Coolier - 新生・東方創想話

雲と花 6話:火(後編)

2014/03/04 18:41:15
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 六話 火(後編)

 冷たい夜風に立ち向かうようにして、固い地面を蹴り続ける。朱雀門から離れ、大路を真っ直ぐに走り抜ける。
 目指す場所などなかった。ただ、誰とも居たくなかった。どこにも居たくなかった。何かもが嫌だった。
 気付けば、目の前はあの東半分だけの羅城門だった。相変わらず、壁際に蝋燭の明かりが見える。きっと、中ではあの老婆の鬼が死体を貪っているだろう。
 それが間違っているのかさえ、もう私には分からない。死体なら、食べて良いのか?死体じゃなくても、人間じゃなければ食べていいのか?
(和尚なら、何て言うかしら……)
 もういないその背中に、今すぐ縋りつきたい。抱き付いて、泣き叫びたい。お願い、答えを教えて。私は、どうすれば良いの?
 喉元に嗚咽がこみあげ、涙が出そうになった。しかし――。
「いやああああああああ」
 夜空に、突如として響いた少女の叫び声で、ふと我に返った。そして、それが自分の眼前にある門の楼上から発せられたと気付いた瞬間、再び駆け出した。
 梯子を上った先では、あの老婆の鬼が右手に血に濡れた包丁を持ったまま、荒い呼吸を繰り返しながら床の上の何かを見下ろしていた。
「な、なんじゃ!何者じゃ!」
 こちらに気付いた鬼が、怯えた様子で叫ぶ。
「……何をしているのかしら?」
 楼上に立ち、鬼を睨む。すると、鬼はこちらの顔を見て、更に怯えた表情を浮かべた。
「な、何じゃ、お主、今更なんの用じゃ?朱雀門の鬼には逢えたじゃろう?もうここに、用はないはずじゃろう?」
「えぇ、逢え……」
 そこで、言葉を失った。鬼が見下ろしていた存在――それは、一人の少女だった。床の上の蝋燭に照らされて、その様がしっかりと見て取れる。麻布の衣服は乱暴に破られ、白い肌が露わになり、首筋には切り裂かれたような真っ赤な傷痕がある。そこからは今も血がだらだらと溢れ続け、辺りを鮮血に染め上げている。くりっとした黒い両目は円く見開かれ、小さな口もぽかんと開かれたままになっていた。まるで、死んだことに驚いているような顔――いや、驚いたまま死んだような顔、か。
 先ほどの叫び声の主は、恐らくこの少女だろう。理由は分からないが、今まさに、私の目と鼻の先で、妖怪に首を切り裂かれて殺されたんだ。そして、これから無残に喰い荒らされるところだったのだ。その手も、足も、腹も、頭も……何一つ残されず、何一つ遺せずに、跡形もなく……。
 あの子達も、こんな顔をして死んだのだろうか?何が起きたのかも分からないまま、あと言う間に殺されたのだろうか?それとも、やっぱり、生きたまま……。
 そこまで考えて、気付く。私には、それを赦すことなんて出来ないと。これから起きる惨劇を見過ごすことなんて出来ないと。この鬼を、殺してやりたいと。
「……この子は?」
 胸の内が激しく鼓動する。呼吸が荒くなる。身体の奥底から怒りが湧いてくる。その熱は地獄の業火のようにこの身を呑み込み、焼き尽す。
