図書館には紙をめくる音しか響いていない。元からそういう場所なのでそれは仕方の無いことだし、私もそこに不満は無いのだが、そろそろその景色に混じるのも飽きてきた。つまり、暇だというわけだ。
「あー、パチェ、暇だ。何か面白いこと無い?」
そういうと、パチェは小さな溜息を吐き、本から目を離してこちらをにらみつけてくる。
「……いい加減にして。さっき面白い話をしてあげたでしょう?」
「嘘臭い話だったな。ほんとにあった話だったのかねえ」
「ええ、間違いなく本当の話よ、空を翔るトビウオ」
「おかしいよねぇ、空飛ぶ魚なんてさ。そりゃ飛魚っていうぐらいだけど、でもそんなのありなのか?」
「可愛いでしょ?それよりレミィ、咲夜の事好き?」
凄い角度から攻めてくるものだ。会話のキャッチボールというのを知ってるのだろうか、こいつは。
「急になんだ。お前に話すようなことは何も無いぞ、全く」
「苦しそうね。この前の散歩はどっちから持ちかけたんだっけ?」
「結果的には向こうからだよ。散歩大好きだからな、あの子」
それとなく話したのはこっちだが、最終的に散歩に行きましょうと言ったのは咲夜からだ。だから嘘ではない。
「この前なんか、雨が降ってたからってわざわざ相合傘で外に出てたじゃない。相合傘よ、相合傘」
「さてね。というより、相合傘なら日中でもしてるぞ。自分で傘を持つのがめんどうなだけだし」
「幸せそうで結構なことです」
普段は笑わないくせに、こういうときだけ満面の笑みを浮かべるのはどうなんだろうか。
「凄い嫌な笑顔だな。内心馬鹿にしてるんだろ、どうせ」
「折角話題を変えてあげようとしてるのに。 まあレミィは好きそうね、ああいう子。なんていうのかしら、清楚?」
「そうだな、それでいてドジな所も良い。この前なんか殺されかけた」
変な茶葉は一体どこで仕入れてくるのだろうか。あんなもの市販されていないだろうに。
「大丈夫なの?あなた達」
「ちょっとだけ駄目かもしれないな。でもあれだ、今日は満月!」
「つまり、どうするって?」
「ティータイムを豪華にしてみようかと」
「特別な事でもするのかと思ったんだけど……まあいいわ。でも、あれ以上に豪華には出来ないような」
「なんでもやってみるもんだよ。というかまだまだ工夫できるだろ、さすがに」
「日光の中でティータイムとかどう?さすがに死ぬ?」
「温々して良いかもね」
実際、死ぬまでに一度はやってみたいかもしれない。最悪そのまま死因になりそうだが。
「眠くなってきたんじゃないの?」
「ノー、まだまだ絶好調だよ。パチェは?」
「早くこないかしら、誕生日」
やっぱりパチェはキャッチボールが出来ないようだ。確かに難しいとは思うけど、もうちょっとどうにかならないものか。
「びっくりするぐらい急な方向転換だな。大丈夫?」
「普通よ。誕生日が来たらちゃんとプレゼントをちょうだいね。宛名ももちろん書いてね、「パチュリーへ」」
「別に良いだろ、そんな事しなくても……よし、そろそろ行こうかな。散歩」
「他にすることないの? もしかしてほんとに暇?」
「まあな。パチェも一緒に来ない?月見」
私がパチェを誘うのは意外な展開だったようで、少しだけ目と口を丸くさせた。すぐに表情を戻すと、未だに開いていた本をゆっくりと閉じる。
「みんなで見るのも良いかもね。折角だし、お団子でも囲む?」
見るからに行く気満々だ。珍しいこともあるもんだな。
「moon viewing party with skewered rice dumplingsか。この欲張りめ」
「滅相も無い、レミィ様が喜ぶだろうとさせていただいた提案でございます……まあこれぐらい変なテンションで見てもらった方が嬉しいんじゃない? 月も」
「もし月が堅物だったらどうする? きっとこう言ってるな、「こんな変な人たちに見られるなんて、嫌!」」
「ややこしい方向に向かってるからそろそろ切るわ。もう季節も変わるわね、秋から冬……」
「ゆっくりしてる間にもう年も終わりそうだな。まだ九月ぐらいの感覚だよ」
「よくそんな時間感覚で生きて行けるわね。満月見るたびにはしゃいでたらそうはならないはずなのだけれど……さて、お月見行くんでしょう? ちょっと支度して来るわ」
「私もぼちぼち準備するとしよう……今回は勝敗つかずだな、残念」
今日は無事に終了してしまった。暇なときにしょっちゅうしてたからな、二人とも慣れてきたものだ。
「別に良いじゃない、新しい暇つぶしも見つけたことだし」
「まさかこういう流れになるとは思わなかったよ。ま、たまにはこういうのも良いかもな」
「毎回だとしんどいけどね。さあ、美鈴や妹様にも声かけしないと。愛しの従者もそろそろ呼んだら?」
「あのくだりは意地悪すぎるだろ……まあそうだな。今日はみんなで騒ぐぞ!」
