お前がしたいことはわかるし、別に否定する訳じゃないんだ。そこはまずお前にも理解してもらいたい。
いくら私が天邪鬼で、人に嫌がらせを率先してしたがるような奴でもそこら辺の常識は知っている。ま、私は常識なんて従いたくもないけどな。少し前に流行っただろう、『常識にとらわれない』ってのがさ。
古いとか言うな! あいつら現在進行形でそうだろうが!
と、とにかく、だ。私が言いたいのはそこじゃない。だからいちいち揚げ足を撮るなよ。絶対だぞ! フリでもなんでもないからな!
お前、確か稗田阿求といったな。お前の書いてる幻想郷縁起は何度か読んだことがある。クッソつまらなかったけどな。
バ、やめろ! 筆の柄の部分で刺してこようとするな! 危ないだろう! 前言撤回するから落ち着けって!
こ、これ以上余計なこと言うと私の縁起の内容がどうなっても知らないだって? フンッ、お互い様だろうに。
……いやそれだけは勘弁してくださいたのんますよ阿求さん……。ん? 縁起嫌いなのに何で取材にオッケイだしたのかって? ……さ、さて、話を元に戻そう。えーと、うん、そうだ思い出したぞ。
私に取材をするにあたってお前は手土産を持ってきたな。そうだ、これだこれ。……“手”土産なのかよくわからんのだが。まあ、その行為自体は責めようがない。さっきも言った通りな。むしろこの私に対して気を遣ってくれるなんて思ってもみなかった。感謝、は一応してる。
だがな、問題はここからだ。お前ももうわかってるだろう? 猫被って見せても無駄だぞ。目を潤ませたって私がぶちギレてるのは変わらないんだからな。……切り替え早いな。一瞬で真顔になりおって。
さて、お前は嫌がらせをするつもりはなかったのかもしれない。だがあえて言わせてもらうぞ。言わないと私の気が収まらないからな。いいか?
何でお前は私にちゃぶ台をプレゼントする発想に至ったんだ?
なんだよちゃぶ台って。なんだよちゃぶ台って。
お前がちゃぶ台を背負ってきたのを見たときの私の心情を考えてみろよ。
親近感を感じる要素微塵もねえよ。歓喜じゃねえよ。ヘブン状態でもねえよいい加減にしろ。
いいか、ちゃぶ台持った変人が自分に用があるっての想像してみろよお前も。あいつが稗田阿求じゃありませんようにどうかこっち来ませんようにって必死に祈ってた私の心労を考えてもみろよ。
別に気にならないって? うん、私の質問が悪かったな。忘れてくれ。そこまでお前が頭悪いとは思わなかった。記憶積んだだけじゃ賢くはならないってのがよくわかったわ。誉めてないから無い胸張るのはやめろ。
私がキレてるのにはもう一つ理由がある。……まさか一つだけって思ってたわけじゃあるまいな。
正直言うとな、私からちゃぶ台に連想することに関してはそう不思議に思わないんだ。容認はしたくないが、批判をしたくもない。そこもわかってほしい。
私はオセロなんか好きだし、めんこも一時期ハマったことがある。大富豪の革命を達成したときは胸がすくような心地になる。幻想郷転覆にいったいどう役立つのか私にもよくわからんが……。それはともかく、だ。
私はひっくり返すことが我是といっても過言ではないほど大好きだ。しかしだ、それとこれとでは話が違うだろ。鼠にはチーズあげとけば何とかなるだろみたいな認識はしないほうがいいぞ。
だからな、なんでもかんでもひっくり返せばいいと思ったら大間違いだ! いいか、わかったらさっさと帰れ! 今日はもう知らん!
お茶は出さないのかって……なんでこの流れでおもてなし期待してんだお前は! 何もしてやらんぞ私は! 早く立ち去れ!
あっ、あいつ中指立てて行きやがった! ちくしょー、覚えてやがれーっ!