「こ、この娘か?さあ、わしは知らんのう。所詮、ここに棄てられた死体じゃからのう?」
 鬼は、明らかに動揺していた。目線を合わせず、声も震えていた。嘘を吐いているのだと、すぐに分かった。
「……そう。あなたが、殺したのね」
「こ、殺してはおらぬ!先刻も言ったが、わしは誰一人殺さぬ!天地神明に誓ってそうじゃ!」
「この……首の傷は、あんたの仕業じゃないの?」
 小太刀をゆっくりと鞘から解き放ち、少女の首筋に向ける。
「こ、これは、ち、血抜きじゃ。この娘の死因など、わしには分からん!」
 血抜き。その言葉に、更に怒りが燃え上がる。こいつは、本当に私達をただの肉としかみていないんだ。家畜か、それ以下の存在だと思っているのだろう。その命に感謝を捧げることなど、決してないに違いない。
「この子の叫び声を聞いたって人がいるんだけどねぇ?」
 今すぐ襲い掛かりたい気持ちを、何とか堪える。怯えているとは言え、相手は鬼だ。武器だって持っている。まだ、確実じゃない。
「さ、さあのう?その者の聞き間違いではないかのう?この辺りには老人も多いからのう。かくゆうわしも、随分耳が遠くなったもんじゃ」
 あくまで白を切る、か。
「……そう。じゃあ、つまり、私の耳も遠くなったって言いたいのね?」
「……へっ?」
「言ったでしょう、叫び声を聞いた人がいるって。……ここにね」
 鬼はきょとんした顔で四方八方にぐるぐると目玉を動かし、そして、最後に私と視線をぶつけると、凍りついたように固まった。彼女の手からは包丁が滑り落ち、そのまま床に突き刺さった。
 彼女はその鈍い音でふと我に返ったように身体をびくりと震わせ、再び口を開いた。
「そ、それは、つ、つまり、お主が、聞いたと、そう言うつもりかえ?」
「つもりじゃないわ。そう言っているのよ、姑息な鬼が」
「そ、そうか。じゃ、じゃがな。仮に、仮にわしが殺したとして、だ。まさか、まさか今更約束を違えるつもりではあるまい?」
 この期に及んで、まだ言い逃れるつもりか。自分から破り棄てた約束を、他人に守れと言うつもりか。こんな奴を赦す正義なんて、あってたまるか。たとえどれだけ間違った行いだったとしても、私はこいつを赦せない。赦したくない。ただただ、今すぐ殺してやりたい!
「そ、それに、じゃ。生きる為に殺してしまうことは仕方ないことじゃろ?生きる為には、殺意も必要じゃ。殺害自体を否定することなど誰にも出来ぬ。お主もそう思うじゃろう?」
 ――あぁ、そうか。そうなんだ。正しいとか、間違ってるとか、そんなことどうでもいいんだ。私が殺したいと思ったから殺す。それだけで、充分じゃないか。正義だのなんだのと変にかっこつけるから迷うんだ。ただ、殺意を持った。それだけで、充分復讐の理由になるじゃないか。なぁんだ……本当は、とてもとても簡単な事だったんだ。
「そうね。あなたの言う通りよ……」
 ……ふふっ。それなのに、私は馬鹿だなぁ。雲山だって、協力してくれる内は精々利用してやればいいんだ。信じる必要なんてない。何を考えていようと、私に手を貸してくれるならそれで良い。私を裏切るなら、雲山も殺せばいい。あぁ、そうだ!何もかも殺してしまえばいいんだ!そうすれば、簡単に復讐出来る!
