Coolier - 新生・東方創想話

風がふけば井戸が荒れて

2014/07/01 01:42:59
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「ねぇ、チルノ」
「どうしたのよミスティア。そんな辛気臭い顔しちゃって」
チルノでもわかるくらい顔に出てるんだ。
「リグルってさ…独占欲っていうか…束縛する方だと思う…?」
「…は?」
チルノは何言ってんだって顔をしてる。
その気持ちはよくわかる。
私自身、おかしな事を言ってる気がするから。やっぱりチルノもそう思うんだ。
「リグルが束縛って…確かにリグルは誰かに何かあげるのとか好きじゃないタイプだけど、束縛って柄じゃないでしょ。蜘蛛じゃないんだから」
「私もそう思うけど…」
「何だってのよ。イライラするわね」
自分でもわかってない事を、チルノに話してどうにかなるとも思えないけど、一人で考えてるよりはいいか。
「…じゃあ話すよ。昨日あったことなんだけどね」

◆◇

昨日は特にやる事も無くて、森の中で木に登ってボーッとしてたのよ。なーんにも考えないで雲を目で追ったりしてさ。
そうしたら、下から私を呼ぶ声がしたの。
声のした方を見たらメディスンがいたわ。
彼女が私の所に来る時は、必ずリグルと一緒だったから今回もそうなんだろうと思ったんだけど、リグルはどこにもいなかった。

少し話が逸れるけど、私はメディスンがあまり得意じゃない。
好きとか嫌いとかじゃなくて苦手。
出会い方もあまりよかったとは言えないし。
でも、たとえ出会いがもう少しマシだったとしても、私は彼女が苦手だったと思う。
うまく言えないけど、なんていうか彼女は全てが嘘っぽい。
友達の友達をこんな風に言うのはよく無いんだろうけど、それでも彼女はどこか、何かが違う。
メディスンはかわいい。
少し幼い感じの顔に、ビー玉の様な透き通った青い瞳。収穫前の麦畑みたいに爽やかな金髪。
その金髪を名前もよくわからない髪型にセットして、赤と黒を中心にしたコーディネートでその金髪を際立たせてる。
妖怪になる前はきっとお金持ちのお嬢様が愛でる様な、高級な人形だった事を予想できる完璧な仕上がり。
少しわがままで見た目通り子供っぽい。
それがまた、彼女の魅力を引き出す。
妖怪になった経緯が経緯だから、悩みが無いなんて事は無いんだろうけど、悩みなんて感じさせない無邪気さもある。
大袈裟かもしれないけど、彼女は完璧なんだ。
少なくとも私にはそう思う。
でも、完璧過ぎるのよ。
表情も、動きも、喋り方も何もかもがどこかおかしい。偽物っぽいっていうか、作り物みたいな感じがする。
これは嫉妬なんてそんなくだらない感情じゃない。
妖怪になれば、虫も鳥も人形もみんな同じようになると思ってたんだけど、メディスンを見て、そうじゃないんだって思えた。
虫も、鳥も、鼠でも妖怪になればみんな同じだけど、人形はどこまで行っても人形なんだ。
動く人形は、気味が悪い。
だから私は、メディスンが苦手だ。

