Coolier - 新生・東方創想話

正拳伝説

2013/11/16 23:05:01
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※:このお話は「犬鍋」と特に関連があります。
   このお話を読む前、または、読んだ後に、
   「犬鍋」も読んで頂けると幸いです。


   犬鍋 等 



   PROJECT X PHANTASM  EX
   
   正拳伝説












     ☆☆☆





 極めて近く、限りなく遠い世界で━━。




     ☆☆☆




 
  赤毛の妖怪、ホン・メイリン。
 彼女がニンゲンを卒業し、妖怪となってから初めて見た光景。
 それは、夥しい数の人骨がそこら中に転がる寂れた村。
 ヒトであれば、恐れおののくのに十分すぎる状況だ。
 しかし、ニンゲンを卒業し、妖怪となった彼女にとっては、どうでもよい事であった。
 白骨では、メイリンの空腹を満たすことが出来ないのだから。
 はらべこメイリンは何か食べる物がないかと、周囲を見渡す。
 妖怪となり、嗅覚が鋭敏となったメイリンが嗅ぎ取ったモノ。
 それは、生きた人間のニオイ。
 エサに向かって駆け出すメイリン。
 メイリン、まっしぐら。
 数分後、メイリンは哀れな犠牲者のモツを素手で抉り出し、被りつく。
 錆びた鉄の味が、彼女の口の中一杯に広がり、そして思いっきり吐いた。
 残念なことに、ニンゲンの血肉は、メイリンの胃に受け付けなかったようだ。
 酸っぱい胃液を出し尽くし終え、フラフラと立ち上がったメイリンを野犬の群れが囲んでいた。
 数分後、メイリンは哀れなワンちゃんのモツを素手で抉り出し、被りつく。
 生臭い味が、彼女の口の中一杯に広がり、さらに犬の肉を貪る。
 その日から、メイリンの好物は犬となった。




  

     ☆☆☆





  数年後、メイリンはストリートファイターとなっていた。
 すごく…唐突です…。
 暗殺拳の使い手、力士、女刑事、軍人、レスラー、変なインド人等々……。
 世界中を駆け巡り、彼女は猛者達を打ち破る。
 ニンゲン以上の力を持つ、妖怪メイリンにとっては、容易いことであった。 
 メイリンは、もっと強いヤツに会いに行く。
 吸血鬼、サキュバス、狼男、ミイラ男、半魚人、変なゾンビ等々……。
 そう、自分と同じ妖怪(ダークストーカー)の対戦に乱入したのだ。
 しかし、妖怪として、メイリンの格はすごく低かったのである。
 ぶっちゃけていうと、てんで相手にならなかったんですね~。
 相次ぐ強敵との対戦、そして相次ぐ敗北。
 メイリンは、山に引き篭もった。
 メイリン、1××歳、冬。
 己の肉体と武術に限界を感じ悩みに悩み抜いた結果、たどり着いた答え、それは謝罪であった。
 何に対しての謝罪なのかは、メイリン自身、分からなかった。
 ただ、謝罪したかった。
 ニンゲンであった頃の記憶を封印されたメイリンにとって、しょうがない事なのかもしれない。
 己の生への欲望を満たす為に、喰らった仲間達、家族、そして何よりも大切であった愛娘に対してへの謝罪ということを気付かずに。
 一日一万回、謝罪の正拳突き!!





     ☆☆☆





  メイリンが山で正拳突きを繰り返している間、世界ではとある異変が起きていた。
 ことの発端は、下記の通りである。
 世界の中心にある島、”マナの聖域”。
 マナの聖域には、世界中のマナを司るマナの樹があることで知られていた。
 だが、某帝国が巨大空中要塞、通称”マナの要塞”を作りあげたことにより、マナの樹は枯れてしまったのだ。
 マナの要塞の動力源は、そのままずばりマナ、そして、とても燃費が悪く、世界中のマナを吸い尽くし、マナの樹に深刻なダメージを与えた為である。
 これに対しブチ切れたのが、神獣と呼ばれる、空飛ぶ怪獣であった。
 圧倒的な力を持つ神獣は、すぐさまマナの要塞を落とす。
 ところが、それだけでは、神獣の怒りは収まらなかったのだ。
 神獣は暴れ続け、世界中に被害が広がった。
 そんな混乱の中、謝罪の正拳突きを極め、下山したメイリンは、とある街で運悪く神獣とエンカウントしてしまう。
 圧倒的な力を持つ神獣は、すぐさまメイリンの体力を残り1ドットに追い込む。
 メイリンは、起死回生を狙い、謝罪の正拳突きを放つ。
 神獣の頭部に直撃した謝罪の正拳突き。
 しかし、ろくなダメージを神獣へ与えることが出来なかった。
 己の死を悟ったメイリン。
 だが、メイリンは死ななかった。
 なぜならば、神獣が憑き物が取れたかのように大人しくなったからだ。
  
  戦意を喪失した神獣は、空へと飛び立った。
 すると、突然、神獣の向かう先の空間に裂け目が開いたのだ。
 何とも奇怪で、きんもーっ☆な裂け目であった。
 裂け目の両端にリボンが結ばれており、しかも、その開けている空間の中から、”多数の目”が神獣を覗いていたのである。
 その裂け目は、逃げようとした神獣を飲み込むと、すぐに閉じてしまった。



  ━━何はともあれ、一発の正拳突きによって、極めて近く、限りなく遠い世界の危機は去ったのであったが……。
 マナを回復する唯一のモノ、神獣。
 その神獣がどこかへ行ってしまったことにより、失われたマナは戻らなかった。
 そして、マナに大きく依存する妖精達の姿を、極めて近く、限りなく遠い世界で見ることが出来なくなったのも、その頃からである。 




 
 正拳伝説 ━━ 完
久しぶりに投稿させて頂きます。
宜しくお願いします。
怪人二十HN
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コメント



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8.70名前が無い程度の能力削除
わけがわからないよ とりあえず最強はリュウだから(震え声)
9.10名前が無い程度の能力削除
また君か壊れるなあ
やっぱりカプコンネタじゃないか(呆れ)
10.無評価名前が無い程度の能力削除
出だしはスパロボA、後はストⅡもどきで東方要素皆無。
なんだこれ?
11.10名前が無い程度の能力削除
お前馬鹿じゃねえの?