蕩ける様な甘い匂い。蜂蜜の様に甘過ぎる匂いではなくて、クランベリーの様に甘酸っぱい香りが私は好き。だから咲夜の紅茶が私は嫌い。だって咲夜の淹れる紅茶は苦いから。だけど匂いはとても甘い。お姉様の好きな紅茶。私は甘いものが好き。苦いものは大嫌い。でもお姉様は強がって苦いケーキを食べる。そして気が触れてるって思う程甘い紅茶を飲むの。折角の紅茶も砂糖と蜂蜜とミルクの味でめちゃくちゃ。だけれどそれがとても羨ましいの。私も甘い甘いそれが欲しくて堪らない。ああ欲しい、それが欲しい。色んな感情が渦巻いているそんな時、無機質な部屋の堅い扉が叩かれて妖精メイドが入ってきた。妖精メイドはビクビクと怯えた表情をして私の機嫌を伺う様にしている。その表情が堪らなく可愛らしい。華奢な手足を折ったらどんな声で啼いてくれるのだろう。綺麗な焦げ茶色の髪を毟ってあげたらどんな表情を見せてくれるのかな。でもでも、綺麗な青みがかった緑色の眼を抉ってあげたい。血の涙が溢れて素敵だろうなあ。「私に何の用?」ふと立ち上がって妖精メイドの側に飛び立つ。「えっ永遠亭の方がお見えになられてます」「えいえんてい…?」ヒッと声を洩らし歪な無理矢理な笑みを張り付けて妖精メイドはじりじりと後退する。聞いた事のない場所だから尋ねたのにどうして逃げるのかな。何もしないのに。でもきっと腕を一本位なら折ってもきっと怒られないよね。だって妖精は死なないんだもんね。「ねえ、遊ぼうよ」「きゃぁあっ?!」ああ、またやっちゃった。いつの間にか能力で殺してしまった妖精メイドは赤い華を咲かせて消え失せた。甘い甘い香りが広がって、とてもとても変な気分。残念。「失礼します」部屋の扉がまた開かれた。また妖精メイドかと思ったけれど予想は大外れ。知らない女が二人入ってきた。ツンとする匂いを付けていて、私は顔をしかめた。一人は長い髪を丁寧に結っていて、赤と青の衣装に身を包んでいる。もう一人はピンク色の可愛らしいスカートにキチッとしたスーツを羽織っていて、頭からはみょうちきりんなものを生やしていた。「私は医者、八意永琳。貴女を診に来たの」赤と青の賢そうな女が答えた。「そっか」でも赤青の女には興味は無いの。みょうちきりんな女の子が気になるの。私と同じ赤い眼をしていて気になるの。私は赤目の女の子に掛けよって腕を掴む。ギョッとした様な表情を浮かべて私を凝視する。匂いを嗅いでみたらやっぱり解る。この二人、人間じゃない。特に、えいりんとかいう女の匂いはおかしい。考え事をしていたら、手に力をかけすぎてしまったみたい、赤目の女の子が悲鳴を上げた。「あらあら、あんまりうどんげを虐めないでくれるかしら?」ゾッとした。殺意がこもったその声は私の肌を一瞬で粟立たせた。こいつはやばい。私は慌ててうどんげと呼ばれた赤目の女の子の手を離した。手はベットリと血で濡れていて私は舌でそれを舐めた。苦い、苦くて不味い。「貴女、名前は?」えいりんが私に尋ねた。先程とは違い優しげな声色で。「私はフランドール。フランドール・スカーレットよ」「そう、フランね。フラン、貴女は気が触れている。貴女の為にこれから毎日此処に私の助手のうどんげが来て、一緒に過ごします。貴女は自分自身を見つめて克服しなければいけない」えいりんが言うことを私は黙って聞いていた。はっきりいってどうでも良い。どうせ飽きるんだ、どうせ見捨てるんだから。 「あっそ、勝手にしたら?」どうでも良いのに声が震えてしまう。少しでも自分を案じてくれてるのに信じてしまいそうな、喜んでしまいそうな私がいる。「では、私は帰りますが、うどんげは置いていきます。うどんげに何かあったら、解るわね」私だってそこまでバカじゃない。暇潰しになる玩具を壊すなんて事する筈無い。そして私とうどんげの生活が始まった。「改めてこんにちは。フランドールさん…でしたよね?」「ええ、そうよ、フランでいいわ。ねえ、あなた私と遊んでくれる?」「はい、良いですよ。でも、遊ぶと言っても何で遊びますか?」何も無い地下室を見渡して少し戸惑った表情を浮かべたうどんげ。「ふふっそんなの決まっているじゃない」私はうどんげの手を掴み微笑んだ。なんて幸せなんだろうか。こんなに可愛い子を玩具に出来るなんて。殺さないように、壊さないように気を付けないとね。手に力が入りすぎてしまったみたい、うどんげの腕から真っ赤な雫が滴り水溜まりの様なものを作る。うどんげが体に力を入れた。反撃されるか、そう思って私は距離を取ろうとした。だけどうどんげは私に危害を加えることは無かった。只私の事を優しく強く抱き締めた。「ーーっ?!」