常闇の皇。
そう呼ばれた妖怪がいた。
その妖怪は人を殺し、喰らい、残虐の限りを尽くし人々から恐れられていた。
ある日、一人の少年が言った。
『どうして人間を食べるの?』
その妖怪は返事の代わりに少年を殺し、そして食らった。
少年を食べ終わったあと悩んだ。どうして人間を食べるのか。
その妖怪は神社に行き、巫女と話した。
『どうして私は人間を食べるのか?』
巫女は答える。
『そうしなければ生きていけないから』
妖怪は何も言わずに立ち去った。もともと天の邪鬼のような性格をしていたからか分からないが、その日から人間を食べなくなったという。
その妖怪が人を食べなくなり数年が経ち、再び神社に訪れた。
『あれから数年。人を食べずに過ごしたが、全然問題がない。もう食べ方も忘れてしまった』
巫女は何も言わず、その妖怪を封印した。
その後、その妖怪と似た小さなリボンをつけた妖怪が人を食べている姿が目撃された。
......................................................
不老不死を殺すにはどうすればいいのだろう?
ある少女は考えていた。細胞一つ残らず消しさればいいのではないのか?
しかし、そんなことは不可能だ。
では、回復力が尽きるまで殺せばいいのか?
否、これも今までのことから考えて不可能だろう。
そこで1つ考えついたのが、精神的な殺害だ。
不老不死は肉体。精神面は普通と変わらないはずだと踏んだからだ。
まず、あいつと会うのを止めた。今までは、定期的に会いに行っていたが、それをやめれば多少ダメージはあるだろう。
会うのをやめ1年くらいたったか……影から見ていたが、全然変化は無い。むしろ、忘れられてるのではないかと思えるほど清々しい笑顔だった。
結局この作戦は無駄になってしまった。
次に、食料を奪うことをした。
しかし、これも意味はなかった。奪っても、奪ってもどこからか調達してくるのだ。
その後も色々と試したが、どれも思ったような成果をあげられずにいた。
最初に会わなくなってから50年。
新しい博麗の巫女が就いたというニュースが幻想郷に震撼を与えていた。
あいつが面白いと思っていた人間がどんどん死んでいく。
あいつは家に引きこもりがちになっていた。たまに里にふらりと寄って、楽しそうに話してはいるが、家では死にそうな顔をしている。
さらに30年。
彼女はなにも喋らなくなっていた。
......................................................
「ねぇ、咲夜?吸血鬼になる気はない?」
「お嬢様。気持ちはありがたいのですが、ただの従者である私がなるものではないと思われます」
これでこのやりとりは58回目だ。
咲夜は人間としての寿命を迎えようとしている。見た目こそ昔と変わらぬものだが、直感的にもう短いと分かるような気がした。
「冗談で言ってるんじゃないのよ、私は本気」
「それでも私は吸血鬼にはなれません」
しかし、ある日咲夜からこう申し立ててきた。
「私の友人と共に吸血鬼にしていただけるのでしたら喜んで吸血鬼になります」
私からするととても美味しい提案だった。
「その前にあなたを吸血鬼にしたいわ」
「いえ、その友人がなるというまではなりません」
結果を言おう。その友人の答えはNOだ。
「咲夜は永遠の命に興味がないの?」
「いえ、そういったわけでは無いのですが……」
咲夜は口を濁す。私には薄々と分かっていたがそのことを口には出さなかった。
そこにパチュリーが帰ってきた。
「レミィ……まだ言ってたの?」
「だってー咲夜がー!」
パチュリーは最近外出が増えた。魔法の森の魔法使いの元へでも行ってるのだろう。
「人は死ぬときは死ぬのよ。そして、それを選ぶ権利だって人にある」
「パチェ……」
パチュリーは当たり前のことを言っている。それくらいは私でも分かっている。
「でもあなたが今してることってホムンクルスだっけ?それって……」
「ち、違うわよ!普通に研究よ!け・ん・き・ゅ・う!」
「ま、なんでもいいけど」
これからも咲夜に吸血鬼への道を勧めていこうと思う。
......................................................
