むかしむかしあるところに、一人のじいさんがいました。
じいさんは、地味ですが人当たりもよく、近所ではそれなりにいい人として知られていました。
しかしこのじいさん、実はある悩みを抱えていました。
魔理沙「よー、中国。」
美鈴「中国言うな~!」
じいさんは、『中国』と呼ばれるのを嫌っていました。
じいさん、性を紅(ホン)といい、以前は『紅じいさん』と呼ばれていた、と本人は言ってます。
ある日のこと、何を思ったかさっきの友達が
魔理沙「よう、中国。」
なんて言ったものですから、それからが大変。
この呼び方は近所に広まり、今ではみんなじいさんのことを『中国』と呼んでいます。
じいさんはこれを不服に思い、あの手この手で訂正させようとしました。
当然、効果は全くありませんでした。
美鈴「はぁ~・・・・・。」
じいさんは溜息をつくしかありませんでした。
そんなある日、じいさんは山へ薪を採りに行きました。
美鈴「中国も嫌だけど、紅じいさんもやだなあ・・・・。」
じいさんは一人、悩みながら薪を採っていました。
日が暮れかけてきたころ、
美鈴「いい加減、帰ろうかな。」
と思ったので、家に帰ろうとしました。
しかし、
美鈴「・・・・・・・・あれ?」
じいさんは、全く知らない場所へ出てしまいました。
どうやら迷ったようです。
美鈴「これは、困った。」
じいさんは困りました。
仕方が無いので、とりあえず山を降りることにしてみました。
美鈴「う~ん、ついてないわね。」
そう思っているうちに、じいさんは山のふもとにたどり着きました。
そこはやはり、見たことも無い場所でした。
美鈴「はて、ここは何処?」
じいさん、途方にくれていました。
そこへ、誰かがやってきました。
橙「分からなかったら人に聞く!」
美鈴「そうね。それじゃあ、あなたは人?」
橙「・・・・・え~と・・・・・、何だっけ?・・・・あ、式神だっけ?」
藍「鬼でしょ。ちゃんと覚えなさい。」
橙「は~い。と、いうわけで鬼です。」
美鈴「じゃあ、人とちがうでしょ。・・・・・って。」
現われたのは、鬼でした。
美鈴「お、鬼!?」
藍「何だ、信じられないって?」
美鈴「み、見たところ猫と狐に見えるけど・・・・・。」
藍「私達を、あんな哺乳類どもと一緒にしないでほしい。」
橙「ね~。」
美鈴「(じゃあ、何類なのかなあ・・・・?)」
藍「で、あなたは何者だ?見たところあなたは中国人に見える。」
美鈴「華人小娘です。」
藍「まあ、どうでもいいか。」
美鈴「よくない。」
藍「それより、立ち話もなんだ。今から宴会やるから、一緒に来ておくれ。」
橙「食料係としてね。」
美鈴「いやだ。」
藍「拒否権は無い。」
美鈴「どうしてもって言うなら、私を倒してからにして。」
藍「そうか。」
じいさんは、身構えます。
どうやら、武道の心得があるようですが・・・、
藍「橙、Go!」
美鈴「!?」
ドカァ!
