「魔理沙めろめろドッキュン!ビバビバ!」
「妙な擬音を発しながら追ってくるなーー!!」
博麗神社に奇声と悲鳴が響き渡る。
無論、奇声が霊夢。悲鳴が魔理沙だ。
いつもどおりの(魔理沙の貞操をかけた)追いかけっこが始まった。
今日も幻想郷は平和的変態……違った。変態的平和日和だ。
「うぅ……」
「魔理沙ぁ~(はぁと」
魔理沙の首に腕を絡ませて頬ずりする霊夢。どうやら魔理沙は捕まってしまったらしい。
「はーなーせー」
「魔理沙ラヴ~♪」
しかし魔理沙もまんざらではないのか、本気で抵抗しようとはしない。
結局後ろからから霊夢が魔理沙に抱きついた形に納まる。
「魔理沙ぁ……クンクン」
「臭いを嗅ぐなぁ~!大体さっきから魔理沙魔理沙と……他に言うことは……きゃんっ」
霊夢が魔理沙のうなじに舌を這わせる。
「や、やめ、霊夢……そこは……」
今度は本気で抵抗する魔理沙。
「魔理沙……可愛い♪」
(やば、目が本気だ)
「ちょ、ま……こんなところで」
「もちろん布団も準備してあるわ」
「そういう問題じゃ……って準備済み!?はめられた!?」
「さぁ魔理沙。二人の愛にまた今日も新たな一ページを!!」
「助けてーー!!!」
博麗神社から魔砲が奔る。
屋根を破壊し、空へと伸びる、魔砲が。
「まったく……大体、襲われるのが嫌ならなんで毎日神社にくるのよ」
神社を破壊され、いくらか落ち着きを取り戻した霊夢が、魔理沙を縛り上げながら言う。
「いや、おかしいだろ。何だそのあたかも、霧雨魔理沙さんは襲われるために神社に来てます的な発想」
縛られながらも文句を言う魔理沙。
「そもそも前に実験で何日も家から出られなかった時、お前家にきて何をしたか……」
そのときのことを思い出して身震いする。
「あのときは……あらゆる意味で死ぬかと思ったぜ」
「そういえばそんなこともあったような……」
明らかに覚えていてとぼける霊夢。
と、突然逸らしていた目を魔理沙に向けた。
「それはそれとして魔理沙……今の状況わかってる?」
「あー……神社を破壊した私が、怒った霊夢に亀甲縛りという縛り方をされている状況だな」
「そうね、この意味わかる?」
「……私が悪かった。頼むからこの縄を解いてくれ」
「さっきおとなしくしていれば優しくシテあげたのに……」
「霊夢さん?落ち着こうか、落ち着こうね?」
落ち着きかけていた霊夢に再び色がつく。
「目が据わってるから。恐いから!!お願いだから来ないで!!よだれ拭いて!!鼻血拭いて!!いや噴かなくてもいいから!!」
「魔理沙……いい声で鳴いてね(ニコリ」
「私悪くないのにーー!!」
亡霊の腹も刻を告げる夕暮れ時。
破壊された博麗神社に響いたのは夜雀の鳴き声か、はたまた……。
「とっても可愛かったわ魔理沙♪」
「声が枯れた……」
ぐったりした魔理沙と対照的に、お肌ツヤツヤで輝かんばかりの笑顔をみせる霊夢。
「ところで魔理沙……責任は取ってくれるんでしょうね?」
「……あー……?」
まだぐったりしている魔理沙。霊夢は魔理沙の耳に口を近付けて囁いた。
「明日から魔理沙の家に嫁ぐから、ちゃんと掃除しておいてね?」
ぐったりしている。
「……あぁ!?」
起きた。飛び起きた。
【魔理沙のお泊り ver 霧雨邸(?)】
非常にわけのわからない状況になった。
翌日から、本当に霊夢は魔理沙の家に住み着いていた。
「まぁ神社を壊したのは私だから、家に置くのは構わないが……神社は直さなくていいのか?」
「まぁいいんじゃない?」
軽い調子で答える霊夢。
「軽っ!そんなんでいいのかよ!?」
「別に私は魔理沙が居れば他がどうなろうと構わないもの」
「博麗の巫女がいっていいセリフじゃないぜ……」
魔理沙に抱きつく霊夢を避けて(教訓)魔理沙は肩をすくめる。
「それにしても魔理沙……全然片付いてないじゃない」
結局散らかりすぎて手のつけられなかった部屋に、霊夢が持ってきた大荷物が加わって、酷いことになっていた。
「なんかもう手がつけられなくてな」
この家の主人は頭をかきながら苦笑いを浮かべる。
「もう!しょうがないわね……こうなったら新婚旅行の時にでも新居を探しておきましょ」
「……何だって?」
「だから新婚旅行と新居探し……どこに行く?」
「待て。何の話だ?」
「あら、言ったでしょう?嫁ぐって」
(……あれは言葉通りの意味だったのか)
魔理沙は頭を抱えた。
「いやいや待て待て。あれはこの家にしばらく置くという意味で……あ、ごめんなさい霊夢様、お願いしますからその縄と鞭を引っ込めてください。わかりました、わかりましたから」
いつの間にか取り出した怪しげな道具一式をみて魔理沙が怯えだす。
よく見ると魔理沙の体のあちこちに何かされた跡が残っていた。
神社が壊れた夜、何があったのか、何をされたのか……それはわからない。
「じゃぁ改めて、プロポーズして魔理沙(はぁと」
「いやほら、そういうのは言われてするようなものじゃ……」
魔理沙は顔を赤くして目を逸らす。こういうところは乙女心というものがあるのだろう。
(その普段とのギャップがまたそそるのよね~)
その顔を両手でしっかりと自分に向き直らせて霊夢は問う。
「……私のこと嫌い?」
「う……」
上目遣いでウルウルと迫る霊夢に魔理沙は弱い。
「嫌いなの……?」
捨てられた子犬のような寂しそうな表情で魔理沙に迫る。しっぽと耳があればさぞたれ下がっていたことだろう。……演技だが。
「わ、わかった。言うぜ……」
(絶対罠だ……でもコレは反則……だぜ)
(いよし!勝った!)