「霊夢ー!元気にしてたか!」
「いらっしゃい。まずまずよ」
今日は霊夢と久々に飲む約束をしていた。霊夢はこの頃体調が悪いといっていたが見た感じそんなことはなくとても元気そうだった。
「酒むしがいいのが取れてね、今年の酒は最高だよ!」
「へー……あら、美味しいわね」
最近の霊夢はどことなく疲れている印象を与えるような雰囲気で、昔のように元気ではない。
これも、病の一種だと思うことにした。
「ところで最近異変起こらなくてつまんないねぇ。異変が起これば霊夢がピューと行ってピューと解決する風景が楽しめるのにさ」
この頃異変が起きてないといったわけではないが、その大半を紫が処理をしている。
おそらく霊夢に気を使ってのことからなのだろうが、そのせいで霊夢は最近宴会を開いてくれない。
少しつまらない部分もあるが、あんなことがあったんだし仕方ないか。
「なぁ霊夢。また今度酒飲もう」
「そうね……またいつか飲めるといいわね」
......................................................
最近どうも友人の様子がおかしい。
急に即死級の攻撃をしてきたと思えば、すごく悩み、考え込んでたりとおかしな行動ばかりするようになっていた。
しばらく経ち、友人は私の目の前から姿を消した。寺子屋をしているということは、生きているようだがきっと忙しいのだろう。そう思うことにした。
それから1年。友人と会ってない。不安になり、何度か寺子屋に訪ねてみたが、いつも不在でまるで私を避けているかのようだった。
それでも、板に付いてきた永遠亭までの案内は笑顔でこなした。
ある日、食料が消えていた。竹林の妖獣に食い荒らされたものかと思ったが、食料を置いてた場所は荒らされた様子は無く、盗まれたといった感じだった。
このことを、案内している時に話題の1つとして話していると、心配した村人が食料を分けてくれた。
そのこと本当にありがたく感じ、これからも竹林の案内を頑張ろうと心に決めた。
数ヶ月経ち、食料は盗まれなくなったが、その代わりになぜか若い人に話しかけられることが少なくなった。
異変が起こる頻度も少なくなり面白みがなくなっていた今日この頃、博麗の巫女を永遠亭に連れていくことになった。
博麗の巫女を久々に見たときは、思わず「本当に博麗の巫女か?」と、聞いてしまった。
医者の診察が終わり、医者は言いづらそうに言った。もってあと3ヶ月と。博麗の巫女は『そう……』と、分かっていたかのように答えた。博麗の巫女も所詮は人間。老いには勝てないのだ。
博麗の巫女に聞いた。
「蓬莱の薬を分けてもらおうか?」
しかし、彼女はそんなことには興味がないと言った。
博麗の巫女の友人達も、人間としての死を選んでいた。それ故の選択だろう。
数ヶ月後、彼女は死んだ。人間より主に妖怪に好かれていた巫女の葬儀には、たくさんの妖怪が集まっていた。
『幻想郷がまた一段と静かになるわね』『大スクープです!』
『霊夢ぅ〜もう一緒に酒が飲めないのか……』
『吸血鬼になればよかったのに……あなたも、咲夜も!思い通り動かないのね……』
悲しむ人、談笑する人、人によって様々だが、誰もが敬意を払っている。最高の博麗の巫女だったと。
もちろん私も参列した。そこで50年ぶりに友人に会った。
「慧音!久しぶりだな!」
久しぶりに会う友人の名前を思いっきり叫んだ。
そこで違和感に気がついた。こんなにも叫んだのに慧音は振り返らないどころか、周りにいる妖怪たちもこちらを振り向きはしない。
「……どういうこと?」
そこに、スキマ妖怪がやってきてこう言った。
『どうしてあなたは歴史から隠されてるのかしら?』
そこで全てがわかった。
私は家で泣いた。博麗の巫女が死んだことより友人に裏切られていたことを。
それから家を出なくなった。不思議なことに、死期が近いものには私が見えるらしく、たまに人里に行きそういう人と話した。
きっと周りから見たらおかしな光景なんだろうと思いながらも。
面白いと思う人間がいても、そいつは死期が近い。
趣味が合っても、そいつも死期が近い。
人によっては、私を死神扱い。
次第にたまにの外出も減っていき、やがて家からでなくなった。
それから30年。もう10年くらいは動いてないなと、思いながら昔を思い出した。
死にたい。本気でそう思った。でも、死ねない。
その時、昔の友人との会話を思い出した。
「そうか……私が言ったんじゃないか。殺してって、不老不死なんて嫌だって」
酔った時の会話なんて普通思い出せないが、不思議と鮮明に思い出せた。私が言ったんだ……死にたいって。殺してくれって。
そして、私は考えるのを止めた。
......................................................