「約束は守るわ。陰陽師も検非違使も、あんたを殺しはしない」
 冷静にそう言ってのけ、鬼に向ってゆっくりと歩み寄る。
「そ、そうじゃろう。そうじゃろうて……」
 そう分かり易く安堵する鬼の前を通り過ぎ、その背後で立ち止まる。
「一つ、良い事を教えてあげるわ」
「な、なんじゃ?」
「朱雀門の鬼は、その子みたいにかわいい女の子だったわよ」
 言い終わるが早いか振り返り、老いさばらえた鬼の背中に向けて、真っ直ぐに刃を突き出す。
「そう、かッはッ……?」
 小太刀は、すっかり油断していた鬼の背中を躊躇いなく貫く。刃は鬼の胸の真ん中の皮膚を突き破り、その体外に飛び出した。だが、まだ、足りない。
「もう一つ、教えてあげるわ……!」
 刃を更に押し出し、鬼の身体に押し込む。肉体を斬り進む確かな手応えが、鬼の身体の震えが、握りしめた柄からじんじんと伝わってくる。赤黒い血が刃を伝わり、白い柄を汚し、私の手も赤く染める。
「私、検非違使でも、陰陽師でもないのよね……」
「ば、かな……だました、のか……?」
 鬼はついに自重を支えるだけの力を失い、床に両膝を付いた。木の床がぎしりと大きく軋み、血が吐瀉物のように床に撒き散らされる。
「裏切ったのは、あんたの方が先よ。この、クソババアがァ!」
 鬼の背中を蹴飛ばし、刃を引き抜く。鬼はそのままドサリとうつ伏せに倒れ込んだ。床がまた一段と大きく軋み、その衝撃で蝋燭が倒れた。
 蝋燭の火は乾いた木の床に燃え移り、楼上の床一面に、死体の山々に、あっと言う間に燃え広がって行った。
 鬼は倒れ伏したまま身体をビクビクと痙攣させながら、こちらを血走った眼で凝視し、小さく口を動かした。
「ゆ・る・さ・ぬ」
 私の目には、彼女がそう言ったように見えた。その直後、その身体は完全に動かなくなった。それでも、その両の眼だけは、こちらを睨み付け続けている。
「……こっちだって、赦すわけにはいかないのよ」
 そう死体に言葉を浴びせ、かろうじて火の手が回っていなかった梯子から、ほとんど飛び降りるようにして燃え上がる楼上を脱出し、その場から離れる。
 私が石段を駆けおりた瞬間、背後で凄まじい破壊音が鳴り響いた。瓦が割れる音、柱の砕ける音、木材の燃える音、死体の潰される音――。何もかもが、崩壊していく。それを背中で感じながら、私はただ前だけ向いて走った。
 振り返った時、石段の上には巨大な瓦礫の山が出来ていた。瓦と木と人が折り重なり、互いに潰しあいながら、皆一様に真っ赤な炎に包まれていた。夜空には真っ黒な煙が立ち上り、辺りには木と死肉の焼ける臭いが立ち込めている。
 ――これが、復讐に呑まれた先に見る景色か。
 ゆらゆらと蠢く大きな火は生き物のようでありながら、ひたすら無感情にそこにある物を平等に灰へと変えていた。私には、この火が美しいとは思えなかった。木の軋む音が、瓦礫が崩れる音が、死者の怨嗟の声のように聞こえた。瓦礫の隙間から覗く瞼の裏の視線全てが、私に向けられているように思われた。

 ぶわりと強い風が吹き、煙が、熱が、臭いがこちらに飛んでくる。その運ばれてきた強烈な悪臭を嗅いだ途端、腹の底から何かが喉元へとせり上がって来た。
 あぁ、吐きそう。そう思った瞬間、私は立ったまま白い吐瀉物を噴き出した。
「ぶっ…う、うぇええええぇぇ……」
 一度吐いてからは、まるで水門が開かれたかの如く、次から次へと吐瀉物が溢れ出てきた。吐き気は一向に止まらず、涙も出てきた。その内立っていることも出来なくなり、地面に四つん這いになる。そして、更に地面を白く汚す。何か悪い物でも食べただろうか。それともあの酒のせいだろうか。……いいや、きっと、そうじゃない。
「ふふッ。ホント、情けないわねぇ、私って……」
 たかが鬼一匹殺して、死体を焼き尽くして、門を崩壊させたぐらいで吐くなんて。情けな過ぎて、笑えてくる。
「しかも、吐きながら泣くなんて、小さな子供みたいじゃないの……」
 家族の死を知っても、泣かなかったと言うのに。それなのに、こんなことで……。
