Coolier - 新生・東方創想話

ノックをして

2014/01/26 16:36:22
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「失礼いたします、パチュリー様。紅茶が入りました」

「あら、もうそんな時間なの」

「もうこんな時間です」

「どんな時間なのかしら。時間が視えるってのは愉しそうね」

「パチュリー様と居ればもっと愉しいですわ」

「あら、そう。レミィにもそう言ってあげたら?」

「い、言いませんわ……今日の紅茶はお嬢様のご意向で紅い紅茶にしました。珍しいですよね、紅い紅茶」

「紅茶って文字、書ける?」

「香るお茶、だと思ったのですが」

「それならありとあらゆるお茶が紅茶よ。紅いお茶が紅茶。緑だから緑茶」

「なるほど……てっきりお茶の種類が違うのかと」

「お茶の種類は多少の差異こそあれどほぼ同じと見て問題ないわ。人間も妖怪も月も太陽も元は全て同じなのよ」

「時間と空間も、ですね」

「相対性理論かしら。それより紅茶の種類を知らずに淹れてたの……?」

「知ってますよ!カルチェラタンとかモンターニュブルー、あとはヌワラエリヤ、ダージリン、ガッデム……」

「ガッデムって紅茶、私には絶対淹れないで頂戴」

「アッサムでした。別にストレスとかありませんよ?」

「最近寒いし美鈴にストレス溜めさせないようにね」

「妹様と遊んでますよ」

「あら、それは良かったじゃない」

「ええ。 あ、そういえばパチュリー様に訊きたいことがあったのです」

「そんなに大事じゃなさそうね」

「かといって些細な事でもありませんから……中事?」

「まあいいわ。何かしら?」

「いつも紅茶にケーキ、という組みでお嬢様にティータイムを過ごして頂いてるのですが、つい先日『もっと変わったお菓子とか無いかしら?』とご指摘を受けまして……」

「レミィらしいというか……」

「奇抜なお菓子、ご存知ですか?」

「ツッカベッカライカヤヌマのテーベッカライ……は外の世界だし」

「え、なんですかそれ?ツーカカライカライヤのテーッカマキ……?」

「何でもないわ、テーベッカライは深い香りのするクッキーよ。あとはザッハトルテとかダックワーズなんかいいんじゃないかしら」

「響きだけで紅茶を飲みたくなってきますね」

「……それはどんな評価なの……」

「ありがとうございました、パチュリー様」

「別にいいのよ。レミィが上機嫌だと私も対応しやすいし」

「妹様も上機嫌になって幸せですね」

「咲夜はレミィの笑顔が見られるだけでいい、とか言いそうね」

「もちろんです」

「レミィと逢瀬でもしてきなさい」

「仰せの通りに、ですわ」
読了有難うございます。
鉄火巻きに恨みはありません。
ミルクティーはちょっと苦手です。好き嫌い減らしたいです。
多分咲夜はお菓子色々知ってて聞いてたりしそうです。
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コメント



0.310簡易評価
4.80名前が無い程度の能力削除
こういうサクサク読めるのもたまにはいいですね
面白かったです
6.80奇声を発する程度の能力削除
サクッと読めて面白かったです
8.90名前が無い程度の能力削除
読みやすく、面白かったです。

というかアッサムをガッデムと間違えるなんて初めて聞いたわ
10.70とーなす削除
軽く読めて後味すっきりな掌編でした
けど、欲を言えば「軽く読める」以外の読みどころがもうちょっとあれば嬉しかった
13.100名前が無い程度の能力削除
かわいいな