紅魔館は今日も騒がしい。右で妖精メイドが皿を割れば、左で門番が寝る。一歩あるけば普通の魔法使いが扉を蹴破る。ガシャーングードーン 騒がし過ぎて永遠亭最強の頭痛薬を処方されるしまつだ。
完璧で瀟洒メイド長 十六夜咲夜はそんな紅魔館を変えようとついに立ち上がったのだ。
「さて咲夜、とても重要な話とは何かしら?」
紅魔館の偉大な主 レミリア・スカーレットは咲夜に呼ばれ会議室に居た。咲夜は立ち上がり、後ろのホワイトボードへ歩きながら話し始めた。
「お嬢様 今日、この紅魔館では毎日が祭りのように騒がしくあります。」
「それがどうかしたのかしら? 毎日がお祭りのように楽しいなら最高じゃない」
レミリアは玉座のある大ホールか自室、図書館くらいしか行かない。だから、本当はあまり現状を知らないのだ。
「お祭りと言うのは年に一度や二度あるから楽しめるのです。毎日がお祭りであれば、ありがみも楽しさも無くなってしまいます。たとえば、お嬢様はよく博麗神社に行かれますよね。たまに行くから霊夢や八雲様達と話すのが楽しいのです。毎日霊夢や紫様と居ると、最初は良くてもきっと疲れますよ」
咲夜はホワイトボードに青のマーカーで 祭り と左端に書いた。
そして、続けて話し始めた。
「今月、調理班が壊した食器は100個ほど有ります。つまり、毎日3個程度の食器が割れているのです。他にも掃除道具の破損も多数あります。しかも、窓は今月だけで10枚も割れています。これを修理する為の経費は膨大なものです。ガラスはカッパしか作っていないので山まで行かなければなりません。それは美鈴が山から毎回ガラスを運んでくれているのです。」
咲夜は食器の割れた数などを赤のマーカーでホワイトボードに書き込んだ。レミリアは話しだけではピンときていなかったが、実際に数字を見せられると事の重大さに気づき始めた。
「これは悪い意味での祭りね」
「はい。しかも悪い事は一つだけでは有りません。美鈴たち門番隊の花束の売れ行きはゆうかりんランドに追い抜かれようとしています。そして最近始めた、小悪魔の移動図書館の売れ行きも今だ今ひとつだそうです。紅魔館の収入が赤字になるのは目に見えています。」
本当はまだ蓄えは有るが、早く騒がしい日常から抜け出したいので少し話を盛ったのはまた別の話である。
「どこぞの神社のように貧乏になるのは嫌よ。咲夜、打開策はあるのかしら?」
「もちろんあります。そのためにお嬢様を呼んだのですから。」
次の瞬間ホワイトボードには紅魔館の収入が綺麗な赤いグラフにまとめられていた。その横に青い支出のグラフがまとめられていた。
またその横に緑の赤字黒字を示すグラフが書かれており、再来月の予測は赤字とかかれていた。
ぱちっ
咲夜はマーカーのキャブをワザと強めにしめ、音を鳴らした。
レミリアは少し驚いた。ホワイトボードを向いたままの咲夜の顔はそこからでは窺い知れなかった。
数秒の沈黙ののち咲夜は口を開いた。
「 お嬢様、アイドルをご存知ですか? 」
それは透き通った美しい声だった。
「知らないわ。アイドルとは何かしら?」
「外の世界には歌って踊れてルックスのいい人をアイドルと言いうそうです。アイドルは可愛らしい服に身を包み、歌を歌いながらダンスを踊り沢山の人に感動を与えるそうです。そして、その歌やグッズを売り出し莫大な利益を産むそうです。」
打開策について咲夜は早苗に相談していたのだ。咲夜のもっとも常識のありそうな友人、東風谷早苗は画期的なアイデアを咲夜にあたえた。咲夜はホワイトボードの中央に太いマーカーでこう書いた。
「紅い(A)
悪魔な(A)
幼女たち(Y)
3人(3)
AAY3 合法ロリアイドルグループ」
「レミリア様 フランドール様 小悪魔の三人でやっていこうと思います。デビュー曲は(ベビーロリーテーション)でいこうと思います 」
「…? なにか違う気がする」
その後レミリアたちは早苗Pの下でみっちり、アイドル学を学んだ。ミスティアから歌を学び、輝夜から人の煽り方を学び、最後に藍からロリの良さを語って貰いデビューとなった。
レミリア以外はノリノリで初めからサインの練習をする始末であった。しかし、レミリアには何かおかしな運命しか見えないのであった。
一ヶ月後
「みんなー 今日はAAY3の為に集まってくれてありがとー」
