「うわー!広い!綺麗!素敵じゃないですか!……少し紅過ぎてレミリアさんの趣味を疑いますけど」
「一言多い褒め言葉ありがとう、早苗」
そう言いながら咲夜さんは重いであろう荷物を持ちながらスタスタと瀟洒に歩いていく。それを私が少し駆け足で追いつこうと頑張る。
何故私が紅魔館にいるかというと、数時間前のことである。
人里で買い物をしていたら結構な量の荷物を持っている咲夜さんを見つけた。そのまま素通りしてもよかったのだが「ある事」を思いついて近付いて行き、彼女の反対を押し切って荷物を半分持つことになった。
荷物が思ったよりも重くて、まあ、少し後悔はしている。
……しかしさっきから思っていたのだけど、ここって外で見た時よりも広い気がするのは気のせいだろうか…………ああ、たしか咲夜さんが空間を操って館を広くしているって聞いたことがあるような。
「ほら、調理場に着いたわよ。ここに荷物は置いてて、持ってくれて助かったわ」
と、考え事をしているうちに到着したらしい。
「咲夜さん歩くスピードが速いですよー。荷物も重かったし………もうヘトヘトですよー………あ!お礼とかは無いんですかね!?飲み物とか!!」
「貴女、すっっごく図々しいわね!?いきなり近寄ってきたと思ったら『重そうですね!持ちますよ!』って無理矢理荷物を奪って、挙句の果てにお礼を要求してくるとか……まあ、お茶くらいなら出せるけど………」
と、呆れた顔をしながらもキッチンの方へ向かう咲夜さんを見ながら私はある質問をしてみた。
「お茶ってどこで飲むんですか?」
「私の部屋よ」
「おー、咲夜さんの部屋ですかー」
そう興味無さそうに言ったが、内心は喜んでいる。咲夜さんってめったに自分の部屋に他の人やら妖怪を入れるようなことをしそうにないので貴重な体験である。
それに……………………………………
「………思ってた以上に、味気ない部屋ですねぇ……………」
同世代とは思えないくらいの家具の少なさと生活感があまり無い雰囲気が漂う部屋で唖然とした。
「はいはい、味気ない部屋で悪かったわね」
そういいながら咲夜さんは私の分と自分の分の紅茶を机の上に置いた。
「あ、熱いから気を付けてね」
「咲夜さんみたいに猫舌じゃないから大丈夫ですよー」
カップを持ち飲もうとすると、紅茶の香りが今まで飲んできたことのある紅茶の香りとは全く別物で一瞬これが紅茶なのかと疑ってしまった。
味もそうだ、味が香ばしくコクがあって美味しい。外の世界の紅茶とは全く違う、別物だ。これが本当の紅茶なのだろうか。
「咲夜さん……これが紅茶なんですね…………!」
「ふふっ、何紅茶を飲んだくらいで感動してるのよ」
そういいながら苦笑いする咲夜さん。
咲夜さんが外の世界の紅茶を飲んだらどんな批評を言うことやら………
「そうだ、今度紅茶の入れ方教えてくださいよ」
「良いけど、私はそういう事に関しては鬼になるわよ?」
「悪魔の狗じゃなくて悪魔の鬼ですか」
「悪魔の鬼ね」
……などと雑談をしているうちに日も暮れてきた。そろそろ帰らないと神奈子様と諏訪子様が心配するかもしれない。
「暗くなってきてレミリアさんも起きるころじゃないですか?私も晩御飯を作らないといけないし今日はこのへんで失礼しますね」
「ああ、ホントね。もうこんな時間、お嬢様が起きちゃうわね」
「………………ああ、あと」
まだ紅茶が残ってたから最後の一口を飲もうとしたらいきなり咲夜さんから、
「私と2人で話したかったら下手に目的隠さずに気軽に来ればいいのに」
「ぶっ!?」
思わず吹いた。
「な、なな、ななななななんのことですかねぇ!?」
「貴女、顔に出やすいのよ。人里でも何か企んでそうな顔をしてたし、調理場でもニヤけてたし」
「何でバレるんですかねぇ………」
そう、人里で思いついた「ある事」とは「咲夜さんと2人っきりで話すこと」である。
実は結構前から咲夜さんに思いを寄せていたのだが、話す機会がめったに無くて、私と咲夜さんは宴会の時に話すくらいだった。
確かに宴会で咲夜さんと会話は出来るが、咲夜さんの周りにはいつもレミリアさんや美鈴さん達などがいるため2人っきりということが全くないのだ。
そのため咲夜さんと2人っきりで話すことに憧れていた。
そして今日、人里で咲夜さんを見つけた時にこのことを実行するか悩んだ結果、バレた。
「私ってそんなに顔に出やすいんですかね………」
「ええ、今も顔が真っ赤よ……くくっ………」
と、咲夜さんがムカつくくらいニヤニヤしながら言った。てかもう笑ってる。
「わ、笑わないでくださいよ!?頑張って隠してたのに!!」
「え、ええ……本当に"面白いくらい"頑張ってたわね…………くっ……………」
「面白いくらい………?」
面白いくらい、という言葉の意味に気付いて私は、
「う」
「うわあああああああああああああああああああああばかああああああああああああああああああああああああああああああずっと笑ってたんですねええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
叫んだ。
