「ねぇ、咲夜。咲夜も不老不死になってみない?そうすればずっと一緒に居られる。」
「そうですねぇ、それもとても魅力的な提案ですね。ですが、私は一生死ぬ人間として、一生を全うしたいのです。…あぁ、でも、大丈夫ですよ。生きている間はずっと、一緒にいますから」
◆
「なぁ、咲夜」
「はい、なんでしょう」
いつものティータイム。
ずっと続いたらいい、時間。
私はいつも優雅に静かに紅茶を飲んでいる。
…別に今は優雅じゃ…ないというわけではない。
「咲夜…咲夜にとっての死、ってなんだ?」
「いきなりそんな話を。まさか死ねというのですか。いっちゃうのですか。」
「そういうわけじゃないんだが…。なんていうか、前に属を断わったじゃないの。人間として、全うしたい、と。それはつまり人間として最後は死にたいという事だろう?」
「まぁ、そうでしょうね。」
そうでしょうねってなんだそうでしょうねって。
お前がいったんだろうよ。
「…そ、れで。咲夜、お前の心境が知りたいんだ。」
「…はぁ。」
え、何よ。その反応。
可笑しなこといった?いや側からみればおかしいかもしれないけど。
私は主だから、咲夜の心境を理解しようと…。
「…いや、まぁ、はぁ。少しお時間をいただけますか」
「あ…あぁ」
いやだからなんだその反応は。
「では、失礼します」
もしかして…めんどくさがられてる?
◆
「…そ、れで。咲夜、お前の心境が知りたいんだ。」
「…はぁ。」
いきなり過ぎて、言葉がでなかった。
常に私は御嬢様の期待に添えることを言わなければいけないのだが、こうも唐突だと言葉も出ない。
「…いや、まぁ、はぁ。少しお時間をいただけますか」
「あ…あぁ」
きっと御嬢様は属を望んでいるのでしょうが、今頼めば少々二度手間に…。
「では、失礼します」
私は逃げるようにしてその場をたちさった。
◆
心境、つまりは死の概念のことなのだろうが、あまりよくわからない。
死にたくないきもするが、御嬢様になら、悪いきもしない。
短命なのも惜しいが、普通も何か。かといって長すぎても辛くなるだけだ。
「で、私のところにきた、と」
「はい」
というわけでパチュリー様のところへいってみた。
パチュリー様は物知りで、知的で面白い方なので、期待にはあわずとも少しのヒントはくれるでしょうし。
「そうね。死、か。私はレミィよりは長寿だけれど、蓬莱人よりは短命ね。だから、妖怪でいうと普通ってとこかしら。
人間みたいに儚麗に生きれないけれど、だらけれもしない。だから、好きな事をしているの」
「好きなこと、ですか?」
概念は少しそれたが興味はあるので聞いてみることにした。
なにせ、そんなもどかしい位置にいる人の意見だ。
そうそう聞け用にもきけや…あ、霖之助さんもか。
「私の場合は、本を読んだり、実験したり…レミィ達と話したりね。あなたもなにかあるんじゃない?」
「好きなこと、ですか…。特には」
パチュリー様は少しクスッと微笑んで、本を閉じた。
「あら、なにも好きなことじゃなくてもいいのよ。…いったの私だけどね。ほら、たとえば日常。このなかには大事なものがいっぱい詰まってる。失ったものはもう、もどらない。だからこそ、大雑把に、やりたいことも、やりたくないことも等(とう)に…いえ、少しやりたいことの方が多めに楽しみながら生きるのがいいわ。いつ死ぬか、なんてわからないもの。だったら楽しめばいいだけよ。それにそう思えるのは、短いおかげなのよ」
パチュリー様の説きはとても深かった。
そして、大雑把さもにじみでていた。
なんていうか立場がはっきりしないのに、言いたいことだけ伝わるような。
「そうですか。ありがとうございます」
「あまり長いと、辛くなるから」
パチュリーの呟きは、咲夜には聞こえなかった。
◆
「ん~?死~?」
なんとなく、フランドールお嬢様にも聞いてみることにした。
普段は壊す側だろうから、そちらも参考になるかと咲夜は思ったのです。
…が、余計混乱してしまう可能性があるので、要点だけ考えるようにしましょう。
「私はね、壊す側だから。壊される側の気持ちなんてわかりやしないよ。でも…それでも、きっと怖いんだろうなぁ、って思う。私には分からないけれどね、人間っていうのからみればこっちは得体の知れない化け物。そんなのが来たら…私だって、怖いと思うかもね。死にたくない、まだ生きたいって」