「あー……私は霊夢を愛してるぜ?」
「もっと心をこめて!」
「私は霊夢を愛してるぜ!」
「声が小さい!!」
「私は!!博麗霊夢を愛しているぜ!!!」
声を張り上げて叫ぶ。
魔法の森中に聞こえているだろうが、もうどうとでもなれ、と魔理沙は半ばやけになっていた。
ちょうどそのとき、扉の開いた音がした。
「魔理……沙……?」
「……アリ?」
魔理沙が振り向くとそこにはドアを開けたままの姿でアリスが立ち竦んでいた。
「そう……魔理沙は霊夢が……ご、ごめんなさいっ!」
魔理沙に背を向けて走り出すアリス。
「待てアリス!!誤解だ!コレは……」
「なーんて言うとでも思った!?どうせあんたが洗脳かなんかしてるんでしょう!!」
アリスはクルリと振り返って霊夢を指差す。
だが指された本人は涼しい顔をして答える。
「まぁ、ひどい言いがかりね。魔理沙が洗脳しているならあんたを追わせるわけないでしょ」
「……そうね、魔理沙はやっぱり私のことを……いや私は魔理沙なんてどうでもいいわよ?でも魔理沙がどうしてもって言うなら一生私の傍においてあげてもいいわ。そして……そして……よ、夜の営みなんかも……ハァハァ」
アリスが遠い世界に逝っている間に霊夢は話を続ける。
「……で、新婚旅行どうする?」
「し、新婚旅行?……そうね、やっぱり初夜は新婚旅行よね……あぁ魔理沙!!」
「ちょっとあんたうるさい」
くねくねと自分の体を抱きしめながら妄想しているアリスを殴って黙らせる。
「……というか本気なのか?」
展開についていけなかった魔理沙がやっとのことで口を開く。
「もちろん」
「日本では同姓婚は……」
「ここは幻想郷よ?」
「……」
「ねぇ、魔理沙は嫌なの?」
霊夢が魔理沙の瞳を見つめる。まっすぐに向き合ったその瞳の奥には、うっすらと、だが確かに不安が感じ取れた。
霊夢の魔理沙を想う真摯な想い。
その想いに応えなければならない。
「……嫌じゃ、ない。私も霊夢が……霊夢の事が、好きなんだ!」
「じゃぁ問題ないわね!!双方合意の上で今日から魔理沙は私のものね!?」
途端に瞳の奥から顔を見せるのは情欲。
「オイ!?さっきまでのはなんだったんだよ!?」
「人間、切り替え早く生きないと」
「なんか騙された気分だぜ……」
全身から力が抜けたように床に座り込む。
「じゃぁ、きちんと式をあげましょう。和式と洋式、どっちがいい?」
「そうだな……じゃぁ洋式がいいぜ」
「あら、以外ね」
「いや、その……ウェディングドレスに包まれた霊夢が見たいんだ(照れ」
「!!……もう♪魔理沙ったらぁ~(はぁと」
魔理沙に抱きつく霊夢。魔理沙はそれを先程の様に避けることなく受け止めて、背に腕をまわし、立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
「魔理沙ぁ(はぁと」
「霊夢……」
こうして、霊夢と魔理沙の結婚式が執り行われることになった。
なお、魔理沙は気絶したアリスを踏んづけたまま霊夢を抱いていた。
二人分の重みがアリスの背に一点集中。
「ドゥフフフ……魔理沙ったら」
口から何か色々出てきそうなアリスだったが、その顔は幸せいっぱいだった。(妄想で)
「っていうか幻想郷に教会なんてあるのか?」
「あるじゃない。境界」
強引なこじつけにより式場は迷い家に決定。
――結婚式当日――
面白ごとに乗り気な紫の協力もあって、迷い家の隣には立派な教会が立てられていた。
中では親しい友人が、二人の門出を祝うため、集まっている。
「汝病める時も――以下省略――その命の限り,固く節操を守らんことを誓うか?」
「誓います」
神父の藍に向かい誓いをたてる霊夢。純白のウェディングドレスに身を包み、頬にはほんのりと赤味がさしていた。
次は魔理沙の番だ。タキシードを着こなし、霊夢に優しく微笑む。
「汝――以下省略――誓うか?」
「誓いま――」
ドォーーーー……ン!!!!
