Coolier - 新生・東方創想話

幻想と主従。ブン屋の密着取材

2013/08/28 20:18:55
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 紅魔館 レミリア・スカーレット

「メイドの扱い方?そんなの簡単よ。アメと鞭。これに限るわね」
ーというと、メイドにはとても厳しくなさるのですか?
「私ね、主である絶対条件ってのは”威厳”だと思うの。だって、そうでしょ?部下に舐められたら主君としてのカリスマもへったくれもないからね」
ーふむ、自分はよく出来た主君を演じて尊敬してもらいたい、と?
「素の自分を晒け出さない・・・というのはちょっと違うかもね。私、我が侭だとは自覚してるけど自分の総てをメイド達に理解してほしいわ」
ーはぇ~、何だか難しい話ですね。
「話は戻るけど、新入りのメイドが私のティーカップを落として壊してしまったことがあったの」
ーふむふむ。
「それでね、そのメイドは私に報告しまいかどうか悩んでたらしくて・・・。何でそれが分かったかって?ツェペシェの末裔の目はごまかせなかったって事よ」
ー自信満々に仰いますが、そのメイドの処理はどうしたので?
「そのメイドは一晩中悩んだ挙げ句、朝一番に私に報告してきたわ。・・・お陰でティータイムの興は削がれちゃったけど、許してあげたわよ。ティーカップと違ってメイドの代わりはそうそう補充できないんだから」
ーふーむ、とっても寛大。黙ってたらどうするつもりでした?
「もし黙ってたままだったら?うーん、そうね・・・クビにするのは当然として、四分の一くらい殺しといたでしょうね」
ーおっかないですねぇ、四肢は五体満足でいたいものです。
「勿論、やらかした事の罰は受けてもらうわよ。私のメイドの教育方針は”アメと鞭”なんだから。お尻ペンペン千回ぐらいで勘弁してやるわ」
ーん?それだとアメじゃなくて鞭ばかりな気がしますが・・・。
「うるさいわね、日頃何も口出さないんだから十分”アメ”よ。今はメイドの仕事はぜぇーんぶ、咲夜の管轄内なんだから」
ーうーん、部下を全面的に信頼する主君の鑑ですね。
「はいはい、天狗並のおべっかご苦労様。・・・・・・あ、ちなみに私のティーカップを割ったメイドってのは咲夜のことよ」



永遠停   蓬莱山輝夜
ーお邪魔しまーす。夜分遅くすいませんね、といってもまだ夕飯前ですが。
「こんばんは、天狗が取材に来るなんてとても珍しいわね。明日は
月でも降るんじゃないかしら」
ー月が降ったら大変な事じゃすまなそうですが・・・。あ、もしかしたら輝夜さんじゃなくて永琳さんに取材した方が良さげだったりします?
「いえ、全然構わないわよ。最近は永琳や兎達としかしゃべってなかったしね。永遠停に客が来るのも最近は少なかったし・・・あ、そうそう、主と主従の在り方について取材だったわね」
ーはいはい、ずばり、姫様の率直な意見を聞かせてくださいな。
「うーん、そうねぇ・・・。その手の考えはあまり思索したことがないわねぇ。どっちかっていうと永琳向けの質問かしらね」
ーあ、そうなんですか?でも取材なのでせめて一言ぐらいいただけませんかね?
「あ、こんな姫からでも一つだけ言えることがあるわ。それはね、
”相互に依存しつつ良関係を保っていくこと”」
ーえ?何だか難しいようで当たり前のような事に聞こえますが。
「うん、でもね、これは主従関係に於いて最も重要な事項なの。だって、そうでしょ?部下との関係が悪化して謀反でも企てられたらおちおち眠りにも着けないわ」
ー一気に血なまぐさそうな話になりましたね。
「現実を視てるのよ、私は。主は部下に信頼と見返りを供給して、部下は主にご飯と安心して眠れる根城を用意する。勿論、主に相当な器と手腕がなければおよそ両立しないでしょうね」
ーふむ、姫様の器が為せることだと。
「あー、私の場合は永琳がいるから、兎達の些細事は彼女が面倒見てくれるわ」
ーあ、やっぱり。ということは、姫様はいてもいなくても同じことだと?
「んー、どうかしらねー。そこんとこは私と永琳あっての物種といえるわね。だって、永琳は私という依り代に依存し、私は彼女の技量、力量に依存してるわけだし」
ーふむふむ、永琳さんは決してタダ働きなどではないと。
「私は一日三食のご飯と布団があれば何も口出さないけどね。んー、天狗ってみんな腹に一物抱えてそうだし、この話を実行するのは難しいかもね。貴方達の社会はご存じないけど」
ーまぁ、うちらは排他的ですからねぇん。あ、こんなもんで結構ですよ、長々ありがとうございましたー。
「あら、もう帰っちゃうの?なんなら、お夕飯でも食べていけばいいのに」
ーあ、いえいえ。これから取材記事のねつぞ、編集がありますからー。
「・・・そう。それじゃ、またね。あら、いつの間にか月が出てる。・・・・・・とても綺麗な満月ね」
いつの間にか厚雲より露出した満月が蓬莱山輝夜の顔を照らし、その顔はあっけらかんとした口調とは裏腹に妖艶な笑みを浮かべていた。
文は一つ思案した。もしや、この温厚そうで屈託ない姫は幻想境一番の非常さを持ち合わせているのではないか、と。


