この話は、いつだったか、聖が私に語ってくれたことです。
一度だけ、あの方と旅行に行ったことがあります、と聖は言いました。あの方とは豊聡耳神子さんのことで、聖はこの幻想郷で仏教の、神子さんは道教の派閥の旗頭であり、互いに相対し争うことはあっても、殊更に好いているということもない、と思っていたので、大変びっくりしました、と聖は言いました。
その時どうして神子さんが聖を旅行に誘う気になったのか、私には分かりません。聖もその理由については皆目分かりません、ということでした。理由を探してみるなら、単なる気まぐれでしょう、と聖は推論しました。
とは言っても、どこへ行くでも飛んでゆけば一日で行けてしまうような狭い幻想郷のことだから、旅行とは言えども、天狗の山の、渓流沿いに立つ旅館の一室に予約を取って、天狗にも連絡を取って入りますがただの遊覧なのでお気になさらず、という手回しも全部紳士がエスコートするように神子さんが皆なされて、二人連れ合って道々、歩いて行ったそうです。
聖を寺まで迎えに来て、里を抜けて、山を登る。里ではちょっとした露店を見れば覗き、山の途中では朽ちた長椅子などが打ち捨ててあれば、戯れに座って休み、してのんびりと散歩のような道中で、結局は予定より二時間ほども遅れて旅館に着いたそうですから、それなりに楽しんだのでしょう。特に、荒れた山道を登る時は、昔、職としての聖に慣れた聖の方が慣れていて、神子さんの方が長い歩きにくたびれることが多かったようで、山では聖がリードするような形になったそうです。神子さんのそんな姿が可笑しかったらしく、聖は思い出すようにくすくす笑っていました。
ごつごつした巨岩の川中に転がる渓流は、流れが早く、水が岩にぶつかって崩れ、白くなっていて、時折きら、きら、としたものが光って見えました。山で暮らすことが多かった聖は、ここでも山の知識を引っ張り出して、あれは川魚の鱗ですよ、などと話したそうです。渓流にはもう古くなった橋がかかっていて、川の両岸に、旅館、土産屋と飲み屋が少し並び、ちょっとした旅館街のようになっていました。橋の上から川を眺めると、それなりに良い景色で、思わずほうと言った面持ちで、二人して渓流を眺めました。旅館に入り、部屋に通された後、着物を着込んで羽根を隠した天狗の若女将に聞いたところによると、この旅館街を利用するのは主に天狗達でも中流階級に属する者で、上流の者は皆それぞれの別荘を持って居、下級の者は皆暇はあれど金のない連中で、忙しく働き金はあるが休みの少ない天狗がその忙しい日常を忘れに、少ない休みを削って遊びに来るのが主な客層だと言いました。またハネムーン、いわゆる新婚旅行の風習を人間社会から持ち込んだ天狗や河童が、気分だけでも味わおうと来ることもあり、また山を恐れない強い人間や幽霊なども本当に時折訪れるのだということでした。
それじゃ、私達は珍しい人間だということだね。神子がそう言うと、その通りでございます、天狗にわざわざ話を通して遊びに来るなんて珍しいこと、昔は気ままに山に入っては一悶着起こしてから宿を求めて来るのが普通で、更に昔の大昔では人里を追い出されたかつての人間の英雄が堕ちて鬼になり、好き放題をするのに手を焼いて、寝込みを襲うことになって宿で乱痴気騒ぎになって、宿場じゅうが大騒ぎになったこともありました。あの時は川にも山にも覗きに来る天狗や河童が溢れておりました。その時はわたくしはまだ幼い子天狗で、怯えて遠くから見ていたものでございます。そんなことをとりとめなく女将は喋った。
女将はどうやら話し好きで、神子も人と話すのは嫌いではないものだからではこの宿は相当な歴史があるようですね。なかなか由緒のありそうな佇まいも感じられますと女将に話すとええその通りでございます、こちらは宿号を蓬羽と申しまして、幻想郷の前の人間の世では、江戸は元録七年、将軍綱吉の世に、京鞍馬は貴船神社の麓にて俵なにがしという者が始めたそうでございます。昭和の世になり、第二次世界大戦の窮乏で、遊山などはもってのほか、宿を畳むことになった次第でございます。子細は知りませぬが敗戦から高度急成長の時代の流れの中で、建物だけが幻想郷に流れ、わたくしどもの父祖が棲みつき宿を再開した次第でございます。
