涙が出なかった。
ただからからに喉が乾いて、身体に力が入らなかった。それなのに、涙は出なかった。
悪魔に心を売り渡したからだ。わたしが、泣くことすらできないのは。
「今日は月曜日です。パチュリー様」
カレンダーをじいっと眺めるわたしに、小悪魔は教えてくれた。
わたしはよく、今日が何曜日だったか、何日だったかわからなくなる。夜通し本を読んだり、一日中寝て過ごすことがあるからだ。けれど、今日が何曜日がわからない理由は他にあった。時計が狂っていたのだ。
「やっと一日経ったのね」
紅魔館の主、レミリア・スカーレットが死んでから。
レミリア・スカーレットに十字架は効かない。レミリア・スカーレットは首を切り落とされても死なない。
吸血鬼としては例外といえるレミリアは、不老不死さえ例外とでも言うのか、ある日突然、死んだ。
紅魔館中の時計は意味を成さなくなり、地下もテラスも灰になり、門は開きっぱなしになっている。
わたしだけ、わたしだけがただいつも通り図書館で小悪魔に紅茶を淹れさせ、本を読んだ。
昔から、わたしと彼女の年齢の多くを埋めるほどに付き合いの長かった、彼女が死んでも。
わたしは涙ひとつ零さなかった。
泣けなかったのだ。
わたしはそのことに悲しみを覚えた。
ひたすらに本を読んだ。誰もいつも通りに過ごせないなら、わたしだけでもいつも通りに過ごしてやろう。
悪魔との契約は切れたのだ。
火曜日になった。
ようやく、図書館の時計が役目を取り戻した。朝日で図書館中が白かった。
メイドがきりきりとした動きで、時計の針を合わせているのを、わたしは本に埋もれたまま寝ぼけ眼でそれを見た。
表情はよく見えなかった。目がそれほど良くない。
きっとしっかりものの咲夜のことだから、妖精たちに指示を出して一日溜まった埃を掃除させていることだろう。門は閉めさせただろうか。
そこまで考えて、わたしにはあまり関係のなさそうなことだったので、机につく肘に当たり始めた本の山を小悪魔に片付けさせた。
もうすぐ火曜日が終わるな、と思ったところで思考が途切れた。一日中本を読んでいたせいか、驚くほど滑らかに意識は無意識の海に埋まっていった。
耳がきいんと痛くなるほど寒い夜。
ポケットを薬草でぱんぱんにして、帰路を辿っていた。そのときだった。
木々の間に、腕をさらけ出しふわりとした短いスカートを履いた少女が立っていた。
外套と首巻きと薬草と魔法具でまんまるくなったわたしは、肩をすくめて通りすぎようとした。
こんなに寒い日にこんな格好をしているなんて、きっと基地外かまともな人でないかのどちらかだ。面倒なことになりたくなかったし、何よりもう耳が赤くなっているだろうな、早く帰りたい、と思った。
「お前がここ一帯を縄張りにするボスか。魔女パチュリー」
想像していたよりももっと幼い声はわたしを呼び止めた。
「私が勝ったら、お前の能力を私の為に使え。お前が勝ったら、なんでも好きな識をやろう」
「……勝負をするなんてあなたは言っていないし、わたしは受けるとも言っていない」
「お前は私と勝負をする。なんだったらシェリダン・レ・ファニュの腕のミイラを賭けてもいい。お前たち魔女にとってはお宝だろう」
わたしはミイラより、この話の通じない子供と早く離れたかったので、外套の内側から本を取り出した。何より早く帰りたかった。うまくボタンすら外せないし、肺が痛くなってきた。
「グリモワールか。噂通り、薄っぺらい絵本を武器にするんだな」
「……あなたは吸血鬼?聞いたことがある」
真っ白い肌に、気味の悪いほど紅い唇が笑っていた。背中にコウモリの羽がくっついている。
「運命を識る血の悪魔さ」