「一言多い褒め言葉ありがとう、早苗」
そう言いながら咲夜さんは重いであろう荷物を持ちながらスタスタと瀟洒に歩いていく。それを私が少し駆け足で追いつこうと頑張る。
何故私が紅魔館にいるかというと、数時間前のことである。
人里で買い物をしていたら結構な量の荷物を持っている咲夜さんを見つけた。そのまま素通りしてもよかったのだが「ある事」を思いついて近付いて行き、彼女の反対を押し切って荷物を半分持つことになった。
荷物が思ったよりも重くて、まあ、少し後悔はしている。
……しかしさっきから思っていたのだけど、ここって外で見た時よりも広い気がするのは気のせいだろうか…………ああ、たしか咲夜さんが空間を操って館を広くしているって聞いたことがあるような。
「ほら、調理場に着いたわよ。ここに荷物は置いてて、持ってくれて助かったわ」
と、考え事をしているうちに到着したらしい。
「咲夜さん歩くスピードが速いですよー。荷物も重かったし………もうヘトヘトですよー………あ!お礼とかは無いんですかね!?飲み物とか!!」
「貴女、すっっごく図々しいわね!?いきなり近寄ってきたと思ったら『重そうですね!持ちますよ!』って無理矢理荷物を奪って、挙句の果てにお礼を要求してくるとか……まあ、お茶くらいなら出せるけど………」
と、呆れた顔をしながらもキッチンの方へ向かう咲夜さんを見ながら私はある質問をしてみた。
「お茶ってどこで飲むんですか?」
「私の部屋よ」
「おー、咲夜さんの部屋ですかー」
そう興味無さそうに言ったが、内心は喜んでいる。咲夜さんってめったに自分の部屋に他の人やら妖怪を入れるようなことをしそうにないので貴重な体験である。
それに……………………………………
「………思ってた以上に、味気ない部屋ですねぇ……………」
同世代とは思えないくらいの家具の少なさと生活感があまり無い雰囲気が漂う部屋で唖然とした。
「はいはい、味気ない部屋で悪かったわね」
そういいながら咲夜さんは私の分と自分の分の紅茶を机の上に置いた。
「あ、熱いから気を付けてね」
「咲夜さんみたいに猫舌じゃないから大丈夫ですよー」
カップを持ち飲もうとすると、紅茶の香りが今まで飲んできたことのある紅茶の香りとは全く別物で一瞬これが紅茶なのかと疑ってしまった。
味もそうだ、味が香ばしくコクがあって美味しい。外の世界の紅茶とは全く違う、別物だ。これが本当の紅茶なのだろうか。
「咲夜さん……これが紅茶なんですね…………!」
「ふふっ、何紅茶を飲んだくらいで感動してるのよ」
そういいながら苦笑いする咲夜さん。
咲夜さんが外の世界の紅茶を飲んだらどんな批評を言うことやら………
「そうだ、今度紅茶の入れ方教えてくださいよ」
「良いけど、私はそういう事に関しては鬼になるわよ?」
「悪魔の狗じゃなくて悪魔の鬼ですか」
「悪魔の鬼ね」
……などと雑談をしているうちに日も暮れてきた。そろそろ帰らないと神奈子様と諏訪子様が心配するかもしれない。
「暗くなってきてレミリアさんも起きるころじゃないですか?私も晩御飯を作らないといけないし今日はこのへんで失礼しますね」
「ああ、ホントね。もうこんな時間、お嬢様が起きちゃうわね」
「………………ああ、あと」
まだ紅茶が残ってたから最後の一口を飲もうとしたらいきなり咲夜さんから、
「私と2人で話したかったら下手に目的隠さずに気軽に来ればいいのに」
「ぶっ!?」
思わず吹いた。
「な、なな、ななななななんのことですかねぇ!?」
「貴女、顔に出やすいのよ。人里でも何か企んでそうな顔をしてたし、調理場でもニヤけてたし」
「何でバレるんですかねぇ………」
そう、人里で思いついた「ある事」とは「咲夜さんと2人っきりで話すこと」である。
実は結構前から咲夜さんに思いを寄せていたのだが、話す機会がめったに無くて、私と咲夜さんは宴会の時に話すくらいだった。
確かに宴会で咲夜さんと会話は出来るが、咲夜さんの周りにはいつもレミリアさんや美鈴さん達などがいるため2人っきりということが全くないのだ。
そのため咲夜さんと2人っきりで話すことに憧れていた。
そして今日、人里で咲夜さんを見つけた時にこのことを実行するか悩んだ結果、バレた。
「私ってそんなに顔に出やすいんですかね………」
「ええ、今も顔が真っ赤よ……くくっ………」
と、咲夜さんがムカつくくらいニヤニヤしながら言った。てかもう笑ってる。
「わ、笑わないでくださいよ!?頑張って隠してたのに!!」
「え、ええ……本当に"面白いくらい"頑張ってたわね…………くっ……………」
「面白いくらい………?」
面白いくらい、という言葉の意味に気付いて私は、
「う」
「うわあああああああああああああああああああああばかああああああああああああああああああああああああああああああずっと笑ってたんですねええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
叫んだ。
欲を言えばもう少しボリュームが欲しかったですね。なので80点で。
おしゃべりしに押しかけて来ちゃうのは十分ありそうで面白かったです