…話を元に戻すよ。
近くにリグルがいないから、仕方なく私はメディスンに直接聞いたわ。
「何か用?」って。
そうしたらメディスンは「別に用は無いけど、暇だから話でもしない?」って。
あのかわいらしい、作り物の顔で。
私はもっと空を見ていたかったかし、メディスンと二人きりなんて嫌だからできれば断りたかったけど、今の今まで何にも考えないで雲を追ってた頭はそんなすぐには働いてくれなかった。
いい言い訳が考えつかなかった私は仕方なく、メディスンの話に付き合うことにしたわ。
軽く頭を振って意識をしっかりさせてから木を飛び降りた。
そこでメディスンの顔を見て思ったけど、私とメディスンの二人だけでまともに話すなんてえらく久しぶりな気がしたわ。
彼女がいる時は、必ずリグルもいたから。
だからってこれといって特別な話もしなかった。迷惑な魔法使いの流れ弾で死にかけたとか、森の中で河童を見たとか。
二人で本当に他愛の無い話をしながら歩いてただけ。
初めは少し身構えてたけど、話してるうちに気がついたら自然と警戒するのも忘れて、普通に話すようになっててね。
話すのに夢中になってた私は、つまづいてしまったの。
そこはちょうど細い道だったからメディスンが前、私が後で縦に並んでてね。つまづいたて倒れた私をメディスンは避けようとしたけど、細い上に狭かったから大きく動けなくて、結局私に巻き込まれてメディスンも転んでしまったわ。
幸い、二人とも特に怪我も無くてね、私が謝ったら彼女は笑って許してくれた。だから私は安心したんだけど。
その時私は気づいたの。
歩いていた時はメディスンの顔だとか、前を見ながら話してたから全く気がつかなかったんだけど、メディスンの右手の手首には羽虫みたいな小さな虫が付いてた。
最初は、普通に虫が止まっているだけだと思ったの。森の中だから、虫なんていくらでもいるし。
でも違った。
メディスンの手首に付いてたのは普通の虫じゃ無かったんだ。
あれは…リグルの使い魔だった。
見間違いだと思う?
私もね、自分の見間違いだったら良かったんだけどね。
でもね、これでも私は虫を捕食するから虫の姿形についてはそこそこ詳しいんだよ。
何よりリグルとの付き合いは結構長いから、どんな使い魔を持ってるか、どんな姿をしてるかよく知ってるんだよ。私は。
だから私が見間違えたりするはずないよ。
あれは、リグルの使い魔だった。
使い魔を見つけた私は、もしかしたら近くにリグルがいるのかと思って辺りを見渡してみたけどどこにもいなかった。
それに、最初にメディスンが来た時も探したし、歩いてる時だって近くに誰かがいるような感じはしなかった。
気づかれない様に気配を消しながら尾行するなんて器用なマネをリグルができるとは思えないし、する理由も思いつかない。
それなら、この使い魔は何のためにメディスンにくっついているの?
私は、何故か少し怖かった。
見慣れた友人の使い魔に、そこそこ見慣れた友人の友人。
その二つを繋ぐ友人がいないのに、それが一緒にあることがおかしくて、不思議で、怖かった。
そうしたら、それまで楽しく話してたメディスンの顔が、今までと同じ様に。いや…今まで以上に作り物っぽく見えてきた。
そうしてメディスンの手首と、そこにいる使い魔をずっと見てるうちに、何かがこすれるような音が聞こえて来たんだ。
風で枝や葉やらがこすれる音?茂みの中で何かが動く音?

違う。

風は吹いていなかったし、葉っぱなんかの音じゃない。それはわかる。
だって私は、その音がどこから発せられてるのかわかってたんだ。
その音はね、メディスンの内側から聞こえるんだよ。
パサパサ…。バチバチ…。うまく表現できないんだけど、あえて言うならカサカサっていうのが一番近いかな。
何かがこすれるような、そんな音がメディスンの内側から聞こえるの。メディスンのいる方向からとかじゃなくて、本当にメディスンの内側、中から。
その音と使い魔に関係があるかどうかわからないけど、私はもうわけがわからなかった。
そんな私を心配したのかメディスンが声をかけてきた。
「大丈夫?やっぱりどこか怪我でもした?」
あの時の私は、多分かなり変な顔をしてたんだろうね。もしかしたら自分の手首を私に無言で見つめられて気持ち悪かっただけかもしれないけど。
とにかく、そこで私は我に返った。
「本当に怪我はしてないよ、大丈夫大丈夫。でも…ちょっと用事があったのを思い出したから、もう帰るね」
とっさの嘘だった。木の上で何にも考えないで雲を追ってたぐらいなんだから、用事なんてあるわけない。
不自然過ぎただろうけど、これ以上メディスンと一緒にいたくなかった。
「そう。じゃあこの辺でお別れしよっか」
突っ込まれたらどうしようかと思ったけど特に気にする様子も無くメディスンは納得してくれて、私達は解散する事になった。
私はリグルの使い魔とメディスンの不気味な音から逃げる様にそこから離れていったわ。

