幻想郷が出来て数十年、争いから滅亡の一途を辿る人間・妖怪を止めることは管理者にすら止められずにいた。代わりに幻想郷を支配したのは人間でも、妖怪でもない妖精でした。
悪戯が好きで、幼く、無垢な妖精はその数を増やしていきました。それからまた数十年後の世界・・・
私の仕事は再び人妖が栄華を誇るように妖精たちとコンタクトをとり、仲を取り持つこと。神社を本拠地としているから巫女、と呼ばれている。仕事といっても諦めた様子の八雲からは妖精の監視を命じられているだけなのだけれど。
さて、そんな私はいま氷漬けにされた我々にとって重要な水資源である湖に向かっているわけだけれど、どう考えてもこれは妖精の仕業に違いない。だから私が向かっているわけだけれど。霧が立ち込める湖に着くと、冬の夜中にコートなしで来るより寒さが襲ってきた。思っていたより寒いです。もう帰って布団に入りたいです。でも仕事しないと明日から食べるものがなくなってしまうので仕方ないです。
湖は完全に凍ってしまっていて、恐る恐る足を乗せても全く平気なようです。これなら中心まで歩けそうです。そう思っていた時期が私にもありました。二歩目を踏み出した時には青い空が見えていました。頭は痛いし最悪です。
「あんただいじょーぶ?」
声がするかとおもうと、小さい顔がこちらを覗き込んでいました。頭には青いリボンがしてあります。
「ええ、平気ですよ」
立ち上がり彼女も見ると見た目はまだ小さな少女といったところでしょうか。青い髪に青い瞳、青いスカートと青づくしの、羽が生えた女の子がたっていました。その羽は妖怪のものではありません。まるで氷か水晶のように透き通った6枚羽です。間違いありません。彼女は妖精です。実物は初めてみました。とても愛らしいです。
「ならよかった!あたいはチルノっていうんだ!あんたは?」
「あたしは博麗の巫女をしているわ。妖精さん」
見れば見るほど可愛いですね。持ち帰って飼いたいところですがそれでは危ない人になってしまうので断念しましょう。そんなことよりもお仕事です。
「これはあなたがやったのですか?」
「ん?ああ、すごいでしょ?あたいが本気を出せばこんなもんよ!」
誇らしげにするのは大変可愛らしいのですがこちらは困っているんですよね。夏だというのに水が組めないのは。川は川で時々変なものが流れてくるので使えませんし。おそらくこちらも妖精の仕業なんでしょうが。
「なんで凍らせたんですか?」
「別に。なんとなくよ。凍らせたらほかの連中も嫌がるから面白いし」
どうやら彼女はひねくれ者らしいです。自分の仲間すらどうでもいい感じです。しかしそれでもこちらは困っているのです。
「それなんですがね、これ、なんとか元に戻してもらえませんか?」
「えー、なんで?冷たくて気持ちいでしょ?」
「あなたにとってはそうなんでしょうが私たちにとって、特に人間には寒すぎて辛いですし、なによりお水に困ってしまうんですよ」
「うーん、水がないとどうなるの?」
「そうですね、死んでしまいます」
「へえ、そうなんだ」
いくらなんでも反応が軽すぎますね。こちとら命がかかっているというのに。ここが使えないとあの緑色の発光している粒子をまとった変な武器とかが流れてくる川を使わないといけないんです。
「ちょっろ反応が軽すぎやしませんか?こっちは命がかかっているんですよ」
「・・・?死んだらまた一回休みになるだけでしょ?」
oh・・・死についての感覚が根源的に違うようですね。
「あなたたちはそうなんでしょうが私たちは死んだらもう最後なんですよ」
「つまりどういうこと?」
「つまり死んでしまったら二度と誰ともおしゃべりできませんし、なにもできなくなります」
「えっ・・・それはいや」
「でしょう?だから湖を元に戻してくれませんか?水がないと死んでしまう。死んでしまうと永遠にお休みなんです」
