はしたない
はしたない
はしたない
はしたない
結婚前の女性が弾幕ごっこなんてはしたない
と、稗田のおっさんは思った。
彼は稗田姓を名乗っているが、阿求とはまあ近い家系の寡男だった。
それなりに金持ちの庄屋の当主をしている。そして、霧雨店の親父とは幼馴染だ。
はしたなきは罰しなくてはならない。そう思って数時間、稗田は霧雨店を訪れていた。
「なあ、霧雨。おら思うだが。弾幕ごっこつう遊びは、負けたほうが半裸になるだ」
「お前はそんな愚痴を言いに俺の店に来たのか? せっかくだから、光学迷彩スーツでも買ってけよ変態には良い道具だぜ」
霧雨の親父はにとりの作った物を売っていたりする。娘に帰って欲しい気持全開で、マジックアイテムみたいな科学的なのでどうにかこうにかしていたりする。
が、娘は未だに娘は帰ってこない。ちょっと、さびしい。
「おらは、変態じゃねえだよ」
「いやな、十分変態だぜ」
2人は幼馴染だから気心は知れている。若いころ、いや現在進行形で稗田のおっさんは変態だった。
「なんでか?」
「50過ぎて、女装してるの郷でお前くらいだぞ」
この2人はかつてカブいていたが、片方は落ち着いて片方はカブいたところを掻きすぎて化膿してしまっていたのだった。
稗田は一族のなかでも有名な阿求の格好を嗜んでいる。それは、まるで煙管を今の霧雨が嗜むように。
「違うだ。この格好は。……おめぇだって、知ってるべ?」
「俺はあの時の俺に言いたい。間違えたとな」
若き日の霧雨にもそういう時期があったが、やがて親の家を継ぎ、せちがない世間を知り。止めに魔理沙の母親に出会いそういうことには卒業していったのだった。
全部が全部間違いだとは言わない。霧雨はそういう女々しいところが在って、霧雨の妻には雄々しいところが在ったから馬が合って今に至るのだった。
「……それよりな。話戻すべ。弾幕ごっこははしたないべな? 娘子が・は・ん・らだべ」
「そうだな、若かろうがなんだろうが人前で半裸になるのははしたないと思うぜ」
霧雨はこの話題を本当は避けたい。自分の娘がそれにはまっていることをかつてここで働いていた半人だか半獣だか半妖だかの奴が時々来ては言うのだから。
森近が言うには、博麗や吸血鬼と弾幕ごっこをしては切磋琢磨してるらしい。森近のアレは、本人は気付いて居ないだろうが傍観者を気取って居るのかそんな魔理沙や少女達の成長を見て少し興奮気味に言う。
だが、霧雨は自分の娘がごっことか言いながら危ないことや破廉恥なことをしているのは許せない。
商売はじめて40年のせいで本音が顔に出ない。まだ若いつもりだが、初老の好々爺の顔していることがアレにとっては一番効果があると見えた。なんの役に立つかわ知らない。そのうち役に立つときが来るかもしれないしこ来ないかもしれない。
「負けた帰り道に悪い男衆に遭遇するべ」
「なんで決定事項なんだ?」
「オラの書く本では、いつも悪い男衆が出るだ」
稗田のおっさんは働かなくても金が入る。むしろ、働くと金は出て行く。なんでだか、稗田は分かって居るから本を書くようになった。ここ暫くは書斎で1人でニタニタ笑い酔ってた。そして、弾幕ごっこははしたないに至った。
「そうだな」
「んだろ?」
霧雨店にも稗田の本は置いてある。一応は同人誌的なでは無かった。そして、少々売れて居るから嫌になるし、稗田は金持ちの癖に印税は取っていく。
「ああ」
「半裸だべ。弾幕ごっこ負けたら半裸だべ」
「それは、凄く激しい戦闘だったんだろな」
稗田の本で起きることははしたない。それはお約束だったし、だから郷の本当に18歳以上なのかって奴にも70歳過ぎの老人にも売れているのだった。
