お姉ちゃん。お、は、ぐ、ろ~
こいし、食べ物で遊ぶのやめなさい
え?面白く無かった?
面白いとかそういうことじゃなくて
海苔問い食べ物が発明されたのが先なのか、お歯黒という化粧文化が先に出来たのかはよく調べないとわからない。
ただ、いえることは、こいしが夕飯のおにぎりの海苔で遊んでいたということだった。
「お姉ちゃん。ちゃんと、歯に付けてる方を裏にしているから問題無いよ」
「そういうことじゃなくて」
さとりは、食べ物で遊んではいけないと言っているのに、どうしても分かってもらえない。
ちなみに、海苔に裏と表があることを教えたのはさとりだ。
さっき、夕飯作るときに教えてあげたのだった。
「こいし様、もしかして、さとり様は髭~の方が好きなんじゃないでしょうか?」
「そっか、お姉ちゃんはそっちの方が好みなんだね。なかなか、渋いね」
「ちょっと、お燐は余計なことを吹き込むのはやめなさい」
同席していた、お燐はこいしの軍師だから助言を言ったのだった。なお、軍師って何なのかはお燐以外誰にも分からない。
つまり、お燐は自称軍師だった。
「……ほら、お姉ちゃん。お、ひ、げ~」
そうとわかれば、実践あるのみだ。こいしは、おにぎりについていた海苔をはがしてそれを顎につけて、さとりの前で笑った。
「だから、食べ物で遊んじゃ……ふふ」
「あ、お姉ちゃんはやっぱりこっちが好みだったんだ。お、ひ、げ~」
せっかく、食べ物の大切さを教えようと思ったのに、こいしの髭でさとりは笑ってしまった。
思わぬ不意打ちで被弾してしまったのだった。
「ちょっと、もう、だめふふふ」
「お見事な手腕ですね。こいし様」
「うん、お燐の助言のおかげだよ。……お姉ちゃん。お、ひ、げ~」
「あはははは、ってもう駄目だって」
とうとう、さとりは耐え切れずに机をバンバン叩き始めて笑い始めてしまった。
面白かったが、今日もこいしには食べ物で遊んでいけないと教えることは出来なかった。
ただ、今は面白かったからそれでもいいかと、さとりは思えた。
いやちゃんと食べようよこいしちゃん。スタッフ…。