妖精は深く考えるように腕を組んで頭をひねっています。これはいい傾向です。
「でも別にあんたたちがいなくてもあたいたち困らないよね?」
「えっ」
予想外の反応です。確かに自然の権化である妖精にとって私たちは多少なりともそれを破壊することで生活しています。
「ていうーか、あんたたちがいないほうが好都合だよね?」
そういうと、彼女は右手をこちらにかざしました。
「それになんかあんたは嫌な感じがするし、ずっとお休みしてくれる?」
彼女は笑みを浮かべてこちらを見ます。これはなんだかやばいきがしますね。
「じゃあね。人間。」
次の瞬間、目の前が真っ暗になったかもと思うと、そこで私の思考はなくなってしまいま・・・
「うーん、なかなか上手くいかないものね」
八雲紫は上空から氷漬けになった幻想郷も見て顔をしかめた。これで何度目の「幻想郷」だろうか。前回は妖怪が人間を全部食べてしまったから巫女に妖怪退治を覚えさせたのに今回は殺しても死なない妖精が原因ときた。
人妖は一人の少女に凍らされて死んでしまった。逃げながら凍ったもの、赤子を抱いて守ろうとしたままで凍った母親、勇敢に立ち向かおうと農具や牙や爪で立ち向かおうとして凍った人妖もいたが、全ては無意味だ。よく見れば彼女は同法すら凍らせれいる。
「これでこの世界はおしまいね。まあ次は、次こそは」
八雲紫は姿はスキマとともに消え去った。氷の世界には小さな青い少女がいるだけだ。それも結界の崩壊によって消滅してしまうだろう。残された少女は無邪気に、自分の世界を嬉しそうに飛び回っていた。
悪戯が好きで、幼く、無垢な妖精はその数を増やしていきました。それからまた数十年後の世界・・・
私の仕事は再び人妖が栄華を誇るように妖精たちとコンタクトをとり、仲を取り持つこと。神社を本拠地としているから巫女、と呼ばれている。仕事といっても諦めた様子の八雲からは妖精の監視を命じられているだけなのだけれど。
さて、そんな私はいま氷漬けにされた我々にとって重要な水資源である湖に向かっているわけだけれど、どう考えてもこれは妖精の仕業に違いない。だから私が向かっているわけだけれど。霧が立ち込める湖に着くと、冬の夜中にコートなしで来るより寒さが襲ってきた。思っていたより寒いです。もう帰って布団に入りたいです。でも仕事しないと明日から食べるものがなくなってしまうので仕方ないです。
湖は完全に凍ってしまっていて、恐る恐る足を乗せても全く平気なようです。これなら中心まで歩けそうです。そう思っていた時期が私にもありました。二歩目を踏み出した時には青い空が見えていました。頭は痛いし最悪です。
「あんただいじょーぶ?」
声がするかとおもうと、小さい顔がこちらを覗き込んでいました。頭には青いリボンがしてあります。
「ええ、平気ですよ」
立ち上がり彼女も見ると見た目はまだ小さな少女といったところでしょうか。青い髪に青い瞳、青いスカートと青づくしの、羽が生えた女の子がたっていました。その羽は妖怪のものではありません。まるで氷か水晶のように透き通った6枚羽です。間違いありません。彼女は妖精です。実物は初めてみました。とても愛らしいです。
「ならよかった!あたいはチルノっていうんだ!あんたは?」
「あたしは博麗の巫女をしているわ。妖精さん」
見れば見るほど可愛いですね。持ち帰って飼いたいところですがそれでは危ない人になってしまうので断念しましょう。そんなことよりもお仕事です。
「これはあなたがやったのですか?」
「ん?ああ、すごいでしょ?あたいが本気を出せばこんなもんよ!」
誇らしげにするのは大変可愛らしいのですがこちらは困っているんですよね。夏だというのに水が組めないのは。川は川で時々変なものが流れてくるので使えませんし。おそらくこちらも妖精の仕業なんでしょうが。
