§ 聖人たちの場合
パン、と言う破裂音で目を覚ますと、目の前で屠自古が赤く萌えていた。
「おはようございます太子様。メリークリスマスだこの野郎」
「……ああ、おはよう屠自古。で、これは一体何の騒ぎだい?」
たしか、クラッカーと言うやつだったかな、これ。
上半身を地敷から起こして、体にビローンとまとわりついた、色鮮やかなテープをひょいとつまみ上げる。
「ですから、メリークリスマスです」
「うん、今日はクリスマスだね」
ちょうどただいま、十二月二十五日零時零零分。確かにそれは現在の世においてクリスマスと称される日ではあろう。
だが待って欲しい。ここは仙界神霊廟だ。
「……それが、私たちとどういう関係があるんだい?」
「サンタクロースという聖人が、プレゼントを配って歩く日であるそうですね」
「ああ、そうみたいだね」
「ですので、働いてください」
……いま、なんと?
「屠自古。仮に百歩譲ってクリスマスと言う文化を我々が取り込むとして、だよ? 祝日じゃないか。なぜに働く必要があるんだ?」
「太子様が聖人だからです」
「いや、そのりくつは「おかしくありません」
普段の濃緑の装いの代わりに真紅を纏う屠自古が――ああ、赤い屠自古も悪くはないなぁ。
屠自古は何を着てもよく似合う。できれば「太子様」「Ouch!」
バチン、と雷撃。
ビクン、ビクンと体が悔しいけど私の意に反して反応してしまう。
「太子様」
はぁ、と、苛立ちをこめた視線が、私の体を嘗め回す。
「なんですか、最近の太子様は。世界に徳を広めようともせず、弟子の世話も私に押し付けたきりで」
「し、仕方がないだろう? まずは自分の徳を高める必要があるわけだし、そうすると、ほら。自身の修行に時間を割かないとだろう?」
見開かれていた屠自古の瞳が、すっと細くなる。
これはあれだな。柔化したんじゃなくて、苛立ちが侮蔑へと変わっただけだね。
「ええ、修行をしてるならいいんですけどね? 空いた時間で何をしてるのかと思いきや、ええ。何が四猿ですか。あんな悪徳商売にまで手を染めて」
「あ、悪徳じゃないぞ!? 信じるものは救われる。私はね、スピリチュアルと夢を売っているんだよ!」
「それを悪徳商法と言うのです。お金で夢は買えませんよ」
「愛以外ならなんだって買えるさ! それが金だ!」
あ、屠自古の目が人を見る目から物を見る目にまで下落した。
うん。いいね。すごくいい。やっぱり屠自古は笑顔もいいけど、怒り顔は本当に凛々しくて、素敵だ。
「そんなんだから太子様は皆に馬鹿にされるのですよ。面霊気の能楽見ました? 心綺楼。あの中では太子様は太郎冠者の立ち位置に宛がわれてましたよ?」
「なに!?」
あの付喪神め! まさか創造主の配役をよりにもよってまぬけ役にするだと!? 何たる無礼!!
完全なる希望の面を作ってやった恩をも忘れてそれとは、まったく親の顔が見てみたいね!
「自分が生み出した物にまで馬鹿にされるとか、お見事ですね。思わず拍手したくなります、ハイ拍手」
パチパチパチ、と無表情に手を叩く屠自古。
「と、まあ。今現在太子様はわりと底辺にいらっしゃるわけですが」
ていへん。と下を指差してリピート。
引き続きの無表情が、その、なんか、怖いよ屠自古。
「そんな百歩譲って屑一歩手前の太子様の株を上げるにはもう、他教のお祭りだろうがなんだろうが利用するしかないでしょう」
「つまり?」
「良い子の子供たちにプレゼントを配って歩けこの野郎」
「嫌だよ。今日寒いし、これから雪降るんじゃないかほら、外……Ouch!!」
ウォーバリバリと両手の、あっ! 指から雷を放つ屠自古はあっあっ!!
そう、まるでシスの暗黒卿をあばば!!! 髣髴とさせる威圧感に満ち溢れてあうん!!
…………
……
数分後。
プスプスと、焼け焦げた私を前にして。
「言いたいことはそれだけですか?」
「食らえ無限のパワー! って言ってくれないかな?」
「じゃあまずは太子様の髪を丸刈りにしましょうか」
すかさず懐から小刀を取り出して抜刀。
うわこれは本気だまずい!
「だ、駄目だ! この頭髪には熱く滾る血が通っているんだよ! それにあれだ、断髪で反省を強いるのは時代遅れだぞ屠自古!!」
「屠自古ですので。古くて当然です」
「シスの暗黒卿は知っているくせに!!」
「それに対する文句は東風谷早苗に言ってください。もしくは私を生贄に差し出して自らは映画鑑賞という名の洗脳から逃げおおせた、あの永江衣玖に」
で、そのあとスターウォーズごっこ、か。
「……ちなみにグリーヴァス将軍役は?」
「雲居一輪でした」
「それはひどい……」
腕四本が他にいないからって、それはないだろう?