その女将は自分の仕事と宿に誇りを持っているように、聖は感じたそうです。女将がそれらのことを話し、退出し、膝を付いて襖を閉めて行ってしまうと、ふう、とようやく一息をついたような風になりました。聖と神子さん、二人っきりになり、言葉も交わさず、ぼうっと外を眺めていました。六畳間が二つ並んだ室で、隣は寝室のようでした。寝室の逆側の襖は開け放たれていて、縁側があり、そこからは川が見えました。橋から見た時も感じたけれど、やはり美しい眺めのように感じました。それから神子さんの方をふっと見ると、神子さんの方でも聖を見ていて、ふっと笑いました。神子さんが立ち上がり、寝室を開けると布団が一つで、わざわざ泊まりに来たのだから余程お熱い二人なのだろうと宿の方で変な気を回したらしく、後で二つに変えて貰いました。神子さんが歩き回って探索している間、聖は女将が盆に載せて運んできていたお茶を湯飲みに二つ注いで、一つを神子さんの方へ置き、一つを自分の方へ置きました。でも、特別飲もうという気も起こらず、さっきと同じように川をぼうっと眺めていました。そうすると、戻ってきた神子も、同じように川を眺めていました……不思議と、会話はありませんでした。
「聖、先にお風呂を借りてきてはどうですか?」
ようよう、長い時間の後で、神子さんが口を開きました。少し不思議には思ったものの、疑問を持つほどでもなかったので、聖ははい、と答えて席を立ち、部屋を出ました。
この宿は景に重きを置いているようで、露天からも川が見えました。川中に転がる巨岩のような岩で囲まれた岩風呂と、熱めの湯、それから露天の景というのも手伝って、普段とは何もかもが違って格別で良かったと言い、それから聖は、良かったら今度皆で行きましょうか、と提案しました。
もしかしたら神子さんは後で来るのかもしれない、と心持ちゆっくりと、待つようにして長風呂をしましたが、茹だってきたので、上がることにしました。浴衣に着替え、部屋に戻ると、神子さんは縁側の籐椅子に腰掛けて雑誌の頁を捲っておりました。お湯を戴きました、と声をかけてから、何を読んでいるのですか、と覗き込んでみると、それは外来本のようでした。聖の知らない紙質の、色取り取りの本でした。綴じ方も、和綴りではない、聖の知らない綴じ方の本でした。
「女将を読んで、暇潰しに持ってきてもらいました。復活したばかりだから、よく分からないけれど……少ない知識で考えながら読んでいます。勉強のつもりで……」
神子は雑誌を閉じ、聖を見ました。
「そんな装いも可愛らしいですね」
聖は浴衣着に、髪をまとめて手ぬぐいでまとめていました。神子にそう言われると、つい気楽に、普段しているような風呂上がりの装い、涼しくて気楽な襟首、髪を持ち上げたうなじの辺りが、急に気恥ずかしくなって、聖は手ぬぐいを解きました。金と紫の混じったウェーブヘアが、首元と背中に落ちて、美しかったことでしょう。神子さんは残念そうに、そんな風にしなくていいのに、と言ったそうです。それもまた弄ばれているようで、聖はうずうずとしたそうです。神子さんは籐椅子から立ち上がって、雑誌を机の上に置き、聖と入れ替わりに部屋を出ました。
聖は長風呂をしたものだからぼうっとして、少し湯疲れしたぐらいで、だらしなく片肘をついて、雑誌を眺めました。どうやら演劇の雑誌のようで、洋装をした男性や女性の写真と、ちょっとした説明が載っていました。聖も神子さんと同じで、外界の現代文化というものに精通しておりませんでしたから、分からない単語もありましたが、気楽に、絵本のつもりでぼうっと眺めると、それはそれで楽しめるものでした。机の真ん中には、籠に入った数個の梨があり、その脇に、半分に切った梨と、更に切り分けられて種と皮の省かれた梨が、皿に載っていました。聖の為に神子さんが用意したという風にも見えず、ただ食べる為に女将に持ってこさせ、余ったからそのままにしておいた、という風でした。聖は手を伸ばして、梨をつまみ、囓りました。仄かな甘みがして、しゃり、という歯触りが心地よく感じました。夕食の前でしたが、小腹が空いていたので、切り分けられた分をお腹に収めると、傍らに置かれていた果物包丁で切り分け、皮を剥き、をしていると神子さんが戻ってきました。