ふむ、あれから一週間か。よくもまた来ようと思ったな。私の予測では、日にちを空ければ私が落ち着くだろうと思ったんだろう? バーカ。
確かにな、普通そうだよ。よく私は器が小さいとか言われるが、時間があれば大抵物事を冷静に見ることはできるんだ。もしお前があれから何もせず私の気が収まるのを待ってたら今こうやってお前にぶちぎれたりなんかしないよ。お前があんなことしなければね。
やっぱりキレてたのか……って当たり前だよ! お前、私がキレてないと思ったの?! 馬鹿なの?! どんだけ鈍感なんだお前は!
言っとくが最後に中指を立てて行ったのは関係ないぞ。……なに意外そうな顔してるんだ。私は寛容だから許してやったんだ、感謝してほしいぐらいさ。
まあ睨むな。そろそろ本題に入ろう。
本題は本題でお前の要件は後回しだ。なに勘違いしてる。ほら、さっさと筆を置け。むすっとしてもダメなもんはダメだからな。全く……。
さて、お前は一週間前私を怒らせて……未だに納得できてないようだが……そこはとりあえず置いておいて、それから今に至るまで何をしていた?
食べて飲んで寝た……だけじゃないだろう。いい加減にしろよ。忘れたとは言わさんぞ、お前稗田乙女だろうに。読書だったり執筆編纂作業もしてるだろ。いや、そんなことは取り立てようとしてるわけじゃないんだが。
まず一つ。
どうやら“メビウスの輪”っていう奴が流行りらしいな。表と裏の概念が無いやつな。
どこの誰かが持ち込んだのか知らないが、まあ見当は大体つく。外の世界とのつながりなんて限られてくるからな。それもいい。
……そのメビウスの輪、なんか私の弱点って噂が広まってるんだ。今日もついさっき人間の子供に手渡されて「ひっくり返して見せろ!」とか挑発されてな。意味が分からんわ。え? 結果どうなったかって?
……小一時間ほど苦戦したがついにダメだったよ。
知らなかった、ほんとに弱点なんだね。私のことなのに全然知らなかった。なんかものすごく屈辱的だわ。
だが、これはまだいい。精神的ショックが半端ないが抑えられるレベルだ。
……二つ目に行くぞ。
最近な、里の子供に見つかるとよく喧嘩ふっかけられるんだよ。子供だけじゃない。いい腕っぷししたお兄さんにもだ。喧嘩というのは少し語弊があるか。勝負と言い換えてもいい。
メビウスの輪の時も疑問に思ったんだが、最近異変を起こしたとはいえ、仮にも私は妖怪だし、ほとんど顔が広まっているわけでもないでもないよな。ましてや巷では極悪人としての評判がついてるんだ。何かしらの理由で有名になったとしても、話しかけてこようと思う奴なんて限られてくると思うんだ。
それがこれだよ。下は四、五歳上は四五十まで。
ほんっとに不愉快なんだけどさ、
しりとり勝負で逆さ言葉を言うと正邪は逃げていくなんて噂、なんでみんな信じてるんだよ!
目と目が合う瞬間から切り出されるんだよ! 私的には異変レベルだよ!
回文を連発し返して十五勝をあげたあたりから、いったい何があったんだ? と、気になってしょうがなくなって……話を聞いてみたらまさかお前の名前が出てきたんだ。びっくりだよ。いや、今となっては驚くことでもなかったのかもしれんが……。
いいか、革命家というのは知名度とイメージですべてが決まるんだ。弱者の支持を集めるのに人間に舐められているようじゃいけないんだよ。
で、だ。私は言ったよな。子供に絡まれてると。この状況は革命家として非常に由々しき事態なんだ。なんでかは言わずともわかってくれるよな? わからなくても頼むからわかってくれ。
それにな、子供はまだかわいらしいもんなんだが、むさくるしいおっさん連中が「しりとりしようぜ」渋い声で言い寄ってくるのなんか……もう……ねえ。鳥肌もんだよ。
全部お前の仕業だって知ってるんだぞ? 私へ仕返しするための嫌がらせをするためにお前が仕組んだってこと知ってるからな。とぼけたって無駄だぞ? はい目をそらさなーい。口笛も吹かなーい。微笑まなーい。
わざわざ天狗にも手伝いを依頼しちゃってさ。新聞まで配ってくれちゃったね。……いや嬉しくもなんともないから! どこに私が嬉しく思いそうな要素あったの!? さっきお前に事情話したよねぇ!