常闇の妖怪。そう呼ばれた妖怪がいた。その妖怪は人を殺すのが面倒で、自身の闇の中で目が見えないという馬鹿っぷりだったが、一応人々から恐れられていた。
ある日、一人の少女が言った。
『お前は人喰い妖怪のわりに人を全く食わねえな』
その妖怪は首をかしげた。
少女が去ったあと悩んだ。どうして人間を食べないのか。
その妖怪は神社に行き、巫女と話した。
『どうして私は人間を食べてないのだ?』
巫女は気だるそうに答える。
『妖怪としての自覚がないからじゃないの?』
妖怪は何も言わずに立ち去った。
そうして、あの少女の元へ行き、その少女を食べた。
記念に少女の被っていた風変わりな帽子を手に入れそれをかぶった。
その妖怪が人を食べはじめて数年が経ち、再び神社に訪れた。
『あれから数年。人を食べて過ごしたけど、とても美味しいのだー。もう味が忘れられない』
巫女は帽子を見たあと何も言わず、その妖怪を退治した。
そう呼ばれた妖怪がいた。
その妖怪は人を殺し、喰らい、残虐の限りを尽くし人々から恐れられていた。
ある日、一人の少年が言った。
『どうして人間を食べるの?』
その妖怪は返事の代わりに少年を殺し、そして食らった。
少年を食べ終わったあと悩んだ。どうして人間を食べるのか。
その妖怪は神社に行き、巫女と話した。
『どうして私は人間を食べるのか?』
巫女は答える。
『そうしなければ生きていけないから』
妖怪は何も言わずに立ち去った。もともと天の邪鬼のような性格をしていたからか分からないが、その日から人間を食べなくなったという。
その妖怪が人を食べなくなり数年が経ち、再び神社に訪れた。
『あれから数年。人を食べずに過ごしたが、全然問題がない。もう食べ方も忘れてしまった』
巫女は何も言わず、その妖怪を封印した。
その後、その妖怪と似た小さなリボンをつけた妖怪が人を食べている姿が目撃された。
......................................................
不老不死を殺すにはどうすればいいのだろう?
ある少女は考えていた。細胞一つ残らず消しさればいいのではないのか?
しかし、そんなことは不可能だ。
では、回復力が尽きるまで殺せばいいのか?
否、これも今までのことから考えて不可能だろう。
そこで1つ考えついたのが、精神的な殺害だ。
不老不死は肉体。精神面は普通と変わらないはずだと踏んだからだ。
まず、あいつと会うのを止めた。今までは、定期的に会いに行っていたが、それをやめれば多少ダメージはあるだろう。
会うのをやめ1年くらいたったか……影から見ていたが、全然変化は無い。むしろ、忘れられてるのではないかと思えるほど清々しい笑顔だった。
結局この作戦は無駄になってしまった。
次に、食料を奪うことをした。
しかし、これも意味はなかった。奪っても、奪ってもどこからか調達してくるのだ。
その後も色々と試したが、どれも思ったような成果をあげられずにいた。
最初に会わなくなってから50年。
新しい博麗の巫女が就いたというニュースが幻想郷に震撼を与えていた。
あいつが面白いと思っていた人間がどんどん死んでいく。
あいつは家に引きこもりがちになっていた。たまに里にふらりと寄って、楽しそうに話してはいるが、家では死にそうな顔をしている。
さらに30年。
彼女はなにも喋らなくなっていた。
......................................................