「わたしが勝ったら、それをくれるのね」
「そうだ。所詮悪魔の真似事をする人間もどきが私に勝てる夢を見るな」
「悪魔の力を、わたしはあなたよりよく識っている」
そして館に招かれたのだ。
真っ赤な悪魔は、真っ赤な紅茶を出した。淹れたのはメイドだったが。
「……これで契約の証かしら。あなた流の」
魔法使いは悪魔と契約する。たったひとりの悪魔と契約をして、内蔵が空っぽになったやつもいれば、何百の悪魔と契約して書斎の何百という本棚のネジを抜かれたやつもいる。そうやって使い魔を従えたり、新しい魔法を識る権利を得る。
まだ身体の芯が溶けきらないようで、腕を緩く組んだわたしに悪魔は鼻で笑った。
「そう固いものじゃないさ。私は友人を招いたんだ」
「………懐かしい、夢を見たわ」
誰ともなく、目を覚まして言った。そういうときはたいてい小悪魔が応える。
「どんな夢を見たのです」
「レミリアと初めて会った日のことを」
「………」
背もたれがわたしの倍くらいある椅子から身体を起こした。
わたしはあの頃、友人と呼べるものすらいなかった。森で1人で暮らしていたし、不便もなかった。
だからあの時彼女に言われたことが理解できなかったし、魔女と悪魔のなんともない契約だと思った。
「今日は」
「水曜日です。パチュリー様」
やけに夢で疲れたので、もう一度寝直すことにした。今度は夢を見なかった。
木曜になって、やっとメイドが紅茶と3時のおやつは何にするか聞きに図書館へ来た。
金曜日に、わたしはチェス盤の汚れが気になって、椅子の倍以上大きい机の引き出しから布切れを引っ張りだしてせっせと拭いていた。
本以外に夢中になることは、魔法の研究は当たり前として、チェスの勉強が加わったのは最近のことだった。
レミリアとわたしは、スコーンにはちみつをかけるかブルーベリージャムをつけるかで一晩中議論し合うこともあったり、三日間この広い館で顔を合わさないときもあった。そんな関係だった。
レミリアが突然、「昔はよくやったんだ。トランシルヴァニアの亡霊たちとね」とか言いながらにやりと笑ってほこりまみれのチェス盤と駒を持ってきて、私との間に置いたのがきっかけだった。
わたしと彼女の実力は五分五分で、わたしが勝てば次に負かしてきたし、わたしが二回勝てば二回負かしてきた。
勝負の結果より、勝負への道順がなによりのメインディッシュだったわたしたちは、勝ったほうがメイドのクッキーを一枚多く食べるだけだった。
最後に食べたのはアーモンド入りのココアクッキーだったか。
そんなことを思い出しながらチェス盤を拭くわたしを、小悪魔は何か言いたげな顔で見ていた。
土曜日になって、昨日読み途中だった本を読み終わり、一息ついていた。
「綺麗になりましたね」
「……何が」
「チェスの駒です」
「そうね。手垢がいっぱいついていたものね。そういえば一度も掃除なんてしなかったわ」
「………」
「パチュリー様は」
「……何かしら」
「悲しくはないのですか」
「…だから、何が」
「レミリア様が、亡くなって」
言われて初めて気が付いた。
わたしは、レミリアが死んだことに、何を思っていたのか。
思えば、レミリアが死んだとしったときも、涙すら出なかった。
何故だろう。
ほんとうに、悪魔に心を売り尽くしてしまったんだろうか。本当なら、普通なら、友人の1人もなくなれば、涙が出そうなものなのに。わたしは普段通り本を読み、眠り、チェス盤の掃除をした。
『そう固いものじゃないさ。私は友人を招いたんだ』
このまえ、見た夢を思い出した。否、彼女との最初の思い出だ。
思い出して、気付いた。
大切な友人が死んだことに。
わたしの、友人といえるたった1人だったことに。
