「資料を見させてもらいました。えっと、レミリアさんに首にされて咲夜さんは、ハローワーク幻想郷に来たんですか?」
「語弊があります。あんなところ私からやめたんです。レミリアのアンカリスマには愛想が尽きました。それよりも阿求さん。私に合った仕事ありませんか?」
「年齢は50歳ですか? その割には若く見えますね」
「それはもう、40歳からの基礎某と毎日ヨーグルトを食べてますからね」
「ただ、なかなか50歳となるとご希望通りの就職先を見つけるのは難しいかと」
「メイドの仕事有りませんか? 私は瀟洒なメイドに自信があります」
「有りますが、時給が830円ですよ。ご希望の1250円と比べるとかなり安いです」
「830円ってメイドの仕事を馬鹿にしているのですか?」
「いえいえ、最近は男性の方でもメイドをしている方がいまして。需要と供給のバランスが崩れていまして」
「主人が男性でも、例えばそのお子様がお嬢様の場合色々と問題があるんじゃ? その、間違いとか」
「昔はそうでしたが、今は草食系男子さんもたくさんいますから。寧ろ草食系さんのほうが熟女さんより安全ていう風潮もあります」
「……あっと、その。で、830円の所というのはどこですか?」
「それが偶然なんですが、私の実家ですね」
「阿求さんの家ですか?」
「ええ、1人欠員が出ています。侍女の妙さんって言う人が居ましてその人、えっと、咲夜さん風に言いますとメイドさんの1人ですが、妖怪さんに誘惑されまして」
「誘惑されて? もしかして、酷い目に?」
「いいえ、結婚してしまいました。この間には、結婚式に出てくださいっていう往復はがきまで来ました」
「……そうですか。おめでとうございます」
「それで、どうです? 私の実家、稗田さんの、家に応募してみますか?」
「う~んと、どうしましょう。福利厚生は?」
「パートですからね。雇用保険しかありません」
「住み込みは可能ですか?」
「本当は、不可なんですが。私が結婚前に使っていた離れがあります」
「え? いいんですか?」
「人に使って貰ったほうが、建物が傷みませんから」
「なんだかもう、面接みたいですね」
「採用不採用は私の父上が決めます。が、口添えくらいは出来ますよ」
「それでは、阿求お嬢様! 私、十六夜咲夜は阿求お嬢様の実家で働きたいです」
「それでは、応募ということでよろしいのですね」
「お願いします。お嬢様」
「では、電話してみますね。実家に電話するなんて、久しぶりですよ。娘が出来た時以来です。……もしもし、あ。父上? 阿求です。咲夜さんって覚えてますか? ……そうです。紅魔館のメイドの。……はい、50歳です」
「どうですか? お嬢様?」
「……あと、10歳、歳を取ってから来いだそうです。募集では20歳から出しているですか、60歳以上でな無いと駄目らしいです。すみません」
「何で、60歳以上なんですか?」
「あーっと、メイド以外の仕事なら1250円の仕事有りますが?」
「あぁ、今日はなんだか見ていないのにメイド長は見てしまった気持になったので帰ります」
「そうですか。お疲れ様です」
「ありがとうございます」
???
…??
なんかオチも意図もよくわかんない