魔理沙が誓いの言葉をいい終わろうとしたまさにそのとき、重い衝撃が迷い家中に響いた。
「な、何が起きたんだ!?」
「藍さまー!家が……家が……」
「橙!?どうした、落ち着け。何があったんだ」
駆け込んできた橙をなだめる藍。
「なんだかものすごい何かが!!」
「抽象的過ぎてまったくわからん。落ち着いて話してくれ」
「ダメ!もう追いついてきた!!」
「橙!どこに行くんだちぇーん!私を置いていかないでくれー!」
突然乱入してきて、そのまま逃げ去った橙を追って藍も消えた。
神父が消えては結婚式は出来ない。当然だ。
代わりに現れた人物が二人。
「まったく……いつかははっきりさせなきゃならないとは思っていたけど……魔理沙は私のものよ。あなたなんかに渡さないわ巫女巫女レイム!!」
病弱?喘息?だから何?魔理沙が人のものになろうというときに黙ってられるか!パチュリー・ノーレッジ!!
「ちょっと、魔理沙は私のだってば」
遠くの世界から無事帰還。今日は隠さず持ってきた魔理沙人形が火を噴くぜ!アリス・マーガトロイド!!
結婚式場に似合わない、完全武装で、魔女が二人。
「パチュリー様?どうしてここに……」
瀟洒な従者が尋ねる、レミリアも咲夜も今日のことは言わなかったはずだ。
「この七色がね……教えてくれたのよ。そして共通の強大な敵、博麗霊夢を討つために手を組むことにしたの」
「そういうこと。今日こそ決着をつけてあげるわ霊夢!」
パチュリーの言葉を受けてアリスも頷き、いつぞやと同じように霊夢を指差す。
「突然現れて何を言い出すかと思えば……決着ならもうついているじゃない。魔理沙は私を選んだの」
霊夢はやはり冷静に答える。
「まだよ!まだ私は負けてない!まだ私は魔理沙の気持ちを聞いてない!魔理沙は、私と霊夢のどっちが大事なのよ!?」
叫ぶアリス。
「え、それはその……」
「魔理沙、はっきり言ってやりなさいよ」
突然話をふられて戸惑う魔理沙に、霊夢が拍車をかける。
「魔理沙……私が一番よね?」
「あの……その……」
そこにパチュリーも加わり、魔理沙の困惑が更に深まる。
「「「はっきりして!!」」」
「す……」
「「「す?」」」
「すまん!!」
魔理沙はその場から走って逃げ出した。
「魔理沙!まだ式は終わってないわ!!」
霊夢が追う。もっとも、今更式も何もないが。式はいないし、式の式もいないのだから。
「ちょっと魔理沙!」
アリスも追う。
「おいてかないでー」
パチュリーも追う。
「幽々子様……」
「どうしたの妖夢?」
「もてる女は辛いですね」
「そうね……あぁなるくらいなら私は独り身でいいわ」
「違いますよ幽々子様、幽々子様は一人じゃないです」
「……そうね。これからも、私の傍にいてくれる?妖夢」
「当たり前じゃないですか」
次々と人が帰っていく教会で、二人の亡霊がいちゃついていたことを知るのは、スキマ妖怪だけだった。
「あぁもう!なんだってこうなるんだよ!!」
迷い家に置いていた箒を引っ掴み、全力で空を駆け抜ける。
後ろからは三人の追跡者が迫ってきている。
「魔理沙があのとき『す』を言い終わってれば全部解決してたのよ!」
「「魔理沙は『せん』って言おうとしてたのよ!」」
追跡者達は飛びながらも弾幕を展開していた。
尤も、弾幕を避けながら追跡など出来るわけもない。
魔理沙はその間に飛び去ってしまっていた。
「ぜぇ、ぜぇ、ここまでくれば……」
魔理沙は見たこともない森の中に着地した。
さすがにここまでは追って来れな いだろう。
「しかしまいったな。どうしたらいいんだ?」
霊夢のことは好きだ。でもアリスやパチュリーが悲しむところは見たくない。
三人とも大切な……。
「婚約期間中の浮気は慰謝料とられるわよ~」
「紫!?」
隙間から現れた紫はそのまま続けて言う。
「迷っているの?」
「……」
「そんな半端な気持ちで霊夢と婚姻を結ぶつもりだったの?」
紫の口調は珍しく強いものだった。
「……私は……霊夢が好きだ。でも……」
「でも?」
「二人だって、失いたくない。……嫌われたくないんだ」
「……はぁ……」
魔理沙が苦しげに搾り出した言葉を聞いて、紫は心底呆れたようにため息をつく。
「なんだよ」
「あのねぇ……いや、まぁいいわ。とにかく今は霊夢のところに行ってあげて。二対一は流石に辛いと思うわ」
「あぁ……そうだな。わかった」
魔理沙が飛び去ったのを見届けて、紫は呟いた。
「結婚したくらいで……例えあなたにふられたとしても、あの子達が諦めるようには見えないのだけれどね」
「霊夢ーーーー!!」
