【春ー東風吹かば】
ほのかに暖かい人里。人里をゆっくりと歩いていた妹紅の視界に鮮やかなピンク色が飛び込んできた。
「梅の花……」
春の気配のためか、はたまた今朝飲んだ薬のためか、ぼんやりした頭には梅の花の美しさを表す言葉が浮かんで来ない。けれども、一首の歌がふと蘇った。
東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
そういえば、梅の花は香りを楽しむものだったか。
「こんな香りが京の都から九州まで届くのかねぇ」
正直、あまり香りを感じない。
もっとも、本気で届くとも思っていないが。
「妹紅が一人でお花見してる」
すっかり梅の花に魅了されていると、透き通った高い声が耳に届いた。振り返ると、綺麗な水色の髪。もっと伸ばせば、平安の世でも美女と言われただろう。
「もう桜が咲いたんだね」
チルノは人里の子供のような間違えをした。美女とは言われても、才女とは言われなさそうだ。
「桜はまだ先かな」
「じゃあ桃?」
「よく知ってるけどハズレ」
「もうわかんない」
「これは梅の花よ。桜や桃よりも早く咲くの」
「それじゃあ、妹紅は梅の花でお花見してたんだ」
「花見っていうよりは、物思いかな」
「物思いってことは、誰か好きな人がいるの?」
「はい!?」
チルノの発言に、妹紅は思わず大声をだしてしまった。周囲を歩いていた人々の視線がこちらに集まるのを感じる。
「だって、花を見て物思いにふける人は、好きな人がいるって、輝夜が言ってたよ」
「輝夜が?」
「うん。それで、妹紅の好きな人って誰なの?」
「いやいやいや。いないから!」
「でも好きな人がいる人は、『いない』って言うよ?」
これはマズイ。
チルノが適当な噂を流したら、おもしろいように脚色されて七十五日はからかわれる。
「ちょっとそこの茶店でお話しようか? 奢ってあげるから」
「あたい、お団子がいい!」
お団子程度で噂にならないで済むなら、いくらでも奢る。
とりあえず五本ほど注文してあげると、チルノは視界の端に見える梅には目もくれず、三色のお団子を頬張った。まさに花より団子だ。
「それで、妹紅の好きな人って誰なの?」
お皿の上に三本の串が乗ったところで、チルノが目を輝かせて言った。
「誰もいないって。むしろ、恨まれてるくらいだから」
「あたい、天才だからわかるよ! 妹紅を好きな人がいて、でも妹紅には別に好きな人がいて……」
「なんだそのベタベタな物語は。もう、藤原ってだけで反応して恨んでくる男がいるんだよ」
「藤原?」
「べつにわたしは何にも関係ないんだけどねぇ。いろいろ後の連中がやってくれたから」
「いろいろ?」
「いろいろね。最後に九州に島流し」
ちなみに、島流しされた男の名前は菅原道真という。
「島流しにしちゃったら、恨まれてもしょうがないと思うけど……」
「それはそうなんだけどね。ただ、程度ってものがあると思うのよ」
「そんなに凄いの?」
「一番凄いのは、雷を落とされたことかなぁ」
「雷って、あの雷?」
「あの雷。内裏にドーンって」
「うわぁ」
チルノは最後のお団子を口に入れながら頬をひきつらせた。
口の周りがベタついているので、おしぼりで軽くふいてあげる。
「美味しかったー。ごちそうさま!」
「御粗末様でした」
「そういえば、妹紅が恨まれてるってどういうこと? 雷落とされたのって、昔の話だよね?」
チルノがお茶を飲みながら尋ねた。
そうなのよねぇ。
妹紅は心の中でため息をつく。いい加減、昔の話だし、わたし自身はなにも関係ないのだから、恨むのはやめてほしいと思う。
「どうも梅の時期になると、体調が悪くなるのよ」
「あたい、梅干し嫌い。酸っぱいもん」
「梅干しは体にいいから、食べた方がいいわよ」
「あたいのことはどうでもいいから、妹紅のこと話してよ!」
「本当に体調が悪くなるだけなんだけどね。島流しにされた人は梅が好きだったから、梅の時期になると恨まれるのかなぁって」
「なんか、大ちゃんと似てるね」
「大ちゃん?」
「あたいの友達。今日も大ちゃんの薬を取りに行った帰りだから」
そう言ってチルノは薬の入った袋を取り出す。
永遠亭の紙袋から取り出された薬は、妹紅が今朝見た記憶のあるもの。
「アレロックとポララミンって……。わたしとまったく同じじゃない」
「じゃあ、妹紅も薬を飲まないと、目が大変だったり、鼻水がひどかったりするの?」
「もう、飲まないとやってられないわよ。すぐに涙目になっちゃう。チルノは大丈夫なの?」
「あたいは大丈夫。誰かを島流しにしたことないから。大ちゃんもしたことないはずだけどなぁ」
「もしかしたら、名字が藤原なのかもよ?」
「それはないと思うけど……」
じーっと真剣にお茶の水面を眺めるチルノ。どうやら、本気で考え込んでいるようだ。
妹紅はぼんやりと梅の花に目をやった。
