むかしあるところに、木こりがいました。
普段はとあるお屋敷に仕えて、木を切ったりいろいろしてました。
この木こりは正直者で、嘘はつかないと評判でした。
妖夢「私は庭師なんだけどなあ・・・・・。」
ある日木こりは、いつものように山へと出向き、木を切っていました。
妖夢「・・・・・・・・・ハッ!」
ズバッ!
木こりは自慢の刀で、木を一刀両断にしました。
ギギギギギギ・・・・・・
バターン!
そうして木は倒れました。
妖夢「よしよし。今日も絶好調ね。」
木の切れ具合に満足した木こりは、次の木を切ろうと精神を集中します。
妖夢「・・・・・・・・・・フッ!」
木こりは刀を振りました。
ところが、
ツルッ!
妖夢「わぁ!」
ドテ
勢い余って、木こりはこけてしまいました。
妖夢「いたたたた・・・・。私もまだまだ、修行不足ね・・・・・・。」
木こりは立ち上がると、気を取り直してやり直そうとしました。
妖夢「・・・・・あれ、楼観剣がない?」
木こり自慢の刀が見つかりません。
どうやら、こけた拍子に落としてしまったようです。
妖夢「そんな~。あれが無いと、半分幽霊の半人前の半二刀流って馬鹿にされる・・・。」
?「半二刀流って、何よ?」
妖夢「!?」
木こりが刀を探していると、何処からとも無く声が聞こえてきました。
妖夢「誰?何処にいるの?」
?「質問は一つづつにしなさい。私はなんとか太子ってのじゃないから。」
妖夢「それじゃあ、半二刀流って何?」
?「・・・・・自分の台詞には責任を持ちなさいって事よ。」
妖夢「そうね。どうでもいいけど、何処にいるの?」
?「ここよ。」
妖夢「?」
声の発生源は、どうやら木こりの目の前にある泉のようです。
木こりが泉を覗くと、泉から誰かが現れました。
ただし、上半身だけですが。
魅魔「刀を使う一風変わった木こりさん。あんたが落としたのは、この金の斧かい?」
妖夢「違うわ。」
魅魔「じゃあ、この銀の斧?」
妖夢「違う。」
魅魔「それじゃ、この金のお払い棒?」
妖夢「私は巫女じゃないわ。」
魅魔「それじゃあ、この銀のナイフ?」
妖夢「メイドにあげたらどうかな。」
魅魔「ヴァイオリン?」
妖夢「演奏は私の仕事じゃないわ。」
魅魔「式神?」
妖夢「猫も狐も、いらない。」
魅魔「うーん、それじゃあ・・・・・。」
妖夢「もういいかしら?私が落としたのは刀なんだけど。」
魅魔「なんだい、ノリが悪いねえ。」
妖夢「泉に住む半魚人さん。そういうわけだから、早く返してほしいんだけど。」
魅魔「泉の精霊よ。どこが半魚人だい。」
妖夢「似たようなものじゃない。なんで上半身だけしか出てないの?」
魅魔「ああ、物を泉の底に沈めてるからね。取りやすいように。」
妖夢「(さっき言ったの、全部あるのかなあ・・・・・?)」
魅魔「ん~・・・・。はい。さっきあんたが落とした刀。」
妖夢「ありがとう・・・・・・・?」
泉の精霊は木こりに刀を返そうとして、泉から出てきました。
木こりは刀を受け取りました。
が、そこで押し黙ってしまいました。
妖夢「・・・・・・・・・・・。」
魅魔「あんたは正直だから、褒美として金の斧と銀の斧もつけて・・・・。どうした?」
妖夢「・・・・・・・・・・お・・・・・・・・。」
魅魔「お?」
妖夢「おばけ~~~~~~~~!!!」
ドドドドドドドド・・・・・・・
木こりはそう叫んで、一目散に逃げ出しました。
泉の精霊には足がなかったので、お化けと勘違いしてしまったようです。