「何で、今泣くのよ……どうして泣かなきゃいけないのよ……」
 殺意に身を任せたのに、上手くいかない。どうしたら良い?もっと殺しまくれば、慣れるだろうか。あの男のように、成れるだろうか。そうすれば、あの男も殺せるだろうか。
 ――いや、きっと、殺せる。同じバケモノになれば、あいつを殺せるに違いない。そうだ……このまま妖怪共を方っ端から殺して回ろう……。朱雀も、雲山も今すぐ殺そう……。そして、私もバケモノになって、最後にあいつを殺すんだ。あいつの身体をバラバラに切り裂いて、焼き尽くしてやろう……。そうだ、さっき思った通りだ。全て、殺してしまえば良い。私のやるべき事は、たったそれだけなんだ。
「私って、ホント馬鹿……」
 ――それじゃあ本当に、あいつと一緒になっちゃうじゃないの。
「ああ、大馬鹿者だ!」
 その声は、上空から降ってきた。雷のように激しい、威厳に満ちた声。いつも傍らで聞いていた「彼」の声。
「雲山……」
 見上げれば、そこに彼がいた。いつもの仏頂面を更にしかめながら、私の眼前にゆったりと降りてきた。
「また随分と、派手にやったのう」
 雲山は、私の目を見てそう言った。
「……何の用?脆弱な私の姿を笑いに来たのかしら?」
 そう言い終わった後で、もう一度吐いた。「……どう?この私の有り様。良いのよ、笑っても」
「いいや、笑わぬよ」
「じゃあ何よ……用がないならどっか行ってよ!」
 今は誰とも一緒に居たくないんだ!どこにも居たくないんだ!私のことなんて、放っておいてよ!
「……お主は今、吐いておるのだろう?ならば、傍に居る者のすべきことは一つだ」
 私の叫びを包み込むように、雲山の手が――あの温かく分厚い手が、私の背にそっと乗せられた。
「な、何を……」
「そう気を張るでない、馬鹿者め」
 とても、優しい声だった。まるで、父親が子どもにかけるような声――和尚が私に幾度となくかけてくれた声――それは、あの雨の日に聞いた、私が信じたいと願った妖怪の声だった。
 雲山の手は何度も何度も、私の背中をさすった。一回、二回と、彼の手が往復する度に、段々と吐き気が引いていく。心が、安らいでいく。
 ――でも、おかしいなぁ。涙は、止まらないや……。
「なんで、なんでよ……」
 なんで、涙は止まらないの?なんで、鼻水まで出て来るの?なんで、あなたは私に優しくしてくれるの?
「私、あなたに酷い事言った!酷い事も思った!なのに、それなのに、どうして……」
「わしは、お主を守ると約束した。ただそれだけだ」
 あなたは、いつもそう言う。約束は守るものだからって。でも、私には分からない。どうしてそこまでして、こんな私を、私との約束を、あなたみたいな強い妖怪が守ってくれるのかが。
「私ね、分からないの……。あなたを本当に信じていいのか、分からないのよ……」
「……そうか。そうだったのか」
「ごめんね、雲山。でも、私、あなたを信じたい……」
 雲山の大きな目を見つめる。彼は一度ゆっくりまばたきをすると、私の肩を優しく掴み、立ち上がらせた。そして、白い布を取り出して私の口元を拭いながら、言った。
「謝る必要などない。だが、本当に特別な理由などないのだ。ただ、あの桜の木の下で、お主を守りたいと思い、守ると約束を交わした。そして、交わした約束を何があろうと違えないと決めた。ただそれだけで、わしには充分なのだ」
 私の口を拭いた布を折りたたみ、身体にしまう。そんな汚い物、棄ててしまえば良いのに。こんな私との約束なんて、破り棄ててしまえば良いのに。それなのに、まったく……。
「……ふふっ、何よ、それ」
 せっかく聞いたのに、結局よく分からないじゃないか。そもそも何で約束してくれたのかが訊きたいのに……でも、まあ、良いか。
「つまり、あなたはとびきり頑固者ってことかしら?」
 詳しく分からなくても良い。もしも本当の理由が何かあるとして、それを教えてくれないのなら、それでも構わない。勿論、教えてくれるなら教えて欲しいけど……でも、雲山が言いたくないことまで、言わせたくはない。