非常に不本意ながら、非常に不本意ながらお前の目論見は成功してるわけなんだが、九代目様が素知らぬ顔でお越しくださったから言わせてもらう。
ほんとにやめろ。今日はちゃんと取材受けるから。能力も自己申告するからさ。
……その勝ち誇ったような顔が気に入らないが……無駄に記憶保持してるから変なところばっか賢くなりやがってよ……。
嘘ですごめんなさい許してください。
ああもう、反逆したいなぁ……!
これはいったいどういうことか、多分説明できるやつはいないだろうな……いたらおかしいけどなっ!
ふぅ……ふぅ……。いかんいかん、頭に血が上ってしまった。一回冷静になろう。とはいえ無理だろうけどな……。
いやね、私は確かにひっくり返すのが好きとは言ったよ。うん、否定しようもない。むしろ私からリバース取ったら何も残らないもんな。
でもな、私結構前に言ったよな。なんでもかんでもひっくり返せばいいと思ったら大間違いだってさ……。あれからそんな一か月も経ってない気もするんだが気のせいじゃないはずだ。
なのになんで忘れちゃってんの? お前の能力なんだっけ?
……記憶を引き出せなかった、ね。なるほど。能力の有効活用、いやもう活用の段階でできてないってどういうことよ。おい。
多分もう聞かなくても理由はわかるけど、理解はできないからあまり期待はしないでおくぞ? でもな、敢えて聞こう。
なんで私、逆さまに吊り下げられてるの?!
馬鹿じゃないのか?! 今リアルに頭に血が上ってるんだけど!? スカートも何もかもがひっくり返って見た目かなりおかしいことになってるんだが! パンツ丸見えとかそんなちゃちなレベルじゃねえ! それにこれ、足首に縄とか古典的すぎるよ! しかも私を罠にかけたとかじゃなくて確保からの捕縛だもんな、お前が延髄蹴りかましてくるとは予想できるかアホ! 何度も言う、馬鹿じゃないのか?!
吊り下げられて喜ぶのは一部の特殊な層しかいないから! 感じちゃったらマゾヒストだからそいつ、んでもって私ノーマルだから! いくら逆さが好きでもこれはもう堪忍袋の緒が核爆発するレベルだから! うん。だからいい加減にしやがれこん畜生! さっさと下ろせー!
私ちゃんとお前の質問に懇切丁寧に答えたしなぜか知らないけど編纂作業の手伝いもさせられたよなあ!? なんも怒らせるようなことしてないよなあ!? むしろ謝礼もらってもいいレベルだったんだが! 一日二十時間労働二週間連続とか妖怪でもぶっ倒れるわ! というか私倒れたわ! 昨日ようやく復活したところだぞ!
なに、これが謝礼と申すか。お見舞いも兼ねて贈らさせていただきました、か。きっと喜ぶと思って三日ぐらい使ってプランを練ったと。
……あのな、いろいろ言いたいし、今すぐに暴れてやりたい気もする。だけどそうしたらやばいってのは私のもわかる。ほらそこ。博麗の巫女待機しちゃってるもん。用意周到過ぎて尊敬に値するよ、まったく……。お前に危害加えたら私、ジ・エンドだから一言だけ、一言だけにしておいてやる。
……。
お前らなんて嫌いだー!!
いつか絶対幻想郷転覆してやるからなー!!