命蓮寺 聖白蓮

ーこんにちはー。取材に応じてくれるとのことで駆けつけてきましたが、準備は宜しいですか?
「こんにちは、こちらは結構ですよ。今日も取材に精が出ているようでなによりですわ」
ーええ、ありがとうございます。えーと、ホントに取材始めていいんですよね・・・?
「ええ、私で良ければインタビューに応じますよ。えーと、題材は主従関係・・・だったかしら?」
ーそうです。ズバリ、白蓮さんのお考えを聞かせちゃってください。
「なんだか難解な話題ですわね。私は誰かを使役してはいないし、主従関係も構築していないから・・・。果たしてお役に立てるかしら」
ーえっ、主従関係が無い、とは一体?
「ええ、だって人と妖怪、お互いが分かり合うのに上下関係は必要ないと私は思うんです。荒唐無稽かもしれませんが、実際このやり方で世間での魑魅魍魎と呼ばれる存在と共存できていますので・・・」
ーでも、貴方は命蓮寺の統率者と言える立場にあるのだと思いますが・・・。もしや、その立場におられる自覚がないと?
「自覚がない・・・とは、実際そうだったら確かに可笑しいですね。ですが、私は誰にでも平等でいるつもりです。日の三食も皆同じ量、家事炊事は寺に住む者で共同、分担は当たり前。勿論、己の私欲を最とした諸行は許容できません。そういった平等を常にして共存できるのならば主従といった関係は無用になるでしょう」
ーとても簡単なようでとても難解なようですが・・・。少なくとも白蓮さんはその理想に準じていると?
「ええ・・・私は誰にでも無欲で平等であるつもりです。・・・・・・残念なことに、何処ぞの仙人といった不届き者など、解せぬ輩がいるのも事実ですが」
ーはぇー、常識人を地でゆく人なのですね。この幻想境で珍しい。
「常識人、と呼ばれると少し照れてしまいますね。ですが、私はこの思想を用いて幻想境に住まう総ての存在と理解し合える事を目標としています。それは貴方方、天狗も例外ではないのですよ?」
ーあ、はい。でも、天狗は私以外は閉鎖的で傲慢ちきばかりですよ?おっと、取材は以上です。お疲れさまでした。
「ええ、少しは為になる話であったなら良かったのだけれど・・・。何にせよ今日はお疲れさまでした」

文は邪なものは一切感じられない、誠実さが込められた微笑みを向けられ、聖に愛想笑いを返した。総ての者が平等であれ、という聖の理想に自らのジャーナリズムと似通った部分を垣間見えながらもその一途さには気味の悪さをも感じた。聖白蓮という人物とわかり合えない人種の気持ちも容易に想像できるのが文には興味深い事象だった。



取材後、射命丸文は人っ子一人いない森の木々の上で休憩していた。文は取材した出来事のメモを脳内で整理しつつ、幻想境の風を感じた。木々が揺れ、葉が擦りあう音色の重奏が聞こえる。とても心地がよい。風には何の感情もなく、ただ漫然とした噂と裏表がない情報のみを運んでくる。
「そうだ、私は風になろう・・・・・・」
それは無意識からこぼれ落ちた独り言であったが、文の逡巡をかき消す広量たる呟きだ。正直、文は取材した三者の念は理解することができなかった。共感できる部分は多々あるにしても、容易く誰とも慣れあおうとしない天狗の血がそうさせるのかもしれなくても。唯、彼女は風の役割を担えれば結構なのだ。幻想境に情報を届ける一途なブン屋であれば満足なのだ。
「主義思想は関係ない。私は伝えるだけ」
たとえ、自分が伝えた情報が間違っていたとしても、世界という噂と真実にまみれた海が修正してくれる。文は風と翼を共鳴させ、波に乗ったかのように風に吹かれて舞い踊った。さて、ブン屋の明日は早い。明日はどんな記事を作ろうか。
ふと思いついた幻想郷における主従関係の在り方。それを題材に幻想郷のブン屋である彼女を主人公とした物語を書いてみました。
murakumo
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コメント



0.120簡易評価
1.50名前が無い程度の能力削除
ツェペシェ
永遠停
永遠停
幻想境
非常
幻想境
幻想境
幻想境
広量

ざっと見たところこんな感じでした。
さて内容につきましても、…この文はコミュ障か気狂いかのどちらかに違いない、といったところでした。たとえば、輝夜が妖艶に月を眺めると何故か「非情」というあてはまりようのない形容をつけ、無欲で平等な宗教人の聖を「常識人」と呼び、そしてこの辺から論理と日本語が(更に)崩壊していきます。
…要約すると、(そもそもテーマに対する代表性を欠く)3人にインタビューをしてみるも、内容がまったく理解できずに頭がこんがらがってわけがわからなくなり、諦めた結果が、脈絡の無い「そうだ、私は風になろう」発言だった、と。

おバカな文もかわいい?のでしょうか?
2.20非現実世界に棲む者削除
誤字が酷い。
それに文の取材動機も書かれていなくて不十分。
もうちょっと内容を確立させてください。
5.60名前が無い程度の能力削除
誤字はまぁ散々指摘受けてるみたいなのでおいておくとして、

>「そうだ、私は風になろう・・・・・・」
なんか現実から目を背けてる人間みたいで笑ってしまった
10.603削除
この手の話はそれぞれの立場の人が発言しそうな事を考えるのが難しいと思うのですが、
それなりに説得力があった(=発言がその人らしかった)気がします。
より高い評価を得るならば、誤字を無くしたり小説の基本ルールを守ったりするのは勿論ですが、
会話文だけで進めず地の文で文の心情や風景を描写してみたり、
より説得力を増すような話し方となるよう工夫してみたりすると良いのではないでしょうか。