美鈴「ぐっはあ!」
合図とともに、猫型の鬼がくるくると回りながら、じいさん目掛けて体当たりをかましました。
不意を突かれたじいさん、気を失ってしまいました。
美鈴「う~ん・・・・・・・。」
藍「いっちょあがり。じゃ、行こうか。」
橙「は~い。」
じいさんは鬼たちに連れ去られました。
・
・
・
じいさんが目を覚ますと、そこは宴会の席でした。
見ると、先ほどじいさんを撃墜した鬼たちに加えて、もう一人鬼がいるようです。
藍「あ、気がついたな。」
橙「しぶといね。」
鬼たちがじいさんに話しかけます。
橙「寝てなきゃ駄目。」
藍「そうそう。あなたは今日のメインディッシュだからね。」
紫「あんまり美味しそうに見えないわ。」
美鈴「誰が食料よ。私は取って食べれるような種類の生き物じゃないわ。煮ても焼いてもね。」
藍「じゃ、蒸して食べるか。」
美鈴「どうやっても食べれないわよ!」
じいさんは、食われてなるものかと、鬼たちに攻撃を仕掛けました。
藍「橙、下がってなさい。」
橙「了解~。」
狐鬼は猫鬼を下がらせました。
美鈴「幻符『華想夢葛』!」
藍「おお、なかなかいい弾幕。」
紫「絶景ね。」
鬼たちは平然としています。
美鈴「彩符『彩光乱舞』!」
藍「たまや~。」
紫「かぎや~。」
鬼たちはむしろ楽しんでいます。
美鈴「彩符『極彩颱風』!」
藍「すごいすごい。」
紫「天晴れ天晴れ。」
じいさんの攻撃は、鬼たちには一切通じませんでした。
美鈴「ぜ~、ぜ~・・・・・・。」
紫「あら、ネタ切れかしら?」
美鈴「な、何で効かないの・・・・?」
藍「あ~、私達、ボム無効があるから。橙は持ってないから、下がらせた。」
美鈴「何の話よ・・・・・?」
藍「それはそうと、なかなか楽しかったよ。」
紫「そうね。」
美鈴「そ、それはどうも・・・。」
じいさんは、息を切らしています。
藍「楽しませてもらったから、食料係は免除してやる。」
美鈴「え、ほんと?」
紫「そのかわり、明日も宴会やるから来て頂戴。」
美鈴「え~・・・・。」
鬼たちは、無茶な注文をつけました。
藍「でも、明日も来なかったら困りますよ。」
紫「そうね・・・・。」
美鈴「どう困るの?」
紫「それじゃ、あなたが大切にしているものを、質として預かるわ。」
藍「そういうわけで、何かよこせ。」
美鈴「ええ!そんな急に言われても・・・・。」
急に言われても思いつかず、じいさんは困りました。
そこで、鬼が言いました。
紫「じゃあ、あなたの名前をもらうわ。」
美鈴「な、名前って・・・・・。」
藍「親からもらったものとして、大切なもののはず。」
紫「そんなわけで、あなたの名前をもらうわ。返して欲しかったら、明日も来なさい。」
美鈴「名前が無くなったら、どうなるの。」
藍「みんなが名前で呼んでくれなくなる。」
紫「親も兄弟も、みんなね。」
美鈴「そ、そんな~・・・・。」
紫「じゃ、名前をどうぞ。」
藍「言わなきゃ酒の肴にする。」
美鈴「え、ええと・・・・。」
紫「さあ。」
藍「さあ。」
美鈴「わ、私は、ホ・・・・・。」
じいさんは少し躊躇して、
美鈴「私の名前は、中国です。」
と言いました。
紫「分かったわ、中国。これであなたの名前は、誰も呼んでくれない。」
藍「返してほしくば、明日も来なさい。中国とやら。」
美鈴「は、はい・・・・。」
紫「それじゃ、今日は帰っていいわよ。藍、村まで案内してあげて。」
藍「了解。橙、出ておいで。」
橙「呼ばれて飛び出て・・・・・。」
紫「じゃじゃじゃじゃ~ん、だったかしら?」
美鈴「ふ、古い・・・・。」
藍「村まで案内してあげろ。」
橙「は~い。」
こうしてじいさんは、猫鬼に連れられて、村へ帰ることが出来ました。
橙「それじゃ、また明日ね。中国さん。」
美鈴「ええ、そうね・・・・。」
猫鬼は帰っていきました。
じいさんは鬼が見えなくなると、たまらず笑顔がこぼれました。
美鈴「脱、中国宣言~!!」
そう叫びながら、じいさんは家へと帰りました。
美鈴「私は中国じゃない、私は中国じゃない・・・・。」
家に帰ったじいさん、早速自分を中国呼ばわりし始めた、あの友達の所へ行きました。
美鈴「こら~!そこの黒いの。」
魔理沙「何だ何だ、やぶからぼうに。私は悪いことしてないぜ。」
じいさんは友達に話し掛けました。
魔理沙「・・・・・・・・・?」
美鈴「どうしたのよ?」
魔理沙「・・・・・・・・・あんた、誰?」
美鈴「・・・・・・・は?」
魔理沙「あんた、誰だっけ?」
美鈴「わ、私のこと、覚えてないの・・・・?」
魔理沙「いや、あんた自身には見覚えあるし、付き合いがあるのも覚えてる。」
美鈴「ま、まさか・・・・。」