「んでな、お前の娘子もそれにはまって居るらしいべな」
「確かに俺の娘もやっているらしいが、お前の頭の中とはかってが違うぜ」
「かっても何もそういう危険を孕んだ。半裸になる破廉恥の事をお前の娘子が負けたら半裸だっぺ」
「俺の娘だぜ。負けないぜ」
基本的に稗田のおっさんは友達少ない。なにかとこういう思いつきで嫌味的なことを言ってくるからだった。相手の気持など考えず、面白いや興味持ったことにその悪癖を混ぜてしまう。本当は悪い奴じゃないのに。
「んっでもな。オラは心配して」
「……のびーるアーム新入荷したんだぜ。友情価格にして負けとくぜ」
「ん、だが。お前の娘子」
営業スマイルは口だけ眼が怖い霧雨の親父さん。
「……いらんか? ぜ? あ? ぜ? ああ!!」
「わかったべ。また明日くるべ。それまで、キープしとくべ」
そういえば今日は年貢の取立ての日だって思い出した稗田は、枡のサイズをちょっとだけ大きくした方が良い気になった。そんな気になってその場をさった。
幼馴染が眼で教えてくれたのだと思うことにしたから。
それから霧雨のおさっさんは、1人になったから営業スマイルも無い。時計を見ると16時で店じまいの時間にしておく。
本当は、あと2時間位は店を開けといても熱心なんて言われることは無いだろう。でも今日は、店じまい。
だって、あ~あ、という気持だった。あれだけ娘の事を言われたのだから。淋しい、不安、不満、多分それが混じっている。
勘当同然の娘だがたまには顔位見せに来いと思った。親子だからどこか似てて会いたくても自分からは会いに行かない。
でも、どんなに辛い時よりも。どんなに苦しい時よりも。
娘の顔が見たかった。
のびーるアームで光学迷彩を掴んだ。
はしたない
はしたない
はしたない
結婚前の女性が弾幕ごっこなんてはしたない
と、稗田のおっさんは思った。
彼は稗田姓を名乗っているが、阿求とはまあ近い家系の寡男だった。
それなりに金持ちの庄屋の当主をしている。そして、霧雨店の親父とは幼馴染だ。
はしたなきは罰しなくてはならない。そう思って数時間、稗田は霧雨店を訪れていた。
「なあ、霧雨。おら思うだが。弾幕ごっこつう遊びは、負けたほうが半裸になるだ」
「お前はそんな愚痴を言いに俺の店に来たのか? せっかくだから、光学迷彩スーツでも買ってけよ変態には良い道具だぜ」
霧雨の親父はにとりの作った物を売っていたりする。娘に帰って欲しい気持全開で、マジックアイテムみたいな科学的なのでどうにかこうにかしていたりする。
が、娘は未だに娘は帰ってこない。ちょっと、さびしい。
「おらは、変態じゃねえだよ」
「いやな、十分変態だぜ」
2人は幼馴染だから気心は知れている。若いころ、いや現在進行形で稗田のおっさんは変態だった。
「なんでか?」
「50過ぎて、女装してるの郷でお前くらいだぞ」
この2人はかつてカブいていたが、片方は落ち着いて片方はカブいたところを掻きすぎて化膿してしまっていたのだった。
稗田は一族のなかでも有名な阿求の格好を嗜んでいる。それは、まるで煙管を今の霧雨が嗜むように。
「違うだ。この格好は。……おめぇだって、知ってるべ?」
「俺はあの時の俺に言いたい。間違えたとな」
若き日の霧雨にもそういう時期があったが、やがて親の家を継ぎ、せちがない世間を知り。止めに魔理沙の母親に出会いそういうことには卒業していったのだった。
全部が全部間違いだとは言わない。霧雨はそういう女々しいところが在って、霧雨の妻には雄々しいところが在ったから馬が合って今に至るのだった。
「……それよりな。話戻すべ。弾幕ごっこははしたないべな? 娘子が・は・ん・らだべ」