冬の景色にはない鮮やかなピンク色は、春の訪れを感じさせてくれる。
梅の花は今でも忘れずに春を届けてくれているようだ。
☆☆☆
【夏ー夏花火】
いくら四季を楽しむと言っても、限界というものはある。特に、夏の暑さに関しては。
かの有名な古典にも「夏は夜」とある。蛍を扱ってなんとなく風流にはしてあるが、所詮暑いのが嫌なだけではないだろうか。
霊夢はそんなくだらないいことを考えながら蚊帳の準備をしていた。外からは蝉の声や蛙の声に混ざって、境内にいる人間や妖怪の声も聞こえてくる。ふと目を閉じると、蚊取り線香の香りが届いてきて、これはこれで風流だと思った。
「やっぱり、夏は夜なのかも」
誰もいない部屋での声は、やけに響いた。返事の代わりに涼しい風が吹いて、風鈴が音を奏でる。
うん。これも悪くない。
霊夢は畳の上にそっと腰をおろした。葦草の香りが鼻をくすぐって心地よい。そっと目を閉じると再び夏の合奏が外から吹き込んできた。
空気に身をまかせること数分。
霊夢はようやく腰をあげた。いつまでものんびりしているわけにもいかない。外では魔理沙や妖怪たちが花火の準備をしているのだ。ほっといたら、家が燃やされる可能性もある。
「おーい、遅いぜ」
台所からまな板と包丁、それに塩を持って外にでると、魔理沙が不満そうな声をあげた。
「しかたないじゃない。蚊帳の準備にてこずったんだから」
霊夢は適当に返事をして、縁側に荷物を置いた。井戸から、昼間のうちに冷やしておいた西瓜を取ってくる。しっかり冷えているようで、手が少し痛い。
「西瓜ですか」
適当にまな板の上に切り分けたところで、美鈴がやってきた。
「美鈴は花火に参加しないの?」
「あんな、花火のような何かには参加したくないですよ」
そう言って美鈴が見る先には、手に様々な花火を持ったバカ達。2つの陣営に分かれ、開戦を今や遅しと待ちかまえている。
「来ないならこっちから行くぜ! エクスペクト・パトローナム!!」
意味の分からない呪文を唱えながら魔理沙がロケット花火を撃ち込んで、戦いが始まった。ロケット花火を撃ち、ねずみ花火を投げこみ、打ち上げ花火を水平発射する。戦いは激しさを増し、次第に境内は煙で覆われていった。
「まったく、あれじゃ弾幕と変わらないわよね」
美鈴が西瓜に塩をふりながら言った。
「どさくさに紛れて弾を打ってもバレなさそうね」
「いや、もう飛んでるわよ」
「あ、ほんとだ」
よくよく見ると、すでに星形の弾がロケット花火に紛れて打ち込まれていた。反撃として、ネズミ花火と一緒にクナイが打ち返される。もう何がなんだか……。
「結局騒げればいいだけじゃない」
「完全に呆れてますね。霊夢さん」
「呆れるわよ。こんな暑い時期に、あんなバカ騒ぎするなんて」
「花火で撃ち合いなんて、夏しかできないですけどね」
「秋になってもやってたら、本当にただのバカね」
「魔理沙さんあたりが提案して、やりそうですけど」
たしかに魔理沙ならやりかねない。霊夢は思ったが、言わなかった。別に深い理由があったわけではなく、単純に返事をするのが面倒くさかったからだった。話すよりも、夏を感じていたかった。
花火の音と光、それに火薬の香り。僅かに湿り気を含む空気と、西瓜の甘い味。
霊夢は夏を五感すべてで味わっていた。
「夏ですねぇ」
美鈴が霊夢の感情を読みとったように言った。
「夏ね」
「霊夢さんは、夏が好きなんですか?」
「あんまり好きじゃないわね。暑いし。でも」
「でも?」
「嫌いでもないわ。今は悪くないし」
「それじゃあ、わたしたちも少しはやりましょうか」
そう言って美鈴は蝋燭と一緒に花火を取り出した。
「線香花火?」
「撃ち合いの戦力にはならないですし。わたし、花火だと線香花火が一番好きなんです」
「わたしも線香花火は好きよ? って、あんた、なにしてんのよ」
「いや、糊がうまく剥がれなくて」
「貸してみなさい。剥がしてあげるから」
美鈴から線香花火の束を受け取って、丁寧に糊を剥がす。なかなかしっかり糊付けされていたが、慎重にやれば大したことはない。
「ほら。できたわよ」
「ありがとうございます。わたしがやると、線香花火切っちゃったりするんですよね」
「それ、よっぽど粗っぽくやるからでしょ」
「わかんないですけど……。とりあえずやりましょうか」
美鈴が差し出した線香花火を手にとって、蝋燭で火をつけた。
花火の先に小さな玉ができる様子を無言でじっと眺めていた。
不意に周囲の気配が絶たれ、夏の感覚だけが霊夢の中に流れ込んできた。
聴き慣れた魔理沙の声ですら、夏の音に聞こえてた。
その声を合図にしたように、目の前で花が咲いた。
飛び出した火の花は瞬きをした瞬間には消え去っていった。
不意に風が吹いた。
ほんのり秋の香りを含んだ冷たい風だった。
風に揺られて、わずかに手が揺れた。
小さな玉がポトリと落ちた。