いくら私が天邪鬼で、人に嫌がらせを率先してしたがるような奴でもそこら辺の常識は知っている。ま、私は常識なんて従いたくもないけどな。少し前に流行っただろう、『常識にとらわれない』ってのがさ。
古いとか言うな! あいつら現在進行形でそうだろうが!
と、とにかく、だ。私が言いたいのはそこじゃない。だからいちいち揚げ足を撮るなよ。絶対だぞ! フリでもなんでもないからな!
お前、確か稗田阿求といったな。お前の書いてる幻想郷縁起は何度か読んだことがある。クッソつまらなかったけどな。
バ、やめろ! 筆の柄の部分で刺してこようとするな! 危ないだろう! 前言撤回するから落ち着けって!
こ、これ以上余計なこと言うと私の縁起の内容がどうなっても知らないだって? フンッ、お互い様だろうに。
……いやそれだけは勘弁してくださいたのんますよ阿求さん……。ん? 縁起嫌いなのに何で取材にオッケイだしたのかって? ……さ、さて、話を元に戻そう。えーと、うん、そうだ思い出したぞ。
私に取材をするにあたってお前は手土産を持ってきたな。そうだ、これだこれ。……“手”土産なのかよくわからんのだが。まあ、その行為自体は責めようがない。さっきも言った通りな。むしろこの私に対して気を遣ってくれるなんて思ってもみなかった。感謝、は一応してる。
だがな、問題はここからだ。お前ももうわかってるだろう? 猫被って見せても無駄だぞ。目を潤ませたって私がぶちギレてるのは変わらないんだからな。……切り替え早いな。一瞬で真顔になりおって。
さて、お前は嫌がらせをするつもりはなかったのかもしれない。だがあえて言わせてもらうぞ。言わないと私の気が収まらないからな。いいか?
何でお前は私にちゃぶ台をプレゼントする発想に至ったんだ?
なんだよちゃぶ台って。なんだよちゃぶ台って。
お前がちゃぶ台を背負ってきたのを見たときの私の心情を考えてみろよ。
親近感を感じる要素微塵もねえよ。歓喜じゃねえよ。ヘブン状態でもねえよいい加減にしろ。
いいか、ちゃぶ台持った変人が自分に用があるっての想像してみろよお前も。あいつが稗田阿求じゃありませんようにどうかこっち来ませんようにって必死に祈ってた私の心労を考えてもみろよ。
別に気にならないって? うん、私の質問が悪かったな。忘れてくれ。そこまでお前が頭悪いとは思わなかった。記憶積んだだけじゃ賢くはならないってのがよくわかったわ。誉めてないから無い胸張るのはやめろ。
私がキレてるのにはもう一つ理由がある。……まさか一つだけって思ってたわけじゃあるまいな。
正直言うとな、私からちゃぶ台に連想することに関してはそう不思議に思わないんだ。容認はしたくないが、批判をしたくもない。そこもわかってほしい。
私はオセロなんか好きだし、めんこも一時期ハマったことがある。大富豪の革命を達成したときは胸がすくような心地になる。幻想郷転覆にいったいどう役立つのか私にもよくわからんが……。それはともかく、だ。
私はひっくり返すことが我是といっても過言ではないほど大好きだ。しかしだ、それとこれとでは話が違うだろ。鼠にはチーズあげとけば何とかなるだろみたいな認識はしないほうがいいぞ。
だからな、なんでもかんでもひっくり返せばいいと思ったら大間違いだ! いいか、わかったらさっさと帰れ! 今日はもう知らん!
お茶は出さないのかって……なんでこの流れでおもてなし期待してんだお前は! 何もしてやらんぞ私は! 早く立ち去れ!
あっ、あいつ中指立てて行きやがった! ちくしょー、覚えてやがれーっ!
