<制服を脱いでから>
「メリー、いい加減にPS2なんか仕舞いなさいよ、華の女子高生の部屋には不釣り合いよ」
「そうしたい所なんだけど、ちょっと迷ってるのよ」
「ん?」
「こないだ、部屋の中にちっさい子蜘蛛がいたのよ」
「はあ」
「で、捕まえて外に逃がそうとしたら中々すばしっこくてね」
「それからどした」
「そこのPS2の隙間から、中に入っちゃったのよ」
「ハァドッコィ」
「ヤーレンソーランソーランソーラン」
「ソーランソーラン」
ハイ、ハイ!
「ああいうのって、中でどうなってると思う?」
「分解して中を確かめれば良いじゃない」
「でもね、もう既に巣を張っていたとしたら、それを壊しちゃう事になるじゃない?」
「大丈夫だって、蜘蛛は小さい巣なんかすぐに作り直しちゃうよ」
「本当に?」
「大丈夫だって、小学校で蜘蛛の観察日記を付けた私が言うんだから間違いないわ」
「え、キモい」
「お前ふざけんなよ」
「分解しましょうか」
「蓮子、フタ開けるわよ」
「おう」
「……くぱぁ」
「そういうのいいから」
「無事にご開帳したけど……」
「居ないね、蜘蛛」
「どこ行ったのかしら」
「きっと見てない間に出て行ったんだよ」
「そっか。 何か心配して損したかも」
「ほれ、フタ閉じて片付けるよ」
「はーい」
「ぁぱく……」
「あ?」
「閉じたわよ」
「じゃあさっさと片付け……あ、蜘蛛」
「え、あら?」
「この蜘蛛?」
「そう、この蜘蛛」
「あ、あーあ…」
「PS2に入っちゃった」
「中でどうなってる?」
「うーん……見えないなぁ。 まさか消えたわけもないし」
「もしかしたら、この蜘蛛も、境界暴きをしているのかもね」
「え?」
「蜘蛛からしたら、人間の作った機械は謎の巨大構造物。 入り組んだ内部を探検している内に、その鋭い目で何か見つけたのかも」
「ふむ、世界中の不思議な遺跡や謎めいた遺産を探検して境界を暴く私達に、姿を重ねて見た……と?」
「そうね、取ってつけたようだけど、これで東方要素を入れることができたわ」
「で、そのPS2どうすんの」
「蜘蛛が中に入ってるとかキモいし、蓮子にあげる」
「捨てろ」
opopopopopopopopopopopopopopopopopop
デラウェア! 私、マエリベリー・ハーン!
ボーカロイドだか老化防止だか知らないけど、まだ若い内に色々やっておくのは重要ね!
まあ……経験を急ぎすぎると犯罪に絡んじゃう事もあるから、程々にね!
「ねえ蓮子」
「あいよ」
「こないだ、動物バラエティ番組(※)を見てたのよ」
※筆者注
動物バラエティ番組とは
・どうぶつ奇妙奇天烈(仮名)
・ペット大結集ポンチたまたま(仮名)
・変態!志村ムラムラ逸物園(仮名)
等を代表とする、動物が主役なのか出演しているタレントが主役なのか分からないクソ番組群を指す。
可愛い動物を写すだけではなく、カワイソウな動物のドキュメンタリィでお涙頂戴を狙う事がある。
自閉症の犬がボッキー(仮名)の献身で心を開いて行く〜〜
なんて毎週毎週繰り返して見たくねんだよ、タコッ
単に動物番組と言う場合は
・岩合光昭の世界ネコ歩き(実名)
のような、「動物を撮る」プロが撮った、動物のありのままの姿を見せる番組を指す。
本当に動物が好きな人だからこそ撮れる映像が見れて、良い。
朝ドラの後にミニ版とかやってるから、朝遅めに出る奴は見ようぜ。
「ああ、何かゴールデンタイムにやってるやつね」
「その番組にね、色んな犬種の掛けあわせが出てたのよ」
「ほう」
「その中に、『チワワ』と『ダックスフント』のあいの子が居たんだけど……」
「ふん、で?」
「犬種がね……『チワックス』って言うらしいの」
「チワックス」
「いや、チワックスて!? 何が『ックス』してんの!? むしろ『チワ』って何!?」
「チワワの『チワ』だろ」
「二河屋さんがアワビさん家に御用聞きに訪れたの!? チワー、二河屋です〜からのッッッックスってかぁ!? 真昼の情事!!!!!!!」
「バカじゃねえの」
「残された『ダフント』の気持ちも考えなさいよ! ダっフント!(変顔)」
「ダメだコリャ」
aiaiaiaiaiaiaiaiaiaiaiaiaiaiaiaiai
私、ボクオーン!
