・・・・・暑さの残る幻想郷の秋。
照りつける太陽の下、今日もおおむねここは平和である。
ただ、人間も妖怪も、この暑さにはさすがに参っているらしい。
ためしにとある氷精の様子を見てみると、
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
・・・返事がない、唯の屍のようだ・・・
・・・うん、幻想郷は おおむね 平和であった。
そして、平和であるがゆえに、騒ぎが起きるのは、強者の暇つぶし故。
・・そして、その代表格である一人により、ささやかな騒ぎが起ころうとしていた。
その者は、紫の衣装を纏い、傘をさして悠然と歩いていた。
それは、幻想郷屈指の自堕落にして一日25時間を睡眠に費やしているという噂さえある隙間妖怪、八雲紫である。
そんな周囲に要らぬ噂と心配をかけさせている八雲紫が、何をしているかというと、歩いている。
・・いや、それはそうなんですが。
彼女が目指す先には一軒のお店。そして、そのお店から、この物語が始まる・・・・
ここは香霖堂。
幻想郷の中にあって、唯一まともといっても過言ではない人間だろう。
そう、彼はまともであって、彼を取り巻く環境がおかしいのである。
ただ、幻想郷にてその言葉はまったく通用しないので、彼もやっぱり変人なのだろう。
『・・・暇だなぁ・・・』
香霖は、今日何度目になるか分からない言葉を吐く。
ここ数日、香霖堂には、人間はおろか、妖怪一匹として訪れることが無かった。
というのも、普段からの常連客(店の品物を強奪する連中を客と呼ぶのならば)が、
この暑さですっかり引きこもってしまっているからである。
その二人以外ほぼまったく客足がないというのも店としては致命的だが。
まぁ、かくいう自分もその引きこもりの一人なのだが、そんなことは気にしない。
そう思っていた矢先、店先の扉が開かれ、カランカランと子気味よい音を鳴らす。
『ごめんあそばせ。』
声の主は八雲紫、性格はアレだが、客としてはまぁ良質な部類に入る。
と、勝手に脳内で説明している香霖をよそに、さっそく物色し始める紫。
おいおい、その変化の杖はあまりいじらないでくれ、使用回数があと2回しかないんだから。
あ、そのドラムは叩くと気分が高揚して・・・
おっと、そのベルは鳴らすと竜が・・・
かなりモノ的にどうかと思われる陳列物を漁る紫を眺めている香霖。
と、紫がふと手をとめ、一つの品物を持ってくる。
『コレ、頂けないかしら?』
紫の持ってきたものを、一瞥すると、
『あぁ、別にかまわないが・・』
『そう、ありがと。お代は・・これでいいかしら?』
と、ゴソゴソとスキマを漁る紫。頼むからまともな物であって欲しい。
そうして取り出したものを机に置く。
・・それは何の変哲もないような大剣だった。
こ・・これは・・
『もちろんだとも。』
その大剣は、まごうことなき聖剣、エクスカリ○ー。
交渉成立だ。
さっそく手に入れた大剣を手にし・・・
『大根切りLv10~~~!!』
『なんですと~!?』
突然切りかかる香霖。流石は幻想郷。正気と狂気は紙一重のようだ。
・・だからどうだということはないのだが。
そのまま大剣は紫の脳天めがけて振り下ろされ・・・
・・・・ポコッ・・・
【ホップアップ・1ダメージ】
・・・・・・・・ありゃ?
一同、時が止まったかのように固まる。
【ザ・ワールド】・・・・そして時が動き出す・・・・
『最強の剣じゃなかったのか~!?』
『デ○ョン!!』
あ~~~~れ~~~~~!