ふむ、あれから一週間か。よくもまた来ようと思ったな。私の予測では、日にちを空ければ私が落ち着くだろうと思ったんだろう? バーカ。
確かにな、普通そうだよ。よく私は器が小さいとか言われるが、時間があれば大抵物事を冷静に見ることはできるんだ。もしお前があれから何もせず私の気が収まるのを待ってたら今こうやってお前にぶちぎれたりなんかしないよ。お前があんなことしなければね。
やっぱりキレてたのか……って当たり前だよ! お前、私がキレてないと思ったの?! 馬鹿なの?! どんだけ鈍感なんだお前は!
言っとくが最後に中指を立てて行ったのは関係ないぞ。……なに意外そうな顔してるんだ。私は寛容だから許してやったんだ、感謝してほしいぐらいさ。
まあ睨むな。そろそろ本題に入ろう。
本題は本題でお前の要件は後回しだ。なに勘違いしてる。ほら、さっさと筆を置け。むすっとしてもダメなもんはダメだからな。全く……。
さて、お前は一週間前私を怒らせて……未だに納得できてないようだが……そこはとりあえず置いておいて、それから今に至るまで何をしていた?
食べて飲んで寝た……だけじゃないだろう。いい加減にしろよ。忘れたとは言わさんぞ、お前稗田乙女だろうに。読書だったり執筆編纂作業もしてるだろ。いや、そんなことは取り立てようとしてるわけじゃないんだが。
まず一つ。
どうやら“メビウスの輪”っていう奴が流行りらしいな。表と裏の概念が無いやつな。
どこの誰かが持ち込んだのか知らないが、まあ見当は大体つく。外の世界とのつながりなんて限られてくるからな。それもいい。
……そのメビウスの輪、なんか私の弱点って噂が広まってるんだ。今日もついさっき人間の子供に手渡されて「ひっくり返して見せろ!」とか挑発されてな。意味が分からんわ。え? 結果どうなったかって?
……小一時間ほど苦戦したがついにダメだったよ。
知らなかった、ほんとに弱点なんだね。私のことなのに全然知らなかった。なんかものすごく屈辱的だわ。
だが、これはまだいい。精神的ショックが半端ないが抑えられるレベルだ。
……二つ目に行くぞ。
最近な、里の子供に見つかるとよく喧嘩ふっかけられるんだよ。子供だけじゃない。いい腕っぷししたお兄さんにもだ。喧嘩というのは少し語弊があるか。勝負と言い換えてもいい。
メビウスの輪の時も疑問に思ったんだが、最近異変を起こしたとはいえ、仮にも私は妖怪だし、ほとんど顔が広まっているわけでもないでもないよな。ましてや巷では極悪人としての評判がついてるんだ。何かしらの理由で有名になったとしても、話しかけてこようと思う奴なんて限られてくると思うんだ。
それがこれだよ。下は四、五歳上は四五十まで。
ほんっとに不愉快なんだけどさ、
しりとり勝負で逆さ言葉を言うと正邪は逃げていくなんて噂、なんでみんな信じてるんだよ!
目と目が合う瞬間から切り出されるんだよ! 私的には異変レベルだよ!
回文を連発し返して十五勝をあげたあたりから、いったい何があったんだ? と、気になってしょうがなくなって……話を聞いてみたらまさかお前の名前が出てきたんだ。びっくりだよ。いや、今となっては驚くことでもなかったのかもしれんが……。
いいか、革命家というのは知名度とイメージですべてが決まるんだ。弱者の支持を集めるのに人間に舐められているようじゃいけないんだよ。
で、だ。私は言ったよな。子供に絡まれてると。この状況は革命家として非常に由々しき事態なんだ。なんでかは言わずともわかってくれるよな? わからなくても頼むからわかってくれ。
それにな、子供はまだかわいらしいもんなんだが、むさくるしいおっさん連中が「しりとりしようぜ」渋い声で言い寄ってくるのなんか……もう……ねえ。鳥肌もんだよ。
全部お前の仕業だって知ってるんだぞ? 私へ仕返しするための嫌がらせをするためにお前が仕組んだってこと知ってるからな。とぼけたって無駄だぞ? はい目をそらさなーい。口笛も吹かなーい。微笑まなーい。
わざわざ天狗にも手伝いを依頼しちゃってさ。新聞まで配ってくれちゃったね。……いや嬉しくもなんともないから! どこに私が嬉しく思いそうな要素あったの!? さっきお前に事情話したよねぇ!