「そうだな、若かろうがなんだろうが人前で半裸になるのははしたないと思うぜ」
霧雨はこの話題を本当は避けたい。自分の娘がそれにはまっていることをかつてここで働いていた半人だか半獣だか半妖だかの奴が時々来ては言うのだから。
森近が言うには、博麗や吸血鬼と弾幕ごっこをしては切磋琢磨してるらしい。森近のアレは、本人は気付いて居ないだろうが傍観者を気取って居るのかそんな魔理沙や少女達の成長を見て少し興奮気味に言う。
だが、霧雨は自分の娘がごっことか言いながら危ないことや破廉恥なことをしているのは許せない。
商売はじめて40年のせいで本音が顔に出ない。まだ若いつもりだが、初老の好々爺の顔していることがアレにとっては一番効果があると見えた。なんの役に立つかわ知らない。そのうち役に立つときが来るかもしれないしこ来ないかもしれない。
「負けた帰り道に悪い男衆に遭遇するべ」
「なんで決定事項なんだ?」
「オラの書く本では、いつも悪い男衆が出るだ」
稗田のおっさんは働かなくても金が入る。むしろ、働くと金は出て行く。なんでだか、稗田は分かって居るから本を書くようになった。ここ暫くは書斎で1人でニタニタ笑い酔ってた。そして、弾幕ごっこははしたないに至った。
「そうだな」
「んだろ?」
霧雨店にも稗田の本は置いてある。一応は同人誌的なでは無かった。そして、少々売れて居るから嫌になるし、稗田は金持ちの癖に印税は取っていく。
「ああ」
「半裸だべ。弾幕ごっこ負けたら半裸だべ」
「それは、凄く激しい戦闘だったんだろな」
稗田の本で起きることははしたない。それはお約束だったし、だから郷の本当に18歳以上なのかって奴にも70歳過ぎの老人にも売れているのだった。
「んでな、お前の娘子もそれにはまって居るらしいべな」
「確かに俺の娘もやっているらしいが、お前の頭の中とはかってが違うぜ」
「かっても何もそういう危険を孕んだ。半裸になる破廉恥の事をお前の娘子が負けたら半裸だっぺ」
「俺の娘だぜ。負けないぜ」
基本的に稗田のおっさんは友達少ない。なにかとこういう思いつきで嫌味的なことを言ってくるからだった。相手の気持など考えず、面白いや興味持ったことにその悪癖を混ぜてしまう。本当は悪い奴じゃないのに。
「んっでもな。オラは心配して」
「……のびーるアーム新入荷したんだぜ。友情価格にして負けとくぜ」
「ん、だが。お前の娘子」
営業スマイルは口だけ眼が怖い霧雨の親父さん。
「……いらんか? ぜ? あ? ぜ? ああ!!」
「わかったべ。また明日くるべ。それまで、キープしとくべ」
そういえば今日は年貢の取立ての日だって思い出した稗田は、枡のサイズをちょっとだけ大きくした方が良い気になった。そんな気になってその場をさった。
幼馴染が眼で教えてくれたのだと思うことにしたから。
それから霧雨のおさっさんは、1人になったから営業スマイルも無い。時計を見ると16時で店じまいの時間にしておく。
本当は、あと2時間位は店を開けといても熱心なんて言われることは無いだろう。でも今日は、店じまい。
だって、あ~あ、という気持だった。あれだけ娘の事を言われたのだから。淋しい、不安、不満、多分それが混じっている。
勘当同然の娘だがたまには顔位見せに来いと思った。親子だからどこか似てて会いたくても自分からは会いに行かない。
でも、どんなに辛い時よりも。どんなに苦しい時よりも。
娘の顔が見たかった。
のびーるアームで光学迷彩を掴んだ。
ところどころのギャグががっちり私にヒット! でした
幻想郷の少女達とはまた別の視点があって生活もある。
話自体も静かに染み込む感じでよかったです
しかし魔理沙の「~ぜ」は父親ゆずりだったんか