あのような鉄拳制裁尼僧にあの渋さと威圧感と小物っぷりが表現できるはずがないだろうに……
と、両手で顔を覆って悲嘆にくれたのは失敗だった。バサリと私の掛け衣がひっぺがされる。
おお……寒い、寒すぎる!
「ま、そんなことはどうでもいいのです。さあ、起きて働いてください」
「いや、さっき膝に電撃を受けてしまってね」
「そう言うと思っていました。だがそんなの関係ないのですよ」
屠自古がバチリと指で雷を鳴らすと、ええ?
私の体が私の意に反して立ち上がり、ビシッと背筋を伸ばして屠自古に向かい合う。
な、何だこれは!?
もしや自分でも知らない間に、キョンシーにでも変えられていたというのか!?
冷や汗を流す私を前に、屠自古は勝ち誇るでもなく、
「ご存知ないのですか? 人間の体は電気信号で動かせるのですよ」
「なん……だと……?」
「自らの修行を怠るから、低級な亡霊なんぞの意のままに操られてしまうのですよ。自業自得ですね」
バチバチと屠自古が躍らせる指使いに合わせて、私は自ずから服を脱ぎ捨「屠自古のエッチ!」「だまらっしゃい!」
屠自古とおそろい。白いファーがついた、赤い厚手の衣装帽子を身に纏う。
おお、これはこれは、
「ペアルックだね!」
「……夫婦ですので」
僅かに頬を染めてそっぽを向く屠自古はああもう、可愛いなぁ! このまま押し倒してしまいたい!!
本来ならそう、ワキワキと蠢いているであろう私の指はしかし、トルコ行進曲に合わせて歩く衛兵のようにピンと張り詰めている。
お、おのれ……こんな千載一遇の機会なのに!!
「外にトナカイとそりを用意しております。それでは、楽しいクリスマスを」
言葉と同時に屠自古が御簾をめくり上げると、なるほど――ぉ?
「トナカイと……そり?」
「太子様!! 子供たちに夢を届けに行きますぞぉ!!!」
「まったく、何で私がこんなこと……」
トナカイの着ぐるみを纏った布都に青娥と……ああ、天の磐舟、ね。
「青娥の壁抜けで子供たちに夢をダイレクトアタックして来てください。プレゼントは既に磐舟内のその袋に入っておりますので」
「私へのプレゼントはないのかい?」
「良い子にしか、プレゼントはありません」
「……つまり私は芳香より悪い子ってわけか」
母屋の階に腰掛けて、菓子の袋へと手を突っ込んでいる芳香にちきしょうと呪いの視線を送る。
なんだこいつ。私を差し置いて屠自古からのプレゼントだと? ありえないだろうに。
「……クリスマスは同時に、聖人の誕生日でもあるそうですね」
「うん?」
プイ、と。
屠自古が、そっぽを向いて。
「守矢に習いました。ケーキ、焼いておきますから」
――そうか。
帰ってきたらケーキか。
屠自古の手作りケーキか。
とん、と磐舟の中に腰を下ろして、
「大きいのを、頼むよ?」
「ええ、蝋燭を1500本も立てなくてはいけませんからね」
ふわりと、青娥と布都の後に続いて、磐舟が浮かび上がる。
「行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、皇子」
なるほど。
今日は楽しいクリスマス、か。ははっ! いいじゃないか、クリスマス!!
§ 神様たちの場合
「で、そのクリスマスに雛は働かなくていいの?」
カチャ、とソーサーにカップを戻してから、濡れた唇でそんな台詞。
「そりゃ、働く必要があれば働くわよ。何で?」
「何で、って、ほら」
言われるがままに喫茶店の外へと目を向けると、なるほど。そこは綺麗に二色の世界。
そう、すなわちお相手が放つお熱でアツアツのカップルか、吹きすさぶ風に身も心も凍りつかせられた、オヒトリサマ。
「厄、溢れてんじゃん?」
「馬鹿ねにとり、あれは厄ではなくてよ?」
つい、とカップに手を伸ばして、香気をくゆらせる。
しかる後にすっと、一口。ウバのさわやかな風味が口いっぱいに広がっていく。
うん、悪くない。
「厄っていうのはマイナスの運気なの。あいつらの、あんなのはね? ただの逆恨みよ」
「逆恨みなの? 運がないわけじゃなくて?」
「そう。むしろ聖人効果で、世界は幸運に満ち溢れているわ」
そう、この神様Eyesに映るクリスマスという日の、なんと暖かいことか。
首を捻るにとりに微笑んで、音を立てずに優雅にカップを戻す。
「異性と過ごす手段なんていくらでもあるわ。あれはね、クリスマスという日にしかるべき備えを――そう。財力、話術、根回し、日々の態度やこまめな気配りその他異性の気をひく努力の一切を放棄して他人を呪っているだけの、ただの逆恨み。運も不運も関係ないわ」
「へぇ、そういうもんかねぇ……じゃ、雛はどうなのさ。せっかくのクリスマスに私の相手なんかしててさ」
「仕方ないでしょう? 私が連れ出さないとにとりってば、延々工房にこもって働き続けるじゃない」
ぷうっと頬を膨らませるにとりってば、フフッ、可愛い。でもね、そんなものには流されなくてよ?