私は驚いて目を見開いた。 何で?何で?何で殴らないの?何で逃げないの?私は悪魔なんだよ?化け物なんだよ?アナタヲ殺ソウトシタノニ「どうして…」震える声で私は尋ねた。目からは涙が止まらない。ああ、信じては駄目。また裏切られる、捨てられる。「あなたは可哀想、愛を知らない。だから私があなたを愛を教えます」アイ?知らないそんなものは要らない。私に必要なんか無いよ。だってだって嘘なんだもん。お姉様はいつもいつもフランに愛してるって言ってくれた、だけど全部全部嘘だった。だけど私という生き物はとても単純だった。今日初めてあったのにこんなにも心を許すなんて、馬鹿みたい。こんな私だから捨てられるんだ。信じなければ裏切られないのに。「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だイヤイヤイヤイヤ!!!」「拒まないで、受け止めて。私はあなたを捨てません」見透かされた様にそう言われてはもうおしまい。私はまた他人を信じた。それから毎日は夢の様な時間だった。うどんげは毎日私の所へやって来てくれた。姉の様に私を愛してくれた。だけれどもう彼女は私の元に現れない。甘い甘い香りがする。私は恍惚の表情を浮かべて紅茶を飲むの、ふんわりと香るクランベリーの匂い。甘酸っぱい味に香りで満たされて、私はとても幸せになれる。ーー
「ーーしてですか?!やめてーーい!!ーーい!痛い!痛い」嗚呼、美味しい。私だけの味。誰の物でもない。私ダケノウドンゲの味。甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘イ甘イ甘イアマイアマイアマイアマイアマイ
ねえ、うどんげ、愛って甘い味だけじゃない、どうしてこんなにもしょっぱいの?アアアアアアアアアアアアアアアアアア
「ーーしてですか?!やめてーーい!!ーーい!痛い!痛い」嗚呼、美味しい。私だけの味。誰の物でもない。私ダケノウドンゲの味。甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘イ甘イ甘イアマイアマイアマイアマイアマイ
ねえ、うどんげ、愛って甘い味だけじゃない、どうしてこんなにもしょっぱいの?アアアアアアアアアアアアアアアアアア
とりあえず、改行もスペースもなくたれ流される文章に、フランドールの狂気と閉塞感を感じました。
情景描写不足なのはまあ一人称だから多少大目に見れるとして、心情描写不足は否めませんね。
フランがうどんげに優しくされてやたら動揺しているようですが、もう少し過去に触れるとか、動揺するに至る心の動きをもうちょっと丁寧に描写してくれませんと、あらすじとしてはともかく物語としてはまったく心に響くものではありません。
>私はまた他人を信じた。それから毎日は夢の様な時間だった。うどんげは毎日私の所へやって来てくれた。姉の様に私を愛してくれた。だけれどもう彼女は私の元に現れない。
たぶん、ここらへんが物語として重要なファクターを占める場所だと思うんですよね。
二人はそれから毎日一緒にすごして、それなりに絆を深めたけど、結局フランは暴走してしまう。
ここが一番膨らませがいのある場所で、悲劇的なラストを引き立てるはずの場所で、作者の腕の見せ所になるはずの部分だったんですよね。
そこを一行で描写できる説明で済ませてしまっている時点でもうどうしようもないです。少しは努力してください。
とりあえず上の方が言ってるように、『他の良い評価の作品を読んで学んでください』に尽きてしまうと思います。
まず、物語というものを理解するのが先決だと思います。
一応、細かいツッコミ。
・『気が触れている』と断じた相手に『うどんげに何かあったら、解るわね』という脅しをするのはありえないと思います。脅しが理解できてなおかつ遵守できるならそもそも気が触れてるとは言わないのでは。
・なぜ永琳はうどんげに任せたのでしょうね。うどんげだからこそ出来ることといえば波長を操って調律するなどあると思うんですが、別にそういうこともせず普通に接しているだけに見えます。それなら死なない蓬莱人が対応に当たった方がいいと思うのですが。
はい、解りました。ありがとうございます。
>>2様
読みづらくてすみません、次書くときは改行をきちんとします。ありがとうございます。
>>3様
長文ありがとうございます。確かに描写がまだまだ全く出来ておらず読んでくださる方には伝わらない文章だったかと思います。確かに矛盾する点などがありますね。細かいご指導ありがとうございます。