「ねぇ、咲夜?吸血鬼になる気はない?」
「お嬢様。気持ちはありがたいのですが、ただの従者である私がなるものではないと思われます」
これでこのやりとりは58回目だ。
咲夜は人間としての寿命を迎えようとしている。見た目こそ昔と変わらぬものだが、直感的にもう短いと分かるような気がした。
「冗談で言ってるんじゃないのよ、私は本気」
「それでも私は吸血鬼にはなれません」
しかし、ある日咲夜からこう申し立ててきた。
「私の友人と共に吸血鬼にしていただけるのでしたら喜んで吸血鬼になります」
私からするととても美味しい提案だった。
「その前にあなたを吸血鬼にしたいわ」
「いえ、その友人がなるというまではなりません」
結果を言おう。その友人の答えはNOだ。
「咲夜は永遠の命に興味がないの?」
「いえ、そういったわけでは無いのですが……」
咲夜は口を濁す。私には薄々と分かっていたがそのことを口には出さなかった。
そこにパチュリーが帰ってきた。
「レミィ……まだ言ってたの?」
「だってー咲夜がー!」
パチュリーは最近外出が増えた。魔法の森の魔法使いの元へでも行ってるのだろう。
「人は死ぬときは死ぬのよ。そして、それを選ぶ権利だって人にある」
「パチェ……」
パチュリーは当たり前のことを言っている。それくらいは私でも分かっている。
「でもあなたが今してることってホムンクルスだっけ?それって……」
「ち、違うわよ!普通に研究よ!け・ん・き・ゅ・う!」
「ま、なんでもいいけど」
これからも咲夜に吸血鬼への道を勧めていこうと思う。
......................................................
「霊夢ー!元気にしてたか!」
「いらっしゃい。まずまずよ」
今日は霊夢と久々に飲む約束をしていた。霊夢はこの頃体調が悪いといっていたが見た感じそんなことはなくとても元気そうだった。
「酒むしがいいのが取れてね、今年の酒は最高だよ!」
「へー……あら、美味しいわね」
最近の霊夢はどことなく疲れている印象を与えるような雰囲気で、昔のように元気ではない。
これも、病の一種だと思うことにした。
「ところで最近異変起こらなくてつまんないねぇ。異変が起これば霊夢がピューと行ってピューと解決する風景が楽しめるのにさ」
この頃異変が起きてないといったわけではないが、その大半を紫が処理をしている。
おそらく霊夢に気を使ってのことからなのだろうが、そのせいで霊夢は最近宴会を開いてくれない。
少しつまらない部分もあるが、あんなことがあったんだし仕方ないか。
「なぁ霊夢。また今度酒飲もう」
「そうね……またいつか飲めるといいわね」
......................................................