◆◇

「ってことが昨日あってね、一日考えた結果が」
「リグルに独占欲とか束縛癖があるかどうか、ってわけ?」
チルノが呆れたという顔をしてる。
私自身少し突拍子もない結論な気はする。
そもそも、これじゃあメディスンから聞こえてきたこすれる様な音の説明が付かない。
でも他の考えなんて思い浮かばなかったし…。
なんにしたってチルノに呆れられるなんてあんまりにも酷い。屈辱だ。
こんな思いをするのもリグルとメディスンが悪い。
「どうしてそうなるのかあたいにはわからないね。リグルの伝言を伝える為に飛ばした使い魔を、直接返そうとして持ってただけかもしれないじゃん」
うーん…チルノのくせに鋭い指摘。
チルノのくせに…。
「そうかもしれないけど…でもメディスンはそこに使い魔がいるのに気づいてなさそうな感じだったし」
「だからってすぐに独占束縛ってアイディアが出てくるのはねぇ。それってさあ、ミスティアにそういう趣味があるんじゃないの〜?」
「どうしてそうなるのよ!」
私の結論の何倍も突拍子もない結論じゃない。
「だって普段からそういうこと考えて無いと出てこないよ、監視用の使い魔なんて」
「私にそんな趣味は無いよ!」
なんで私こんなこと言われてるんだろう。
チルノもあの場にいたら絶対にこんな、馬鹿なこと言わないのに。
「冗談よ、冗談。だってねぇ、なんか深刻そうな顔してさ、どんな理由で悩んでるのかと思えばそんなことでね。あんたバカのくせに商売なんか始めて、インテリぶったりするからそんなことで悩むのよ」
本当に酷い言われよう。本当に酷い。
「や、屋台は関係無いでしょ…。別にインテリぶってもないし…」
なんとか言い返してみたけど、負け惜しみっぽ過ぎてダメだ。チルノみたいな奴にこういう力の無い負け惜しみを言うと。
「ははん、そんなこと言っても無駄よ!あんたが何を言おうと今の話がインテリぶってる証明よ!」
こうなる。
今の話がどうインテリぶった結果なのか是非とも教えて欲しいわ。
まあチルノがこうなっちゃうともう本当にお手上げ。人の話を全く聞かないし屁理屈ばかり言うようになるから相手にするだけ無駄である。
もう力ずくで黙らせるしか無い。
しかし今の私はそんな気分じゃ無い。
「はぁ…もういいよ…」
やっぱりチルノに話した私がバカだった。
これならまだルーミアに話した方がマシだったろうなあ。
いいアイディアはもらえなくても、笑われたりはしなかっただろうに。
「…話したいことも話たし、私はそろそろ屋台の準備をしないといけないから」
「嘘つけ、あたいに論破されたから逃げたいだけのくせに!」
「なんでもいいよもう…じゃあね」
実際、確かにこれ以上チルノの相手をしたくなかった。
勝ち誇ったチルノの笑い声を背に受けながなら、重い気持ちで私は準備に向かう。
唯一の救いは、チルノ本人が追いかけて来ないことだけだった。

◆◇

チルノに悩みを打ち明けたものの、何も解決できなかった私は屋台の準備にも身が入らなかった。
自分一人で考えるよりは誰かに話したほうが整理もできて、もしかしたら、本当にもしかしたら何かいい考えがもらえるかも。なんて思ったんだけど、チルノに話したの失敗だった。
チルノが相手でも、話せば整理ぐらいはできると思ってた私が甘かった。チルノはチルノだ。
チルノは真面目な話をしてもすぐに茶化すから、整理もできたもんじゃないわ。私が話終わるまで静かにしてたのが奇跡ね。
いっそお客さんにでも聞いてもらおうかとも思ってたんだけど、この分だと今日は休んだ方がいいかもしれない。このまま営業したら何かミスして、愚痴るどころじゃなくなりそう。
そう思うと本格的に準備が手につかなくなってくる。
「よーし…今日は休もう!」
別に毎日営業しないといけないものでもないしね。
休むと決めたら、なんだか少し気が楽になった気がする。
悩みと関係のないことでも、何か投げ出すと少しは楽になるものね。
でもあれね。日課を投げ出しちゃうとその分時間が浮いちゃうわ。かと言って何かする気にもならないし。
こう手持ち無沙汰になっちゃうと、どうしても、やっぱりどうしてもメディスンとリグルの事を考えちゃう。
使い魔の事、音の事。
いくら考えても、何もわからない。
「うーん…やっぱリグル本人に聞くしかないかあ…」
「何が聞きたいの?」
「…えっ…?」
声の方に振り向くと、そこにはリグルと…メディスンがいた。
二人ともいつも通り何の悩みも無さそうな笑みを浮かべているけど、どこか不自然だった。
リグルからも、メディスンからも、感じたことの無い不気味さを感じる。
「誰よ、あんた達…」
私は思わず声に敵意を込める。
「嫌だな、私はリグルだよ」
そう言ったリグルの声も、表情も本当にいつもと変わらなかった。
少し少年の様な顔立ちで、それをややコンプレックスにしてるリグル。
それに対して何から何まで完璧な少女のメディスン。
そうなんだろう。誰だなんて言ったけど二人は偽物でも何でもない本物のリグルとメディスンなんだろう。
それは最初からわかってた。それでも私は、言わずにいられなかった。
二人共、私に害をなす気が無いのがわかっていても、何故か強がらずにはいられなかった。
「今日は休みだけど、遊びに付き合う気は無いよ」
そんなことのために来たんじゃない事はわかってた。
「ふふ…わかってるくせにごまかしちゃって。そうやって少し大人ぶってるミスティア、私は好きだよ」
「…メディスンの事で来たんでしょ」
「…うん」
リグルは少し悲しそうな顔をして頷いた。
「気づいちゃったんだね…」
私は答えなかった。
「さすがに、そろそろ限界。気付かれるとは思ってたけど…あんな形でなんてね…」
悲しそうな顔のまま、リグルは話を続ける。
しかし私はよくわからなかった。
確かに私はメディスンの手首についていた使い魔には気付いたけど、それがどんな意味を持つのかまでは。
そんな疑問が表情に出ちゃったんだろう。
「まあミスティアはまだわかってないだろうけど、多分私に聞かれたらすぐにボロが出ちゃうから来たんだよ。私は、あまり嘘が得意じゃないからね」
なんだか心を読まれたようで、少し気持ちが悪い。そうで無くても二人のせいで気持ちが悪いのに。
「教えに来てくれたって言うなら、さっさと教えてよ。その隠し事っていうのを」
「そうだね…あまり長々やるのも辛いもんね…。じゃあ…メディ」
それまで何も言わず、動かずただリグルの左手にいたメディスンが右手を前に突き出した。
その右手をリグルは両手で掴むと、肘から下を引っこ抜いてしまった。
「ちょ…ちょっと…!何やってんのよ!」
いくら人形の体だからっていきなり腕を引っこ抜くなんて、正気じゃない。
そんな事をするリグルも、されて何も言わないメディスンもどうかしてる。
二人の異常さに身動きが取れなくなった私に、リグルは引っこ抜いた右腕の断面を突き付ける。
人形の腕から血なんて垂れちゃいない。
そこには…
「うっ…!」
無数の虫が蠢いていた。
そこにいたのはただの虫じゃない。
見憶えのある。
昨日見たばかりの。
リグルの使い魔。
「これが、私達の隠し事」
上げたままになってるメディスンの肘の断面も同じように使い魔が詰まっていた。
「メディはね、私の使い魔で動いてるんだ。だからどこを開いてもこう。昨日ミスティアが見たのは、関節からはみ出した使い魔の一匹」
そうだったんだ。
あぁ、だからメディスンの内側から音が聞こえたんだ。
あのこすれるような音は使い魔の音だったんだ。
気になっていた事がすっきりして、もうどうでも良くなってきた。
疑問が解消されたら、なんだか途端に眠くなってきた。
「でもばれちゃったから、もうここにはいられない」
リグルが、メディスンの腕をはめ直してる。
「ミスティアや、チルノ達と別れるのは辛いけど…でも…」
そこから先は聞き取れなかったけど、リグルとメディスンが手を振りながら何処かへ行くのはぼんやりと見えた。