足元のスキマより何処かへと吸い込まれる香霖。
さらば香霖、縁があったら次元の狭間で会おう。
そのときはぜひ自爆してくれたまえ。
『・・・あら、ついノリで・・・・。まぁ、いいか、そのうち何処かのスキマからひょっこり出てくるでしょ。』
自己破綻した香霖。
自己完結する紫。
やがて主の居なくなった香霖堂から一人立ち去る紫。
『さて、次はあの半獣の所ね・・・うふふ、下準備はこれでOKね。本番が楽しみだわ・・・』
不気味な笑みと共に、飛び立つ紫。向かうは半獣の守護せしとある村。
照りつける太陽の下、今日もおおむねここは平和である。
ただ、人間も妖怪も、この暑さにはさすがに参っているらしい。
ためしにとある氷精の様子を見てみると、
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
・・・返事がない、唯の屍のようだ・・・
・・・うん、幻想郷は おおむね 平和であった。
そして、平和であるがゆえに、騒ぎが起きるのは、強者の暇つぶし故。
・・そして、その代表格である一人により、ささやかな騒ぎが起ころうとしていた。
その者は、紫の衣装を纏い、傘をさして悠然と歩いていた。
それは、幻想郷屈指の自堕落にして一日25時間を睡眠に費やしているという噂さえある隙間妖怪、八雲紫である。
そんな周囲に要らぬ噂と心配をかけさせている八雲紫が、何をしているかというと、歩いている。
・・いや、それはそうなんですが。
彼女が目指す先には一軒のお店。そして、そのお店から、この物語が始まる・・・・
ここは香霖堂。
幻想郷の中にあって、唯一まともといっても過言ではない人間だろう。
そう、彼はまともであって、彼を取り巻く環境がおかしいのである。
ただ、幻想郷にてその言葉はまったく通用しないので、彼もやっぱり変人なのだろう。
『・・・暇だなぁ・・・』
香霖は、今日何度目になるか分からない言葉を吐く。
ここ数日、香霖堂には、人間はおろか、妖怪一匹として訪れることが無かった。
というのも、普段からの常連客(店の品物を強奪する連中を客と呼ぶのならば)が、
この暑さですっかり引きこもってしまっているからである。
その二人以外ほぼまったく客足がないというのも店としては致命的だが。
まぁ、かくいう自分もその引きこもりの一人なのだが、そんなことは気にしない。
そう思っていた矢先、店先の扉が開かれ、カランカランと子気味よい音を鳴らす。
『ごめんあそばせ。』
声の主は八雲紫、性格はアレだが、客としてはまぁ良質な部類に入る。
と、勝手に脳内で説明している香霖をよそに、さっそく物色し始める紫。
おいおい、その変化の杖はあまりいじらないでくれ、使用回数があと2回しかないんだから。
あ、そのドラムは叩くと気分が高揚して・・・
おっと、そのベルは鳴らすと竜が・・・
かなりモノ的にどうかと思われる陳列物を漁る紫を眺めている香霖。
と、紫がふと手をとめ、一つの品物を持ってくる。
『コレ、頂けないかしら?』
紫の持ってきたものを、一瞥すると、
『あぁ、別にかまわないが・・』
『そう、ありがと。お代は・・これでいいかしら?』
と、ゴソゴソとスキマを漁る紫。頼むからまともな物であって欲しい。
そうして取り出したものを机に置く。
・・それは何の変哲もないような大剣だった。
こ・・これは・・
『もちろんだとも。』
その大剣は、まごうことなき聖剣、エクスカリ○ー。
交渉成立だ。
さっそく手に入れた大剣を手にし・・・
『大根切りLv10~~~!!』
『なんですと~!?』
突然切りかかる香霖。流石は幻想郷。正気と狂気は紙一重のようだ。
・・だからどうだということはないのだが。
そのまま大剣は紫の脳天めがけて振り下ろされ・・・
・・・・ポコッ・・・
【ホップアップ・1ダメージ】
・・・・・・・・ありゃ?
一同、時が止まったかのように固まる。
【ザ・ワールド】・・・・そして時が動き出す・・・・
『最強の剣じゃなかったのか~!?』
『デ○ョン!!』
あ~~~~れ~~~~~!
足元のスキマより何処かへと吸い込まれる香霖。
さらば香霖、縁があったら次元の狭間で会おう。
そのときはぜひ自爆してくれたまえ。
『・・・あら、ついノリで・・・・。まぁ、いいか、そのうち何処かのスキマからひょっこり出てくるでしょ。』
自己破綻した香霖。
自己完結する紫。
やがて主の居なくなった香霖堂から一人立ち去る紫。
『さて、次はあの半獣の所ね・・・うふふ、下準備はこれでOKね。本番が楽しみだわ・・・』
不気味な笑みと共に、飛び立つ紫。向かうは半獣の守護せしとある村。
話はまだ始まってもいない感じですが、続きも蝶期待してます。
そして次回あるであろう藍様登場にも期待してます。