チルノは溶けかけていました。
理由といえば、これは実に他愛ないものであって、
「あたしと太陽、どっちが我慢強いか勝負よ!」
と、お日様相手に我慢比べを仕掛けたのでした。
いつしかチルノのリボンが溶け、羽根が溶け、その他もろもろ、まぁいろんなものが溶けていきました。
残っているのは、今やチルノの残骸というありさま。
どっこい、チルノはいまだチルノであって、
「もうすぐ日が沈む。そうすりゃあたしの勝ちってわけよ!」
そんな具合に、踏ん張っていました。
しかしさしもの意固地もおとろえ、チルノももはや風前の灯という態。
と、そこへブラリ通りかかったのは冬妖怪のレティ。
今まさに溶けゆかんとするチルノを見て、
「おやおやチルノ。あなたはバカだと思っていたけれど、どうやら間違っていたみたいね」
「と、いうと?」
「バカはバカでも、大バカってことよ――」
ケケ、とあざ笑い、レティは去っていきました。
チルノ、はなはだしく怒りくるい、
「あのシモ膨れ! 分けてやる! より分けてやる! 半分くらいにしてやる!」
と、青筋立てて――立てる筋も残っていないのですけれど――モクモク冷気を噴き出しました。
なんぞはからん、それがためにチルノは結果として、日没まで耐え忍ぶことができたのでした。
「やぁ! あたいってばやっぱり無敵だわ!」
チルノはニタッニタッと笑いました。
気分が良くなったので、彼女はレティを探してとっちめてやるのをすっぱりやめました。というか、忘れました。
同時にまた……
今は夏のさかりであって、冬の妖怪であるレティがいるはずもない、ということも、頭からさっぱり消えうせていたのでした。
理由といえば、これは実に他愛ないものであって、
「あたしと太陽、どっちが我慢強いか勝負よ!」
と、お日様相手に我慢比べを仕掛けたのでした。
いつしかチルノのリボンが溶け、羽根が溶け、その他もろもろ、まぁいろんなものが溶けていきました。
残っているのは、今やチルノの残骸というありさま。
どっこい、チルノはいまだチルノであって、
「もうすぐ日が沈む。そうすりゃあたしの勝ちってわけよ!」
そんな具合に、踏ん張っていました。
しかしさしもの意固地もおとろえ、チルノももはや風前の灯という態。
と、そこへブラリ通りかかったのは冬妖怪のレティ。
今まさに溶けゆかんとするチルノを見て、
「おやおやチルノ。あなたはバカだと思っていたけれど、どうやら間違っていたみたいね」
「と、いうと?」
「バカはバカでも、大バカってことよ――」
ケケ、とあざ笑い、レティは去っていきました。
チルノ、はなはだしく怒りくるい、
「あのシモ膨れ! 分けてやる! より分けてやる! 半分くらいにしてやる!」
と、青筋立てて――立てる筋も残っていないのですけれど――モクモク冷気を噴き出しました。
なんぞはからん、それがためにチルノは結果として、日没まで耐え忍ぶことができたのでした。
「やぁ! あたいってばやっぱり無敵だわ!」
チルノはニタッニタッと笑いました。
気分が良くなったので、彼女はレティを探してとっちめてやるのをすっぱりやめました。というか、忘れました。
同時にまた……
今は夏のさかりであって、冬の妖怪であるレティがいるはずもない、ということも、頭からさっぱり消えうせていたのでした。
まあ実際の所両者に触れないのがアレですよね。 そうそうアレアレ。
・・・・・・アレアレ詐欺?
氏の書くドライなんだかウェットなんだか良く判らないレティチルが好きです。
GJ!