小さくため息をついて、ぼんやりと周囲を見回した。
一瞬感じた秋の気配は消え去り、夏一色に染まっている。
けれども、秋は確実に近づいている。
もしかしたら夏は考えているよりもはるかに短いのかもしれない。
霊夢は改めて花火を撃ち合っているバカ達に目を向けた。
なんとなく、夏を惜しんでいるように見えた。
☆☆☆
【秋ー遊び】
博麗神社の宴会はいつも活気にあふれている。あちらこちらに輪ができて、酒を飲み、歌を歌い、弾幕を張る。それは中秋の名月の夜でも変わらなかった。お団子とススキ、それに里芋の煮物が用意されたこと以外、いつもと何も変わらない宴会。
騒げればなんでもいいのだろう。
珍しく参加していた輝夜は思った。別になんてことはない。中秋の名月だからといって、感傷に浸る必要もないし、風流になる必要もない。
けれどもなんとなく、ただ騒ぐだけでは、という思いはあった。
やはり中秋の名月なのだから。
そこで輝夜は遊び相手を探し始めた。せっかくの宴会だ。一人でいるのはもったいない。そして見つけたのは、白玉楼の主だった。
「ねぇ、西行の姫?」
幽々子の隣に座りながら、輝夜は言った。おそらくあまり好まないであろう呼び方で。
「あら? 意地の悪い竹取の姫が何の用かしら?」
幽々子の声は僅かに怒りを含んでいた。
いや、怒りとまでは行かない。多少の不愉快といったところだろうか。
そしてそれは、輝夜の予想通りの反応だった。
こういう反応をされると、どうしても底意地の悪さを押さえきれなくなる。
「一首、詠んでくださらない? せっかくの満月ですもの」
「こんなところで詠めとでも?」
「あら? 満月の歌は苦手でして?」
「いいえ。でも、この賑やかさに歌は合いませんわ。まして一人で詠むなんて」
これも予想通り。詭弁を言って逃げてくると思っていた。それが西行寺幽々子のやり口であるだろうと。
しかし、輝夜はまだ虐め足りなかった。もしかしたら、満月によって狂わされているのかもしれない。とにかく、幽々子を降伏させたかった。
だから、こう言った。
「なら、下の句はこちらで用意しましょうか? 『かこち顔なる わが涙かな』」
瞬間、幽々子の目が大きく見開かれた。口もわずかに開き、全身が硬直している。ここまで驚く幽々子の顔を見たことがあるのは、幻想郷でもわたしだけだろう。
なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
あえて有名な歌の下の句にした。この歌を詠んだのは歌聖と呼ばれる西行。
歌聖の下の句に、上の句をつけろと言っているのだ。そんな状態で、詠みたいとは思わないだろう。
「まいったわねぇ。まさか幻想郷で和歌なんて、思ってもいなかったわ」
幽々子がとうとう降参の意を示した。
「悪かったわね。タチの悪いことして」
輝夜はすぐに謝った。楽しい遊びはもう終わりだ。
「それはかつての殿方に言ってさしあげたら?」
「下心が見え透いてる連中相手よ?」
「そうね。わたしも勘弁願いたいわ。それにしても、どうしてわたしに?」
「あなたなら、遊び相手になってくれると思ったからよ」
「わたしで遊ぶなんて、あなたくらいのものよ? それに、いくらなんでも下の句全部なんて、やりすぎたと思うわ」
「しかたないじゃない。思いつきだったんだから」
「思いつきねぇ」
そう言って、幽々子の目が意地悪い輝きを放った。何か仕掛けてくるつもりだろう。それはそれで楽しみだ。
飲み比べが、弾幕か、はたまた本当の殺し合いか。
たけなわとなった秋の宴会場で、また新しい遊びが始まろうとしていた。
☆☆☆
【冬ー寒いですね】
「うぅ、寒いです」
文は冬の幻想郷の空を駆けながら言った。
当たり前のことを言ったが、返事などなく、余計に寒さを実感するだけの結果となった。
このままでは冷凍鴉天狗になってしまうかもしれない。そう思った文は、一計を案じ守矢神社に向かった。
境内に降りて靴を脱ぎ、すっかり冷え切った縁側を歩く。灯りの付いた部屋の障子をカラカラと開くと、ふんわりと暖かい空気が広がった。炬燵に入って筆を動かしていた早苗さんが、手を止めて顔をあげる。
「あら、文さんお疲れ様です。今日も寒いですね」
「風が暴力になってますよ」
「冬至ですからね。お茶を入れてくるので、炬燵で待っててください」
早苗さんはトタトタと廊下を歩いてすぐにお茶を持ってきてくれる。コトンと湯呑みが目の前に置かれ、天板の真ん中にはみかんの籠が用意された。
「それにしても早苗さん。いきなり来たのに驚かなかったですね」
「なんとなく、今日はいらっしゃるのでは? と思ってたんです」
「以心伝心ってやつですかね?」
「ふふふ……。そんなこと言われると恥ずかしいです……。と、言いたいところですが、じつは違います」
「え?」
「今日は冬至だから、来るんじゃないかと」
冬至だから?