魔理沙「・・・・あんた、名前なんだっけ?」
じいさんは愕然としました。
友達の頭の中では、最早じいさんの本名など存在せず、中国一色のようです。
中国という名前を奪われたじいさんは、名前を知らない人としか認識されていないのです。
美鈴「そ、そんな・・・・。」
魔理沙「う~ん・・・・・、記憶力には自身があるんだけどな~。」
美鈴「ほ、ほら。紅、ホンだって。紅じいさんって呼ばれてた・・・・。」
魔理沙「う~ん・・・・・。しっくりこねえな。」
美鈴「く・・・・。ち、中国。私は中国・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・・・わからん。」
美鈴「そんな、馬鹿な・・・・・・。」
何を言っても友達は、じいさんの名前を呼ぶことはありませんでした。
仕方なくじいさんは近所の他の人たちに聞いてみました。
咲夜「名前?・・・・わからないわ。」
パチュリー「う~ん・・・・。本には載ってないわね。」
レミリア「知ってるけど、知らない人ね。」
フランドール「ぶった切っていい?」
他の人も、やっぱり名前で呼んでくれませんでした。
みんな、じいさんの本名を忘れてしまっているようです。
むしろ、記憶から抹消されている様子です。
美鈴「しくしく・・・・・。」
じいさんはその夜、枕を涙で濡らしました。
そして次の日、約束通り鬼の所へ行き、場を盛り上げた後ヤケ酒し、名前を返してもらったそうな。
名前を返してもらったじいさんは、
魔理沙「よ~、中国。」
咲夜「あら、中国。」
レミリア「ええと・・・・、中国。」
美鈴「しくしく・・・・。」
中国のままでしたとさ。
めでたしめでたし
キャスト
じいさん 紅 美鈴
鬼たち 八雲ファミリー
近所の人々 霧雨 魔理沙と紅魔館の住人たち
じいさんは、地味ですが人当たりもよく、近所ではそれなりにいい人として知られていました。
しかしこのじいさん、実はある悩みを抱えていました。
魔理沙「よー、中国。」
美鈴「中国言うな~!」
じいさんは、『中国』と呼ばれるのを嫌っていました。
じいさん、性を紅(ホン)といい、以前は『紅じいさん』と呼ばれていた、と本人は言ってます。
ある日のこと、何を思ったかさっきの友達が
魔理沙「よう、中国。」
なんて言ったものですから、それからが大変。
この呼び方は近所に広まり、今ではみんなじいさんのことを『中国』と呼んでいます。
じいさんはこれを不服に思い、あの手この手で訂正させようとしました。
当然、効果は全くありませんでした。
美鈴「はぁ~・・・・・。」
じいさんは溜息をつくしかありませんでした。
そんなある日、じいさんは山へ薪を採りに行きました。
美鈴「中国も嫌だけど、紅じいさんもやだなあ・・・・。」
じいさんは一人、悩みながら薪を採っていました。
日が暮れかけてきたころ、
美鈴「いい加減、帰ろうかな。」
と思ったので、家に帰ろうとしました。
しかし、
美鈴「・・・・・・・・あれ?」
じいさんは、全く知らない場所へ出てしまいました。
どうやら迷ったようです。
美鈴「これは、困った。」
じいさんは困りました。
仕方が無いので、とりあえず山を降りることにしてみました。
美鈴「う~ん、ついてないわね。」
そう思っているうちに、じいさんは山のふもとにたどり着きました。
そこはやはり、見たことも無い場所でした。
美鈴「はて、ここは何処?」
じいさん、途方にくれていました。
そこへ、誰かがやってきました。
橙「分からなかったら人に聞く!」
美鈴「そうね。それじゃあ、あなたは人?」
橙「・・・・・え~と・・・・・、何だっけ?・・・・あ、式神だっけ?」
藍「鬼でしょ。ちゃんと覚えなさい。」
橙「は~い。と、いうわけで鬼です。」
美鈴「じゃあ、人とちがうでしょ。・・・・・って。」
現われたのは、鬼でした。
美鈴「お、鬼!?」
藍「何だ、信じられないって?」
美鈴「み、見たところ猫と狐に見えるけど・・・・・。」
藍「私達を、あんな哺乳類どもと一緒にしないでほしい。」
橙「ね~。」
美鈴「(じゃあ、何類なのかなあ・・・・?)」
藍「で、あなたは何者だ?見たところあなたは中国人に見える。」
美鈴「華人小娘です。」
藍「まあ、どうでもいいか。」
美鈴「よくない。」
藍「それより、立ち話もなんだ。今から宴会やるから、一緒に来ておくれ。」
橙「食料係としてね。」
美鈴「いやだ。」
藍「拒否権は無い。」
美鈴「どうしてもって言うなら、私を倒してからにして。」
藍「そうか。」
じいさんは、身構えます。
どうやら、武道の心得があるようですが・・・、
藍「橙、Go!」
美鈴「!?」
ドカァ!