「なんで凍らせたんですか?」
「別に。なんとなくよ。凍らせたらほかの連中も嫌がるから面白いし」
どうやら彼女はひねくれ者らしいです。自分の仲間すらどうでもいい感じです。しかしそれでもこちらは困っているのです。
「それなんですがね、これ、なんとか元に戻してもらえませんか?」
「えー、なんで?冷たくて気持ちいでしょ?」
「あなたにとってはそうなんでしょうが私たちにとって、特に人間には寒すぎて辛いですし、なによりお水に困ってしまうんですよ」
「うーん、水がないとどうなるの?」
「そうですね、死んでしまいます」
「へえ、そうなんだ」
いくらなんでも反応が軽すぎますね。こちとら命がかかっているというのに。ここが使えないとあの緑色の発光している粒子をまとった変な武器とかが流れてくる川を使わないといけないんです。
「ちょっろ反応が軽すぎやしませんか?こっちは命がかかっているんですよ」
「・・・?死んだらまた一回休みになるだけでしょ?」
oh・・・死についての感覚が根源的に違うようですね。
「あなたたちはそうなんでしょうが私たちは死んだらもう最後なんですよ」
「つまりどういうこと?」
「つまり死んでしまったら二度と誰ともおしゃべりできませんし、なにもできなくなります」
「えっ・・・それはいや」
「でしょう?だから湖を元に戻してくれませんか?水がないと死んでしまう。死んでしまうと永遠にお休みなんです」
妖精は深く考えるように腕を組んで頭をひねっています。これはいい傾向です。
「でも別にあんたたちがいなくてもあたいたち困らないよね?」
「えっ」
予想外の反応です。確かに自然の権化である妖精にとって私たちは多少なりともそれを破壊することで生活しています。
「ていうーか、あんたたちがいないほうが好都合だよね?」
そういうと、彼女は右手をこちらにかざしました。
「それになんかあんたは嫌な感じがするし、ずっとお休みしてくれる?」
彼女は笑みを浮かべてこちらを見ます。これはなんだかやばいきがしますね。
「じゃあね。人間。」
次の瞬間、目の前が真っ暗になったかもと思うと、そこで私の思考はなくなってしまいま・・・
「うーん、なかなか上手くいかないものね」
八雲紫は上空から氷漬けになった幻想郷も見て顔をしかめた。これで何度目の「幻想郷」だろうか。前回は妖怪が人間を全部食べてしまったから巫女に妖怪退治を覚えさせたのに今回は殺しても死なない妖精が原因ときた。
人妖は一人の少女に凍らされて死んでしまった。逃げながら凍ったもの、赤子を抱いて守ろうとしたままで凍った母親、勇敢に立ち向かおうと農具や牙や爪で立ち向かおうとして凍った人妖もいたが、全ては無意味だ。よく見れば彼女は同法すら凍らせれいる。
「これでこの世界はおしまいね。まあ次は、次こそは」
八雲紫は姿はスキマとともに消え去った。氷の世界には小さな青い少女がいるだけだ。それも結界の崩壊によって消滅してしまうだろう。残された少女は無邪気に、自分の世界を嬉しそうに飛び回っていた。
ずっと思っていましたけど幻想少女でチルノだけは本当に怖いです
無邪気不死身非存在超絶対冷気
非でもチルノはなんか怖いなあと思ってました 子供みたいな愛嬌ある動きも何してくるかわからないし
何より無邪気で馬鹿というのが敵意や殺意の究極だと思うんですよね
殺意すらない殺意の無慈悲さはどうしようもない
彼女は元々最強の妖精なのでもしかしたら色々思うところがあったかも知れませんし、人妖怪神の壁も案外薄く見えてたのかも知れません
可哀想だけど別に死んでもいいや
→死んだほうが寧ろいいや
→寧ろ今殺す死ね!
という流れは純粋な殺意って感じがして面白かったです
無邪気とその真逆の冷徹さとは割と近い?!
とりあえずパロディ元と可愛いチルノからどうしてこうなった・・・