◆◇

気がついた時、私は準備の投げ出された屋台に突っ伏していた。
唾液塗れになった頬を袖でぬぐいながら、寝る前の事を思い出す。
メディスンは、リグルの使い魔によって動いていた。
それは、いつからそうなっていたんだろう?
私が出会った時には、既にメディスンの中は使い魔でいっぱいだったのかな。
それとも、そのもう少し後にそうなったのかな。
メディスンは、なんでそんなことになったんだろう。
人形が自律し続けるには、怨みとか、そういう力だけじゃ足りなかったのかな。
ただただ、リグルがメディスンを、自分だけの物にしたくてあんな事をしたのかな。そうだとしたらメディスンは抵抗したのかな。素直にリグルを受け入れたのかな。
いくら考えても答えが出るはずが無い。これは、リグルとメディスンだけの、本当に二人の秘密なんだ。
私がメディスンの中身を教えてもらったのも、きっとただ最初に気づいたからってだけなんだ。
でもどうせ教えてくれるなら、何もかも全部教えて欲しかったなあ。
いつから、なんで、どうして、後…どうやって。
教えて欲しいけど、もう絶対にあの二人には会えないんだ。
チルノに聞いてもルーミアに聞いても、他の誰に聞いたって、誰もリグルとメディスンの行方を知らない。
リグルとメディスンには、もう二度と会えないんだ。
ここはそういう場所だから、二人が望めばすぐにみんなの記憶から、リグル・ナイトバグとメディスン・メランコリーなんて妖怪がいた事は忘れられていくんだ。
そして私も二人の事を忘れていく。私がいつまでも覚えている事を、二人は望まないから。
きっと二人はどんな大妖怪にも行けない所に行っちゃった。
それでも私は忘れない。
リグルの事を。
私が最後に見た、リグルとメディスンの幸せそうな顔を。
この世の全ての苦しみから解放された様な、あの笑顔を。
私も、全てを忘れてしまう前に、あそこに辿り着くんだ。
あぁ…うらやましいなぁ…。


私も、きっといつか…。
そしてすべてが終わった。

リグルとヤマメ、メディスンとヤマメ
リグルと幽香、メディスンと幽香
とあるんだから、もう残りのもう一つもいいだろう、ってことで
リグルとメディスンもありだろう、って昔思ったんです。

いつにもまして誤字脱字が無いか見直したけど、それでも見落としがある気がする。
ヘルバナナ狸地
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それが愛なら、二人とも幸せに違いないですね。めでたしめでたし。