神子さんの、トレードマークのような寝癖はぺたんと地毛に混じって、耳当ては着替えと一緒に手元に抱かれ、聖とお揃いの浴衣姿でした。ああなるほど、神子さんはこんな風な気持ちだったのだな、と思い、同じように言ってあげようかな、と思いましたが、神子さんに『可愛い』などと言うと何を思っているのだろうと思われるのが恥ずかしく思い、止めました。ゆっくりと入ってきた神子さんは上気した、けれど穏やかな顔をして、部屋に入りました。上がりました、と神子さんが言うのに合わせて、立ち上がると、神子さんの髪が、まだきらきらと雫を跳ね返し、濡れているのに気付きました。まだ濡れていますよ、と呟き、神子さんの首元にかけている手ぬぐいを取りました。ああ、そのうち乾きますよと神子さんが言うのに構わず、また神子さんも手ぬぐいを髪に押しつけられてもされるがままで、聖は神子さんの髪を拭きました。神子は髪をしたいようにさせたまま、机の前の座椅子に座りました。聖は手ぬぐいで髪を拭きながらついていって、神子さんが座ると膝を付いて神子さんの髪を拭きました。水気が取れたように思えると、ぱっぱっと手ぬぐいを振って終わりましたよ、と言いました。神子さんは、ん、と子供のように言って、そんな仕草も可愛らしく思えたそうです。
夕食にはひじきの煮物、木耳の酢の物、湯葉、白身魚ときゅうりの和え物、冷や奴、川魚のお造り、麩入りのみそ汁、それから鴨鍋と、贅沢ではないけれど山と川の名物が多く並びました。
食事の前に、神子さんは食前酒によく冷えた梅酒を、聖はお茶を入れた杯の縁を、静かに合わせ、軽く音を響かせました。
聖は食事についても制限が多く、それらを得に旅館の方には伝えていなかったので、自分で食べられるものだけを選んで取り分けて食べました。肉の大半は神子さんにあげてしまって、神子さんは「悪いから、そんなことでは」と、代わりに何やかやと皿を聖の方に皿を押しつけ、そのお陰もあって、聖は食事を楽しみました。神子さんは食事の合間にお酒を頼み、飲む度に、少しずつ態度が変わりました。言葉の受け答え自体には大きな変化はなく、ただ、話の合間合間に、少し静かになって、思いに耽るように、視線を少し俯きがちにするのです。神子さんは酔うとこんな風になるのかな、と聖は思いました。神社などの宴会で見る、他の人の前での神子さんとは違いました。静かで、気怠げに聖には見えました。
食事の途中で雨が降り出して、食事が終わっても、しばらく雨は降り続きました。降るというよりは地面に染み込んでゆくような静かな雨で、外からは、川の音に紛れて雨の音は聞こえませんでした。しぶきの作る冷気が外から流れ込んでくるので、雨が降っているのが分かりました。神子さんは寒くないのかな、と聖は思い、けれど、神子さんが寒そうな仕草も見せなかったので、聖は襖を開けたままにしておきました。襖の外は対岸の旅館で吊されているぼんぼりだけが明るく灯って、その周りだけ照り返して明るく、そのほかには何も見えませんでした。
夕食が終わってから、聖と神子さんはしばらくぼうっとしていました。神子さんは夕食の後、日本酒を冷やでもらって、手酌でちびりちびりと舐めるようにしていました。床についてしまってもいいけれど、どうしようかしら、と聖が思っていると、神子さんはふらりと立ち上がって、襖に歩み寄りました。神子さんは外を確かめ、上がった、と一言言いました。
「酔い覚ましに、少し歩いてきます。ついでに道場の皆にお土産でも買おうかと……聖も付き合いませんか?」