魔理沙が駆けつけたとき、霊夢はかなりの深手を負っていた。
せっかくのウェディングもボロボロになったしまっていた。
対するアリスとパチュリーの消耗も相当なものだったらしく、二人とも肩で息をしていた。
「霊夢っ!!」
駆け寄り、肩を支えてやる。
「……ハァ……ゥクッ……魔理沙?」
霊夢はそのまま魔理沙に体を預けた。
「霊夢、すまない!!私のせいでこんな……」
「いいのよ魔理沙……私あなたの為なら死ねる……」
「そんなこと言うな!今医者を……」
「いいのよ魔理沙……それより、さっきの誓いを……ちゃんと聞かせて……?」
霊夢が弱弱しく笑顔を創り、魔理沙の手を握る。
「ちょっと待って魔理……」
アリスの声も今の魔理沙には届かない。
「わかった。誓う!私はお前を一生幸せにするぜ!!」
その言葉を聞いて霊夢の目が怪しく光る。
「ケヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!ほぅらみなさい!魔理沙は私を愛してるのよ!!あんた達の入り込む隙なぞないわぁ!!」
怪我などなかったかのように復活した霊夢。
「く……魔理沙がくる直前に被弾したのはこれが狙いだったのね」
苦々しげにパチュリーが口を開く。
先程まで霊夢は二人の魔女を相手にしてなお傷一つ負っていなかった。
消耗していた二人に勝ち目はないと思われたが、どういうわけか何ということはない弾に被弾したのだ。
「あれ~ひょっとして私また騙された?」
霊夢の演技に騙された魔理沙がしくしくといじけだす。
いい加減学習してもいい頃だが、それだけ霊夢の演技が素晴らしいのだろう。
……もしくは、魔理沙が単純なだけか。
「あーーー!!魔理沙をいじめたわね!!今日という今日は!!」
アリスがけたたましく叫ぶ。
「そのセリフは聞き飽きたわ」
そう言って霊夢は魔理沙の胸を弄る。
「「あぁーーー!!」」
それを見て二人が叫ぶ。何と羨ましい……と。
「んやっ……ちょっと霊夢……みんながみてるじゃない……(ポ」
アリスが遠い世界に旅立ったあの日以前と比べて、明らかにリアクションが違うのは気のせいだろうか。
……あれから今まで何があったのか……魔理沙の言葉遣いから推測するに…………。
「あぁ、あったあった」
霊夢は魔理沙の服の中から一枚の符を取り出した。
「魔理沙の恋符借りるわね♪」
ボソ(続きは今夜……ね)
「ふぁ……あ、あぁ」
魔理沙は頬を真っ赤に染めてコクンと頷いた。
「ヤヴァイどうしようパチュリー。今の魔理沙可愛すぎると思わない?」
「どうするもこうするも……○っちゃうしかないでしょう?」
そんな魔理沙を見て欲情する魔女二人。
魔理沙には自分に素直になりすぎて暴走させる魅力が備わっていた。
「魔理沙の○○○を○○○で○○○いて○っていいのは私だけーーー!!」
霊夢の叫びと共に、手にもつ恋符に魔力が収束する。
「うそ!?」
「なんであなたが!!」
「二人の愛はさながら極太レーザーのようにーーーー!!!」
「「なんじゃそりゃーーーーーー!!」」
マスタースパークは恋路の邪魔をする輩を馬のような勢いで貫いていった。
「アリス……パチュリー……」
どこか遠くの山のそのまた向こうにふっとんでいった二人を思い、魔理沙は涙した。
「大丈夫よ魔理沙……あなたには私がいるじゃない。私だけをみて魔理沙」
「霊夢……うん。愛してるよ……(ポ」
「んもう♪そんなことわかってるけどうれしいわ(はぁと」
その日、霧雨邸には情熱的ななにかいろんなことがあったとかなくもなかったとか。
――どこかの山奥――
「諦めないわよー」
「あぁ、魔理沙ぁ……」
「ほら、やっぱりね」
隙間妖怪はボロボロになった二人を愉快そうに眺めて笑った。
「妙な擬音を発しながら追ってくるなーー!!」
博麗神社に奇声と悲鳴が響き渡る。
無論、奇声が霊夢。悲鳴が魔理沙だ。
いつもどおりの(魔理沙の貞操をかけた)追いかけっこが始まった。
今日も幻想郷は平和的変態……違った。変態的平和日和だ。
「うぅ……」
「魔理沙ぁ~(はぁと」
魔理沙の首に腕を絡ませて頬ずりする霊夢。どうやら魔理沙は捕まってしまったらしい。
「はーなーせー」
「魔理沙ラヴ~♪」
しかし魔理沙もまんざらではないのか、本気で抵抗しようとはしない。
結局後ろからから霊夢が魔理沙に抱きついた形に納まる。
「魔理沙ぁ……クンクン」
「臭いを嗅ぐなぁ~!大体さっきから魔理沙魔理沙と……他に言うことは……きゃんっ」
霊夢が魔理沙のうなじに舌を這わせる。
「や、やめ、霊夢……そこは……」
今度は本気で抵抗する魔理沙。
「魔理沙……可愛い♪」