フランの顔は、離している内に哀愁に染まっていく。
「そうなんですか…。」
ただ、最後のは意外だった。
そういう方向には無頓着にみえたからだ。
無邪気に、ものを繰り返す。
というわけでもなかったようで。
「だからね、死っていうのはよくないかもしれないね。…でも、だからこそ一所懸命生きればいいんじゃないかな。…それを塞いでいるのは私だけどね」
そういって寂しそうに微笑むフラン。
「何か…すいません。」
「いや、いいの」
「では、そろそろ失礼いたします」
「うん!また、遊んでね」
◆
死ぬ、ということはとても怖い。
だからこそ、一所懸命生きることができる。
それが、どこか誇らしいと咲夜は思った。
「おや、帰ってきたのか。で、答えはでた?」
「はい、御嬢様。咲夜は…」
了
「そうですねぇ、それもとても魅力的な提案ですね。ですが、私は一生死ぬ人間として、一生を全うしたいのです。…あぁ、でも、大丈夫ですよ。生きている間はずっと、一緒にいますから」
◆
「なぁ、咲夜」
「はい、なんでしょう」
いつものティータイム。
ずっと続いたらいい、時間。
私はいつも優雅に静かに紅茶を飲んでいる。
…別に今は優雅じゃ…ないというわけではない。
「咲夜…咲夜にとっての死、ってなんだ?」
「いきなりそんな話を。まさか死ねというのですか。いっちゃうのですか。」
「そういうわけじゃないんだが…。なんていうか、前に属を断わったじゃないの。人間として、全うしたい、と。それはつまり人間として最後は死にたいという事だろう?」
「まぁ、そうでしょうね。」
そうでしょうねってなんだそうでしょうねって。
お前がいったんだろうよ。
「…そ、れで。咲夜、お前の心境が知りたいんだ。」
「…はぁ。」
え、何よ。その反応。
可笑しなこといった?いや側からみればおかしいかもしれないけど。
私は主だから、咲夜の心境を理解しようと…。
「…いや、まぁ、はぁ。少しお時間をいただけますか」
「あ…あぁ」
いやだからなんだその反応は。
「では、失礼します」
もしかして…めんどくさがられてる?
◆
「…そ、れで。咲夜、お前の心境が知りたいんだ。」
「…はぁ。」
いきなり過ぎて、言葉がでなかった。
常に私は御嬢様の期待に添えることを言わなければいけないのだが、こうも唐突だと言葉も出ない。
「…いや、まぁ、はぁ。少しお時間をいただけますか」
「あ…あぁ」
きっと御嬢様は属を望んでいるのでしょうが、今頼めば少々二度手間に…。
「では、失礼します」
私は逃げるようにしてその場をたちさった。
◆
心境、つまりは死の概念のことなのだろうが、あまりよくわからない。
死にたくないきもするが、御嬢様になら、悪いきもしない。
短命なのも惜しいが、普通も何か。かといって長すぎても辛くなるだけだ。
「で、私のところにきた、と」
「はい」
というわけでパチュリー様のところへいってみた。
パチュリー様は物知りで、知的で面白い方なので、期待にはあわずとも少しのヒントはくれるでしょうし。
「そうね。死、か。私はレミィよりは長寿だけれど、蓬莱人よりは短命ね。だから、妖怪でいうと普通ってとこかしら。
人間みたいに儚麗に生きれないけれど、だらけれもしない。だから、好きな事をしているの」
「好きなこと、ですか?」
概念は少しそれたが興味はあるので聞いてみることにした。
なにせ、そんなもどかしい位置にいる人の意見だ。
そうそう聞け用にもきけや…あ、霖之助さんもか。
「私の場合は、本を読んだり、実験したり…レミィ達と話したりね。あなたもなにかあるんじゃない?」
「好きなこと、ですか…。特には」
パチュリー様は少しクスッと微笑んで、本を閉じた。
「あら、なにも好きなことじゃなくてもいいのよ。…いったの私だけどね。ほら、たとえば日常。このなかには大事なものがいっぱい詰まってる。失ったものはもう、もどらない。だからこそ、大雑把に、やりたいことも、やりたくないことも等(とう)に…いえ、少しやりたいことの方が多めに楽しみながら生きるのがいいわ。いつ死ぬか、なんてわからないもの。だったら楽しめばいいだけよ。それにそう思えるのは、短いおかげなのよ」
