「あ……麦茶のストックが切れてる…………」
私、姫海棠はたてはおよそ3カ月ぶりに家の外へ出る事になったんだけど、困った事がひとつ、いや、
一つじゃ収まりきらないくらいあった。
外に出ることがないという理由で手入れを怠ったばかりに傷み放題伸び放題の髪。おまけに前髪も切っていないものだから
外の世界で一時期ブームになった映画に出てくる井戸の底から出てくる悪霊そのもの。ほぼ昼夜逆転のような生活を送っていたものだから
日焼けを一切していない青白い肌。その上不規則な生活がたたって目の下に隈が出来て顔も……………うん、はっきり言ってブスだ。
何十年と洋服なんて買っていないものだから洗濯しすぎてヨレヨレのジャージ………………
この姿を射命丸文(アイツ)に見られたら絶対笑われる。笑われるだけならまだ可愛い方よ。
ネタにされて幻想郷中にバラ撒かれる…………?!
はぁー………………いいよね、アイツは。私なんかと違って明るいし、可愛いから友達沢山いて、男からもモテて。
しかも要領もいいし私みたいにトロくないから苦労なんて一切してなさそう。神様は何で格差なんてものを作ったのかしら………………不公平よ。
――――――ピンポーン…………
私なんかの家に来客なんて来るのか。
「はーい。」
「はたてさんんんんんん?! 」
「あら、椛じゃない。」
アイツじゃなくて椛だった。いつ以来だろう。なんか背伸びてない? あと三十年もしないうちに追い越されるかもね。
「はたてさん…………ですよね? 」
「そうよ。……で、何か用? 」
何よその目は…………犬にまで捨て犬を見るような目で見られるのって凄く複雑な気分。
「河童から胡瓜沢山貰ったのでお裾分けしようと思いまして…………」
「玄関に置いといてー。」
「はーい。…………思ったんですけど、前見えるんですか?」
「あー? 分ければ見えるから。」
余計なことはいいからとっとと帰れよ!!!
「そうですか…………、また今度…………遊びに来ますね…………」
椛はそそくさと帰って行った。それにしても気分悪いなぁー…………
だらだらと部屋に戻った時、1年以上前にアイツから借りて未だに返してないファッション雑誌が目に入った。
「やば。アイツに本借りっぱなしだったわ…………」
適当にページをパラパラめくっていくと、あるコーナーが目に入った。
『これでアナタもモテる事間違いなし! 』
『イメチェンしてライバルを見返してやろう! 』
そうかそうか、アイツみたいにビッチになれっていうんだね………………
ふっとアイツの馬鹿にしたような目で私を罵ってくる姿が脳裏に浮かんだ。
多分このままじゃ絶対アイツに一生馬鹿にされるままよ。
――――――私は決めた、変わってやると。
――――ピンポーン…………
「はーい。」
「はたてさーん…………って一体どうしちゃったんですか?!」
「どうしたって…………、イメチェンよ? 何か文句でもある? 」
椛は私を見るなり普段の彼女からは想像もつかないくらいに驚いていた。
「アンタの言うとおり、美容院行って髪の毛切ってきたついでにパーマかけたのよ。」
「女って変わるんだぁ~…………」
あの廃れていた頃とは違って髪を切っただけでなくツインテールとかいう髪型にして、服もオシャレなお店で
流行ってるデザインのを3時間くらいかけて選んだ以外にあの雑誌に書いてあるようなメイクをして、自分で言うのもなんだけど、ビッチっぽくなった。
余りにも変わりすぎた私に衝撃を受けたのか、椛は要件を言わずにそのまま帰ってしまった。
よっしゃああああああああああああ! これで、私は変われた!