最近どうも友人の様子がおかしい。
急に即死級の攻撃をしてきたと思えば、すごく悩み、考え込んでたりとおかしな行動ばかりするようになっていた。
しばらく経ち、友人は私の目の前から姿を消した。寺子屋をしているということは、生きているようだがきっと忙しいのだろう。そう思うことにした。
それから1年。友人と会ってない。不安になり、何度か寺子屋に訪ねてみたが、いつも不在でまるで私を避けているかのようだった。
それでも、板に付いてきた永遠亭までの案内は笑顔でこなした。
ある日、食料が消えていた。竹林の妖獣に食い荒らされたものかと思ったが、食料を置いてた場所は荒らされた様子は無く、盗まれたといった感じだった。
このことを、案内している時に話題の1つとして話していると、心配した村人が食料を分けてくれた。
そのこと本当にありがたく感じ、これからも竹林の案内を頑張ろうと心に決めた。
数ヶ月経ち、食料は盗まれなくなったが、その代わりになぜか若い人に話しかけられることが少なくなった。
異変が起こる頻度も少なくなり面白みがなくなっていた今日この頃、博麗の巫女を永遠亭に連れていくことになった。
博麗の巫女を久々に見たときは、思わず「本当に博麗の巫女か?」と、聞いてしまった。
医者の診察が終わり、医者は言いづらそうに言った。もってあと3ヶ月と。博麗の巫女は『そう……』と、分かっていたかのように答えた。博麗の巫女も所詮は人間。老いには勝てないのだ。
博麗の巫女に聞いた。
「蓬莱の薬を分けてもらおうか?」
しかし、彼女はそんなことには興味がないと言った。
博麗の巫女の友人達も、人間としての死を選んでいた。それ故の選択だろう。
数ヶ月後、彼女は死んだ。人間より主に妖怪に好かれていた巫女の葬儀には、たくさんの妖怪が集まっていた。
『幻想郷がまた一段と静かになるわね』『大スクープです!』
『霊夢ぅ〜もう一緒に酒が飲めないのか……』
『吸血鬼になればよかったのに……あなたも、咲夜も!思い通り動かないのね……』
悲しむ人、談笑する人、人によって様々だが、誰もが敬意を払っている。最高の博麗の巫女だったと。
もちろん私も参列した。そこで50年ぶりに友人に会った。
「慧音!久しぶりだな!」
久しぶりに会う友人の名前を思いっきり叫んだ。
そこで違和感に気がついた。こんなにも叫んだのに慧音は振り返らないどころか、周りにいる妖怪たちもこちらを振り向きはしない。
「……どういうこと?」
そこに、スキマ妖怪がやってきてこう言った。
『どうしてあなたは歴史から隠されてるのかしら?』
そこで全てがわかった。
私は家で泣いた。博麗の巫女が死んだことより友人に裏切られていたことを。
それから家を出なくなった。不思議なことに、死期が近いものには私が見えるらしく、たまに人里に行きそういう人と話した。
きっと周りから見たらおかしな光景なんだろうと思いながらも。
面白いと思う人間がいても、そいつは死期が近い。
趣味が合っても、そいつも死期が近い。
人によっては、私を死神扱い。
次第にたまにの外出も減っていき、やがて家からでなくなった。
それから30年。もう10年くらいは動いてないなと、思いながら昔を思い出した。
死にたい。本気でそう思った。でも、死ねない。
その時、昔の友人との会話を思い出した。
「そうか……私が言ったんじゃないか。殺してって、不老不死なんて嫌だって」
酔った時の会話なんて普通思い出せないが、不思議と鮮明に思い出せた。私が言ったんだ……死にたいって。殺してくれって。
そして、私は考えるのを止めた。
......................................................
常闇の妖怪。そう呼ばれた妖怪がいた。その妖怪は人を殺すのが面倒で、自身の闇の中で目が見えないという馬鹿っぷりだったが、一応人々から恐れられていた。
ある日、一人の少女が言った。
『お前は人喰い妖怪のわりに人を全く食わねえな』
その妖怪は首をかしげた。
少女が去ったあと悩んだ。どうして人間を食べないのか。
その妖怪は神社に行き、巫女と話した。
『どうして私は人間を食べてないのだ?』
巫女は気だるそうに答える。
『妖怪としての自覚がないからじゃないの?』
妖怪は何も言わずに立ち去った。
そうして、あの少女の元へ行き、その少女を食べた。
記念に少女の被っていた風変わりな帽子を手に入れそれをかぶった。
その妖怪が人を食べはじめて数年が経ち、再び神社に訪れた。
『あれから数年。人を食べて過ごしたけど、とても美味しいのだー。もう味が忘れられない』
巫女は帽子を見たあと何も言わず、その妖怪を退治した。
が、雰囲気はすきだし総じて楽しめました
思想にふけって
それから30年もう10年
過ごしたけも
正しくショートショートしていて、しかもテーマが一貫しているという、なんというか頭の良い作品でした。