パチュリー様の説きはとても深かった。
そして、大雑把さもにじみでていた。
なんていうか立場がはっきりしないのに、言いたいことだけ伝わるような。
「そうですか。ありがとうございます」
「あまり長いと、辛くなるから」
パチュリーの呟きは、咲夜には聞こえなかった。
◆
「ん~?死~?」
なんとなく、フランドールお嬢様にも聞いてみることにした。
普段は壊す側だろうから、そちらも参考になるかと咲夜は思ったのです。
…が、余計混乱してしまう可能性があるので、要点だけ考えるようにしましょう。
「私はね、壊す側だから。壊される側の気持ちなんてわかりやしないよ。でも…それでも、きっと怖いんだろうなぁ、って思う。私には分からないけれどね、人間っていうのからみればこっちは得体の知れない化け物。そんなのが来たら…私だって、怖いと思うかもね。死にたくない、まだ生きたいって」
フランの顔は、離している内に哀愁に染まっていく。
「そうなんですか…。」
ただ、最後のは意外だった。
そういう方向には無頓着にみえたからだ。
無邪気に、ものを繰り返す。
というわけでもなかったようで。
「だからね、死っていうのはよくないかもしれないね。…でも、だからこそ一所懸命生きればいいんじゃないかな。…それを塞いでいるのは私だけどね」
そういって寂しそうに微笑むフラン。
「何か…すいません。」
「いや、いいの」
「では、そろそろ失礼いたします」
「うん!また、遊んでね」
◆
死ぬ、ということはとても怖い。
だからこそ、一所懸命生きることができる。
それが、どこか誇らしいと咲夜は思った。
「おや、帰ってきたのか。で、答えはでた?」
「はい、御嬢様。咲夜は…」
了
後、あとがきの文章はいただけないですね。
誤字・脱字・語力の確認をしていないのは言語道断、と言いたい所ですが誤字脱字が気になる前にさっさと終わるので「こんなもんか」という感想しか出ませんでした。
>これを機にすこしでも一所懸命生きたい、そう思う方が増えるといいです。
これを読んでそんな人がいれば是非会ってみたいですね。
何故こんな言葉が浮かんだかはあえて言いません。この作品を一から読み、この作品集の中で高評価が出てる作品を見比べ、どうしてそう言われたか見つめなおしてください
ですが誰かが言ったように、テンプレはいいものだからテンプレなのであり、テンプレの中にどのように自分の色を出していくかと言うのが重要なのだと思います。
実際、同じような寿命ネタでも高評価を得ている作品は複数ありますし、それは『咲夜の寿命ネタ』と限定しても変わりません。
いかにしてテンプレを自分色に染めるか。よく考えて頂ければ、よりよい作品が作れると思います。ぜひぜひ頑張ってください。
一意見ですが、自分としては、『渋谷のリグル・ナイトバグ』のような、これまでのそそわになかった奇抜な作品を生み出してくれれば、今後更に面白くなるかなと思います。
なのでコメが正直不快 なんか高2的な痛い子が騒いでいるみたいで
こういう話こそ本当に深い気がしますね
死ありきというのは大切な考え方だと思います
小説を読むというのは、一種のコミュニケーションとも取れる行いです。こういう相手の顔も見えそうなネット上でのss投稿では、なおさらその性質が強いと思います。作品を読んで、感動して、印象に残ったことをコメントに残して、書き手に伝える。そうやって、読み手と書き手の感覚の共有が行われるのが、ここにおける小説を読むという行為なんだと考えています。
しかし、誤字・脱字等のミスが大量にあると、作品の意図するところが伝わりにくいだけでなく、視覚的にも読み手に不快感を与えるものです。読み手と書き手の感覚共有が行われず、読み手は書き手がコミュニケーションを行うのを放棄したと受け取りかねません。ましてや、ここは作品に対して点数をつけて評価するほどの真剣な場です。そういった不快感はなおさらコメントや点数として表れやすいし、これからも作品を創り続けていきたいなら、現にそういったコメントが残されていることを自覚して、深く反省するべきだと思います。
餅みりぃさんがこの経験を糧として、良き書き手となっていくことを期待します。