美鈴「ぐっはあ!」
合図とともに、猫型の鬼がくるくると回りながら、じいさん目掛けて体当たりをかましました。
不意を突かれたじいさん、気を失ってしまいました。
美鈴「う~ん・・・・・・・。」
藍「いっちょあがり。じゃ、行こうか。」
橙「は~い。」
じいさんは鬼たちに連れ去られました。
・
・
・
じいさんが目を覚ますと、そこは宴会の席でした。
見ると、先ほどじいさんを撃墜した鬼たちに加えて、もう一人鬼がいるようです。
藍「あ、気がついたな。」
橙「しぶといね。」
鬼たちがじいさんに話しかけます。
橙「寝てなきゃ駄目。」
藍「そうそう。あなたは今日のメインディッシュだからね。」
紫「あんまり美味しそうに見えないわ。」
美鈴「誰が食料よ。私は取って食べれるような種類の生き物じゃないわ。煮ても焼いてもね。」
藍「じゃ、蒸して食べるか。」
美鈴「どうやっても食べれないわよ!」
じいさんは、食われてなるものかと、鬼たちに攻撃を仕掛けました。
藍「橙、下がってなさい。」
橙「了解~。」
狐鬼は猫鬼を下がらせました。
美鈴「幻符『華想夢葛』!」
藍「おお、なかなかいい弾幕。」
紫「絶景ね。」
鬼たちは平然としています。
美鈴「彩符『彩光乱舞』!」
藍「たまや~。」
紫「かぎや~。」
鬼たちはむしろ楽しんでいます。
美鈴「彩符『極彩颱風』!」
藍「すごいすごい。」
紫「天晴れ天晴れ。」
じいさんの攻撃は、鬼たちには一切通じませんでした。
美鈴「ぜ~、ぜ~・・・・・・。」
紫「あら、ネタ切れかしら?」
美鈴「な、何で効かないの・・・・?」
藍「あ~、私達、ボム無効があるから。橙は持ってないから、下がらせた。」
美鈴「何の話よ・・・・・?」
藍「それはそうと、なかなか楽しかったよ。」
紫「そうね。」
美鈴「そ、それはどうも・・・。」
じいさんは、息を切らしています。
藍「楽しませてもらったから、食料係は免除してやる。」
美鈴「え、ほんと?」
紫「そのかわり、明日も宴会やるから来て頂戴。」
美鈴「え~・・・・。」
鬼たちは、無茶な注文をつけました。
藍「でも、明日も来なかったら困りますよ。」
紫「そうね・・・・。」
美鈴「どう困るの?」
紫「それじゃ、あなたが大切にしているものを、質として預かるわ。」
藍「そういうわけで、何かよこせ。」
美鈴「ええ!そんな急に言われても・・・・。」
急に言われても思いつかず、じいさんは困りました。
そこで、鬼が言いました。
紫「じゃあ、あなたの名前をもらうわ。」
美鈴「な、名前って・・・・・。」
藍「親からもらったものとして、大切なもののはず。」
紫「そんなわけで、あなたの名前をもらうわ。返して欲しかったら、明日も来なさい。」
美鈴「名前が無くなったら、どうなるの。」
藍「みんなが名前で呼んでくれなくなる。」
紫「親も兄弟も、みんなね。」
美鈴「そ、そんな~・・・・。」
紫「じゃ、名前をどうぞ。」
藍「言わなきゃ酒の肴にする。」
美鈴「え、ええと・・・・。」
紫「さあ。」
藍「さあ。」
美鈴「わ、私は、ホ・・・・・。」
じいさんは少し躊躇して、
美鈴「私の名前は、中国です。」
と言いました。
紫「分かったわ、中国。これであなたの名前は、誰も呼んでくれない。」
