ふっと目が覚めたら、見た事のない、行ったことすらないような場所にいた。
見上げると東雲の空が広がり、周囲には緋色の曼珠沙華畑が果てしなく続いていて非現実的な、物語の中にでもいるような気がした。
道はないかと見渡しても、それらしきものは見当たらない。とりあえず花畑の中を進む事にした。進めばきっと見つかるだろう。
かき分けてもかき分けても道らしきものには出会えず、かれこれ二時間ぐらいは歩いただろうから
きっともう夕方になっている筈だと思って空を見るも、雲が流れている程度で、時間の変化というものすら分からなかった。
そろそろお腹が空いてきた頃か。若干足取りが覚束なくなった時、水の流れる音がうっすらと聞こえた。
音のする方向に向かって無我夢中で走り出していくと、音がだんだんと大きくなり、
10分ほど走ったであろう頃には激しい音が鮮明に聞こえたと同時に、目の前に音の主が姿を現した。
それは川だった。川というより河という表現の方が正しいだろう。向こう岸が見えないくらいに広く、大きいそれは、
面積の狭い幻想郷では絶対あり得ない光景に違いない。大型客船が1隻通れるのではいか。それだけ広い河であった。
急に「この川の水源はどうなっているのだろう。」という好奇心が湧いて出てきた私は、丸い石が敷き詰められた河原を
水流とは逆の方向に向かって歩き出した。けれども何処まで行っても同じような景色ばかりでいつになったら上流に辿りつけるのだろうか。
けれども、走っても走っても上流のような場所には辿りつけず、自分が今何処にいるのかすらも分からなくなり、
疲れきってしまった時、背後から何者かに話しかけられた。
「これ以上進むと溺れるぞ? 」
木製のそこそこ大きい船と、そこには大鎌を持った長身の女性が一人。
「この河は歩いて渡る事が出来ないからさ…………とりあえず……船、乗る? 」
「乗りたい」と言いたくてもうまく言葉が出なくて、無意識のうちにぺこりと小さく頭を下げていた。
一体何処に向かっているのか、川の向こうには何があるのか。それ以前に何故私は此処にいるのか…………
目の前にいる女性は恐らく私に話しかけているのだろうか。よくもまぁ、次から次へと話のネタが湧き出てくる事だ。
欠伸が出てしまう程つまらない事になったな……と、向かって右側へと視線を向けると、小さな子供が十数人程列を作っていた。
列の先頭には石で積み上げられた塔のような物があり、傍らには鬼のような強面の男性が一人立っていて、
あと一つで完成する所で男性は塔を壊すと、子供達は再び石を積み上げ、塔を一から作るという光景が延々と続いた。
あんな事をして何が楽しいのだろうか…………
「おーい、着いたよ? 」
女性の声で私は我に返った。目の前にあったのは、河でも花畑でも先程の子供達でもなく、
幻想郷では見る事の出来ないくらい中華風の巨大な建物に、絢爛豪華な装飾の付いた扉であった。
この扉も想像を絶するくらいに大きくて、高さだけでも10メートル以上はあるだろう。
一体この建物は何なの?! これから何が始まるの?! と私は言おうとしても声が出ない。
そんな私の心の中を読んだか読んでいないのかは知らないが、女性は鋭い眼つきでこう言った。
「ようこそ、桃源郷(地獄の入口)へ。」
――――――×月×日正午、人里にある民家の一室で、一人の少女の胸に鋭利な刃物が深く刺さり、
彼女が横たわっていた白いカーペットを深紅に染め上げていたところを新聞配達の少女によって発見された。
見上げると東雲の空が広がり、周囲には緋色の曼珠沙華畑が果てしなく続いていて非現実的な、物語の中にでもいるような気がした。
道はないかと見渡しても、それらしきものは見当たらない。とりあえず花畑の中を進む事にした。進めばきっと見つかるだろう。
かき分けてもかき分けても道らしきものには出会えず、かれこれ二時間ぐらいは歩いただろうから