魅魔「こら~!あんた自分で半分幽霊って、言ってなかったか~!?」
泉の精霊はそう怒鳴りましたが、すでに木こりは遥か彼方へと逃げていました。
・
・
・
木こりは家に帰ると、お屋敷のご主人に山での出来事を話しました。
妖夢「で、で、で、で・・・・・・。」
幽々子「落ち着きなさいって。帰ってくるなり、どうしたっていうのよ?」
妖夢「で、出たんですよ~!」
幽々子「出たって、何が?」
妖夢「おばけです!おばけが出たんですって!」
幽々子「おばけって・・・・・・・。」
魅魔「私のこと?」
何故か泉の精霊がいました。
妖夢「で~~た~~~~!!」
幽々子「ちょっと、落ち着きなさいって言ってるでしょ?」
妖夢「で、でも~・・・・。」
木こりはご主人に泣き付いています。
幽々子「おばけって言ったって、あなた半分おばけみたいなものじゃないの?」
妖夢「は、半分だから・・・・・。」
幽々子「そもそも、私全部おばけよ?」
妖夢「あ・・・・・・。」
ご主人は木こりを優しくなだめました。
妖夢「そう言われてみれば、そうですよね。」
幽々子「そうよ。足の有無なんて、たいした問題じゃないわ。」
魅魔「わかってくれたようね。」
幽々子「うちの妖夢が、ご迷惑おかけしたみたいで・・・・・。」
魅魔「いえいえ、どういたしまして。」
妖夢「私がご迷惑おかけしたみたいで・・・・・。」
魅魔「なんのなんの。こんなこと気にしてちゃ、生きていけないわ。」
妖夢「(生きてるのかな?)」
幽々子「で、100%おばけさん。うちに何か御用?」
魅魔「あ~、そうそう。そこの木こりさんが・・・。」
妖夢「わ、私?まさか、祟り殺す気じゃ・・・。」
魅魔「違う違う。あんたに金の斧と銀の斧あげようと思ったんだけど、あんた逃げたでしょ。それで、届けに来たの。」
妖夢「そうですか。どうもすみません。」
幽々子「重ね重ね、うちの妖夢が・・・。」
魅魔「いえいえ・・・。それじゃ、私は帰るね。」
幽々子「あら、もっとゆっくりしていけばいいのに。」
魅魔「神様っていうのも、割と忙しいものなのよ。じゃあね。」
泉の精霊は、木こりに金の斧と銀の斧を渡すと、山に帰っていきました。
木こりが金の斧と銀の斧をもらったという話は、近所に広まりました。
その話を、近所のある欲張りな人が聞きました。
その欲張りな人は、自分も金銀の斧がほしいと思い、山へ向かいました。
霊夢「ねえ。一ついいかしら?」
魔理沙「なんだ?」
霊夢「どっちが欲張りな人?」
魔理沙「さあな。あんたじゃないか?」
霊夢「どっちかと言うと、あんたのような気がするんだけど。普段の行いを見る限りではね。」
魔理沙「あんた、マヨイガで強盗働いたっていう前科があるだろ。」
霊夢「失礼ね。強盗したんじゃなくて、ちょっと略奪を働いただけよ。」
魔理沙「似たようなもんじゃねえか。」
欲張りな二人組は、件の泉に着きました。
魔理沙「で、どうするんだ?」
霊夢「この泉になんか刃物を投げ込めばいいらしい。」
魔理沙「刃物なんて、なんかあるのか?」
霊夢「丁度ここに、一本のナイフがある。」
魔理沙「咲夜のか?」
霊夢「それじゃ、入れるね。」
ポチャン
欲張りな人は、持参したナイフを泉に投げ込みました。
すると
魅魔「やれやれ。また仕事?」
魔理沙「あ、魅魔様。」
泉の精霊が現れました。
魅魔「みょんちくりんな巫女さん。あんたが落としたのは、この金の・・・・・・。」
霊夢「霊符『夢想封印・散』」
ドーン!