「ねえメリー、何か良いバイト知らない?」
「職場に冷蔵庫は無い方が良いわよね? 有ると入っちゃうし」
「入らねえよ」
「だったら、私のバイト先を紹介してあげる!」
「本当? 何のバイト?」
「SMクラブよ」
「え」
「あら〜。 おじさん、今日も来ちゃったんだぁ〜」
「ねぇ、メリー」
「今日はぁ〜、私のお友達にも来て貰ってるのよ〜! おじさんの恥ずかしい姿、いっぱい見て貰いましょうね〜?」
「メリー」
「あら、何をスタンドアップさせてるのかしら? まだ何も始まってないわよ、セッカチな豚ね!」
パシーン
"mmm〜〜〜!!"
「メリーったら」
「あら、ごめんなさい。 どしたの?」
「椅子に縛られて声も上げられないおじさんにムチを入れるのは、私には無理だろ」
「大丈夫よ、このおじさんなら簡単だから」
「どういう事だよ」
「このおじさんをいたぶるのに、ムチは必要ないの。 ただ、ある一点を責めれば良いだけ」
「(さっきムチ使ったじゃねぇか……)ある一点って?」
「この人はね、『ハズレ大好きおじさん』なの」
「????」
「文字通り、ハズレが大好きなのよ」
「全く意味がわからん」
「この人がウチに来るきっかけとなったのは、私がお客さんをお馬さんにしながら、お馬さんでギャンブルをしに行った時の話よ……」
「別にそれ上手くないよ」
「最終レースの後、がらんとした競馬場にの中に多くの夢の残骸が打ち棄てられていた。 その中に、おじさんが居たの」
「ま、まさかおじさんは……」
「飲み込みが早いわね。 そう、おじさんはその中で、恍惚とした表情でハズレ馬券を集めていた……」
「そ、そんなアホな……」
「地面に這いつくばってハズレ馬券をかき集める様子にピンと来て、このお店の紹介状を渡したのよ」
「へ、へぇ…………」
「じゃあ、攻めるから、そこで座って見てて」
「さあ、おじさん? あなたの好きなハズレ馬券よ?」
"!!! 〜〜〜〜!!"
「もちろん、こう、よ」
ビリビリ
"p〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!"
「あははははは! こんなハズレ、さっさと捨ててしまいましょうよ! ね!?」
"q〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!"
「大好きなハズレを捨てられて、そんなにショックだったの〜??」
「じゃあ、次はこれを見せちゃおうかしら」
(あ、あれは……メリーが今日駅前で買った宝くじ……)
(まだ当たりもハズレも出ていない、抽選前の宝くじで何を……)
「おじさん、これ、わかる? 宝くじよ。 今日買ってきたの」
"………………………………"
「今回はちょっと、夢を買ってみようかな〜と思って、奮発しちゃった〜♪」
"………………!?"
「予感がしたわね? そう、この宝くじは…………」
(ま、まさかメリー……!)
「この宝くじは10枚組を連番で購入した! つまり、必ず1枚は6等が当たる事になるのよ!!!」
"@………@@@〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!"
「うふふふ、約束された当たりの苦しみは如何ほどかしらぁ〜〜?」
"$…………$……!"
「あ〜あ、喉かわいちゃった〜。 ジュースでも買おうかしら」
「丁度いい所に、ルーレット付き自販機が有るわね……」
"!!!!!!!!!!"
(なんで有るんだよ)
「ねえ、蓮子」
「えっ、こっち振って来るの!?」
「蓮子って、今まで、自販機のルーレットで、当たり、出したこと有る?」
「え……いや、無いね……」
「そうよね……私も無いわ。 でも、私はこの自販機に100円を投入するわ」
「なっ……」
「やっぱりEdyで買うわ」
「どっちでもええわ」
「ここで奇跡を起こさないで、私は何のためにSM嬢やってるの!?」
「こっちが聞きてえよ」
「買うわ」
「…………本当に良いの?」
「ええ……丁度……コークが…………飲みたかったの……」
"…………………………"
ピッ
ピーッ
ガタコン
ピピピピピピピピ
(来るッ………!)
「あぁ、ドキドキしてきたわ……」
ピピピピピピピピ
7
「正直言って、当たる可能性なんて無いと思ってるわ……!」
ピピピピピピピピ
77
「実際に当たってる人、見たこと有る!? 無いわよね!?」
ピピピピピピピピ
777
「失敗したらどうしようって、本当は不安でしょうがないの!」
ピピピピピピピピ
7777
「この賭けを外したら、私はこの仕事辞めるわ」
"………………!!"
