「フランのフ♪は豆腐のフ♪ー、フランのラはラララララー♪フランのンはプリンのンー♪
と言うわけで、本日のプリンでございます」
軽快なリズムとともに本日の当主とその妹様に当主のご友人、その使い魔、この館の門番の前に本日のおやつのプリンを置く。
「その歌は何なの咲夜」
「プリンがおいしくなるおまじないです。お嬢様」
「そういうことをきいてるのではなく、なんで当主である私の名前が入ってないのかしら」
「お嬢様の名前でプリンの歌をつくるのは難しいですので、何かお嬢様の名前に合うおやつを見つけたら、歌を作っておきます」
「ええ、頼むわね。おやつのほうもこの私の名前が入って、カリスマが上がるわね」
おやつのカリスマって何?まあ、お嬢様の要望だから、しっかり考えておかないと。
「咲夜、咲夜、さっきの歌にフランの名前が入っていたけど、もしかしてフランの歌?」
「はい。妹様の歌です」
「ワーイ!フランの歌!」
無邪気な子供らしい笑顔で喜ばれるのは紅魔館の当主の妹であるフランドールお嬢様
である。
「フランのフ♪は豆腐のフ♪ー、フランのラはラララララー♪フランのンはプリンのンー♪
咲夜、私この歌気に入ったわ」
「お気に召されたようで何よりでございます」
よかった、妹様に喜んでもらえた。この笑顔だけで、ごはん5杯はいけるわね。
……などと考えていたら、妹様がプリンにスプーンをつけようとしていた。
「待ってください妹様。まだ、いただきますを言ってませんよ」
あわてて、止める私。
「そうね。マナーが悪かったら素敵なレディーになれないわよフラン」
「ハーイ。お姉さま」
そのあとにいただきますをすませる紅魔館一同。それはまさに幼稚園の給食の時間のようだった。
その光景を微笑ましく見ていた私は、妹様がこちらを見ていることに気づく。
妹様の手元には、まだ半分ほど残っているプリンがある。お口に合わなかったのだろうか?
いつもは”おかわりある!”と聞いてきて、私が食べすぎはよくないですよと続くのだが、今日はどうしたのだろうか?
「妹様どうかなされましたか?」
「咲夜のプリンはないの?」
「私のプリンはございません。妹様達の分しかご用意していませんから」
「エー。私はみんなで一緒に食べたいのに……、そうだ」
何かを閃いたようだ。スプーンでプリンをすくって私の口元にスプーンをもってきた。
「咲夜、アーン」
「……妹様、私はメイドの身でありますので、そのようなことは」
「私は、咲夜を含めて、みんなで食べたいの。咲夜のプリンがないなら、
こうやって、食べさせればみんなで食べることになるよね」
「あら、いいアイデアじゃない」
「パチュリー様まで、何をおっしゃっているのですか。そういうのはお嬢様の許可がなくてはいけません」
そう、私はメイドなのだから、そういうことをしてもらうのはいけないと思うし、お嬢様だって許してはくれないだろう。
「いいわよ」
ほら、お嬢様の口から”いいわよ”という言葉が聞こえて、……えっ!