わたしに楽園、わが家とも呼べるこの図書館を与えてくれたこと。
はちみつとブルーベリージャムのどちらがスコーンに合うかということ。ホイップクリームも代表に入れるべきだったこと。
チェスの勝負が58勝57敗だったこと。
わたしは頭がいいので、これがどれだけ幸せかということに気付いた。
そしてその幸せを与えてくれた彼女に、涙ひとつ流すことすらできなかった。
「わたしは、友人のために涙すら流せない」
二の腕に力が入らなかった。足首が変な方向に曲がっているのを直せなかった。
「いいえ」
誰ともなく言った言葉に小悪魔が応える。いつものことだ。
「お言葉ですが、パチュリー様とレミリアお嬢様は、友人ではありません」
「親友、という言葉が一番近いと思われます。小悪魔の知識では、ひいてはパチュリー様の7分の一の知識ではそうなります」
「………そう」
そうか。
心が、ないていた。
顔が、顔の筋肉が、涙腺が、こころの処理速度についていかないのだ。
わたしの身体は、あたまに比べて弱いから。
レミリア。ごめんね。
スコーンには、はちみつをかけよう。
クイーンの駒のデザインが、一番王様みたいだと言っていた。わたしも一番ふさわしいと思うよ。あの王冠を。
アーモンド入りのココアクッキーを作ってもらおう。
いなくなってしまった、ちいさな夜の王のために。
わたしの大切な親友のために。
ただからからに喉が乾いて、身体に力が入らなかった。それなのに、涙は出なかった。
悪魔に心を売り渡したからだ。わたしが、泣くことすらできないのは。
「今日は月曜日です。パチュリー様」
カレンダーをじいっと眺めるわたしに、小悪魔は教えてくれた。
わたしはよく、今日が何曜日だったか、何日だったかわからなくなる。夜通し本を読んだり、一日中寝て過ごすことがあるからだ。けれど、今日が何曜日がわからない理由は他にあった。時計が狂っていたのだ。
「やっと一日経ったのね」
紅魔館の主、レミリア・スカーレットが死んでから。
レミリア・スカーレットに十字架は効かない。レミリア・スカーレットは首を切り落とされても死なない。
吸血鬼としては例外といえるレミリアは、不老不死さえ例外とでも言うのか、ある日突然、死んだ。
紅魔館中の時計は意味を成さなくなり、地下もテラスも灰になり、門は開きっぱなしになっている。
わたしだけ、わたしだけがただいつも通り図書館で小悪魔に紅茶を淹れさせ、本を読んだ。
昔から、わたしと彼女の年齢の多くを埋めるほどに付き合いの長かった、彼女が死んでも。
わたしは涙ひとつ零さなかった。
泣けなかったのだ。
わたしはそのことに悲しみを覚えた。
ひたすらに本を読んだ。誰もいつも通りに過ごせないなら、わたしだけでもいつも通りに過ごしてやろう。
悪魔との契約は切れたのだ。
火曜日になった。
ようやく、図書館の時計が役目を取り戻した。朝日で図書館中が白かった。
メイドがきりきりとした動きで、時計の針を合わせているのを、わたしは本に埋もれたまま寝ぼけ眼でそれを見た。
表情はよく見えなかった。目がそれほど良くない。
きっとしっかりものの咲夜のことだから、妖精たちに指示を出して一日溜まった埃を掃除させていることだろう。門は閉めさせただろうか。
そこまで考えて、わたしにはあまり関係のなさそうなことだったので、机につく肘に当たり始めた本の山を小悪魔に片付けさせた。
もうすぐ火曜日が終わるな、と思ったところで思考が途切れた。一日中本を読んでいたせいか、驚くほど滑らかに意識は無意識の海に埋まっていった。
耳がきいんと痛くなるほど寒い夜。
ポケットを薬草でぱんぱんにして、帰路を辿っていた。そのときだった。