フランドールが挨拶をすると会場全体からフランコールが湧き上がった。会場を熱気とペンライトの光が包み込んだ。
「早速だけど まずは一曲目、ベビーロリーテーション行くよ!!」
小悪魔の叫びとともに博麗神社特設会場は闇に包まれた。独特の緊張感が張り詰めた。数秒後、ライトが一人の少女を照らした。
「うー☆」
そう、一番乗る気でなかったレミリアがしゃがみガードを繰り出したのだ。その刹那会場のボルテージは最高潮となった。
グッツは飛ぶように売れ、今ではプリズムリバー 鳥獣伎楽にならぶ一大音楽グループとなった。
おっとりとしたドジっ子小悪魔
毒舌でサデスティクなフラン
クールでツンデレなレミリア
彼女たちのおりなす音楽もさることながらダンス、衣装どれをとっても幻想郷の紳士たちを引きつけて止まなかった。
結局、咲夜はマネジャーとしてあちこちに行く事となり祭りのような毎日となった。咲夜は騒がしい日常から逃げる事はできなかった。
しかし、紅魔館の財政は潤った。
他にも妖精メイドが主の頑張りを見て頑張るようになった。皿の破損は一日2枚にまで減ったのだ。
そして、花束生産もAAY3との握手券をつけたとたん、ゆうかりんランドをまた突き放したのだ。
移動図書館は小悪魔を一目見ようと行く先々に人だかりができ、収入は以前より格段に増えた。だが、移動先に先回りして座り込む徹夜組集団が現れるようになってしまった、人間に夜の外出は危険なため八雲紫より直々に移動図書館中止の通告が来てしまったのであった。
結果として、紅魔館は咲夜によって赤字になると言う最悪の事態は避けられた。
咲夜のレミリアグッツコレクションの箱が押入れに収まりきらなくなって来たのであった。
それは、パチュリーの小悪魔グッツコレクションも同じであった。
完璧で瀟洒メイド長 十六夜咲夜はそんな紅魔館を変えようとついに立ち上がったのだ。
「さて咲夜、とても重要な話とは何かしら?」
紅魔館の偉大な主 レミリア・スカーレットは咲夜に呼ばれ会議室に居た。咲夜は立ち上がり、後ろのホワイトボードへ歩きながら話し始めた。
「お嬢様 今日、この紅魔館では毎日が祭りのように騒がしくあります。」
「それがどうかしたのかしら? 毎日がお祭りのように楽しいなら最高じゃない」
レミリアは玉座のある大ホールか自室、図書館くらいしか行かない。だから、本当はあまり現状を知らないのだ。
「お祭りと言うのは年に一度や二度あるから楽しめるのです。毎日がお祭りであれば、ありがみも楽しさも無くなってしまいます。たとえば、お嬢様はよく博麗神社に行かれますよね。たまに行くから霊夢や八雲様達と話すのが楽しいのです。毎日霊夢や紫様と居ると、最初は良くてもきっと疲れますよ」
咲夜はホワイトボードに青のマーカーで 祭り と左端に書いた。
そして、続けて話し始めた。
「今月、調理班が壊した食器は100個ほど有ります。つまり、毎日3個程度の食器が割れているのです。他にも掃除道具の破損も多数あります。しかも、窓は今月だけで10枚も割れています。これを修理する為の経費は膨大なものです。ガラスはカッパしか作っていないので山まで行かなければなりません。それは美鈴が山から毎回ガラスを運んでくれているのです。」
咲夜は食器の割れた数などを赤のマーカーでホワイトボードに書き込んだ。レミリアは話しだけではピンときていなかったが、実際に数字を見せられると事の重大さに気づき始めた。
「これは悪い意味での祭りね」
「はい。しかも悪い事は一つだけでは有りません。美鈴たち門番隊の花束の売れ行きはゆうかりんランドに追い抜かれようとしています。そして最近始めた、小悪魔の移動図書館の売れ行きも今だ今ひとつだそうです。紅魔館の収入が赤字になるのは目に見えています。」
本当はまだ蓄えは有るが、早く騒がしい日常から抜け出したいので少し話を盛ったのはまた別の話である。
「どこぞの神社のように貧乏になるのは嫌よ。咲夜、打開策はあるのかしら?」
「もちろんあります。そのためにお嬢様を呼んだのですから。」
次の瞬間ホワイトボードには紅魔館の収入が綺麗な赤いグラフにまとめられていた。その横に青い支出のグラフがまとめられていた。
またその横に緑の赤字黒字を示すグラフが書かれており、再来月の予測は赤字とかかれていた。
ぱちっ
咲夜はマーカーのキャブをワザと強めにしめ、音を鳴らした。