「お嬢様よろしいのですか」
「私がいいと言っているのだからいいのよ」
「なら、皆さんで咲夜さんに食べさせあいをしませんか」
「あら、そのアイデアいいわね美鈴」
「じゃあ、最初はフランからいくね。咲夜、アーン」
再び、私の口元にスプーンがかざされた。皆さんの視線に私は、これ以上の言い訳ができない空気なので、素直に妹様のアーンを受け入れることにした。
「どう咲夜、おいしい?」
「おいしいです。妹様」
「次は私が食べさせますよ咲夜さん」
「その次は私が」
「なら、私は小悪魔の次ね」
それから、美鈴、小悪魔、パチュリー様の順番でアーンをしてもらいました。
「最後は私ね、ハイ咲夜アーン」
最後にお嬢様からアーンをしてもらったところで、皆さんのプリンの容器もからになりました。
「ふふ、どう咲夜とてもおいしいプリンだったでしょ」
「はい。とてもおいしかったです。皆さまから食べさせてもらうだけでこんなにおいしくなるのですね」
いつも私は一人で食べているから、こういうのはあこがれていたのかも。
「咲夜、あなたも私たちと同じ時間、同じ場所で食事をとりなさい」
「ですがお嬢様、私はメイドの身です。そのようなことは畏れ多いと言っているではありませんか」
「主人命令よ」
「ですが、お嬢様……」
そんなやり取りを見ていた妹様が。
「あのね咲夜、フランはずっと一人でご飯やおやつを食べていたからわかるの。一人で食事をしている時はおいしいって感情も言葉も出なかった。でもね、みんなで食べるようになってからは、おいしいって感じられるし、言えるようにもなったわ。だから咲夜もね、えっと……」
「だから咲夜もみんなで食事をとっておいしいという感情を共感しましょう。と言いたいんでしょ。フラン」
「わーっ。さすがお姉さま。フランの言いたいことがわかるんだ」
「当然よ。私はカリスマがデフォルトで備わっている吸血鬼なんだから」
私はお嬢様方の言葉に涙が出そうになったがグッとこらえる。
「私も皆さまと共に食事をとってもよろしいでしょうか」
「まだ遠慮しがちね。咲夜は私のメイドであり、家族よ。家族なら一緒に食事をとるのは当然でしょ☆」
最後にウインクをされたお嬢様。
お嬢様の言葉が、気持ちがすごくうれしい。
「泣いてるよ咲夜。大丈夫、どこか痛いの?」
「大丈夫ですよ妹様。これはうれしいときに出る涙ですから」
「今日のディナーから、あなたも一緒に食事をとるのよ。わかったわね咲夜」
「かしこまりました。お嬢様」
その日のディナーから、メイドにも食事がおいしいという感情が生まれた。
と言うわけで、本日のプリンでございます」
軽快なリズムとともに本日の当主とその妹様に当主のご友人、その使い魔、この館の門番の前に本日のおやつのプリンを置く。
「その歌は何なの咲夜」
「プリンがおいしくなるおまじないです。お嬢様」
「そういうことをきいてるのではなく、なんで当主である私の名前が入ってないのかしら」
「お嬢様の名前でプリンの歌をつくるのは難しいですので、何かお嬢様の名前に合うおやつを見つけたら、歌を作っておきます」
「ええ、頼むわね。おやつのほうもこの私の名前が入って、カリスマが上がるわね」
おやつのカリスマって何?まあ、お嬢様の要望だから、しっかり考えておかないと。
「咲夜、咲夜、さっきの歌にフランの名前が入っていたけど、もしかしてフランの歌?」
「はい。妹様の歌です」
「ワーイ!フランの歌!」
無邪気な子供らしい笑顔で喜ばれるのは紅魔館の当主の妹であるフランドールお嬢様
である。
「フランのフ♪は豆腐のフ♪ー、フランのラはラララララー♪フランのンはプリンのンー♪
咲夜、私この歌気に入ったわ」
「お気に召されたようで何よりでございます」
よかった、妹様に喜んでもらえた。この笑顔だけで、ごはん5杯はいけるわね。
……などと考えていたら、妹様がプリンにスプーンをつけようとしていた。
「待ってください妹様。まだ、いただきますを言ってませんよ」
あわてて、止める私。
「そうね。マナーが悪かったら素敵なレディーになれないわよフラン」
「ハーイ。お姉さま」
そのあとにいただきますをすませる紅魔館一同。それはまさに幼稚園の給食の時間のようだった。
その光景を微笑ましく見ていた私は、妹様がこちらを見ていることに気づく。
妹様の手元には、まだ半分ほど残っているプリンがある。お口に合わなかったのだろうか?
いつもは”おかわりある!”と聞いてきて、私が食べすぎはよくないですよと続くのだが、今日はどうしたのだろうか?