魅魔「あ~・・・・・・・。」
泉の精霊は、どこかに吹き飛ばされました。
魔理沙「わ~~!あんた、何やってんだ!」
霊夢「それじゃ、略奪開始~。」
魔理沙「おい!聞いてんのか!?」
霊夢「何よ、五月蝿いわね。」
魔理沙「何で、何で魅魔様を殺した・・・・・?」
霊夢「あら、悪霊を封印するのは、巫女の役目よ。」
魔理沙「ロクに仕事しねえくせに・・・・・。」
霊夢「あ、そういえば、悪い魔女も封印しないと・・・・・。」
魔理沙「私は、いい魔女だぜ。」
霊夢「いい魔女だったら、文句言ってないで運ぶの手伝ってよ。」
魔理沙「後でどうなっても、知らねえぞ・・・・・。」
欲張りな二人組は、略奪を開始しました。
霊夢「ええと、これは私がさっき投げたナイフ・・・。それと、それ以外のナイフ。」
魔理沙「あんたが落としたのは金のナイフ?それとも銀のナイフ?って感じだな。」
霊夢「金のお払い棒・・・・。レア物ね。」
魔理沙「私はいらないぜ。」
霊夢「誰もあげるなんて言ってないわ。・・・・・あら。」
魔理沙「どうした?」
霊夢「ヴァイオリン発掘。」
魔理沙「どっから奪ってきたんだ?」
霊夢「なんか、禍々しい人形発見。」
魔理沙「いわくつきか。私が貰ってもいいか?」
霊夢「別にいいわよ。呪われても知らないけどね。ええと、これは杖かしら?」
魔理沙「魅魔様の愛用品か?」
霊夢「違うっぽいわ。何か、いびつな形よ。」
魔理沙「あ~。これ、妹君のだ。」
霊夢「どっから奪ってきたんだか・・・・。ええと、他には・・・・・。」
魔理沙「なあ。もう、いいんじゃないか?」
霊夢「ここまで来て、何言ってるのよ。・・・・・・お?」
魔理沙「どうした。」
霊夢「猫ゲット。」
魔理沙「・・・・・・・・・何でだよ?」
霊夢「その辺で拾ってきたんじゃないの?後で狐に返さなきゃ。」
魔理沙「そうだな。」
霊夢「金品の要求込みで。」
魔理沙「人質誘拐事件までやろうってのかい?」
霊夢「ん~・・・・・、めぼしい物はこんなもんね。」
魔理沙「何でこんなもん、ここにあるんだ?」
霊夢「後で本人に聞いてみたら?」
魔理沙「・・・・・・怖いから、しばらく顔をあわせたくない。」
欲張りな二人は泉で略奪を働くと、家に帰りました。
するとそこには
魅魔「あ、おかえり~。」
泉の精霊がいました。
魔理沙「げげ!」
霊夢「あ、生きてたのね。」
魅魔「ん~、生きてるというかなんというか・・・・。それより二人とも。」
魔理沙「お、おう・・・・。」
霊夢「何よ。」
魅魔「私をこんな目にあわせておいて、まさかただで済むと思っちゃいないだろうね・・・・?」
魔理沙「お、おい霊夢・・・・。あんたがやったんだから、素直にあやまれ、って。」
見ると、二人組の片割れは姿を消しています。
魔理沙「・・・・・・あいつ~!逃げやがったな!」
魅魔「うふふふふ・・・・。覚悟はいいかな~?ま・り・さ。」
魔理沙「あ、その、ええと、直接手をくだしたのはあっちの紅白であって、私は見てただけ・・・。」
魅魔「問答無用!」
魔理沙「ぎゃ~~~!!」
逃げ遅れた欲張りな人は、泉の精霊の怒りをかいました。
その後、この人を見た者は、誰もいなかったそうな・・・・・・・・。
おしまい
キャスト
木こり 魂魄 妖夢
泉の精霊 魅魔
ご主人 西行寺 幽々子
欲張りな二人組 博麗 霊夢、霧雨 魔理沙
普段はとあるお屋敷に仕えて、木を切ったりいろいろしてました。
この木こりは正直者で、嘘はつかないと評判でした。
妖夢「私は庭師なんだけどなあ・・・・・。」
ある日木こりは、いつものように山へと出向き、木を切っていました。
妖夢「・・・・・・・・・ハッ!」
ズバッ!