木々の間に、腕をさらけ出しふわりとした短いスカートを履いた少女が立っていた。
外套と首巻きと薬草と魔法具でまんまるくなったわたしは、肩をすくめて通りすぎようとした。
こんなに寒い日にこんな格好をしているなんて、きっと基地外かまともな人でないかのどちらかだ。面倒なことになりたくなかったし、何よりもう耳が赤くなっているだろうな、早く帰りたい、と思った。
「お前がここ一帯を縄張りにするボスか。魔女パチュリー」
想像していたよりももっと幼い声はわたしを呼び止めた。
「私が勝ったら、お前の能力を私の為に使え。お前が勝ったら、なんでも好きな識をやろう」
「……勝負をするなんてあなたは言っていないし、わたしは受けるとも言っていない」
「お前は私と勝負をする。なんだったらシェリダン・レ・ファニュの腕のミイラを賭けてもいい。お前たち魔女にとってはお宝だろう」
わたしはミイラより、この話の通じない子供と早く離れたかったので、外套の内側から本を取り出した。何より早く帰りたかった。うまくボタンすら外せないし、肺が痛くなってきた。
「グリモワールか。噂通り、薄っぺらい絵本を武器にするんだな」
「……あなたは吸血鬼?聞いたことがある」
真っ白い肌に、気味の悪いほど紅い唇が笑っていた。背中にコウモリの羽がくっついている。
「運命を識る血の悪魔さ」
「わたしが勝ったら、それをくれるのね」
「そうだ。所詮悪魔の真似事をする人間もどきが私に勝てる夢を見るな」
「悪魔の力を、わたしはあなたよりよく識っている」
そして館に招かれたのだ。
真っ赤な悪魔は、真っ赤な紅茶を出した。淹れたのはメイドだったが。
「……これで契約の証かしら。あなた流の」
魔法使いは悪魔と契約する。たったひとりの悪魔と契約をして、内蔵が空っぽになったやつもいれば、何百の悪魔と契約して書斎の何百という本棚のネジを抜かれたやつもいる。そうやって使い魔を従えたり、新しい魔法を識る権利を得る。
まだ身体の芯が溶けきらないようで、腕を緩く組んだわたしに悪魔は鼻で笑った。
「そう固いものじゃないさ。私は友人を招いたんだ」
「………懐かしい、夢を見たわ」
誰ともなく、目を覚まして言った。そういうときはたいてい小悪魔が応える。
「どんな夢を見たのです」
「レミリアと初めて会った日のことを」
「………」
背もたれがわたしの倍くらいある椅子から身体を起こした。
わたしはあの頃、友人と呼べるものすらいなかった。森で1人で暮らしていたし、不便もなかった。
だからあの時彼女に言われたことが理解できなかったし、魔女と悪魔のなんともない契約だと思った。
「今日は」
「水曜日です。パチュリー様」
やけに夢で疲れたので、もう一度寝直すことにした。今度は夢を見なかった。
木曜になって、やっとメイドが紅茶と3時のおやつは何にするか聞きに図書館へ来た。
金曜日に、わたしはチェス盤の汚れが気になって、椅子の倍以上大きい机の引き出しから布切れを引っ張りだしてせっせと拭いていた。
本以外に夢中になることは、魔法の研究は当たり前として、チェスの勉強が加わったのは最近のことだった。
レミリアとわたしは、スコーンにはちみつをかけるかブルーベリージャムをつけるかで一晩中議論し合うこともあったり、三日間この広い館で顔を合わさないときもあった。そんな関係だった。
レミリアが突然、「昔はよくやったんだ。トランシルヴァニアの亡霊たちとね」とか言いながらにやりと笑ってほこりまみれのチェス盤と駒を持ってきて、私との間に置いたのがきっかけだった。
わたしと彼女の実力は五分五分で、わたしが勝てば次に負かしてきたし、わたしが二回勝てば二回負かしてきた。
