Coolier - 新生・東方創想話

入れ替わり

2014/04/28 21:08:06
最終更新
サイズ
4.26KB
ページ数
1
閲覧数
1875
評価数
4/15
POINT
330
Rate
4.44

分類タグ

春が過ぎれば夏が来る。それは当たり前のことである。多少の差異があれどそれが変わることはない。即ち、絶対である。そして、ここにもまた同じような絶対がある。
「ごめん、メリー待った?」
「待った?じゃないわよ!貴女は毎回遅刻しなきゃ気が済まないの?」
また、またである。私の友人、宇佐見蓮子は必ず待ち合わせに遅刻する。時間通りに来たことはただの一度もない。
「そんなことより今日はどんな用件で呼び出したの?」
流されたがここで深く追求してもどうせ治らない。
「この辺に美味しい紅茶がある喫茶店ができたから一緒に行こうと思って。あと」
「あと?」
「次の調査場所の目星を付けてきたのよ。それについて話したくて。」
私達は二人で一つの秘封倶楽部。本当はやってはいけないが結界暴きなんてものをしている。
「あら、貴女から何処かへ調査へ行こうなんて久しく聞いてない気がするわ、メリー。」
「偶々見つけたのよ。偶々。積もる話は喫茶店でしましょう、蓮子。」
本当は蓮子と一緒に喫茶店に行きたかっただけなのであるがそれを言うと色々言われそうなので黙っておいた。
私達は他愛もない会話をしながら喫茶店へと向かった。

「それで、目星を付けてきたって場所はどこなの?メリー。」
紅茶をすすりながら、蓮子が私に尋ねる。
「ここよ、蓮子。」
地図を広げ、ある一点を示す。そこは都心郊外にある廃病院。
「如何にも…って場所ね、メリー。」
蓮子はまた紅茶をすする。
「そうでしょう。この旧世紀みたいな感じなんか特に。」
私も紅茶をすする。
「じゃあ行く事は決定で…行くのは今度の土曜でいいかしら?」
蓮子は今度はケーキをはむはむ食べる。かわいい。
「えぇ、いいわよ。時間は午後8時ぐらいでいい?」
私もケーキを食べる。
「わかった。現地集合ね。」
そこから私達はまた他愛もない会話をしばらくした。私にとってはとても嬉しい会話なのだが。その後、お互いに帰宅する。私は都心の至って普通(蓮子に言わせれば贅沢)のマンションに住んでいる。入って左にバスルームがあって、まっすぐ行くとリビング、キッチン、そして右には寝室がある。小さすぎる訳でもなく、大き過ぎる訳でもない。私は好きだ。蓮子を招いたことも沢山ある。冗談めかして一緒に住んでもいいわね、なんて言ったこともある。その時、赤面した蓮子の可愛かったことと言ったら、写真に撮っておきたかったぐらいである。私は寝室に入って、ベッドに飛び込んだ。次の土曜までは後3日程だ。それまでに課題として出ているレポートを片付けてしまおう、蓮子はちゃんと課題やってるのかしら、そんなことを考えながら今日は寝た。

大学の講義を受けたり、蓮子と話したりしていたらあっという間に土曜日はやってきた。私は廃病院の前にいる。電子時計は午後7時50分を表している。ちょっと早く来すぎた。蓮子はどうせ遅れてくるのだし、もう少し遅めでも良かったかなどと考えていると、スタスタと足音がした。
「お待たせ、メリー。」
蓮子が来ていたのだ。
「あなたが時間通りに来るなんて珍しいじゃない。明日は嵐ね。」
「私も偶には時間ぐらい守るわよ。」
私は内心ひどく驚いていた。蓮子が時間を守ったことなんてない。でも、そんなこともあるかとあまり気にしないことにした。
「外に境界は見える?メリー。」
私は病院を一通り眺める。3階建ての小さい病院だ。特に気になる点はない。
「特に何もないわ、蓮子。中に入りましょう。」
立ち入り禁止の立板を無視して中にずかずかと入っていく。そして、扉の前まで来るとそのまま開けて中に入っていく。その後ろを蓮子がてくてくついてくる。
「特に何もないけど…こういうところはなんとなく怖いわね…」
「あら、メリー。これぐらいで怖いの?」
「そういうあなたはなんで私の後ろに隠れてるのかしら?」
「怖いのよ!」
やっぱり、蓮子は可愛い。廊下を歩いて進み、1階を一通り見て回る。特に気になるものはない。2階、3階と見て回るがやはり境界もなく何もない。
「何もないわね…無駄足だったかしら、蓮子。」
蓮子から返事がない。
「蓮子?」
私は後ろを振り返った。蓮子がいない。
「蓮子!蓮子!」
私は叫んだ。しかし、何処からも返事はない。おかしい。私は異変を感じ取っていた。
「そうだ、携帯…」
私はポケットから携帯を取り出した。蓮子に電話をかけようと電源を入れる。しかし、携帯の液晶は何故か砂嵐だった。
「っ…!?」
私は思わず携帯を取り落とした。絶対におかしい。恐怖が募っていく。不意に私は後ろに倒れた。いや、倒されたのだ。そのまま私の意識は遠のいていった。

どうして、絶対があるなんて思っていたのだろう。絶対などそれこそ絶対にありえないものなのに。そんなことをどれだけ思ってももう取り返しなどつかない。何時から、何時からだったのか。なんの、予告もなしに。いや、予告など有るわけ無いのだ。その方が向こうにとっても都合がいいのだから…
「紫様、少しいいですか。」
「あぁ、藍。今行くわ…」

「全くメリーったらこの前の探索でいきなり気を失うなんてびっくりするじゃない。」
「ごめんなさいね。けど、無事だったからいいじゃない。」
「それもそうね。それでね、メリー。次の探索場所だけど…」
ストーリー性を持たせようとしましたがまとまりが悪くなったような気がします。読んでくださりありがとうございました
A.T(TNK)
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.220簡易評価
2.20名前が無い程度の能力削除
わからん
なにがどう入れ替わったのか、ちょっと言葉足りなくないですかね
4.30非現実世界に棲む者削除
表現や描写をもっと入れたらいいと思います。
5.30奇声を発する程度の能力削除
うーん…?
7.30名前が無い程度の能力削除
残念ですが、タグを見ただけでオチが予想できました。
入れ替わりをテーマにするならもっと工夫しないとダメですねぇ。