 それでも、私はあなたを信じられると思うから。
「……どうしてそうなる?」
「だって、どんなに無茶な約束でも、一度交わしたら絶対に守るんでしょ?」
「まぁ、そうだな」
「ほら、頑固者じゃない」
「そ、そうか?」
「そうよ。だって、自分の身が危険に晒されても、どんな酷い目に遭わされても、それでも約束を守り続けるなんて、そうとう頑固じゃなきゃ出来ないわよ」
「……そうかのう?」
「そうよ」
 でも、それは悪い事じゃない。私も、そうありたいと思う。それに、あなたのその頑固さに、私は救われているから。そう面と向かってはっきり言うのは、ちょっぴり恥ずかしいけれど。
「……そうか」
「えぇ。だから、ありがとう、雲山」
 ありがとう。これから先、後何回あなたに言えるかは分からない。でも、出来る限り伝えておきたい。本当に、感謝しているから。
「何、お互い様だ」
 そう照れ臭そうに右手で髭を撫でるあなたの顔も、後何回見られるか分からないから。
「……じゃあ、明日に備えて今日は寝ましょう」
「明朝には、早速愛宕山に向うのか?」
「えぇ。朱雀と村紗には悪いことしたけれど、相手が待ってくれるわけでもないしね……」
「……そうだな。朱雀にはわしが一言告げておいた。だから、案ずるな」
「一言?」
「あぁ。あの男は我らが必ず討つと伝えた。選別に酒を貰ったぞ?」
 雲山は上機嫌な素振りで白い酒瓶を取り出した。「杯も貰い受けた。明日以降、いつでも酒宴が開けるぞ」
 正直、酒はしばらく飲まなくてもいいかなと思っているのだけれど……まぁ、雲山が嬉しそうなら良いか。
「……そう。それで、村紗は?」
「村紗は……実は、いつの間にか寝ておったのだ」
「……本当に?」
「あぁ。いつもうるさいあの娘がやけに静かだと思ったら、安らかに寝息を立てておったよ。どうしたものかと思いあぐねたが、朱雀の元が一番安全だと思い、彼女に預けた」
「そう、朱雀に……」
「なに、心配するな。あの鬼は信用に足る鬼だ。わしを信じてくれるのならば、あの鬼のことも信じて良い」
「……分かったわ。雲山がそう言うなら、信じてみる」
 とは言え、朱雀を完全に赦せたわけではない。やっぱり、彼女にも責任はあると思うから。でも、今はもう彼女を殺そうとまでは思っていない。どうしてかは分からないけれど、ほんのさっきまで燃えていた彼女への怒りは、どこかへ消えていた。
「あぁ。これも、約束だ」
 ――約束。ただそれだけで、事を為すには充分、か。そうか……そうなんだ。正しいとか、間違っているとか、殺したいとか……それだけじゃないんだ。
 私は、皆と約束した。必ず仇を討つって――修羅となってもバケモノとなっても、皆の仇を取るって、そう約束したんだ。だから私は、復讐に命を懸けるんだ。それは、あの男とは違う、私だけの理由。この思いも、心も、私だけのものだ。そんな簡単な事を見失ってしまっていたなんて、まったく、本当に私は……。
 たった一つの、最後の約束を守りたいから。復讐の理由なんて、それだけで充分じゃないか。
「それじゃ、朝まで一眠りしましょうか」
「……また、わしの上で、か?」
「当然よ!」
「まったく、仕方ないのう……」
 雲山が、また照れ臭そうに髭を撫でた。もしかしたら、実は満更でもないのかな?それなら、私も嬉しいのだけれど。


というわけで六話でした。闇堕ちとかも好きですけど、一輪さんは思いつめはしても利口かなと思いますし、雲山もいるので堕ちないかなぁと思い、こんな感じに。
次回はついに、仇と相対します。
それでは、読んで下さった方、ありがとうございました。
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コメント



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4.無評価名前が無い程度の能力削除
前後合わせて中編にならない程度。これのどこが長いの?