働きすぎが体に毒なのは事実。妖怪だってそれは変わりません。
「私にはそれが幸せなんだけどねぇ」
「適度な休憩も必要よ? 品質維持の観点からしても、時間外勤務の増加は認められませーん」
「で、そのこころは?」
「私が暇すぎて死にそうだから付き合って。まったく、厄を集める必要がない日なんてなくなればいいのに」
深いため息。ついたのは、はたして私か、にとりなのか。
「雛のほうが仕事の虫じゃん」
「人が遊んでいるときにその幸せをそっと支えるのが、神様ですもの」
そう。だから皆が聖人の後押しで自分の力で幸せを掴んでいる今日この日は。
私のアイデンティティがぐらついてしまって、どうにも気が滅入ってしまう。
「ま、だから暇つぶしに付き合って頂戴?」
「暇つぶし、ねぇ。 ……男でも引っ掛けに行く?」
「冗談、男の相手なんて面倒くさくってやってらんないわ」
「清純派で通っている雛さまの本性を知ったら、みんなドン引きするね」
「……言わないでよ?」
「分かってるって。雛さまは女神だもんねー」
ニヤッと笑ってディクサム・ロイヤルミルクティーを一気飲み。
もう、にとりってば勿体無い飲み方をするのね。
「じゃ、さ。中央広場にイルミ見に行こうよイルミ。うちの工房もちょっち頑張ったんよ?」
「却下」
「なんでさ!」
「まだ午前中じゃない。どうせ電球の具合を再度確認してる連中に声かけて、そのまま設営作業に加わるつもりでしょ」
「ちっ、バレたか」
悔しそうに目を落として、空になったカップの底。
僅かに残ったミルクティーをズビッと啜るにとりはあれね、淑女としてちょっとみっともない。
うーん、にとりが空にしてしまった以上、私がゆっくりとお茶をするのも悪いわよね。
ウバの心地よい渋みを三回に分けて喉に流し込んで、優雅なモーニングは終了。
「じゃ、行きましょうか」
「だね。どこ行く?」
リュックを背負いながら、にとりはちら、と店の外に物憂げな視線を向ける。
ちょっと顔をしかめているのは多分、暖かい場所で行き先を決めておきたいから、かしら? 河童でも、この寒さは堪えるのね。
……でも、行き先かぁ。
「適当に面白そうな店があったらひやかす、でいいんじゃない?」
「ま、それでいっかぁ」
名案が思い浮かばず、そろって肩をすくめる。
ちょっと乙女として、うん。ないわね私たち。
お会計を済ませて、喫茶店を後に。
お山の里の大通りの空気はやはり、ハレの日のそれ。晴れがましくて暖かくて、だけど私の存在意義のない世界は、ちょっと嫌ね。
もっとも、誰もが幸せの元にあるのだから、恨むほうがそれ、筋違い。
「どっち行く?」
「人が少ないほうに行きましょっか」
「駄目」
「何でよ?」
「立地条件の悪い店見つけて、厄を回収するつもりでしょ? 休み、タイセツ」
「ちぇっ、言ってくれるわね。私の仕事は人を幸せにする仕事よ?」
「私の仕事だってそうだっつの」
むにっ、と頬をつねられる。お返しとばかりにつねり返す。
ぎゅーっと頬を引っ張ると、フフッ! 変な顔!
「むー、雛の顔は相変わらず固いね」
「人形ですもの。にとりみたく可笑しな顔にはなったりしないのよ。残念ね」
「言ってくれるね……ん? アレ、なんだ?」
「え?」
私の頬から離した手を目の上に当て、にとりが東の空を睨む。
釣られるように私もそちらに目を向けると……あれ? 何かがこっちへ向けて飛んできてる?
なんだろう、と目を凝らしてみると、
「…………………ぇさまぁああああああ!!!」
意外! それは灼熱の火球!!
「ああああああ!!!」と余韻を響かせながら飛来する火球がクイッと方向を変えて明らかに私たちの……って、ええぇ!!!