(やば、目が本気だ)
「ちょ、ま……こんなところで」
「もちろん布団も準備してあるわ」
「そういう問題じゃ……って準備済み!?はめられた!?」
「さぁ魔理沙。二人の愛にまた今日も新たな一ページを!!」
「助けてーー!!!」
博麗神社から魔砲が奔る。
屋根を破壊し、空へと伸びる、魔砲が。
「まったく……大体、襲われるのが嫌ならなんで毎日神社にくるのよ」
神社を破壊され、いくらか落ち着きを取り戻した霊夢が、魔理沙を縛り上げながら言う。
「いや、おかしいだろ。何だそのあたかも、霧雨魔理沙さんは襲われるために神社に来てます的な発想」
縛られながらも文句を言う魔理沙。
「そもそも前に実験で何日も家から出られなかった時、お前家にきて何をしたか……」
そのときのことを思い出して身震いする。
「あのときは……あらゆる意味で死ぬかと思ったぜ」
「そういえばそんなこともあったような……」
明らかに覚えていてとぼける霊夢。
と、突然逸らしていた目を魔理沙に向けた。
「それはそれとして魔理沙……今の状況わかってる?」
「あー……神社を破壊した私が、怒った霊夢に亀甲縛りという縛り方をされている状況だな」
「そうね、この意味わかる?」
「……私が悪かった。頼むからこの縄を解いてくれ」
「さっきおとなしくしていれば優しくシテあげたのに……」
「霊夢さん?落ち着こうか、落ち着こうね?」
落ち着きかけていた霊夢に再び色がつく。
「目が据わってるから。恐いから!!お願いだから来ないで!!よだれ拭いて!!鼻血拭いて!!いや噴かなくてもいいから!!」
「魔理沙……いい声で鳴いてね(ニコリ」
「私悪くないのにーー!!」
亡霊の腹も刻を告げる夕暮れ時。
破壊された博麗神社に響いたのは夜雀の鳴き声か、はたまた……。
「とっても可愛かったわ魔理沙♪」
「声が枯れた……」
ぐったりした魔理沙と対照的に、お肌ツヤツヤで輝かんばかりの笑顔をみせる霊夢。
「ところで魔理沙……責任は取ってくれるんでしょうね?」
「……あー……?」
まだぐったりしている魔理沙。霊夢は魔理沙の耳に口を近付けて囁いた。
「明日から魔理沙の家に嫁ぐから、ちゃんと掃除しておいてね?」
ぐったりしている。
「……あぁ!?」
起きた。飛び起きた。
【魔理沙のお泊り ver 霧雨邸(?)】
非常にわけのわからない状況になった。
翌日から、本当に霊夢は魔理沙の家に住み着いていた。
「まぁ神社を壊したのは私だから、家に置くのは構わないが……神社は直さなくていいのか?」
「まぁいいんじゃない?」
軽い調子で答える霊夢。
「軽っ!そんなんでいいのかよ!?」
「別に私は魔理沙が居れば他がどうなろうと構わないもの」
「博麗の巫女がいっていいセリフじゃないぜ……」
魔理沙に抱きつく霊夢を避けて(教訓)魔理沙は肩をすくめる。
「それにしても魔理沙……全然片付いてないじゃない」
結局散らかりすぎて手のつけられなかった部屋に、霊夢が持ってきた大荷物が加わって、酷いことになっていた。
「なんかもう手がつけられなくてな」
この家の主人は頭をかきながら苦笑いを浮かべる。
「もう!しょうがないわね……こうなったら新婚旅行の時にでも新居を探しておきましょ」
「……何だって?」
「だから新婚旅行と新居探し……どこに行く?」
「待て。何の話だ?」
「あら、言ったでしょう?嫁ぐって」
(……あれは言葉通りの意味だったのか)
魔理沙は頭を抱えた。
「いやいや待て待て。あれはこの家にしばらく置くという意味で……あ、ごめんなさい霊夢様、お願いしますからその縄と鞭を引っ込めてください。わかりました、わかりましたから」
いつの間にか取り出した怪しげな道具一式をみて魔理沙が怯えだす。
よく見ると魔理沙の体のあちこちに何かされた跡が残っていた。
神社が壊れた夜、何があったのか、何をされたのか……それはわからない。
「じゃぁ改めて、プロポーズして魔理沙(はぁと」
「いやほら、そういうのは言われてするようなものじゃ……」
魔理沙は顔を赤くして目を逸らす。こういうところは乙女心というものがあるのだろう。
(その普段とのギャップがまたそそるのよね~)
その顔を両手でしっかりと自分に向き直らせて霊夢は問う。
「……私のこと嫌い?」
「う……」
上目遣いでウルウルと迫る霊夢に魔理沙は弱い。
「嫌いなの……?」
捨てられた子犬のような寂しそうな表情で魔理沙に迫る。しっぽと耳があればさぞたれ下がっていたことだろう。……演技だが。
「わ、わかった。言うぜ……」
(絶対罠だ……でもコレは反則……だぜ)
(いよし!勝った!)