どうしてそんな理由で?
文の頭の中では「どうして?」が渦巻いていた。
「だって文さん、夏至とかみたいに何か風習があるときにはよく来るじゃないですか。さすがに土用の丑の日に来たときはいい度胸だと思いましたけど」
「いや、だって買い物を忘れてしまったのでというか……。そんな来てましたっけ?」
「七草粥、節分、夏至、土用の丑。あと今日ですね。すぐに浮かぶところでは」
早苗さんは筆をしまいながら言った。いつのまにか随分早苗さんのところでお世話になっていたものだ。
「あの、迷惑だったでしょうか……?」
文は恐る恐る尋ねた。
「来てくださるのは構わないです。でも、来るならちゃんと来てください」
「ちゃ、ちゃんと来るってどういうことですか?」
「突然来ないと、困るんですよ。食べ物が残っちゃいますから」
ま、まさか来ることよりも来ないことを怒られるなんて。今度から、ちゃんと来るようにしよう。でも、ちゃんとって、どれくらい来ればいいんだろう?
文は「善処します」と言って、蜜柑の皮をむきはじめた。
「そういえば、早苗さんは何を書いてたんですか?」
蜜柑の薄皮を剥きながら文は聞いた。
「年賀状を書いてたんです。ちょうど暇だったんで」
「年賀状ですかぁ。もうそんな季節なんですねぇ」
「つれづれなるままに、ひぐらし硯に向かひて。って感じですね。心に移りゆくことを書いてたわけじゃないですけど。でも、もう年末なんですよね」
「つい、この前までは、毎日暑くてたまらないと思ってたのに、あっという間に年末になってしまいましたね」
毎日汗をかきながら記事を探していたのが、つい昨日のように思えてくる。
その間に、秋もあったはずなのに。
今年の秋は、幽々子さんVS輝夜さんの飲み比べとかで盛り上がったんだけどなぁ。
「なんだか、今年もあっという間でしたね。もう炬燵で蜜柑の季節なんて」
どうやら似たようなことを考えていたようだ。
「わたしもちょうど同じことを考えていたところです。あっという間に冬になった気がして」
「本当ですよね。またすぐに春になるんだろうなぁ」
早苗さんはそう言うと、お茶を啜った。なんだかお茶の啜りかたにも年季が入ってきている気がする。霊夢さんにはまだまだ及ばないけど、なかなかのものだ。
しばらく、今年のことをいろいろ話した。
新年の初詣から、春の花見、夏のお祭り、秋のお月見まで。
どれもこれもがつい最近のことにも、はるかに昔のことのようにも思えた。
たぶん物事はそんなものなのだろう。
ゆく河の流れのように絶えることなく流れていき、留まることはない。そうして、日々変化していくのだ。
その日々の小さな変化を記事にしていくのが、自分の仕事でもある。
「さて、そろそろ夕飯の支度でもしましょうかね」
すっかり辺りが暗くなったころ、早苗さんが炬燵から立ち上がった。
「あ、ならわたしも手伝います」
さすがにご馳走になって何も手伝わないのはマズイと思い、早苗さんの後に続く。
縁側に出ると、床は冷え切り、吐く息も白くなった。空からはヒラヒラと雪も舞い落ちている。
「寒いですね」
文はなんとなく言った。
「寒いです」
早苗さんも同じことを言って体を寄せてきてくる。
言葉を返してくれる人がいるのも暖かいし、早苗さん自身の体も暖かい。
暖かさを実感できるのなら、冬の寒さも悪くないかもしれない。
冷たい風を受けながら、ふと文は思った。
ほのかに暖かい人里。人里をゆっくりと歩いていた妹紅の視界に鮮やかなピンク色が飛び込んできた。
「梅の花……」
春の気配のためか、はたまた今朝飲んだ薬のためか、ぼんやりした頭には梅の花の美しさを表す言葉が浮かんで来ない。けれども、一首の歌がふと蘇った。
東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ
そういえば、梅の花は香りを楽しむものだったか。
「こんな香りが京の都から九州まで届くのかねぇ」
正直、あまり香りを感じない。
もっとも、本気で届くとも思っていないが。
「妹紅が一人でお花見してる」
すっかり梅の花に魅了されていると、透き通った高い声が耳に届いた。振り返ると、綺麗な水色の髪。もっと伸ばせば、平安の世でも美女と言われただろう。
「もう桜が咲いたんだね」
チルノは人里の子供のような間違えをした。美女とは言われても、才女とは言われなさそうだ。
「桜はまだ先かな」
「じゃあ桃?」
「よく知ってるけどハズレ」
「もうわかんない」