変われた。変われた………………確かに私は変わった。外見だけは。
――――――そうだ、折角だから散歩してこよう。
私、姫海棠はたてはおよそ3カ月ぶりに家の外へ出る事になったんだけど、困った事がひとつ、いや、
一つじゃ収まりきらないくらいあった。
外に出ることがないという理由で手入れを怠ったばかりに傷み放題伸び放題の髪。おまけに前髪も切っていないものだから
外の世界で一時期ブームになった映画に出てくる井戸の底から出てくる悪霊そのもの。ほぼ昼夜逆転のような生活を送っていたものだから
日焼けを一切していない青白い肌。その上不規則な生活がたたって目の下に隈が出来て顔も……………うん、はっきり言ってブスだ。
何十年と洋服なんて買っていないものだから洗濯しすぎてヨレヨレのジャージ………………
この姿を射命丸文(アイツ)に見られたら絶対笑われる。笑われるだけならまだ可愛い方よ。
ネタにされて幻想郷中にバラ撒かれる…………?!
はぁー………………いいよね、アイツは。私なんかと違って明るいし、可愛いから友達沢山いて、男からもモテて。
しかも要領もいいし私みたいにトロくないから苦労なんて一切してなさそう。神様は何で格差なんてものを作ったのかしら………………不公平よ。
――――――ピンポーン…………
私なんかの家に来客なんて来るのか。
「はーい。」
「はたてさんんんんんん?! 」
「あら、椛じゃない。」
アイツじゃなくて椛だった。いつ以来だろう。なんか背伸びてない? あと三十年もしないうちに追い越されるかもね。
「はたてさん…………ですよね? 」
「そうよ。……で、何か用? 」
何よその目は…………犬にまで捨て犬を見るような目で見られるのって凄く複雑な気分。
「河童から胡瓜沢山貰ったのでお裾分けしようと思いまして…………」
「玄関に置いといてー。」
「はーい。…………思ったんですけど、前見えるんですか?」
「あー? 分ければ見えるから。」
余計なことはいいからとっとと帰れよ!!!
「そうですか…………、また今度…………遊びに来ますね…………」
椛はそそくさと帰って行った。それにしても気分悪いなぁー…………
だらだらと部屋に戻った時、1年以上前にアイツから借りて未だに返してないファッション雑誌が目に入った。
「やば。アイツに本借りっぱなしだったわ…………」
適当にページをパラパラめくっていくと、あるコーナーが目に入った。
『これでアナタもモテる事間違いなし! 』
『イメチェンしてライバルを見返してやろう! 』
そうかそうか、アイツみたいにビッチになれっていうんだね………………
ふっとアイツの馬鹿にしたような目で私を罵ってくる姿が脳裏に浮かんだ。
多分このままじゃ絶対アイツに一生馬鹿にされるままよ。
――――――私は決めた、変わってやると。
――――ピンポーン…………
「はーい。」
「はたてさーん…………って一体どうしちゃったんですか?!」
「どうしたって…………、イメチェンよ? 何か文句でもある? 」
椛は私を見るなり普段の彼女からは想像もつかないくらいに驚いていた。
「アンタの言うとおり、美容院行って髪の毛切ってきたついでにパーマかけたのよ。」
「女って変わるんだぁ~…………」
あの廃れていた頃とは違って髪を切っただけでなくツインテールとかいう髪型にして、服もオシャレなお店で
流行ってるデザインのを3時間くらいかけて選んだ以外にあの雑誌に書いてあるようなメイクをして、自分で言うのもなんだけど、ビッチっぽくなった。
余りにも変わりすぎた私に衝撃を受けたのか、椛は要件を言わずにそのまま帰ってしまった。
よっしゃああああああああああああ! これで、私は変われた!
変われた。変われた………………確かに私は変わった。外見だけは。
――――――そうだ、折角だから散歩してこよう。
そうなんだ、で終わっちゃう
と聞きたくなるくらいに「これからストーリーが始まる感」が強かったです。
はたてがイメチェンした(これにももっとそれなりの理由付けが欲しいですが)後、
何を為すのか、そこが読者の見たいところだと思います。