「おい! あれを見ろ!!」
通行人の一人が大声でそれを指差したせいで、たちまち辺りは大混乱。
「な、なんなんだありゃ!?」
「隕石か? 鬼の燐火弾か?」
「あれ……こっちへ来るんじゃないかオイ!?」
「くそっ!! このお山に攻撃だと!? ああクソッ、みんなどこでもいいから店の中へ入れ!! 焼け死ぬぞ!!」
「ヒャッハークリスマス終わっちまえぇ!! ざまぁみろ!!!」
私たちを差し置いて周囲の河童や天狗たちが我先にと周囲の店舗の中へと消えていく。あん! 実に賢明な判断ね!
できれば私たちもそうしたいところだけど、なぜか火球は私たちをマークしているかのように、私たちの動きに合わせて進路を変えるし……
ああもう! これじゃ私たちが避難するわけにはいかないじゃない!!
「にとり、幻想大瀑布!!!」
「いや焼け石に水! それに水無いところだと効果がってうあぁああああもう駄目だぁあ!!」
周囲の風景がグネグネに歪むほどの高熱源体が私たちを直撃――
――は、せずに、私たちの目の前にドバン、と地面を融解させながら着地する。
「な、なんなのさ……」
シュウシュウと、一瞬にしてお山のメインストリートが噴火口のごとき様相。
冬の寒さはあっという間に消え去ってしまったけど、まぁ、喜んでいる人は皆無でしょうね。
「にとり、下がって」
熱気に顔をしかめるにとりを背後にかばいつつ、轟々と燃え上がる、大通りに空いた大穴をそっと覗き込むと――
「雛お姉さま!!」
「きゃっ!!?」
ブワッとマントをはためかせて、いきなり私に抱きついてきたのは……
「おくう、さん?」
「霊烏路空です! おくうって呼んでくださいな。お久しぶりですわ雛お姉さま!」
以前お知り合いになった地底の太陽神が、私の胸に埋まっていた顔を上げてにっこり笑う。
ああ……相変わらずいい笑顔ね、おくうさん。
あら駄目よそんな素敵な目で私を見ては。真昼間からいけない気分になってしまうわ?
「元気で何よりよ。おくうさん。……にしても、いきなりどうしたの?」
「焼くんです!」
……何を?
「哀れなオヒトリサマたちを? 駄目よおくうさん。無様な負け犬にだって生きる権利はあるのだから」
「? 犬は焼きませんよ? 焼くのは芋です!」
「芋? オヒトリサマの芋野郎?」
「違います! ええと、ほら!」
ほら、とおくうさんが指差した先は、再び東の空。
再度そちらに目を向けると、
「ふー、ようやく追いつきました……お久しぶりです、雛お姉さま!!」
現れたのは期待の新神ニューフェイス。
常識に囚われることなく世界に今日もエンターテイメントを提供するドタバタ和み系現人神、
「早苗さんまで……っと、とりあえずお久しぶり。元気にしていて?」
「勿論。風の子元気の子ですからね! それだけが取り柄ですゆえ!」
むん、と力こぶ。
――より先に腋に目が行ってしまうのだけど……寒くないのかしら?
「それで、一体どうしたの? 二人そろって秋姉妹にでも火をつけるの?」
「ニアミスですね」
なんだ。
「芋を焼くんです!」
「……早苗さん?」
チラリと視線を向けると、苦笑いを浮かべた早苗さんが、
「ええとですね、今年は夏が暑かったせいで、結構人里は豊作でして。農家のほうで大量にサツマイモが余っちゃったんですよ。で、潰すのは勿体無いっていうんで守矢神社で安値で引き取ってるんですけど……とても消費できる量じゃないので」
「それで信仰を集めるのですわ!」
ごめんなさいおくうさん。貴女が何を言ってるのか分からないわ。
「……続き、お願いできる?」
「アハハ。 で、ですね。せっかくだからこの芋を減らすためにお菓子でも作って、人里の独り身のご老人たちにでもお配りしようかな、と」
「ついでに信仰をいただくのですよ!」
「ああ、そういうこと」
ようやくおくうさんと早苗さんの言うことがかみ合ったわね。
「と、いうわけで、よかったら雛お姉さまもどうかなぁ、と」
ふむ……。
お誘いはうれしいけれど、なにぶん私はデートの真っ最中。
名残惜しいけど、こういう場合はやはり先客を優先するのが礼儀というものだし。
とりあえず、ここはお断りの方向で、
「ええと「いいじゃん。行ってきなよ雛」
返答に、被せられる声。
振り向けば、にとりが割と真面目な顔で、
「神様の仕事は人を幸せにする事でしょ?」
なんて。
……そう、ね。
負け犬はともかく、そういったご老人方に幸せをもたらすのは、尊い仕事よね。
「じゃ、ご一緒させてもらおうかしら」
「やった!!」
はしゃぐおくうさんとは対照的に、早苗さんはすこし眉を曇らせてしまう。
「……その、すみませんにとりさん。お邪魔しちゃったようで」
「いーっていーって! これで大手を振って工房に戻れるしね」
曇りのない笑顔でニヤリ。にとりは今や鎖から解き放たれたかのように(実際は檻の中に戻るのに)晴れがましく。
はぁ……まったく。
思わず忠言が口をついて出そうになるけれど、もう私にそれを言う権利はないのでしょうね。