きっともう夕方になっている筈だと思って空を見るも、雲が流れている程度で、時間の変化というものすら分からなかった。
そろそろお腹が空いてきた頃か。若干足取りが覚束なくなった時、水の流れる音がうっすらと聞こえた。
音のする方向に向かって無我夢中で走り出していくと、音がだんだんと大きくなり、
10分ほど走ったであろう頃には激しい音が鮮明に聞こえたと同時に、目の前に音の主が姿を現した。
それは川だった。川というより河という表現の方が正しいだろう。向こう岸が見えないくらいに広く、大きいそれは、
面積の狭い幻想郷では絶対あり得ない光景に違いない。大型客船が1隻通れるのではいか。それだけ広い河であった。
急に「この川の水源はどうなっているのだろう。」という好奇心が湧いて出てきた私は、丸い石が敷き詰められた河原を
水流とは逆の方向に向かって歩き出した。けれども何処まで行っても同じような景色ばかりでいつになったら上流に辿りつけるのだろうか。
けれども、走っても走っても上流のような場所には辿りつけず、自分が今何処にいるのかすらも分からなくなり、
疲れきってしまった時、背後から何者かに話しかけられた。
「これ以上進むと溺れるぞ? 」
木製のそこそこ大きい船と、そこには大鎌を持った長身の女性が一人。
「この河は歩いて渡る事が出来ないからさ…………とりあえず……船、乗る? 」
「乗りたい」と言いたくてもうまく言葉が出なくて、無意識のうちにぺこりと小さく頭を下げていた。
一体何処に向かっているのか、川の向こうには何があるのか。それ以前に何故私は此処にいるのか…………
目の前にいる女性は恐らく私に話しかけているのだろうか。よくもまぁ、次から次へと話のネタが湧き出てくる事だ。
欠伸が出てしまう程つまらない事になったな……と、向かって右側へと視線を向けると、小さな子供が十数人程列を作っていた。
列の先頭には石で積み上げられた塔のような物があり、傍らには鬼のような強面の男性が一人立っていて、
あと一つで完成する所で男性は塔を壊すと、子供達は再び石を積み上げ、塔を一から作るという光景が延々と続いた。
あんな事をして何が楽しいのだろうか…………
「おーい、着いたよ? 」
女性の声で私は我に返った。目の前にあったのは、河でも花畑でも先程の子供達でもなく、
幻想郷では見る事の出来ないくらい中華風の巨大な建物に、絢爛豪華な装飾の付いた扉であった。
この扉も想像を絶するくらいに大きくて、高さだけでも10メートル以上はあるだろう。
一体この建物は何なの?! これから何が始まるの?! と私は言おうとしても声が出ない。
そんな私の心の中を読んだか読んでいないのかは知らないが、女性は鋭い眼つきでこう言った。
「ようこそ、桃源郷(地獄の入口)へ。」
――――――×月×日正午、人里にある民家の一室で、一人の少女の胸に鋭利な刃物が深く刺さり、
彼女が横たわっていた白いカーペットを深紅に染め上げていたところを新聞配達の少女によって発見された。
途中で話のネタ(この主人公は死んだのだ。)がはっきりするわりには、最後がシンプルすぎる気がしました。ん、あれ、これで終わり?みたいな。
かといって、ここに蛇足的にくっつけても面白くないと思うのですが、せっかく不思議な世界に来ているのですから、もっと途中で遊ばせてみても良かったのではないでしょうか。
私だったら小町との会話をメインに描写すると思います。
雰囲気は良いのだけど、なんだか物足りない。
そのほうが最後の台詞が生きると思う
うん、こうさっぱりした感じが何か清清しくて良くなったかと思います。
私も随分勝手なことを言ってしまってすみません。
他の方もおっしゃってる通り、小町との会話も増やした方が良かったと思います。
小町は話好きな性格ですからねえ…