ピピピピピピピピ
77777
「ハッタリじゃないわ。 それだけの覚悟が無ければ、この賭けには万が一にも勝てないってこと!」
(え、このルーレット何桁有るの)
ピピピピピピピピ
777777
「蓮子、このルーレットが当たったら、好きな飲み物を選んで良いよ……」
(えぇ〜…………)
ピ
4777777
(えぇ〜…………)
"………………!! ………?w"
(あぁっ、おじさんが喜んで良いのか悲しんで良いのか分からん顔してる!)
「………………………」
(メリーお前何とかしろよ…………)
(どうすんだよこの空気…………)
ヴヴヴ
(うぉ、こんな時にメール……って、迷惑メールか……)
「蓮子…………」
「うわぁ、後ろから声掛けないでよ!」
「そ、そのメール……」
「ああ、迷惑メールだけど……?」
バッ
「あ、ちょっ、メリー!? 携帯返してよ!」
「このメールはっ!!!!」
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お見事当選しました。
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「あ…………当たったわぁ〜〜〜〜〜!」
「偽物だろそれぇぇえええ!!!!!」
"****〜〜〜〜〜〜!!!!!"
ピュルッ
「さて、おじさんもピュルった事だし、今日はここまでね」
「メ、メリー……」
「残念だけど、約束は約束。 私はこのお店を辞めるわ。 蓮子、私の代わり、務めてくれるわね?」
「なんでやねん」
「えぇっ!?」
「なんでやねん」
「私と違って、偶然さえも味方に付ける事が出来た蓮子は、間違いなく才能が有るわ。 自信を持って」
「二度と来ねぇわ」
三日後に摘発されて閉店しました
おわり
「メリー、いい加減にPS2なんか仕舞いなさいよ、華の女子高生の部屋には不釣り合いよ」
「そうしたい所なんだけど、ちょっと迷ってるのよ」
「ん?」
「こないだ、部屋の中にちっさい子蜘蛛がいたのよ」
「はあ」
「で、捕まえて外に逃がそうとしたら中々すばしっこくてね」
「それからどした」
「そこのPS2の隙間から、中に入っちゃったのよ」
「ハァドッコィ」
「ヤーレンソーランソーランソーラン」
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「本当に?」
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「居ないね、蜘蛛」
「どこ行ったのかしら」
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「そっか。 何か心配して損したかも」
「ほれ、フタ閉じて片付けるよ」
「はーい」
「ぁぱく……」
「あ?」
「閉じたわよ」
「じゃあさっさと片付け……あ、蜘蛛」
「え、あら?」
「この蜘蛛?」
「そう、この蜘蛛」
「あ、あーあ…」
「PS2に入っちゃった」
「中でどうなってる?」
「うーん……見えないなぁ。 まさか消えたわけもないし」
「もしかしたら、この蜘蛛も、境界暴きをしているのかもね」
「え?」
「蜘蛛からしたら、人間の作った機械は謎の巨大構造物。 入り組んだ内部を探検している内に、その鋭い目で何か見つけたのかも」
「ふむ、世界中の不思議な遺跡や謎めいた遺産を探検して境界を暴く私達に、姿を重ねて見た……と?」
「そうね、取ってつけたようだけど、これで東方要素を入れることができたわ」
「で、そのPS2どうすんの」
「蜘蛛が中に入ってるとかキモいし、蓮子にあげる」
「捨てろ」
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ボーカロイドだか老化防止だか知らないけど、まだ若い内に色々やっておくのは重要ね!
まあ……経験を急ぎすぎると犯罪に絡んじゃう事もあるから、程々にね!
「ねえ蓮子」
「あいよ」
「こないだ、動物バラエティ番組(※)を見てたのよ」
※筆者注
動物バラエティ番組とは
・どうぶつ奇妙奇天烈(仮名)
・ペット大結集ポンチたまたま(仮名)
・変態!志村ムラムラ逸物園(仮名)
等を代表とする、動物が主役なのか出演しているタレントが主役なのか分からないクソ番組群を指す。
可愛い動物を写すだけではなく、カワイソウな動物のドキュメンタリィでお涙頂戴を狙う事がある。
自閉症の犬がボッキー(仮名)の献身で心を開いて行く〜〜
なんて毎週毎週繰り返して見たくねんだよ、タコッ
単に動物番組と言う場合は
・岩合光昭の世界ネコ歩き(実名)
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本当に動物が好きな人だからこそ撮れる映像が見れて、良い。
朝ドラの後にミニ版とかやってるから、朝遅めに出る奴は見ようぜ。
「ああ、何かゴールデンタイムにやってるやつね」
「その番組にね、色んな犬種の掛けあわせが出てたのよ」
「ほう」
「その中に、『チワワ』と『ダックスフント』のあいの子が居たんだけど……」
「ふん、で?」
「犬種がね……『チワックス』って言うらしいの」
「チワックス」
「いや、チワックスて!? 何が『ックス』してんの!? むしろ『チワ』って何!?」
「チワワの『チワ』だろ」
「二河屋さんがアワビさん家に御用聞きに訪れたの!? チワー、二河屋です〜からのッッッックスってかぁ!? 真昼の情事!!!!!!!」
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「入らねえよ」
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「本当? 何のバイト?」
「SMクラブよ」
「え」
「あら〜。 おじさん、今日も来ちゃったんだぁ〜」
「ねぇ、メリー」
「今日はぁ〜、私のお友達にも来て貰ってるのよ〜! おじさんの恥ずかしい姿、いっぱい見て貰いましょうね〜?」
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"mmm〜〜〜!!"