妖怪である私たちは結局、自分の業から離れることが出来ないもの。
でも、そう。
人の厄を吸い上げるが定めという厄神の業は、うん。
そう、悪いものではないわね。
§ 平安世代の場合
「まー、祭りって悪いもんじゃないのかもしれないけどさ、準備する側としては迷惑な話ってわけよ」
「で、お手伝いが嫌で、ぬえさん一人でここに逃げてきた、と」
「まーね。流石に冥界まで追って来るやつはいないだろうし」
とりあえずグダグダ口を零してから、目の前の半人が出してくれた緑茶を啜る。うん、んまい。
やっぱ暇なときはここよね。どことなく千年前の空気を維持してるし、最上級の緑茶は出てくるし。
「ホント、何が読経会よ。休みの日くらいゆっくり休めっつの。そー思わない?」
「ノーコメントで」
まぁ、従者の立場じゃ返答はそうなるわな。
「……で? ヤマメは何でここにいるわけ?」
「あー? パルスィがウザイんだよ。クリスマス死ね、クリスマス終われ、クリスマス殺すってガリガリ爪噛んで」
私より先にここに来たらしい、地底暮らし以前からの、私の友人。
今現在客間の脇で寝っ転がっている土蜘蛛が、ごろんとこっちを向いて顔をしかめる。
はーん、こいつもあれか。逃げる先にここを選んだってわけか。空気がいいもんなーここ。
広いし、上空なのになぜかあったかいし。
お茶を飲み干して、私もヤマメと同様に畳にゴロン。
鼻をくすぐる、いぐさの青っぽいような、埃っぽいような香り。
あー、落ち着くわー。
「お二方……何で他人の家でそんなにくつろげるんです?」
「ん? まー、平安世代にゃここの空気はたまらない、ってね」
「そーそー、どことなく生と死が混在してていー感じよねー。で? あんたのご主人様はどうしたの?」
ヤマメの問いかけに、前髪をはらりと払って、喘ぐように。
「幽々子様ならまだ睡眠中です」
「もーお昼だってのに相変わらず駄目な姫さんだねぇー」
「あれだろ? どうせ昨晩大量にチキンとケーキをがっついてそのままお寝んね」
「……よく分かりますね」
「「分からいでか」」
ゴロン、と寝返りをうとうとして、なにやら脇腹に引っ掛かりが。
ああ、そうだ。すっかり忘れてた。
懐から小箱を取り出して、湯飲みを片付けようと足を崩した半人半霊に放り投げる。
「はいよ」
「っと……これは」
ちょっとばっかし飛距離が足りなかったそれを、半霊を使って華麗にキャッチ。
「良い子にゃプレゼント。メリークリスマス! ま、賃貸料代わりってやつ?」
「先ほどヤマメさんからも頂いたのですが……ありがとうございます」
ありがとう、と言いつつもその表情はどこか納得いかないというか、腹立たしげと言うか。
……ははーん? あれだね。子供扱いするなってやつ?
背伸びしたいお年頃、ってやつか。
ヤマメと視線が合って、お互い目だけで肩をすくめる。
平安世代の私たちはあんたの幼いころを知ってるんだよ、と言ったらこの半人半霊はどんなリアクションをするのだろう?
……ま、捻くれものぬえちゃんは、そんなこと口にしたりはしないけどね。
「あら、古臭い面子がそろっているのね」
「! あ、紫様、いらっしゃいませ」
ん? と畳の上から首をもたげると、ハン! 言ってる自分が一番古臭いくせに。
客間の中に隙間をガバリと開いて、また一人と一匹、古臭い妖怪がご登場、か。
「メリークリスマス、妖夢。これ、私と紫様からのクリスマスプレゼントだ」
「あ、ありがとうございます」
紫の後に隙間から姿を現した九尾に二つ、綺麗なラッピングが施された包みを渡され、半人半霊、再びブスっと。
「ん? なにやら不満そうな顔をしてるじゃないか」
「! いえ、そんなことは!」
「ハハッ、冗談だよ! 外界では親しい友人にもプレゼントを贈ったりするらしいからね。その延長と思っておきたまえ」
笑いながら、さ、お昼の準備でも始めようか、なんて。
勝手知ったる己の家の如くに半人半霊と並んで九尾が姿を消した、後。
「はー、ここは落ち着くわー」
べチャリと畳の上に、三つ目の丸太生成。
「古臭い面子がそろってるわねぇ」
「「お前が言うな」」
「あら、いやん!」
いやいやしたあとにナイトキャップに手を伸ばし、脱ぎ捨ててゴロゴロ、ゴロゴロ。
あー、本当、駄目な連中。
でもまあ、あれよ。クリスマスなんて異国の祭り。私たちにゃただの平日にすぎないんだし、気負うほうがおかしいわけよね。
あれ? でもそれを言うと、平日にゴロゴロするしかやることがないほうが情けないのかもなぁ。
あー、まだ盆栽いじってるほうがマシかもしれないわ。
「あら、私はちゃんと仕事してから来てましてよ?」
「当たり前のように内心を読むなよ胡散。……まーそりゃご苦労さん」
「そう思うなら結界をぶち抜いて外界に赴いたり、幻想入りしていない妖怪をひょいと連れてきたりとかはやめてくださるかしら?」
「幻想郷は全てを受け入れるんだよ。それは残酷な話だよね」
「……よく口の回ること」
怒りの隙間妖怪によるローリングアタック!