藍「返してほしくば、明日も来なさい。中国とやら。」
美鈴「は、はい・・・・。」
紫「それじゃ、今日は帰っていいわよ。藍、村まで案内してあげて。」
藍「了解。橙、出ておいで。」
橙「呼ばれて飛び出て・・・・・。」
紫「じゃじゃじゃじゃ~ん、だったかしら?」
美鈴「ふ、古い・・・・。」
藍「村まで案内してあげろ。」
橙「は~い。」
こうしてじいさんは、猫鬼に連れられて、村へ帰ることが出来ました。
橙「それじゃ、また明日ね。中国さん。」
美鈴「ええ、そうね・・・・。」
猫鬼は帰っていきました。
じいさんは鬼が見えなくなると、たまらず笑顔がこぼれました。
美鈴「脱、中国宣言~!!」
そう叫びながら、じいさんは家へと帰りました。
美鈴「私は中国じゃない、私は中国じゃない・・・・。」
家に帰ったじいさん、早速自分を中国呼ばわりし始めた、あの友達の所へ行きました。
美鈴「こら~!そこの黒いの。」
魔理沙「何だ何だ、やぶからぼうに。私は悪いことしてないぜ。」
じいさんは友達に話し掛けました。
魔理沙「・・・・・・・・・?」
美鈴「どうしたのよ?」
魔理沙「・・・・・・・・・あんた、誰?」
美鈴「・・・・・・・は?」
魔理沙「あんた、誰だっけ?」
美鈴「わ、私のこと、覚えてないの・・・・?」
魔理沙「いや、あんた自身には見覚えあるし、付き合いがあるのも覚えてる。」
美鈴「ま、まさか・・・・。」
魔理沙「・・・・あんた、名前なんだっけ?」
じいさんは愕然としました。
友達の頭の中では、最早じいさんの本名など存在せず、中国一色のようです。
中国という名前を奪われたじいさんは、名前を知らない人としか認識されていないのです。
美鈴「そ、そんな・・・・。」
魔理沙「う~ん・・・・・、記憶力には自身があるんだけどな~。」
美鈴「ほ、ほら。紅、ホンだって。紅じいさんって呼ばれてた・・・・。」
魔理沙「う~ん・・・・・。しっくりこねえな。」
美鈴「く・・・・。ち、中国。私は中国・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・・・わからん。」
美鈴「そんな、馬鹿な・・・・・・。」
何を言っても友達は、じいさんの名前を呼ぶことはありませんでした。
仕方なくじいさんは近所の他の人たちに聞いてみました。
咲夜「名前?・・・・わからないわ。」
パチュリー「う~ん・・・・。本には載ってないわね。」
レミリア「知ってるけど、知らない人ね。」
フランドール「ぶった切っていい?」
他の人も、やっぱり名前で呼んでくれませんでした。
みんな、じいさんの本名を忘れてしまっているようです。
むしろ、記憶から抹消されている様子です。
美鈴「しくしく・・・・・。」
じいさんはその夜、枕を涙で濡らしました。
そして次の日、約束通り鬼の所へ行き、場を盛り上げた後ヤケ酒し、名前を返してもらったそうな。
名前を返してもらったじいさんは、
魔理沙「よ~、中国。」
咲夜「あら、中国。」
レミリア「ええと・・・・、中国。」
美鈴「しくしく・・・・。」
中国のままでしたとさ。
めでたしめでたし
キャスト
じいさん 紅 美鈴
鬼たち 八雲ファミリー
近所の人々 霧雨 魔理沙と紅魔館の住人たち