現れた時、かな。」
一体、どうすればいいんだ?
クソッ 今日は厄日のよーだ。無事に帰ったらとっとと寝よう。
まぁ、捕まっても永遠の眠りにはつけるんだがな。
私の名は霧雨 魔理沙。魔法使いだ。
突然だが、私は今、ここ紅魔館の主の妹であり、究極最終兵器『フランドール・スカーレット』に追われている。
30分前だろうか。
ここの図書館に本を借りに来た私は、帰りに何か食わせてもらおうと思い厨房に向かった。
そこには『食べてください』と言わんばかりに美味そうなケーキが置いてあるではないか!
「お、ラッキー!」と、何の躊躇いも無く私はそれを頬張った。美味い。美味すぎる。
と、その時だった。
私の背中に突き刺さる強烈な殺意のこもった視線。
振り向くと、そこにはフランドールが居た。
「・・・それ、私の血入りケーキ。」
「!?」思わずケーキを吐いちまった。
なんてこった、血入りと言うのもあるが、よりにもよってフランドールの物だったとは!
「手を洗ってから食べようと思っていたのに・・・。」
「ゲホッ!ゲホッ! わ、悪かった。許してくれ・・・ 咲夜に新しい物作ってやるように頼むから、な?」
フランドールの体は微かに震えていた。やばい、ディ・モールト気まずい。
やがて、フランドールは口を開いた。
「・・・もう、いいよ。」
「え?」
「・・・目の前に、新しい玩具があるから。」
「あのー・・・フランドール?」
「・・・・。」
『に、逃げなきゃ、や、殺られる・・・。』
「ま、まあ、落ち着け、な?い、いますぐ咲夜の所に行って作って貰うように頼むから、な?」
と、私が踵を返し、厨房から逃げるように去ろうとした途端、
バシュッ!!
エネルギー弾が、私の頭を掠めた。
あと2cm動いていたら、私の頭と胴体はサヨナラしていただろう。
「じょ、冗談じゃねーぜ!!」
「待ってー 新しい玩具ー!」
と、こういうわけだ。
今は、厨房から遠く離れた廊下の角にへばりついている。
あの吸血鬼め、シ○ーマン並に追いかけてくるのは勘弁してくれ。
うーん?どうすればいいんだ?
・・・仕方がない。
とりあえず、図書館に行って、パチュリーにかくまってもらおう。
5分後
私は図書館に居た。
「さっき、妹様が貴方を捜してたけど、何かしたの?」
「あぁ、思いっきり何かしたぜ。だからこーして追われてるんだ。」
「フーン。で、かくまって欲しいと?」
「あぁ、その通りだぜ。」
「嫌よ。もし妹様に私がかくまっているのがバレたら、私消し炭になっちゃう。」
「私だって、アイツに捕まったら消し炭にされちまう。」
「だから・・・」
パチュリーは私の額に指を当て、呪文を唱えた。
「鏡の前に立ってみて。」
言われたとおり、鏡の前に立つ。
何と、私の姿が鏡に映っていないではないか!
「透明魔法。効力が切れるまでの10分の間に、ここを出ることね。」
「おぉ!こりゃスゴイ。感謝しとくぜ!パチュリー!」
「だって、貴方に死なれたら、私の本が返ってこないもの。」
図書館から門までは7分で行ける距離だ。
私は全速力で門まで行った。
門まで行くと、聞き覚えのある声がする。
「・・・魔理沙?いえ、見ませんでしたが。」
「チッ ここにも居ないのか・・・ あの白黒め、必ずとっ捕まえて・・・・フフフフフ」
門番(名前失念。中国とでも呼ぶか)とフランドールがなにやら話している。
お、落ち着け、私。私は今透明なんだ。
見つかるはずは無い。
フランドールから、なるべく離れて出ることにしよう。
その時だ。
「ん?」
突然、フランドールがこっちを見た!
「うわ!」
・・・・ しまった。
余りに驚いたんで、声を出してしまった。
「・・・・今、『うわ!』って聞こえたよね。何も居ない空間から。」
「えぇ、聞こえました。何も居ない空間から。」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
「・・・さては、パチュリーに透明魔法をかけてもらったでしょ。」
「・・・・まさか、魔理沙さん?」
私は意を決して全速力で飛び立つことにした!
テイク オフ!ってヤツだぜ!
「禁忌『カゴメカゴメ』」
突然、私の周囲をエネルギー弾が取り囲んだ。
クソッ!逃がさないつもりか!
「え、えと。あの、その。」
中国はうろたえている。チッ!役に立たない中国だ。
とりあえず、普段通りにかわす。
「・・・・。なんか無駄な時間を過ごしてる気がスゴイする。」
と、フランドールがつぶやいた。
そうだ、無駄な時間を過ごしてるんだから早く諦めてくれ。
そして私を帰らせてくれ。頼むから。
「「あ。」」
二人が見事にハモる。
なんだ!?何が「あ」なんだ・・・・。あ。
私の体が現れ始めている。透明魔法の効力が切れたのだ。
ここで決着をつけるしか無いみたいだ。やれやれだぜ。
「無駄なことじゃなかったみたい。」
「あぁ、なんてこった、って感じだぜ。」
「本当、なんてこった、って顔してる。」
「顔に出るのか、そう言う事も。それにしても、少ししつこくないか?」
「えぇ、食べ物の恨みは恐ろしいって言うでしょ?」
「たかがケーキ一個だろ?」
「私にとってはされどケーキ一個なのよ。」
(♪U.Nオーエンは彼女なのか)
「ラチがあかないから、弾幕ごっこで決着つけようじゃないか。」
「えぇ、それ賛成。」
「参加料は?」
「コインいっこ」
「お互いに」
「コンティニュー」
「させないように、か?」
「させないように、ね。」
厨房にて。
「妹様ー?どこですかー?さっきのケーキ失敗作でしたから、新しいのを・・・。」
とあるメイド長が厨房を見る。
床には元ケーキが散乱していて、壁は破壊されている。
オマケに、金色の髪の毛もそこには落ちていた。
「…。」
メイド長・十六夜 咲夜は何も言わず、持っていたケーキを落とした。
すると、猛ダッシュで門まで向かった。
ここから先は読者である貴方に判断していただきたい。
結末は一体、誰の罪なのか?
失敗作をわざわざあそこに置いておいた咲夜か?
なんのためらいも無く口にした魔理沙か?
ケーキ一個にやたら固執するフランドールか?
…事実だけを記そう。「失敗作の血入りケーキ」は最悪の事態を引き起こした。
魔理沙は生き残ったが、翌日、原因不明の腹痛を起こし……
フランドールは………そのままケーキはおあずけになった。
霧雨邸にて。
ベッドに横になっている魔理沙の元に、博麗神社の巫女、霊夢がやってきた。
「ったく、なんでもかんでも広い食いするからそうなるの。」
「…あぁ、今になって「君子危うきに近寄らず」の意味を思い出したぜ。」
「で?弾幕ごっこはどっちが勝ったの?」
「…引き分け、だ。」
「…引き分け、なんてあるの?」
「あるんだよ。」
「例えば?」
「……鬼のような、乱入者が現れた時、かな。」
広い食いする×
拾い食いする○
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