「これは梅の花よ。桜や桃よりも早く咲くの」
「それじゃあ、妹紅は梅の花でお花見してたんだ」
「花見っていうよりは、物思いかな」
「物思いってことは、誰か好きな人がいるの?」
「はい!?」
チルノの発言に、妹紅は思わず大声をだしてしまった。周囲を歩いていた人々の視線がこちらに集まるのを感じる。
「だって、花を見て物思いにふける人は、好きな人がいるって、輝夜が言ってたよ」
「輝夜が?」
「うん。それで、妹紅の好きな人って誰なの?」
「いやいやいや。いないから!」
「でも好きな人がいる人は、『いない』って言うよ?」
これはマズイ。
チルノが適当な噂を流したら、おもしろいように脚色されて七十五日はからかわれる。
「ちょっとそこの茶店でお話しようか? 奢ってあげるから」
「あたい、お団子がいい!」
お団子程度で噂にならないで済むなら、いくらでも奢る。
とりあえず五本ほど注文してあげると、チルノは視界の端に見える梅には目もくれず、三色のお団子を頬張った。まさに花より団子だ。
「それで、妹紅の好きな人って誰なの?」
お皿の上に三本の串が乗ったところで、チルノが目を輝かせて言った。
「誰もいないって。むしろ、恨まれてるくらいだから」
「あたい、天才だからわかるよ! 妹紅を好きな人がいて、でも妹紅には別に好きな人がいて……」
「なんだそのベタベタな物語は。もう、藤原ってだけで反応して恨んでくる男がいるんだよ」
「藤原?」
「べつにわたしは何にも関係ないんだけどねぇ。いろいろ後の連中がやってくれたから」
「いろいろ?」
「いろいろね。最後に九州に島流し」
ちなみに、島流しされた男の名前は菅原道真という。
「島流しにしちゃったら、恨まれてもしょうがないと思うけど……」
「それはそうなんだけどね。ただ、程度ってものがあると思うのよ」
「そんなに凄いの?」
「一番凄いのは、雷を落とされたことかなぁ」
「雷って、あの雷?」
「あの雷。内裏にドーンって」
「うわぁ」
チルノは最後のお団子を口に入れながら頬をひきつらせた。
口の周りがベタついているので、おしぼりで軽くふいてあげる。
「美味しかったー。ごちそうさま!」
「御粗末様でした」
「そういえば、妹紅が恨まれてるってどういうこと? 雷落とされたのって、昔の話だよね?」
チルノがお茶を飲みながら尋ねた。
そうなのよねぇ。
妹紅は心の中でため息をつく。いい加減、昔の話だし、わたし自身はなにも関係ないのだから、恨むのはやめてほしいと思う。
「どうも梅の時期になると、体調が悪くなるのよ」
「あたい、梅干し嫌い。酸っぱいもん」
「梅干しは体にいいから、食べた方がいいわよ」
「あたいのことはどうでもいいから、妹紅のこと話してよ!」
「本当に体調が悪くなるだけなんだけどね。島流しにされた人は梅が好きだったから、梅の時期になると恨まれるのかなぁって」
「なんか、大ちゃんと似てるね」
「大ちゃん?」
「あたいの友達。今日も大ちゃんの薬を取りに行った帰りだから」
そう言ってチルノは薬の入った袋を取り出す。
永遠亭の紙袋から取り出された薬は、妹紅が今朝見た記憶のあるもの。
「アレロックとポララミンって……。わたしとまったく同じじゃない」
「じゃあ、妹紅も薬を飲まないと、目が大変だったり、鼻水がひどかったりするの?」
「もう、飲まないとやってられないわよ。すぐに涙目になっちゃう。チルノは大丈夫なの?」
「あたいは大丈夫。誰かを島流しにしたことないから。大ちゃんもしたことないはずだけどなぁ」
「もしかしたら、名字が藤原なのかもよ?」
「それはないと思うけど……」
じーっと真剣にお茶の水面を眺めるチルノ。どうやら、本気で考え込んでいるようだ。
妹紅はぼんやりと梅の花に目をやった。
冬の景色にはない鮮やかなピンク色は、春の訪れを感じさせてくれる。
梅の花は今でも忘れずに春を届けてくれているようだ。
☆☆☆
【夏ー夏花火】
いくら四季を楽しむと言っても、限界というものはある。特に、夏の暑さに関しては。
かの有名な古典にも「夏は夜」とある。蛍を扱ってなんとなく風流にはしてあるが、所詮暑いのが嫌なだけではないだろうか。
霊夢はそんなくだらないいことを考えながら蚊帳の準備をしていた。外からは蝉の声や蛙の声に混ざって、境内にいる人間や妖怪の声も聞こえてくる。ふと目を閉じると、蚊取り線香の香りが届いてきて、これはこれで風流だと思った。
「やっぱり、夏は夜なのかも」
誰もいない部屋での声は、やけに響いた。返事の代わりに涼しい風が吹いて、風鈴が音を奏でる。