……いや、ただ畳みの上をゴロゴロと転がってきただけなんだけど。
あー、平和よねぇ。
お昼を食べ終え、再びうららかにゴロゴロである客間の襖がそっと、開かれて。
「おはよう」
「「「おそよう」」」
早くないから。もう午後二時だからね。
ふむ……しかし、あれだ。
何だこいつ、きっちり身なりを整えてきてやがる。
「へぇ、髪ボサボサの襦袢姿でご登場かと思ったけど」
「ちゃんと服着てるんだねぇ」
「おゆはんまで起きてこないかと思ったわ」
「あら、酷いわね? お客様がいらっしゃっているのだもの。西行寺家の当主として、みっともない姿は見せられませんわ」
小袖の端で口元を押さえてオホホ。
へぇ、それはあれか? 二時まで寝ているというのは、こいつにとってみっともないの内に入らないのか?
……もっとも、こいつの場合は私たちがいることを知ってて、それでも平気で寝続けたんだろうけどさ。
ま、どうでもいい話ではあるがね。
丸太が三人そろって懐に手を突っ込んで、ポイポイポイ。
「「「メリークリスマス」」」
「メリークリスマス。ありがとう」
花の綻ぶ様な、笑顔。
讃えられることに微塵の不満も、迷いもない。さながら満開の桜の如し。
それは、そう。
不満げに頬を引きつらせた従者とは面白いほどに対照的。
「幽々子様」
客間の端にひっそりと置かれた小箱の山に、目をやって。
「なに? あら、妖夢もプレゼントを貰えたのね? よかったじゃないの」
「ええ、まぁ」
ちら、と。視線に「子ども扱いされてるんですよ?」とのリベリオンを含ませる従者に、
「千年も生きて、今なおその生を祝福してもらえる。これは素敵なことでしょう?」
当たり前すぎる、捻りのない返答。
それに、はっ、と従者が息を飲む。
まったくこいつってば、本当にズルいよなぁ。
千年在り続けたとは思えない瑞々しさと、千年積み重ねた風格。それを同時に兼ね備えてて、それでいて嫌味がないんだから。
威厳と、謙虚と、妖美と、あどけなさと――そして切なさを内包した、存在。
柄じゃないけど、桜の精のようだ、なんて言葉が頭に浮かぶ。
そして、そう。多分、隙間も、土蜘蛛も。
千年前を知る私たちは多分、同じことを考えているんだろう。
丸太どもの顔をそっと横目に見遣ると、ああ、やはり。
――咲くことなくして散った桜が、今度こそは美しく咲き誇れますように。
そんな私たちの内心を、知ってか知ら――いや、白玉楼の主が口を開く。
「さて、此方からも何かしらお礼をしないとね。妖夢、手伝いなさいな」
「あ、手伝うのは、はい。無論お手伝いしますが……何をでしょうか?」
「今日中にできることとなるとせいぜい、お菓子を用意するくらいかしらね?」
「幽々子様、料理なんて出来るんですか!?」
うわ、声が裏返ってる。よほど驚いたんだろうね。
「無論、妖夢が頑張るのよ。頑張る妖夢を応援するのが私の仕事」
「……立派なお仕事ですね」
声のトーンが一オクターブダウン。
ま、ねー。お姫様は命令するのが仕事だし。
「ええ、勿論。 そうねぇ、久しぶりに月餅とか食べたいわ」
「しかも御三方に意見を聞かないでご自分が召し上がりたいものとか、ありえない」
かみ合ってないようで見事にかみ合った蹴鞠の応酬を交わしながら、一人半が並んで客間を後にする。
ああ、この光景は千年前と変わらないな。
そんなふうに、ヤマメと顔を合わせ、そしてふっと軽い笑みを浮かべた瞬間、
「あら? ……危ないわよ?」
「どわっ!?」
ゴトン、と。何の前触れもなく。
私の真上にいきなり転送されてきた梱包の強襲を、すんでのところでローリング回避!!