「あー……私は霊夢を愛してるぜ?」
「もっと心をこめて!」
「私は霊夢を愛してるぜ!」
「声が小さい!!」
「私は!!博麗霊夢を愛しているぜ!!!」
声を張り上げて叫ぶ。
魔法の森中に聞こえているだろうが、もうどうとでもなれ、と魔理沙は半ばやけになっていた。
ちょうどそのとき、扉の開いた音がした。
「魔理……沙……?」
「……アリ?」
魔理沙が振り向くとそこにはドアを開けたままの姿でアリスが立ち竦んでいた。
「そう……魔理沙は霊夢が……ご、ごめんなさいっ!」
魔理沙に背を向けて走り出すアリス。
「待てアリス!!誤解だ!コレは……」
「なーんて言うとでも思った!?どうせあんたが洗脳かなんかしてるんでしょう!!」
アリスはクルリと振り返って霊夢を指差す。
だが指された本人は涼しい顔をして答える。
「まぁ、ひどい言いがかりね。魔理沙が洗脳しているならあんたを追わせるわけないでしょ」
「……そうね、魔理沙はやっぱり私のことを……いや私は魔理沙なんてどうでもいいわよ?でも魔理沙がどうしてもって言うなら一生私の傍においてあげてもいいわ。そして……そして……よ、夜の営みなんかも……ハァハァ」
アリスが遠い世界に逝っている間に霊夢は話を続ける。
「……で、新婚旅行どうする?」
「し、新婚旅行?……そうね、やっぱり初夜は新婚旅行よね……あぁ魔理沙!!」
「ちょっとあんたうるさい」
くねくねと自分の体を抱きしめながら妄想しているアリスを殴って黙らせる。
「……というか本気なのか?」
展開についていけなかった魔理沙がやっとのことで口を開く。
「もちろん」
「日本では同姓婚は……」
「ここは幻想郷よ?」
「……」
「ねぇ、魔理沙は嫌なの?」
霊夢が魔理沙の瞳を見つめる。まっすぐに向き合ったその瞳の奥には、うっすらと、だが確かに不安が感じ取れた。
霊夢の魔理沙を想う真摯な想い。
その想いに応えなければならない。
「……嫌じゃ、ない。私も霊夢が……霊夢の事が、好きなんだ!」
「じゃぁ問題ないわね!!双方合意の上で今日から魔理沙は私のものね!?」
途端に瞳の奥から顔を見せるのは情欲。
「オイ!?さっきまでのはなんだったんだよ!?」
「人間、切り替え早く生きないと」
「なんか騙された気分だぜ……」
全身から力が抜けたように床に座り込む。
「じゃぁ、きちんと式をあげましょう。和式と洋式、どっちがいい?」
「そうだな……じゃぁ洋式がいいぜ」
「あら、以外ね」
「いや、その……ウェディングドレスに包まれた霊夢が見たいんだ(照れ」
「!!……もう♪魔理沙ったらぁ~(はぁと」
魔理沙に抱きつく霊夢。魔理沙はそれを先程の様に避けることなく受け止めて、背に腕をまわし、立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
「魔理沙ぁ(はぁと」
「霊夢……」
こうして、霊夢と魔理沙の結婚式が執り行われることになった。
なお、魔理沙は気絶したアリスを踏んづけたまま霊夢を抱いていた。
二人分の重みがアリスの背に一点集中。
「ドゥフフフ……魔理沙ったら」
口から何か色々出てきそうなアリスだったが、その顔は幸せいっぱいだった。(妄想で)
「っていうか幻想郷に教会なんてあるのか?」
「あるじゃない。境界」
強引なこじつけにより式場は迷い家に決定。
――結婚式当日――
面白ごとに乗り気な紫の協力もあって、迷い家の隣には立派な教会が立てられていた。
中では親しい友人が、二人の門出を祝うため、集まっている。
「汝病める時も――以下省略――その命の限り,固く節操を守らんことを誓うか?」
「誓います」
神父の藍に向かい誓いをたてる霊夢。純白のウェディングドレスに身を包み、頬にはほんのりと赤味がさしていた。
次は魔理沙の番だ。タキシードを着こなし、霊夢に優しく微笑む。
「汝――以下省略――誓うか?」
「誓いま――」
ドォーーーー……ン!!!!