「妹様どうかなされましたか?」
「咲夜のプリンはないの?」
「私のプリンはございません。妹様達の分しかご用意していませんから」
「エー。私はみんなで一緒に食べたいのに……、そうだ」
何かを閃いたようだ。スプーンでプリンをすくって私の口元にスプーンをもってきた。
「咲夜、アーン」
「……妹様、私はメイドの身でありますので、そのようなことは」
「私は、咲夜を含めて、みんなで食べたいの。咲夜のプリンがないなら、
こうやって、食べさせればみんなで食べることになるよね」
「あら、いいアイデアじゃない」
「パチュリー様まで、何をおっしゃっているのですか。そういうのはお嬢様の許可がなくてはいけません」
そう、私はメイドなのだから、そういうことをしてもらうのはいけないと思うし、お嬢様だって許してはくれないだろう。
「いいわよ」
ほら、お嬢様の口から”いいわよ”という言葉が聞こえて、……えっ!
「お嬢様よろしいのですか」
「私がいいと言っているのだからいいのよ」
「なら、皆さんで咲夜さんに食べさせあいをしませんか」
「あら、そのアイデアいいわね美鈴」
「じゃあ、最初はフランからいくね。咲夜、アーン」
再び、私の口元にスプーンがかざされた。皆さんの視線に私は、これ以上の言い訳ができない空気なので、素直に妹様のアーンを受け入れることにした。
「どう咲夜、おいしい?」
「おいしいです。妹様」
「次は私が食べさせますよ咲夜さん」
「その次は私が」
「なら、私は小悪魔の次ね」
それから、美鈴、小悪魔、パチュリー様の順番でアーンをしてもらいました。
「最後は私ね、ハイ咲夜アーン」
最後にお嬢様からアーンをしてもらったところで、皆さんのプリンの容器もからになりました。
「ふふ、どう咲夜とてもおいしいプリンだったでしょ」
「はい。とてもおいしかったです。皆さまから食べさせてもらうだけでこんなにおいしくなるのですね」
いつも私は一人で食べているから、こういうのはあこがれていたのかも。
「咲夜、あなたも私たちと同じ時間、同じ場所で食事をとりなさい」
「ですがお嬢様、私はメイドの身です。そのようなことは畏れ多いと言っているではありませんか」
「主人命令よ」
「ですが、お嬢様……」
そんなやり取りを見ていた妹様が。
「あのね咲夜、フランはずっと一人でご飯やおやつを食べていたからわかるの。一人で食事をしている時はおいしいって感情も言葉も出なかった。でもね、みんなで食べるようになってからは、おいしいって感じられるし、言えるようにもなったわ。だから咲夜もね、えっと……」
「だから咲夜もみんなで食事をとっておいしいという感情を共感しましょう。と言いたいんでしょ。フラン」
「わーっ。さすがお姉さま。フランの言いたいことがわかるんだ」
「当然よ。私はカリスマがデフォルトで備わっている吸血鬼なんだから」
私はお嬢様方の言葉に涙が出そうになったがグッとこらえる。
「私も皆さまと共に食事をとってもよろしいでしょうか」
「まだ遠慮しがちね。咲夜は私のメイドであり、家族よ。家族なら一緒に食事をとるのは当然でしょ☆」
最後にウインクをされたお嬢様。
お嬢様の言葉が、気持ちがすごくうれしい。
「泣いてるよ咲夜。大丈夫、どこか痛いの?」
「大丈夫ですよ妹様。これはうれしいときに出る涙ですから」
「今日のディナーから、あなたも一緒に食事をとるのよ。わかったわね咲夜」
「かしこまりました。お嬢様」
その日のディナーから、メイドにも食事がおいしいという感情が生まれた。
これからに期待。
和ましいです。ちょいと前後半の一貫性が疑わしかったですが、まあともかくかわいいかわいい。
>>1さん
ほのぼのな気持ちになれたというコメント、とても嬉しかったです。
>>非現実世界に棲む者さん
ご期待に添えるように頑張ります。
>>3番さん
フランはとても495歳とは思えないかわいさですよね。
>>5番さん
ご指摘ありがとうございます。脱字の部分を修正いたしました。
>>奇声を発する程度の能力
読んでくださってありがとうございます。
>>絶望を司る程度の能力
こちらこそ読んでくださってありがとうございます!
>>14番さん
和んでくださってなによりです。
ほのぼのしてて良かったです。
基本的な文法を誤っている部分が散見されましたので(三点リーダー、句読点の位置など)、次回からはそのへんを気をつけるとぐっと質が上がると思います。