「コルァ! 隙間ァ!!」
ギロッと睨みつけると、隙間は何でも私のせいにするな、と言わんばかりに肩をすくめる。
「私の所為ではなくてよ? これは……魔界クール便ね」
「「なんだそりゃ?」」
「魔界脅威のメカ――魔法技術による、ダイレクト宅急便ですわ……中身はケーキに七面鳥、と。配達主の記載は無し……ふぅん」
隙間が口に手を当てて、コロコロと笑う。
はーん、そういうこと。
私もまたまたヤマメと顔を見合わせて、苦笑い。こんな物を送ってくるやつなんて、そう。
千年前はここにいて、今はここにいないあの従者以外にいるわけがないのだから。
「「「馬鹿なやつ。こんなもの送る暇があるなら顔出せばいいのに」」」
§ アーティストたちの場合
「やっぱり、今日は誰も顔を出さないよね」
はぁ、とため息をついて屋台を一瞥。
何度見直したって、屋台に人影なんて現れるはずもなし。日が落ちてから数時間、それはずっと変わらない光景。
それはそう、つまり。
「今年も、完敗かぁ」
みんな今頃、家でチキンを満足げに食べ終えて、のんびり洋酒のグラスを揺らしているんだろう。
だから。今回も私の負け。
ヤツメウナギの蒲焼は、屈強なウォールオブチキンを前にして無力だったということ。
本音を言えば、人間なんかにひょいと落とされるトロい鳥なんて、食われてしまおうが知ったこっちゃないけど。
喰って喰われるは自然の定めだもの。そこのところは別に、どうでもいいわ。
でも、だからこそせっかくの下ごしらえが無駄になってしまうのは、食料さんに失礼でもあるし。
「はぁ……」
屋台に肘を着いて、思わず漏れるため息。
ため息一回つくごとに幸せが一つ逃げていくって、そう言っていたのは誰だったかしら?
カウンターに腰掛けるお客さんたちの顔を順に思い浮かべていって、更にブルー。
「やっぱ君はこなーいー。一人歌うクリスマス・ソング……おおお……」
おおぉ、歌ったら余計に哀しくなるのね。
雪のせいで辺りは静寂。凍える凍える、身も心もしばれる凍える。
誰も通らない妖怪獣道の雪景色っていうのは絵になるけれど、その絵の中にたった一人はごめんだわ。
ああ――
「もう今日は店を畳もうかな」
「何言ってるのよ。今日はこれからでしょう?」
はっとして頬杖を崩すと、目の前には鳥頭でも見間違いようのない常連さん。
白い雪景色にも、晴天の青空にも、深い闇の中にも等しく赤い華を咲かせる、花のかんばせ。四季のフラワーマスター。
「あ、いらっしゃい!」
「アーリータイムズ、蜂蜜入れてホットで」
「うちは焼酎と日本酒専門なんだけどなぁ……」
「客の要望には答えなさいな。つべこべ言わずに筑前煮と凍み豆腐」
傘を屋台の脇に立てかけて、するりと滑るように着席。何をしても絵になる人って、ずるいなぁ。
っと、手を動かす動かす! 弾のお客さんは大事にしないとね。
常連さん用の棚、イエローラベルへと手を伸ばす。
手早くお湯を沸かしながら筑前煮を器に盛っていると、
「はい」
カウンターの上に、コトリ。小さな小瓶が現れる。
「ん? 新しい蜂蜜?」
「そう。栗」
「へぇ、珍しいのね」
ウィスキーに沸騰寸前のお湯を注いでから、小瓶を手にとって、開封。
なるほど、炭火焼きの匂いに負けない香ばしい香りがふわっと、湯気に乗って広がっていく。
スプーンで栗の蜂蜜を一匙すくって、ウィスキーのお湯割りにそっと、滑らせる。
洋酒だけど、二種類の黄金が絡み合うように螺旋を描いてして溶け合っていく様は、うん。
綺麗だから、嫌いじゃないわ。
「どうぞ」
「ん……悪くないわね」
一口啜ってのその感想は、多分に持参した蜂蜜に対してのもの。でもまぁ、それならそれでいい。
「歌っていい?」
「駄目」
おぅ……。
「どうして?」
「どうせもうすぐ喧しくなるし。最初ぐらい、静かに呑ませなさいな」
「????」
「すぐにわかるわ。次、トワイスアップ」
「早っ!!」
コトン、とカウンターの上に返された、未だ温いグラスを手にとって、逡巡。
ええと、トワイスアップって……ええと、ええっと「水割り」そうそう水割り水割り、って!