魔理沙が誓いの言葉をいい終わろうとしたまさにそのとき、重い衝撃が迷い家中に響いた。
「な、何が起きたんだ!?」
「藍さまー!家が……家が……」
「橙!?どうした、落ち着け。何があったんだ」
駆け込んできた橙をなだめる藍。
「なんだかものすごい何かが!!」
「抽象的過ぎてまったくわからん。落ち着いて話してくれ」
「ダメ!もう追いついてきた!!」
「橙!どこに行くんだちぇーん!私を置いていかないでくれー!」
突然乱入してきて、そのまま逃げ去った橙を追って藍も消えた。
神父が消えては結婚式は出来ない。当然だ。
代わりに現れた人物が二人。
「まったく……いつかははっきりさせなきゃならないとは思っていたけど……魔理沙は私のものよ。あなたなんかに渡さないわ巫女巫女レイム!!」
病弱?喘息?だから何?魔理沙が人のものになろうというときに黙ってられるか!パチュリー・ノーレッジ!!
「ちょっと、魔理沙は私のだってば」
遠くの世界から無事帰還。今日は隠さず持ってきた魔理沙人形が火を噴くぜ!アリス・マーガトロイド!!
結婚式場に似合わない、完全武装で、魔女が二人。
「パチュリー様?どうしてここに……」
瀟洒な従者が尋ねる、レミリアも咲夜も今日のことは言わなかったはずだ。
「この七色がね……教えてくれたのよ。そして共通の強大な敵、博麗霊夢を討つために手を組むことにしたの」
「そういうこと。今日こそ決着をつけてあげるわ霊夢!」
パチュリーの言葉を受けてアリスも頷き、いつぞやと同じように霊夢を指差す。
「突然現れて何を言い出すかと思えば……決着ならもうついているじゃない。魔理沙は私を選んだの」
霊夢はやはり冷静に答える。
「まだよ!まだ私は負けてない!まだ私は魔理沙の気持ちを聞いてない!魔理沙は、私と霊夢のどっちが大事なのよ!?」
叫ぶアリス。
「え、それはその……」
「魔理沙、はっきり言ってやりなさいよ」
突然話をふられて戸惑う魔理沙に、霊夢が拍車をかける。
「魔理沙……私が一番よね?」
「あの……その……」
そこにパチュリーも加わり、魔理沙の困惑が更に深まる。
「「「はっきりして!!」」」
「す……」
「「「す?」」」
「すまん!!」
魔理沙はその場から走って逃げ出した。
「魔理沙!まだ式は終わってないわ!!」
霊夢が追う。もっとも、今更式も何もないが。式はいないし、式の式もいないのだから。
「ちょっと魔理沙!」
アリスも追う。
「おいてかないでー」
パチュリーも追う。
「幽々子様……」
「どうしたの妖夢?」
「もてる女は辛いですね」
「そうね……あぁなるくらいなら私は独り身でいいわ」
「違いますよ幽々子様、幽々子様は一人じゃないです」
「……そうね。これからも、私の傍にいてくれる?妖夢」
「当たり前じゃないですか」
次々と人が帰っていく教会で、二人の亡霊がいちゃついていたことを知るのは、スキマ妖怪だけだった。
「あぁもう!なんだってこうなるんだよ!!」
迷い家に置いていた箒を引っ掴み、全力で空を駆け抜ける。
後ろからは三人の追跡者が迫ってきている。
「魔理沙があのとき『す』を言い終わってれば全部解決してたのよ!」
「「魔理沙は『せん』って言おうとしてたのよ!」」
追跡者達は飛びながらも弾幕を展開していた。
尤も、弾幕を避けながら追跡など出来るわけもない。
魔理沙はその間に飛び去ってしまっていた。
「ぜぇ、ぜぇ、ここまでくれば……」
魔理沙は見たこともない森の中に着地した。
さすがにここまでは追って来れな いだろう。
「しかしまいったな。どうしたらいいんだ?」
霊夢のことは好きだ。でもアリスやパチュリーが悲しむところは見たくない。
三人とも大切な……。
「婚約期間中の浮気は慰謝料とられるわよ~」
「紫!?」
隙間から現れた紫はそのまま続けて言う。
「迷っているの?」
「……」
「そんな半端な気持ちで霊夢と婚姻を結ぶつもりだったの?」
紫の口調は珍しく強いものだった。
「……私は……霊夢が好きだ。でも……」
「でも?」
「二人だって、失いたくない。……嫌われたくないんだ」
「……はぁ……」
魔理沙が苦しげに搾り出した言葉を聞いて、紫は心底呆れたようにため息をつく。
「なんだよ」
「あのねぇ……いや、まぁいいわ。とにかく今は霊夢のところに行ってあげて。二対一は流石に辛いと思うわ」
「あぁ……そうだな。わかった」
魔理沙が飛び去ったのを見届けて、紫は呟いた。
「結婚したくらいで……例えあなたにふられたとしても、あの子達が諦めるようには見えないのだけれどね」
「霊夢ーーーー!!」
魔理沙が駆けつけたとき、霊夢はかなりの深手を負っていた。
せっかくのウェディングもボロボロになったしまっていた。
対するアリスとパチュリーの消耗も相当なものだったらしく、二人とも肩で息をしていた。
