「チルノちゃんがコンビニ始めたって言うから来てみたんだけど」
その日の朝に、大妖精が住んでいる家に、チルノが来てコンビニ始めたから来てほしいと言ったので大妖精はその日の昼過ぎそのコンビニとやらに行ってみることにしたのだった。
実のことをいうと大妖精はコンビニというのをよく知らなかった。チルノの話したからするとなんとなくお店というのは分かった程度だった。
「あじじゃじゃじゃ、大ちゃん。あたいのコンビニ来てくれてあじゃじゃじゃ」
チルノの言うコンビニは掘っ建て小屋に大きな看板がついていてコソビニと書いてあるお店だった。
とにかく、中に入ってみると開口一番に大妖精はそういう風に話しかけられた。
「何その、ねえ。あじゃじゃじゃじゃって」
「これわね。コンビニの店員のありがとうっていう意味なんだよ」
コンビニというのは何か難しい言葉を使うところなんだなと大妖精はそう思った。
「そうなんだ。チルノちゃんは、何でも知っているんだね」
「そだよ。あたいは何でもしっているんだよ」
素直に感心してしまう大妖精だった。
「ところで、このコンビニは何売ってるの?」
お店屋さんなので何か売って居るのだと思う。もしも、床屋さんとかならお店屋さんでも物は売ってはいないがそういう雰囲気ではない。
「アイスクリームだよ。大ちゃん」
「見たところ、アイスしか売っていないみたいだね」
チルノがそう言って案内したところには、アイスクリームなどの氷菓が箱に入ってチルノが出したであろう氷で冷やされていた。
そして、殺風景なこのコンビニという店にはそれしか売っていない様子だった。
「そだよ。アイスしか売ってないよ。このアイスはレティと作ったんだよ」
「おいしいそうだね」
「美味しいよ。氷の妖精のあたいと雪女のレティが作ったんだから。他には無いおいしさだよ」
味は保障されているといって言いのだろう。前に、レティが作ってくれたアイスは美味しかったと大妖精は覚えていた。
「そうだよね。でも、アイスしか売っていないんじゃそれってアイスクリーム屋さんなんじゃないの?」
思ったことを大妖精は素直に言った。本当にアイスしか売っていないのではそれはアイスクリーム屋さんのような気がしたからだ。
「……それ、魔理沙にも言われたんだけど。違うんだよ。アイスクリーム屋さんではしないことをサービスしているよ」
チルノは、そう言われるのを予想していたのか何か期待どおりだったのか嬉しそうだ。
「それはいったい何なの?」
「大ちゃんそれがね知りたかったら、1個アイス買ってくれないかな?」
天然なのか、商売上手なのかは良く分からないところだ。
「うーん、分かった。じゃあ、バニラアイス一つ頂戴」
「あじゃじゃじゃじゃ。100文だよ」
「はい、100文ね」
一応、妖精のチルノ達もお金を少々だが持っているので商売は成立する。ただ、100文と言っているが大妖精が出したお金は100円だった。
お互いそれに気付いていないから、まあそれはいいということで、いいのだろう。
「あじゃじゃじゃ、で、あちゃちゃめますか~? それともこのままでもいい?」
「あちゃちゃめますってなに?」
「暖めるってことだよ」
「温めないよ。アイス温めたら溶けちゃう」
アイスは冷えているから固体を保って居られることは、大妖精だって知っていた。自然の中で、冬から春になると雪が溶けるのと同じことだから知っていた。
「え? でも、あちゃちゃめないとコンビニじゃないよ」
「もしかして、それがチルノちゃんの言うサービスなの?」
「そうなんだけど」
何処で、勘違いしていたのかチルノはコンビニは売り物を全部温めるお店だと思っていた。
温めないとその店はもう、チルノにとてってなんだか分からないお店だった。
「……今からでも遅くないから、アイスクリーム屋さんにすべきだよ」
こんな、チルノにもあきれずまじめに大妖精はそうさとした。
「うん、大ちゃんの言うとおりかもしれないね」
チルノは、納得してそう認めたのだった。
「じゃあ、アイスクリーム屋さん頑張ってね」
「うん、頑張る」
こうして、結局大妖精はアイスを買った。アイスは、帰る途中で食べたのだがとても美味しかった。
また、アイスを買いに行こうと思った。
が、次の日にはチルノはお店のことなど忘れて360°飛ぶとか言いながら何か違う遊びを始めていたのだった。
気まぐれや可愛らしい勘違いなど、子供の純粋が良く描かれているように思いました。
この雰囲気大好きです。
是非ともペロペロさせろ下さい!
ラッシャイマセー。