「あー、パチェ、暇だ。何か面白いこと無い?」
そういうと、パチェは小さな溜息を吐き、本から目を離してこちらをにらみつけてくる。
「……いい加減にして。さっき面白い話をしてあげたでしょう?」
「嘘臭い話だったな。ほんとにあった話だったのかねえ」
「ええ、間違いなく本当の話よ、空を翔るトビウオ」
「おかしいよねぇ、空飛ぶ魚なんてさ。そりゃ飛魚っていうぐらいだけど、でもそんなのありなのか?」
「可愛いでしょ?それよりレミィ、咲夜の事好き?」
凄い角度から攻めてくるものだ。会話のキャッチボールというのを知ってるのだろうか、こいつは。
「急になんだ。お前に話すようなことは何も無いぞ、全く」
「苦しそうね。この前の散歩はどっちから持ちかけたんだっけ?」
「結果的には向こうからだよ。散歩大好きだからな、あの子」
それとなく話したのはこっちだが、最終的に散歩に行きましょうと言ったのは咲夜からだ。だから嘘ではない。
「この前なんか、雨が降ってたからってわざわざ相合傘で外に出てたじゃない。相合傘よ、相合傘」
「さてね。というより、相合傘なら日中でもしてるぞ。自分で傘を持つのがめんどうなだけだし」
「幸せそうで結構なことです」
普段は笑わないくせに、こういうときだけ満面の笑みを浮かべるのはどうなんだろうか。
「凄い嫌な笑顔だな。内心馬鹿にしてるんだろ、どうせ」
「折角話題を変えてあげようとしてるのに。 まあレミィは好きそうね、ああいう子。なんていうのかしら、清楚?」
「そうだな、それでいてドジな所も良い。この前なんか殺されかけた」
変な茶葉は一体どこで仕入れてくるのだろうか。あんなもの市販されていないだろうに。
「大丈夫なの?あなた達」
「ちょっとだけ駄目かもしれないな。でもあれだ、今日は満月!」
「つまり、どうするって?」
「ティータイムを豪華にしてみようかと」
「特別な事でもするのかと思ったんだけど……まあいいわ。でも、あれ以上に豪華には出来ないような」
「なんでもやってみるもんだよ。というかまだまだ工夫できるだろ、さすがに」
「日光の中でティータイムとかどう?さすがに死ぬ?」
「温々して良いかもね」
実際、死ぬまでに一度はやってみたいかもしれない。最悪そのまま死因になりそうだが。
「眠くなってきたんじゃないの?」
「ノー、まだまだ絶好調だよ。パチェは?」
「早くこないかしら、誕生日」
やっぱりパチェはキャッチボールが出来ないようだ。確かに難しいとは思うけど、もうちょっとどうにかならないものか。
「びっくりするぐらい急な方向転換だな。大丈夫?」
「普通よ。誕生日が来たらちゃんとプレゼントをちょうだいね。宛名ももちろん書いてね、「パチュリーへ」」
「別に良いだろ、そんな事しなくても……よし、そろそろ行こうかな。散歩」
「他にすることないの? もしかしてほんとに暇?」
「まあな。パチェも一緒に来ない?月見」
私がパチェを誘うのは意外な展開だったようで、少しだけ目と口を丸くさせた。すぐに表情を戻すと、未だに開いていた本をゆっくりと閉じる。
「みんなで見るのも良いかもね。折角だし、お団子でも囲む?」
見るからに行く気満々だ。珍しいこともあるもんだな。
「moon viewing party with skewered rice dumplingsか。この欲張りめ」
「滅相も無い、レミィ様が喜ぶだろうとさせていただいた提案でございます……まあこれぐらい変なテンションで見てもらった方が嬉しいんじゃない? 月も」
「もし月が堅物だったらどうする? きっとこう言ってるな、「こんな変な人たちに見られるなんて、嫌!」」
「ややこしい方向に向かってるからそろそろ切るわ。もう季節も変わるわね、秋から冬……」
「ゆっくりしてる間にもう年も終わりそうだな。まだ九月ぐらいの感覚だよ」
「よくそんな時間感覚で生きて行けるわね。満月見るたびにはしゃいでたらそうはならないはずなのだけれど……さて、お月見行くんでしょう? ちょっと支度して来るわ」
「私もぼちぼち準備するとしよう……今回は勝敗つかずだな、残念」
今日は無事に終了してしまった。暇なときにしょっちゅうしてたからな、二人とも慣れてきたものだ。
「別に良いじゃない、新しい暇つぶしも見つけたことだし」
「まさかこういう流れになるとは思わなかったよ。ま、たまにはこういうのも良いかもな」
「毎回だとしんどいけどね。さあ、美鈴や妹様にも声かけしないと。愛しの従者もそろそろ呼んだら?」
「あのくだりは意地悪すぎるだろ……まあそうだな。今日はみんなで騒ぐぞ!」
そのルールがあっても、この会話のドッジボールはある意味東方らしい
なるほどー、よくできて……うん、よくできていていいですね。
イチャイチャしてるなぁ。
全然違和感がありませんでした