「最初からそう言ってよ、もう!」
「憶えなさい。それもお客に気持ちよく飲ませる努力よ?」
「だって、憶えられないんだもの」
「ならば、日記でもメモでも留めておきなさいな……お酒、早く」
「……はぁい、ただいま」
二つ目のグラスにウィスキーを注ぎ、玄武の沢の湧き水を次いで、軽く撹拌。
「どうぞ」
「ん……これで静かに飲めるのも最後ね」
「最後?」
答えず、幽香さんがクイッと親指で指し示した――先。
「お、やってるね」
「あー、つっかれたぁーーー!! おっかみー! ハイボール!!」
「いまさけのんだらねる……おかみ、おみそしるとおしんこ」
誰が呼んだか幻想郷のチンドン屋にして常連さんのレインボ一発。
プリズムリバー姉妹が三者三様の顔でご登場。
「あーもー、どいつもこいつも浮かれ気分でいーですわねー! 私までハイになっちゃうわぁ!」
「そうね、死ねばいいのにね」
「姉ーさんたち対極テンションマジ勘弁。合わせる方の身にもなってよ……あー、帰ってきたって味がするぅ」
お新香をポリポリと噛みながら、リリカがベチャリと屋台に突っ伏す。
ううん、なんというか、お疲れ様。
「お仕事、多かったの?」
「もー、昨日の朝から今日の晩まで休みナシよ! ひゃーテンション上がるぅ!」
「昼は人里、夜は妖怪相手でてんてこ舞い、ね。今日は楽しい苦しみます」
「終わった……死の二日間がようやく終わった……もう、ゴールしても、いいよね?」
「まだだ、まだ終わらんよ!!」
あら? 更にお客さんの背後から、声。
目を向けるとそこには、ええと、「我こそは秦こころなるぞ!」そうだ、こころさん。
キュッキュと雪を踏みしめてやってきた彼女が幽香さんの隣にどっかと腰を下ろす。
「よろしゅう」
「「「「よろしゅー」」」」
「女将! サングリア!」
だから……ああ、もういいや。
「はいはいただいま。で、まだ終わらないって?」
「私は学んだのだ! 年始は能楽と春の海で始まるのだと! だからお琴には負けてらんないんだもん!」
狐の面でフシャーと威嚇するこころさんはなんと言うか、元気よね。
若いと言うか、幼いと言うか……って、いけないいけない。
女将とかやってると、どうにも変なイメージがついて困っちゃうわ。
私若い、私ロック、私パンク、私トランス。若さって何だ? 振り向かないことよ!
スプーンに映った私の顔に暗示をかけてからこころさんに目を向けると、何を勘違いしたかこころさんは大きく頷いて、
「だから明日から本番に向けて練習だ! 暗黒能楽『輝針城』。みんな、よろしく!」
「御代は?」
さっと姥面で表情を隠す。
「霊夢から……貰ってほしいの」
「「「「いや、無理」」」」
ルナサたちとムッとした顔を突き合わせて――プッと吹き出しちゃう。
お疲れリリカには悪いけど、うん。今晩はもうちょっと長くなりそうね。
「地謡が女将、囃子がルナサたち。後見は衣玖でツレは幽香、よろしゅう」
「衣玖さんここにいないけど、大丈夫?」
「大丈夫だ! あいつは踊ることに関して否とは言わないもん。さあみんなで新春の宴会を席巻するよー」
やる前から勝ったかのようにガッツポーズ。
それをみているとなんか、こっちまで楽しくなってくる。まるで元気を分けてもらっているみたい。
「ほら、みなさいな」
――お店。開けといて良かったでしょう?
そう目で語ってくる幽香さんに、大変だけどね、と目で返す。
そう、クリスマスはこれで終わりだけど、それは始まりにすぎない。
たった今からもう新春の準備。芸能者たる我らには休みなんてない。
観客の拍手が、足踏みが、鼻歌が。声援こそが我らの力。
明日からは響子を呼びつけて、年始に向けて鳥獣伎楽、フルスロットルね!
「景気付けだ! 女将! 蒲焼人数分、ツケで!」
「はいはーい」
タレに漬け込んであったヤツメウナギを、炭火で炙る。
長く苦しいチキンのブームはこれで終わり、これからは和の時代が始まるのよ!
さぁ、さよならクリスマス!
そして、
「待ってなさい! お正月!!」
こころちゃんかわいい
ミスティアの屋台に集まったメンバーからしてそう思ったんですが...間違いだったら本当にごめんなさい。
年明け早々スターウォーズネタで吹くとは(笑)。
屠自古皇帝は役として意外に当てはまりますな(大笑)。
ゆゆさまーーーーーーーーーー!
丸太達もゴロゴロ楽しそうだけど……みょんは1000年生きてるのか。そのネタがなんとなく衝撃的で紫可愛い。
雛に間接的にバッサリ切られたパルスィも不憫可愛い。
……屋台に九十九姉妹と雷鼓も来ないかなぁ。面白かったです。
屠自古かわいい
ただし、クリスマスにチキンやターキーを食べることだけはお許しください!
みんないいキャラしてました。1500本のローソクを吹き消(そうとして火事を起こ)す神子様が見たい!