木こりは自慢の刀で、木を一刀両断にしました。
ギギギギギギ・・・・・・
バターン!
そうして木は倒れました。
妖夢「よしよし。今日も絶好調ね。」
木の切れ具合に満足した木こりは、次の木を切ろうと精神を集中します。
妖夢「・・・・・・・・・・フッ!」
木こりは刀を振りました。
ところが、
ツルッ!
妖夢「わぁ!」
ドテ
勢い余って、木こりはこけてしまいました。
妖夢「いたたたた・・・・。私もまだまだ、修行不足ね・・・・・・。」
木こりは立ち上がると、気を取り直してやり直そうとしました。
妖夢「・・・・・あれ、楼観剣がない?」
木こり自慢の刀が見つかりません。
どうやら、こけた拍子に落としてしまったようです。
妖夢「そんな~。あれが無いと、半分幽霊の半人前の半二刀流って馬鹿にされる・・・。」
?「半二刀流って、何よ?」
妖夢「!?」
木こりが刀を探していると、何処からとも無く声が聞こえてきました。
妖夢「誰?何処にいるの?」
?「質問は一つづつにしなさい。私はなんとか太子ってのじゃないから。」
妖夢「それじゃあ、半二刀流って何?」
?「・・・・・自分の台詞には責任を持ちなさいって事よ。」
妖夢「そうね。どうでもいいけど、何処にいるの?」
?「ここよ。」
妖夢「?」
声の発生源は、どうやら木こりの目の前にある泉のようです。
木こりが泉を覗くと、泉から誰かが現れました。
ただし、上半身だけですが。
魅魔「刀を使う一風変わった木こりさん。あんたが落としたのは、この金の斧かい?」
妖夢「違うわ。」
魅魔「じゃあ、この銀の斧?」
妖夢「違う。」
魅魔「それじゃ、この金のお払い棒?」
妖夢「私は巫女じゃないわ。」
魅魔「それじゃあ、この銀のナイフ?」
妖夢「メイドにあげたらどうかな。」
魅魔「ヴァイオリン?」
妖夢「演奏は私の仕事じゃないわ。」
魅魔「式神?」
妖夢「猫も狐も、いらない。」
魅魔「うーん、それじゃあ・・・・・。」
妖夢「もういいかしら?私が落としたのは刀なんだけど。」
魅魔「なんだい、ノリが悪いねえ。」
妖夢「泉に住む半魚人さん。そういうわけだから、早く返してほしいんだけど。」
魅魔「泉の精霊よ。どこが半魚人だい。」
妖夢「似たようなものじゃない。なんで上半身だけしか出てないの?」
魅魔「ああ、物を泉の底に沈めてるからね。取りやすいように。」
妖夢「(さっき言ったの、全部あるのかなあ・・・・・?)」
魅魔「ん~・・・・。はい。さっきあんたが落とした刀。」
妖夢「ありがとう・・・・・・・?」
泉の精霊は木こりに刀を返そうとして、泉から出てきました。
木こりは刀を受け取りました。
が、そこで押し黙ってしまいました。
妖夢「・・・・・・・・・・・。」
魅魔「あんたは正直だから、褒美として金の斧と銀の斧もつけて・・・・。どうした?」
妖夢「・・・・・・・・・・お・・・・・・・・。」
魅魔「お?」
妖夢「おばけ~~~~~~~~!!!」
ドドドドドドドド・・・・・・・
木こりはそう叫んで、一目散に逃げ出しました。
泉の精霊には足がなかったので、お化けと勘違いしてしまったようです。
魅魔「こら~!あんた自分で半分幽霊って、言ってなかったか~!?」
泉の精霊はそう怒鳴りましたが、すでに木こりは遥か彼方へと逃げていました。
・
・