うん。これも悪くない。
霊夢は畳の上にそっと腰をおろした。葦草の香りが鼻をくすぐって心地よい。そっと目を閉じると再び夏の合奏が外から吹き込んできた。
空気に身をまかせること数分。
霊夢はようやく腰をあげた。いつまでものんびりしているわけにもいかない。外では魔理沙や妖怪たちが花火の準備をしているのだ。ほっといたら、家が燃やされる可能性もある。
「おーい、遅いぜ」
台所からまな板と包丁、それに塩を持って外にでると、魔理沙が不満そうな声をあげた。
「しかたないじゃない。蚊帳の準備にてこずったんだから」
霊夢は適当に返事をして、縁側に荷物を置いた。井戸から、昼間のうちに冷やしておいた西瓜を取ってくる。しっかり冷えているようで、手が少し痛い。
「西瓜ですか」
適当にまな板の上に切り分けたところで、美鈴がやってきた。
「美鈴は花火に参加しないの?」
「あんな、花火のような何かには参加したくないですよ」
そう言って美鈴が見る先には、手に様々な花火を持ったバカ達。2つの陣営に分かれ、開戦を今や遅しと待ちかまえている。
「来ないならこっちから行くぜ! エクスペクト・パトローナム!!」
意味の分からない呪文を唱えながら魔理沙がロケット花火を撃ち込んで、戦いが始まった。ロケット花火を撃ち、ねずみ花火を投げこみ、打ち上げ花火を水平発射する。戦いは激しさを増し、次第に境内は煙で覆われていった。
「まったく、あれじゃ弾幕と変わらないわよね」
美鈴が西瓜に塩をふりながら言った。
「どさくさに紛れて弾を打ってもバレなさそうね」
「いや、もう飛んでるわよ」
「あ、ほんとだ」
よくよく見ると、すでに星形の弾がロケット花火に紛れて打ち込まれていた。反撃として、ネズミ花火と一緒にクナイが打ち返される。もう何がなんだか……。
「結局騒げればいいだけじゃない」
「完全に呆れてますね。霊夢さん」
「呆れるわよ。こんな暑い時期に、あんなバカ騒ぎするなんて」
「花火で撃ち合いなんて、夏しかできないですけどね」
「秋になってもやってたら、本当にただのバカね」
「魔理沙さんあたりが提案して、やりそうですけど」
たしかに魔理沙ならやりかねない。霊夢は思ったが、言わなかった。別に深い理由があったわけではなく、単純に返事をするのが面倒くさかったからだった。話すよりも、夏を感じていたかった。
花火の音と光、それに火薬の香り。僅かに湿り気を含む空気と、西瓜の甘い味。
霊夢は夏を五感すべてで味わっていた。
「夏ですねぇ」
美鈴が霊夢の感情を読みとったように言った。
「夏ね」
「霊夢さんは、夏が好きなんですか?」
「あんまり好きじゃないわね。暑いし。でも」
「でも?」
「嫌いでもないわ。今は悪くないし」
「それじゃあ、わたしたちも少しはやりましょうか」
そう言って美鈴は蝋燭と一緒に花火を取り出した。
「線香花火?」
「撃ち合いの戦力にはならないですし。わたし、花火だと線香花火が一番好きなんです」
「わたしも線香花火は好きよ? って、あんた、なにしてんのよ」
「いや、糊がうまく剥がれなくて」
「貸してみなさい。剥がしてあげるから」
美鈴から線香花火の束を受け取って、丁寧に糊を剥がす。なかなかしっかり糊付けされていたが、慎重にやれば大したことはない。
「ほら。できたわよ」
「ありがとうございます。わたしがやると、線香花火切っちゃったりするんですよね」
「それ、よっぽど粗っぽくやるからでしょ」
「わかんないですけど……。とりあえずやりましょうか」
美鈴が差し出した線香花火を手にとって、蝋燭で火をつけた。
花火の先に小さな玉ができる様子を無言でじっと眺めていた。
不意に周囲の気配が絶たれ、夏の感覚だけが霊夢の中に流れ込んできた。
聴き慣れた魔理沙の声ですら、夏の音に聞こえてた。
その声を合図にしたように、目の前で花が咲いた。
飛び出した火の花は瞬きをした瞬間には消え去っていった。
不意に風が吹いた。
ほんのり秋の香りを含んだ冷たい風だった。
風に揺られて、わずかに手が揺れた。
小さな玉がポトリと落ちた。
小さくため息をついて、ぼんやりと周囲を見回した。
一瞬感じた秋の気配は消え去り、夏一色に染まっている。
けれども、秋は確実に近づいている。
もしかしたら夏は考えているよりもはるかに短いのかもしれない。
霊夢は改めて花火を撃ち合っているバカ達に目を向けた。
なんとなく、夏を惜しんでいるように見えた。
☆☆☆
【秋ー遊び】