非常に不本意ながら、非常に不本意ながらお前の目論見は成功してるわけなんだが、九代目様が素知らぬ顔でお越しくださったから言わせてもらう。
ほんとにやめろ。今日はちゃんと取材受けるから。能力も自己申告するからさ。
……その勝ち誇ったような顔が気に入らないが……無駄に記憶保持してるから変なところばっか賢くなりやがってよ……。
嘘ですごめんなさい許してください。
ああもう、反逆したいなぁ……!
これはいったいどういうことか、多分説明できるやつはいないだろうな……いたらおかしいけどなっ!
ふぅ……ふぅ……。いかんいかん、頭に血が上ってしまった。一回冷静になろう。とはいえ無理だろうけどな……。
いやね、私は確かにひっくり返すのが好きとは言ったよ。うん、否定しようもない。むしろ私からリバース取ったら何も残らないもんな。
でもな、私結構前に言ったよな。なんでもかんでもひっくり返せばいいと思ったら大間違いだってさ……。あれからそんな一か月も経ってない気もするんだが気のせいじゃないはずだ。
なのになんで忘れちゃってんの? お前の能力なんだっけ?
……記憶を引き出せなかった、ね。なるほど。能力の有効活用、いやもう活用の段階でできてないってどういうことよ。おい。
多分もう聞かなくても理由はわかるけど、理解はできないからあまり期待はしないでおくぞ? でもな、敢えて聞こう。
なんで私、逆さまに吊り下げられてるの?!
馬鹿じゃないのか?! 今リアルに頭に血が上ってるんだけど!? スカートも何もかもがひっくり返って見た目かなりおかしいことになってるんだが! パンツ丸見えとかそんなちゃちなレベルじゃねえ! それにこれ、足首に縄とか古典的すぎるよ! しかも私を罠にかけたとかじゃなくて確保からの捕縛だもんな、お前が延髄蹴りかましてくるとは予想できるかアホ! 何度も言う、馬鹿じゃないのか?!
吊り下げられて喜ぶのは一部の特殊な層しかいないから! 感じちゃったらマゾヒストだからそいつ、んでもって私ノーマルだから! いくら逆さが好きでもこれはもう堪忍袋の緒が核爆発するレベルだから! うん。だからいい加減にしやがれこん畜生! さっさと下ろせー!
私ちゃんとお前の質問に懇切丁寧に答えたしなぜか知らないけど編纂作業の手伝いもさせられたよなあ!? なんも怒らせるようなことしてないよなあ!? むしろ謝礼もらってもいいレベルだったんだが! 一日二十時間労働二週間連続とか妖怪でもぶっ倒れるわ! というか私倒れたわ! 昨日ようやく復活したところだぞ!
なに、これが謝礼と申すか。お見舞いも兼ねて贈らさせていただきました、か。きっと喜ぶと思って三日ぐらい使ってプランを練ったと。
……あのな、いろいろ言いたいし、今すぐに暴れてやりたい気もする。だけどそうしたらやばいってのは私のもわかる。ほらそこ。博麗の巫女待機しちゃってるもん。用意周到過ぎて尊敬に値するよ、まったく……。お前に危害加えたら私、ジ・エンドだから一言だけ、一言だけにしておいてやる。
……。
お前らなんて嫌いだー!!
いつか絶対幻想郷転覆してやるからなー!!
しかし正邪が自機になるとは・・・。
終始笑いっぱなしでした。
正邪ちゃん南無。そして自機化おめでとう。
何てことだ……
ニヤニヤが止まらない
小気味いい突っ込みに引き込まれました。
やっぱり阿求さん半端ないですわ。おちょくりキャラとして確立しちゃってる感じがします。よくこんなネタを思いつくなあ。