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「あら、ごめんなさい。 どしたの?」
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「大丈夫よ、このおじさんなら簡単だから」
「どういう事だよ」
「このおじさんをいたぶるのに、ムチは必要ないの。 ただ、ある一点を責めれば良いだけ」
「(さっきムチ使ったじゃねぇか……)ある一点って?」
「この人はね、『ハズレ大好きおじさん』なの」
「????」
「文字通り、ハズレが大好きなのよ」
「全く意味がわからん」
「この人がウチに来るきっかけとなったのは、私がお客さんをお馬さんにしながら、お馬さんでギャンブルをしに行った時の話よ……」
「別にそれ上手くないよ」
「最終レースの後、がらんとした競馬場にの中に多くの夢の残骸が打ち棄てられていた。 その中に、おじさんが居たの」
「ま、まさかおじさんは……」
「飲み込みが早いわね。 そう、おじさんはその中で、恍惚とした表情でハズレ馬券を集めていた……」
「そ、そんなアホな……」
「地面に這いつくばってハズレ馬券をかき集める様子にピンと来て、このお店の紹介状を渡したのよ」
「へ、へぇ…………」
「じゃあ、攻めるから、そこで座って見てて」
「さあ、おじさん? あなたの好きなハズレ馬券よ?」
"!!! 〜〜〜〜!!"
「もちろん、こう、よ」
ビリビリ
"p〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!"
「あははははは! こんなハズレ、さっさと捨ててしまいましょうよ! ね!?」
"q〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!"
「大好きなハズレを捨てられて、そんなにショックだったの〜??」
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(あ、あれは……メリーが今日駅前で買った宝くじ……)
(まだ当たりもハズレも出ていない、抽選前の宝くじで何を……)
「おじさん、これ、わかる? 宝くじよ。 今日買ってきたの」
"………………………………"
「今回はちょっと、夢を買ってみようかな〜と思って、奮発しちゃった〜♪」
"………………!?"
「予感がしたわね? そう、この宝くじは…………」
(ま、まさかメリー……!)
「この宝くじは10枚組を連番で購入した! つまり、必ず1枚は6等が当たる事になるのよ!!!」
"@………@@@〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!"
「うふふふ、約束された当たりの苦しみは如何ほどかしらぁ〜〜?」
"$…………$……!"
「あ〜あ、喉かわいちゃった〜。 ジュースでも買おうかしら」
「丁度いい所に、ルーレット付き自販機が有るわね……」
"!!!!!!!!!!"
(なんで有るんだよ)
「ねえ、蓮子」
「えっ、こっち振って来るの!?」
「蓮子って、今まで、自販機のルーレットで、当たり、出したこと有る?」
「え……いや、無いね……」
「そうよね……私も無いわ。 でも、私はこの自販機に100円を投入するわ」
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ピピピピピピピピ
7777
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"………………!!"
ピピピピピピピピ
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「ハッタリじゃないわ。 それだけの覚悟が無ければ、この賭けには万が一にも勝てないってこと!」
(え、このルーレット何桁有るの)
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777777
「蓮子、このルーレットが当たったら、好きな飲み物を選んで良いよ……」
(えぇ〜…………)
ピ
4777777
(えぇ〜…………)
"………………!! ………?w"
(あぁっ、おじさんが喜んで良いのか悲しんで良いのか分からん顔してる!)
「………………………」
(メリーお前何とかしろよ…………)
(どうすんだよこの空気…………)
ヴヴヴ
(うぉ、こんな時にメール……って、迷惑メールか……)
「蓮子…………」
「うわぁ、後ろから声掛けないでよ!」
「そ、そのメール……」
「ああ、迷惑メールだけど……?」
バッ
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お見事当選しました。
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下記いずれかの賞品が
1等:10,000円分
2等:5,000円分
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「偽物だろそれぇぇえええ!!!!!」
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「なんでやねん」
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三日後に摘発されて閉店しました
おわり
>「あ?」
の流れで三代目を思い出して笑ってしまった
これ、ほんとすき
が本当に非凡で笑う
褒めているのか貶しているのか俺にもわからない
今読んでもこのくだらなさには笑わせて貰える作品だと思う
帰って来ないかな