博麗神社の宴会はいつも活気にあふれている。あちらこちらに輪ができて、酒を飲み、歌を歌い、弾幕を張る。それは中秋の名月の夜でも変わらなかった。お団子とススキ、それに里芋の煮物が用意されたこと以外、いつもと何も変わらない宴会。
騒げればなんでもいいのだろう。
珍しく参加していた輝夜は思った。別になんてことはない。中秋の名月だからといって、感傷に浸る必要もないし、風流になる必要もない。
けれどもなんとなく、ただ騒ぐだけでは、という思いはあった。
やはり中秋の名月なのだから。
そこで輝夜は遊び相手を探し始めた。せっかくの宴会だ。一人でいるのはもったいない。そして見つけたのは、白玉楼の主だった。
「ねぇ、西行の姫?」
幽々子の隣に座りながら、輝夜は言った。おそらくあまり好まないであろう呼び方で。
「あら? 意地の悪い竹取の姫が何の用かしら?」
幽々子の声は僅かに怒りを含んでいた。
いや、怒りとまでは行かない。多少の不愉快といったところだろうか。
そしてそれは、輝夜の予想通りの反応だった。
こういう反応をされると、どうしても底意地の悪さを押さえきれなくなる。
「一首、詠んでくださらない? せっかくの満月ですもの」
「こんなところで詠めとでも?」
「あら? 満月の歌は苦手でして?」
「いいえ。でも、この賑やかさに歌は合いませんわ。まして一人で詠むなんて」
これも予想通り。詭弁を言って逃げてくると思っていた。それが西行寺幽々子のやり口であるだろうと。
しかし、輝夜はまだ虐め足りなかった。もしかしたら、満月によって狂わされているのかもしれない。とにかく、幽々子を降伏させたかった。
だから、こう言った。
「なら、下の句はこちらで用意しましょうか? 『かこち顔なる わが涙かな』」
瞬間、幽々子の目が大きく見開かれた。口もわずかに開き、全身が硬直している。ここまで驚く幽々子の顔を見たことがあるのは、幻想郷でもわたしだけだろう。
なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
あえて有名な歌の下の句にした。この歌を詠んだのは歌聖と呼ばれる西行。
歌聖の下の句に、上の句をつけろと言っているのだ。そんな状態で、詠みたいとは思わないだろう。
「まいったわねぇ。まさか幻想郷で和歌なんて、思ってもいなかったわ」
幽々子がとうとう降参の意を示した。
「悪かったわね。タチの悪いことして」
輝夜はすぐに謝った。楽しい遊びはもう終わりだ。
「それはかつての殿方に言ってさしあげたら?」
「下心が見え透いてる連中相手よ?」
「そうね。わたしも勘弁願いたいわ。それにしても、どうしてわたしに?」
「あなたなら、遊び相手になってくれると思ったからよ」
「わたしで遊ぶなんて、あなたくらいのものよ? それに、いくらなんでも下の句全部なんて、やりすぎたと思うわ」
「しかたないじゃない。思いつきだったんだから」
「思いつきねぇ」
そう言って、幽々子の目が意地悪い輝きを放った。何か仕掛けてくるつもりだろう。それはそれで楽しみだ。
飲み比べが、弾幕か、はたまた本当の殺し合いか。
たけなわとなった秋の宴会場で、また新しい遊びが始まろうとしていた。
☆☆☆
【冬ー寒いですね】
「うぅ、寒いです」
文は冬の幻想郷の空を駆けながら言った。
当たり前のことを言ったが、返事などなく、余計に寒さを実感するだけの結果となった。
このままでは冷凍鴉天狗になってしまうかもしれない。そう思った文は、一計を案じ守矢神社に向かった。
境内に降りて靴を脱ぎ、すっかり冷え切った縁側を歩く。灯りの付いた部屋の障子をカラカラと開くと、ふんわりと暖かい空気が広がった。炬燵に入って筆を動かしていた早苗さんが、手を止めて顔をあげる。
「あら、文さんお疲れ様です。今日も寒いですね」
「風が暴力になってますよ」
「冬至ですからね。お茶を入れてくるので、炬燵で待っててください」
早苗さんはトタトタと廊下を歩いてすぐにお茶を持ってきてくれる。コトンと湯呑みが目の前に置かれ、天板の真ん中にはみかんの籠が用意された。
「それにしても早苗さん。いきなり来たのに驚かなかったですね」
「なんとなく、今日はいらっしゃるのでは? と思ってたんです」
「以心伝心ってやつですかね?」
「ふふふ……。そんなこと言われると恥ずかしいです……。と、言いたいところですが、じつは違います」
「え?」
「今日は冬至だから、来るんじゃないかと」
冬至だから?