・
木こりは家に帰ると、お屋敷のご主人に山での出来事を話しました。
妖夢「で、で、で、で・・・・・・。」
幽々子「落ち着きなさいって。帰ってくるなり、どうしたっていうのよ?」
妖夢「で、出たんですよ~!」
幽々子「出たって、何が?」
妖夢「おばけです!おばけが出たんですって!」
幽々子「おばけって・・・・・・・。」
魅魔「私のこと?」
何故か泉の精霊がいました。
妖夢「で~~た~~~~!!」
幽々子「ちょっと、落ち着きなさいって言ってるでしょ?」
妖夢「で、でも~・・・・。」
木こりはご主人に泣き付いています。
幽々子「おばけって言ったって、あなた半分おばけみたいなものじゃないの?」
妖夢「は、半分だから・・・・・。」
幽々子「そもそも、私全部おばけよ?」
妖夢「あ・・・・・・。」
ご主人は木こりを優しくなだめました。
妖夢「そう言われてみれば、そうですよね。」
幽々子「そうよ。足の有無なんて、たいした問題じゃないわ。」
魅魔「わかってくれたようね。」
幽々子「うちの妖夢が、ご迷惑おかけしたみたいで・・・・・。」
魅魔「いえいえ、どういたしまして。」
妖夢「私がご迷惑おかけしたみたいで・・・・・。」
魅魔「なんのなんの。こんなこと気にしてちゃ、生きていけないわ。」
妖夢「(生きてるのかな?)」
幽々子「で、100%おばけさん。うちに何か御用?」
魅魔「あ~、そうそう。そこの木こりさんが・・・。」
妖夢「わ、私?まさか、祟り殺す気じゃ・・・。」
魅魔「違う違う。あんたに金の斧と銀の斧あげようと思ったんだけど、あんた逃げたでしょ。それで、届けに来たの。」
妖夢「そうですか。どうもすみません。」
幽々子「重ね重ね、うちの妖夢が・・・。」
魅魔「いえいえ・・・。それじゃ、私は帰るね。」
幽々子「あら、もっとゆっくりしていけばいいのに。」
魅魔「神様っていうのも、割と忙しいものなのよ。じゃあね。」
泉の精霊は、木こりに金の斧と銀の斧を渡すと、山に帰っていきました。
木こりが金の斧と銀の斧をもらったという話は、近所に広まりました。
その話を、近所のある欲張りな人が聞きました。
その欲張りな人は、自分も金銀の斧がほしいと思い、山へ向かいました。
霊夢「ねえ。一ついいかしら?」
魔理沙「なんだ?」
霊夢「どっちが欲張りな人?」
魔理沙「さあな。あんたじゃないか?」
霊夢「どっちかと言うと、あんたのような気がするんだけど。普段の行いを見る限りではね。」
魔理沙「あんた、マヨイガで強盗働いたっていう前科があるだろ。」
霊夢「失礼ね。強盗したんじゃなくて、ちょっと略奪を働いただけよ。」
魔理沙「似たようなもんじゃねえか。」
欲張りな二人組は、件の泉に着きました。
魔理沙「で、どうするんだ?」
霊夢「この泉になんか刃物を投げ込めばいいらしい。」
魔理沙「刃物なんて、なんかあるのか?」
霊夢「丁度ここに、一本のナイフがある。」
魔理沙「咲夜のか?」
霊夢「それじゃ、入れるね。」
ポチャン
欲張りな人は、持参したナイフを泉に投げ込みました。
すると
魅魔「やれやれ。また仕事?」
魔理沙「あ、魅魔様。」
泉の精霊が現れました。
魅魔「みょんちくりんな巫女さん。あんたが落としたのは、この金の・・・・・・。」
霊夢「霊符『夢想封印・散』」
ドーン!