勝負の結果より、勝負への道順がなによりのメインディッシュだったわたしたちは、勝ったほうがメイドのクッキーを一枚多く食べるだけだった。
最後に食べたのはアーモンド入りのココアクッキーだったか。
そんなことを思い出しながらチェス盤を拭くわたしを、小悪魔は何か言いたげな顔で見ていた。
土曜日になって、昨日読み途中だった本を読み終わり、一息ついていた。
「綺麗になりましたね」
「……何が」
「チェスの駒です」
「そうね。手垢がいっぱいついていたものね。そういえば一度も掃除なんてしなかったわ」
「………」
「パチュリー様は」
「……何かしら」
「悲しくはないのですか」
「…だから、何が」
「レミリア様が、亡くなって」
言われて初めて気が付いた。
わたしは、レミリアが死んだことに、何を思っていたのか。
思えば、レミリアが死んだとしったときも、涙すら出なかった。
何故だろう。
ほんとうに、悪魔に心を売り尽くしてしまったんだろうか。本当なら、普通なら、友人の1人もなくなれば、涙が出そうなものなのに。わたしは普段通り本を読み、眠り、チェス盤の掃除をした。
『そう固いものじゃないさ。私は友人を招いたんだ』
このまえ、見た夢を思い出した。否、彼女との最初の思い出だ。
思い出して、気付いた。
大切な友人が死んだことに。
わたしの、友人といえるたった1人だったことに。
わたしに楽園、わが家とも呼べるこの図書館を与えてくれたこと。
はちみつとブルーベリージャムのどちらがスコーンに合うかということ。ホイップクリームも代表に入れるべきだったこと。
チェスの勝負が58勝57敗だったこと。
わたしは頭がいいので、これがどれだけ幸せかということに気付いた。
そしてその幸せを与えてくれた彼女に、涙ひとつ流すことすらできなかった。
「わたしは、友人のために涙すら流せない」
二の腕に力が入らなかった。足首が変な方向に曲がっているのを直せなかった。
「いいえ」
誰ともなく言った言葉に小悪魔が応える。いつものことだ。
「お言葉ですが、パチュリー様とレミリアお嬢様は、友人ではありません」
「親友、という言葉が一番近いと思われます。小悪魔の知識では、ひいてはパチュリー様の7分の一の知識ではそうなります」
「………そう」
そうか。
心が、ないていた。
顔が、顔の筋肉が、涙腺が、こころの処理速度についていかないのだ。
わたしの身体は、あたまに比べて弱いから。
レミリア。ごめんね。
スコーンには、はちみつをかけよう。
クイーンの駒のデザインが、一番王様みたいだと言っていた。わたしも一番ふさわしいと思うよ。あの王冠を。
アーモンド入りのココアクッキーを作ってもらおう。
いなくなってしまった、ちいさな夜の王のために。
わたしの大切な親友のために。
突然の喪失に呆然とし、言い訳を考えて、しかし現実に直面して怒り、悲しみ、そしてようやく喪失と折り合いをつけられるのだとか。
パチュリーにとって唯一無二の親友であったレミリアを失い、ところが己の身体では悲しむことができない苦痛。
人知れず泣き声を上げ続ける彼女の心を想像すると、その重みがよく伝わってくるように思います。面白かった。
ただ泣かれるよりもよほど、ショックが伝わります。
この一文がきらりと光ります。
と、思います
周りが日常を取り戻した時、パチェさんは一人で泣くんだろうな
淡々とした描写が、余計うら寂しさを感じさせます。
欲を言えば、レミリアの死に何かしらの理由/説明がもっと欲しかったかも。すっごい唐突に死ぬからこその作品だとは思うのだけど。
それから、パチュリーが「レミィ」と呼ばないのは違和感。親友ならなおさら。
咲夜より先に行ったか……。