普段はひっそり静まり返っている白玉楼に、咳の音が響く。
「すいません、幽々子様。こんなことさせてしまって」
「いいのよ、妖夢」
妖夢は、申し訳ございません、と言おうとしたが、咳でそれさえ言えなかった。
この白玉楼を整備し、食事を作り、ある時は主の我儘の様なものを聞く。
それをたった一人でこなしている妖夢が、風邪を引いた。
「永遠亭の置き薬があって良かったわね。私が永遠亭に行かなくて済んだわ」
それは早く治せという軽い脅しなのか。
幽々子が氷嚢を用意して妖夢の額に乗せる。
「ありがとうございます」
そういってまた妖夢が咳き込む。割と重そうな症状だ。
しかし永遠亭の薬が腐ったりしていない限り、明日位には快方に向かうだろう。
妖夢の事だから管理系統はしっかりしていると信じよう。
いつかしっかりお灸を据えたことを忘れるような子じゃないし。
「今日は私が全部やるから妖夢、あなたは休んでなさい」
「面目ないです……」
「あ、今日は気分がいいから何か欲しい物とかあったら言ってね」
「は、はい」
「灰が欲しいの?」
「いえいえいえ!……生姜湯か大根飴が何かを頂ければ嬉しいです……」
消え入るような声で言ってまた咳き込む。
「仕様がないわね。作ってあげるわ」
「ありがとうございます」
熱が出ているのか、仄かに顔が赤い。
台所に幽々子が向かう。
「生姜湯と大根飴だっけー?」
大きな声が出しにくいので首を縦に振る。
「仕様が無いわねぇ」
なんかちょっと怒られてる気分だ。
「ほら、出来たわよ。西行寺幽々子特製よ」
「申し訳ないです」
飲もうとして体を起こす。
見ると、大根が小さくなっていた。
「……幽々子様」
「?なにかしら、妖夢」
大根飴は作り立てならまだ大根がそのままの形で残るはずである。
「もしかして、前日からこれを……?」
「いいのよ。ほら、冷えちゃうわよ?」
「ありがとうございます」
大根飴は甘くて、とろとろで、美味しかった。
それには多分、主の優しさも入っているのだろう。
すこし頬が紅くなった気がした。
……
「どう?美味しかった?」
「ええ。本当に申し訳ございません」
「むー。そういう時は、『美味しゅうございました』って言うのよ。はい」
「美味しゅうございました」
「上出来よ」
うふふ、と幽々子は笑った。
やっぱりまだこういうところは理解できる範囲ではまだなさそうだ。
「ところで、幽々子様」
「なあに?」
「厚かましいかもしれませんが……その 生姜湯の方は」
何か催促するようで少し気が引けた。
「あー。言ったじゃない。妖夢」
「はい?」
「『しょうがないわねぇ』って」
妖夢の風邪は、早く治ったという。
「すいません、幽々子様。こんなことさせてしまって」
「いいのよ、妖夢」
妖夢は、申し訳ございません、と言おうとしたが、咳でそれさえ言えなかった。
この白玉楼を整備し、食事を作り、ある時は主の我儘の様なものを聞く。
それをたった一人でこなしている妖夢が、風邪を引いた。
「永遠亭の置き薬があって良かったわね。私が永遠亭に行かなくて済んだわ」
それは早く治せという軽い脅しなのか。
幽々子が氷嚢を用意して妖夢の額に乗せる。
「ありがとうございます」
そういってまた妖夢が咳き込む。割と重そうな症状だ。
しかし永遠亭の薬が腐ったりしていない限り、明日位には快方に向かうだろう。
妖夢の事だから管理系統はしっかりしていると信じよう。
いつかしっかりお灸を据えたことを忘れるような子じゃないし。
「今日は私が全部やるから妖夢、あなたは休んでなさい」
「面目ないです……」
「あ、今日は気分がいいから何か欲しい物とかあったら言ってね」
「は、はい」
「灰が欲しいの?」
「いえいえいえ!……生姜湯か大根飴が何かを頂ければ嬉しいです……」
消え入るような声で言ってまた咳き込む。
「仕様がないわね。作ってあげるわ」
「ありがとうございます」
熱が出ているのか、仄かに顔が赤い。
台所に幽々子が向かう。
「生姜湯と大根飴だっけー?」
大きな声が出しにくいので首を縦に振る。
「仕様が無いわねぇ」
なんかちょっと怒られてる気分だ。
「ほら、出来たわよ。西行寺幽々子特製よ」
「申し訳ないです」
飲もうとして体を起こす。
見ると、大根が小さくなっていた。
「……幽々子様」
「?なにかしら、妖夢」
大根飴は作り立てならまだ大根がそのままの形で残るはずである。
「もしかして、前日からこれを……?」
「いいのよ。ほら、冷えちゃうわよ?」
「ありがとうございます」
大根飴は甘くて、とろとろで、美味しかった。
それには多分、主の優しさも入っているのだろう。
すこし頬が紅くなった気がした。
……
「どう?美味しかった?」
「ええ。本当に申し訳ございません」
「むー。そういう時は、『美味しゅうございました』って言うのよ。はい」
「美味しゅうございました」
「上出来よ」
うふふ、と幽々子は笑った。
やっぱりまだこういうところは理解できる範囲ではまだなさそうだ。
「ところで、幽々子様」
「なあに?」
「厚かましいかもしれませんが……その 生姜湯の方は」
何か催促するようで少し気が引けた。
「あー。言ったじゃない。妖夢」
「はい?」
「『しょうがないわねぇ』って」
妖夢の風邪は、早く治ったという。
もってけ、90点(゜∀゜;ノ)ノ
このwww
しょうがねぇなぁもう。
最後のセリフ、いい笑顔で言ったんだろうなーと容易に想像出来ます。
ラストの「妖夢の風邪は~」がいい味出してますね。
『しょうがないわねぇ』で終わりだと投げっぱなしという印象を受けたでしょうね。
しょうがないから80点あげよう。