「霊夢っ!!」
駆け寄り、肩を支えてやる。
「……ハァ……ゥクッ……魔理沙?」
霊夢はそのまま魔理沙に体を預けた。
「霊夢、すまない!!私のせいでこんな……」
「いいのよ魔理沙……私あなたの為なら死ねる……」
「そんなこと言うな!今医者を……」
「いいのよ魔理沙……それより、さっきの誓いを……ちゃんと聞かせて……?」
霊夢が弱弱しく笑顔を創り、魔理沙の手を握る。
「ちょっと待って魔理……」
アリスの声も今の魔理沙には届かない。
「わかった。誓う!私はお前を一生幸せにするぜ!!」
その言葉を聞いて霊夢の目が怪しく光る。
「ケヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!ほぅらみなさい!魔理沙は私を愛してるのよ!!あんた達の入り込む隙なぞないわぁ!!」
怪我などなかったかのように復活した霊夢。
「く……魔理沙がくる直前に被弾したのはこれが狙いだったのね」
苦々しげにパチュリーが口を開く。
先程まで霊夢は二人の魔女を相手にしてなお傷一つ負っていなかった。
消耗していた二人に勝ち目はないと思われたが、どういうわけか何ということはない弾に被弾したのだ。
「あれ~ひょっとして私また騙された?」
霊夢の演技に騙された魔理沙がしくしくといじけだす。
いい加減学習してもいい頃だが、それだけ霊夢の演技が素晴らしいのだろう。
……もしくは、魔理沙が単純なだけか。
「あーーー!!魔理沙をいじめたわね!!今日という今日は!!」
アリスがけたたましく叫ぶ。
「そのセリフは聞き飽きたわ」
そう言って霊夢は魔理沙の胸を弄る。
「「あぁーーー!!」」
それを見て二人が叫ぶ。何と羨ましい……と。
「んやっ……ちょっと霊夢……みんながみてるじゃない……(ポ」
アリスが遠い世界に旅立ったあの日以前と比べて、明らかにリアクションが違うのは気のせいだろうか。
……あれから今まで何があったのか……魔理沙の言葉遣いから推測するに…………。
「あぁ、あったあった」
霊夢は魔理沙の服の中から一枚の符を取り出した。
「魔理沙の恋符借りるわね♪」
ボソ(続きは今夜……ね)
「ふぁ……あ、あぁ」
魔理沙は頬を真っ赤に染めてコクンと頷いた。
「ヤヴァイどうしようパチュリー。今の魔理沙可愛すぎると思わない?」
「どうするもこうするも……○っちゃうしかないでしょう?」
そんな魔理沙を見て欲情する魔女二人。
魔理沙には自分に素直になりすぎて暴走させる魅力が備わっていた。
「魔理沙の○○○を○○○で○○○いて○っていいのは私だけーーー!!」
霊夢の叫びと共に、手にもつ恋符に魔力が収束する。
「うそ!?」
「なんであなたが!!」
「二人の愛はさながら極太レーザーのようにーーーー!!!」
「「なんじゃそりゃーーーーーー!!」」
マスタースパークは恋路の邪魔をする輩を馬のような勢いで貫いていった。
「アリス……パチュリー……」
どこか遠くの山のそのまた向こうにふっとんでいった二人を思い、魔理沙は涙した。
「大丈夫よ魔理沙……あなたには私がいるじゃない。私だけをみて魔理沙」
「霊夢……うん。愛してるよ……(ポ」
「んもう♪そんなことわかってるけどうれしいわ(はぁと」
その日、霧雨邸には情熱的ななにかいろんなことがあったとかなくもなかったとか。
――どこかの山奥――
「諦めないわよー」
「あぁ、魔理沙ぁ……」
「ほら、やっぱりね」
隙間妖怪はボロボロになった二人を愉快そうに眺めて笑った。
つまり霊夢達は16歳以上?
でも背景と「愛の極太レーザー」に直撃⇒撃沈⇒完敗です。
しろはた~
旅行も気になりますが浮気編が一番気になりますねぇ。
一体誰と誰がするのか。(笑
名前が無い程度の能力様>そこは幻想郷の謎の中ということで(笑
SETH様>被弾しちゃいましたか~。魔理沙に誓わせるために(笑
床間たろひ様>ボクも特別百合が好きというわけではないんですヨ、実は。
ただ霊夢と魔理沙が二人とも偶然女の子だったというだけで(笑
シゲル様>待っててくれてありがとうございます!
思いっきり趣味で書いちゃってますが(汗
相手は……ん~、あの二人じゃ展開が同じですよネ?(笑
恋愛ターミネーターな魔女二人でおなかイッパイです
年齢は・・・まぁ、その手の法律なんて彼の地には無いだろうから問題ないですよね?
果たして魔女コンビは一矢報いられるのか
はたまた暴走巫女がお邪魔女どもを蹴散らし激甘新婚生活を送るのか
・・・次回に期待しますです
期待は厳禁です(汗
そしてそろそろ画像外しますネ♪
相変わらずの、ルナティックな愛の弾幕ごっこで楽しく読ませていただきました。
あと、霊夢を魔理沙に取られたくない奴らが襲ってくる展開も欲しい