どうしてそんな理由で?
文の頭の中では「どうして?」が渦巻いていた。
「だって文さん、夏至とかみたいに何か風習があるときにはよく来るじゃないですか。さすがに土用の丑の日に来たときはいい度胸だと思いましたけど」
「いや、だって買い物を忘れてしまったのでというか……。そんな来てましたっけ?」
「七草粥、節分、夏至、土用の丑。あと今日ですね。すぐに浮かぶところでは」
早苗さんは筆をしまいながら言った。いつのまにか随分早苗さんのところでお世話になっていたものだ。
「あの、迷惑だったでしょうか……?」
文は恐る恐る尋ねた。
「来てくださるのは構わないです。でも、来るならちゃんと来てください」
「ちゃ、ちゃんと来るってどういうことですか?」
「突然来ないと、困るんですよ。食べ物が残っちゃいますから」
ま、まさか来ることよりも来ないことを怒られるなんて。今度から、ちゃんと来るようにしよう。でも、ちゃんとって、どれくらい来ればいいんだろう?
文は「善処します」と言って、蜜柑の皮をむきはじめた。
「そういえば、早苗さんは何を書いてたんですか?」
蜜柑の薄皮を剥きながら文は聞いた。
「年賀状を書いてたんです。ちょうど暇だったんで」
「年賀状ですかぁ。もうそんな季節なんですねぇ」
「つれづれなるままに、ひぐらし硯に向かひて。って感じですね。心に移りゆくことを書いてたわけじゃないですけど。でも、もう年末なんですよね」
「つい、この前までは、毎日暑くてたまらないと思ってたのに、あっという間に年末になってしまいましたね」
毎日汗をかきながら記事を探していたのが、つい昨日のように思えてくる。
その間に、秋もあったはずなのに。
今年の秋は、幽々子さんVS輝夜さんの飲み比べとかで盛り上がったんだけどなぁ。
「なんだか、今年もあっという間でしたね。もう炬燵で蜜柑の季節なんて」
どうやら似たようなことを考えていたようだ。
「わたしもちょうど同じことを考えていたところです。あっという間に冬になった気がして」
「本当ですよね。またすぐに春になるんだろうなぁ」
早苗さんはそう言うと、お茶を啜った。なんだかお茶の啜りかたにも年季が入ってきている気がする。霊夢さんにはまだまだ及ばないけど、なかなかのものだ。
しばらく、今年のことをいろいろ話した。
新年の初詣から、春の花見、夏のお祭り、秋のお月見まで。
どれもこれもがつい最近のことにも、はるかに昔のことのようにも思えた。
たぶん物事はそんなものなのだろう。
ゆく河の流れのように絶えることなく流れていき、留まることはない。そうして、日々変化していくのだ。
その日々の小さな変化を記事にしていくのが、自分の仕事でもある。
「さて、そろそろ夕飯の支度でもしましょうかね」
すっかり辺りが暗くなったころ、早苗さんが炬燵から立ち上がった。
「あ、ならわたしも手伝います」
さすがにご馳走になって何も手伝わないのはマズイと思い、早苗さんの後に続く。
縁側に出ると、床は冷え切り、吐く息も白くなった。空からはヒラヒラと雪も舞い落ちている。
「寒いですね」
文はなんとなく言った。
「寒いです」
早苗さんも同じことを言って体を寄せてきてくる。
言葉を返してくれる人がいるのも暖かいし、早苗さん自身の体も暖かい。
暖かさを実感できるのなら、冬の寒さも悪くないかもしれない。
冷たい風を受けながら、ふと文は思った。
なんかこの下らない感じがいいですね
これを書いてる今はまだ夏なのに、四季折々の雰囲気がしっかり伝わってきました
幽々子、輝夜、妹紅あたりの歌詠み合戦というのは以前から読んでみたかったネタですね。彼女ら、絶対和歌読むの上手いもん。
かぐもこと西行法師は確かに12Cで一致しますからね。3人とも相性が悪いという大問題をクリアできれば、連歌会とかできそうです。
幽々子がやられっぱなしの訳がないよなぁ……と思ったら飲み比べかい!
特に冬のあやさなは、ぐっとくるものが・・・
平穏な日常はやはりいいものですね