魅魔「あ~・・・・・・・。」
泉の精霊は、どこかに吹き飛ばされました。
魔理沙「わ~~!あんた、何やってんだ!」
霊夢「それじゃ、略奪開始~。」
魔理沙「おい!聞いてんのか!?」
霊夢「何よ、五月蝿いわね。」
魔理沙「何で、何で魅魔様を殺した・・・・・?」
霊夢「あら、悪霊を封印するのは、巫女の役目よ。」
魔理沙「ロクに仕事しねえくせに・・・・・。」
霊夢「あ、そういえば、悪い魔女も封印しないと・・・・・。」
魔理沙「私は、いい魔女だぜ。」
霊夢「いい魔女だったら、文句言ってないで運ぶの手伝ってよ。」
魔理沙「後でどうなっても、知らねえぞ・・・・・。」
欲張りな二人組は、略奪を開始しました。
霊夢「ええと、これは私がさっき投げたナイフ・・・。それと、それ以外のナイフ。」
魔理沙「あんたが落としたのは金のナイフ?それとも銀のナイフ?って感じだな。」
霊夢「金のお払い棒・・・・。レア物ね。」
魔理沙「私はいらないぜ。」
霊夢「誰もあげるなんて言ってないわ。・・・・・あら。」
魔理沙「どうした?」
霊夢「ヴァイオリン発掘。」
魔理沙「どっから奪ってきたんだ?」
霊夢「なんか、禍々しい人形発見。」
魔理沙「いわくつきか。私が貰ってもいいか?」
霊夢「別にいいわよ。呪われても知らないけどね。ええと、これは杖かしら?」
魔理沙「魅魔様の愛用品か?」
霊夢「違うっぽいわ。何か、いびつな形よ。」
魔理沙「あ~。これ、妹君のだ。」
霊夢「どっから奪ってきたんだか・・・・。ええと、他には・・・・・。」
魔理沙「なあ。もう、いいんじゃないか?」
霊夢「ここまで来て、何言ってるのよ。・・・・・・お?」
魔理沙「どうした。」
霊夢「猫ゲット。」
魔理沙「・・・・・・・・・何でだよ?」
霊夢「その辺で拾ってきたんじゃないの?後で狐に返さなきゃ。」
魔理沙「そうだな。」
霊夢「金品の要求込みで。」
魔理沙「人質誘拐事件までやろうってのかい?」
霊夢「ん~・・・・・、めぼしい物はこんなもんね。」
魔理沙「何でこんなもん、ここにあるんだ?」
霊夢「後で本人に聞いてみたら?」
魔理沙「・・・・・・怖いから、しばらく顔をあわせたくない。」
欲張りな二人は泉で略奪を働くと、家に帰りました。
するとそこには
魅魔「あ、おかえり~。」
泉の精霊がいました。
魔理沙「げげ!」
霊夢「あ、生きてたのね。」
魅魔「ん~、生きてるというかなんというか・・・・。それより二人とも。」
魔理沙「お、おう・・・・。」
霊夢「何よ。」
魅魔「私をこんな目にあわせておいて、まさかただで済むと思っちゃいないだろうね・・・・?」
魔理沙「お、おい霊夢・・・・。あんたがやったんだから、素直にあやまれ、って。」
見ると、二人組の片割れは姿を消しています。
魔理沙「・・・・・・あいつ~!逃げやがったな!」
魅魔「うふふふふ・・・・。覚悟はいいかな~?ま・り・さ。」
魔理沙「あ、その、ええと、直接手をくだしたのはあっちの紅白であって、私は見てただけ・・・。」
魅魔「問答無用!」
魔理沙「ぎゃ~~~!!」
逃げ遅れた欲張りな人は、泉の精霊の怒りをかいました。
その後、この人を見た者は、誰もいなかったそうな・・・・・・・・。
おしまい
キャスト
木こり 魂魄 妖夢
泉の精霊 魅魔
ご主人 西行寺 幽々子
欲張りな二人組 博麗 霊夢、霧雨 魔理沙