レミリアは少し驚いた。ホワイトボードを向いたままの咲夜の顔はそこからでは窺い知れなかった。
数秒の沈黙ののち咲夜は口を開いた。
「 お嬢様、アイドルをご存知ですか? 」
それは透き通った美しい声だった。
「知らないわ。アイドルとは何かしら?」
「外の世界には歌って踊れてルックスのいい人をアイドルと言いうそうです。アイドルは可愛らしい服に身を包み、歌を歌いながらダンスを踊り沢山の人に感動を与えるそうです。そして、その歌やグッズを売り出し莫大な利益を産むそうです。」
打開策について咲夜は早苗に相談していたのだ。咲夜のもっとも常識のありそうな友人、東風谷早苗は画期的なアイデアを咲夜にあたえた。咲夜はホワイトボードの中央に太いマーカーでこう書いた。
「紅い(A)
悪魔な(A)
幼女たち(Y)
3人(3)
AAY3 合法ロリアイドルグループ」
「レミリア様 フランドール様 小悪魔の三人でやっていこうと思います。デビュー曲は(ベビーロリーテーション)でいこうと思います 」
「…? なにか違う気がする」
その後レミリアたちは早苗Pの下でみっちり、アイドル学を学んだ。ミスティアから歌を学び、輝夜から人の煽り方を学び、最後に藍からロリの良さを語って貰いデビューとなった。
レミリア以外はノリノリで初めからサインの練習をする始末であった。しかし、レミリアには何かおかしな運命しか見えないのであった。
一ヶ月後
「みんなー 今日はAAY3の為に集まってくれてありがとー」
フランドールが挨拶をすると会場全体からフランコールが湧き上がった。会場を熱気とペンライトの光が包み込んだ。
「早速だけど まずは一曲目、ベビーロリーテーション行くよ!!」
小悪魔の叫びとともに博麗神社特設会場は闇に包まれた。独特の緊張感が張り詰めた。数秒後、ライトが一人の少女を照らした。
「うー☆」
そう、一番乗る気でなかったレミリアがしゃがみガードを繰り出したのだ。その刹那会場のボルテージは最高潮となった。
グッツは飛ぶように売れ、今ではプリズムリバー 鳥獣伎楽にならぶ一大音楽グループとなった。
おっとりとしたドジっ子小悪魔
毒舌でサデスティクなフラン
クールでツンデレなレミリア
彼女たちのおりなす音楽もさることながらダンス、衣装どれをとっても幻想郷の紳士たちを引きつけて止まなかった。
結局、咲夜はマネジャーとしてあちこちに行く事となり祭りのような毎日となった。咲夜は騒がしい日常から逃げる事はできなかった。
しかし、紅魔館の財政は潤った。
他にも妖精メイドが主の頑張りを見て頑張るようになった。皿の破損は一日2枚にまで減ったのだ。
そして、花束生産もAAY3との握手券をつけたとたん、ゆうかりんランドをまた突き放したのだ。
移動図書館は小悪魔を一目見ようと行く先々に人だかりができ、収入は以前より格段に増えた。だが、移動先に先回りして座り込む徹夜組集団が現れるようになってしまった、人間に夜の外出は危険なため八雲紫より直々に移動図書館中止の通告が来てしまったのであった。
結果として、紅魔館は咲夜によって赤字になると言う最悪の事態は避けられた。
咲夜のレミリアグッツコレクションの箱が押入れに収まりきらなくなって来たのであった。
それは、パチュリーの小悪魔グッツコレクションも同じであった。
ともかく、恐ろしくコンパクトに必要事項だけ述べた文章に、ある種個性を感じました。ゆうかりんランドやう〜☆などネタが古い(もはや受け入れられていない)のが気がかりですが、それは東方が独占最大派閥という規模を持つ故の宿命なのかもしれません。
でも、乗り気でなかったレミリアはどうしてやる気が出たのでしょう?
そこだけ少し、疑問でした。
1様 既視感については気のせいかと。ネタが古いとは…自分の中では最新だった辺り、まだまだでした。今後頑張って行きたいと思います。貴重な意見本当にありがとうございます。
2様 楽しめたと言う言葉が本当にうれしいです。 レミリアに関しては読み返すと描写不足でした。貴重な意見本当にありがとうございます。
3様 貴重な意見本当にありがとうございます。他の作者様のSSをもっと読んでぶっ飛ばないように書けるように頑張ります
こういうスパッとした展開も
嫌いじゃないです
次作、期待してますよ
だとしたら「アイドル」ではないけれど。
非常にあっさりとしたSSですが、これくらいのSSもありかなと。