神子さんはそう言って聖を誘いました。聖は神子さんに誘われたことと、心持ちふらついているように見える神子さんを一人にするのが不安だったので、神子さんの誘いを受けました。神子さんの着ている浴衣の乱れを直してやり、羽織を二枚取りました。冷えるといけませんから、と神子さんに手渡して、二人は宿の外に出ました。番頭をしている黒髪の若い天狗が軽く頭を下げ、いってらっしゃい、と言いました。
多くの人妖達が行き違う、踏み固められた土の地面は、少しの間降った雨でしとやかに濡れていました。雪駄で濡れた地面を踏んで、二人は寄り添って夜の旅館街を歩きました。
宿の店先に掲げられたぼんぼりで、夜でも道は明るく照らされていました。部屋から対岸で見えたものと同じものです。遠くにあると寂しげに見えたものが、灯りの真下で照らされると、明るく活気に満ちて見えました。宿の縁側に座り込んだ天狗達が酒盛りをする騒がしい声がそこらで聞こえ、腕を組んで睦まじく歩くつがいの天狗や、酔っぱらって肩を組んで歩く若い天狗達の一群が、何組も二人の前に現れて、擦れ違って背後に消えていきました。旅館の店先では名産の土産を売っていたり、古い茶葉を売る店や、日本酒を並べている店があり、また立ち飲みやおでん、ラーメン、揚げ物の屋台が並んでいる通りもありました。だけど、聖は不思議と、その風情を静かなものと感じていました。その理由は隣を歩いている神子さんが静かだったからでした。多分酔っていたのでしょう。
殊更に静かでした。喧騒から一歩を引いたように、喧騒は遠くに聞こえ、隣にいる神子さんは近くに、聖は感じていました。土産物を探すとは言ったものの、神子さんは特に店屋を覗き込むこともなく、ただぼんやりと歩いていました。喧騒の中で、聖は穏やかな気持ちになりました。聖はこれまで生きてきた日々の中で、穏やかでなかった時の方が多かったように思います。私共との付き合いを始めてからも、その前も、そして幻想郷に来てからも…幻想郷では騒々しいながらも楽しげに日々を過ごしていましたが、それ以前はもっと殺伐とし、誰かに庇護されることもなく、聖は誰かと一緒にいても一人でした。聖はその時、自分は自分を信じてくれる者がいる、だからこんな風に穏やかに過ごすことはないだろう。だけど、と聖は考えました。こんな風に日々を過ごすのも悪くないなあ、と聖は思ったそうです。私はそれを聞いて少し、寂しくなりました。
不意に、考え事をしていたせいで、聖が何かに躓いてよろけました。空中をさまよった手を、神子さんが握って、受け止めました。聖が顔を上げると、神子さんがふっと笑いました。大丈夫かい、と言っているように聖には思えました。
「少し、休みましょうか」
そう言うと神子さんは聖の手を引いて、土産屋の店先の長椅子に腰を下ろしました。まるで、酔っていないのに、酔っている者を介抱しているようだ、と聖は思い、恥ずかしくなったそうです。長椅子に座り、神子さんは手を離しました。離れてから、神子さんの温度が離れたのを意識しました。神子さんは背を伸ばし、少し逸らしてううん、とうなりました。中空を眺めて、ぼうっとして、やはり少し酔っているようでした。また少しすると、戻りましょうか、と神子さんは言いました。店屋も何も覗いてはいませんが、単に神子さんは歩きたかっただけのようでした。神子さんが先に立ってふらふらと歩き出すと、聖は後を追いました。結局お土産は、自分達の宿に並べているものから選ぶことになりました。
宿に戻ると、床の用意がもうできていました。二人して、寝床に入りました。寝床に入りました――と聖は言ってから、勿論別々のですよ、と言いました。
床に入っても、すぐに眠りには就きませんでした。遠くから川の音が、夜の中に響いていました。神子さんは、布団に入って十分もすると、するりと布団を抜け出して、隣の部屋に行きました。襖がすう、と開き、とん、と閉まる音を聖は聞きました。神子さんが隣に行って何をしているのか、そっと考えてみましたが、聖にはその想像は一つも形になりませんでした。
それからどれくらい経ったでしょう、襖がすうと音もなく開きました。神子さんが戻ってきたのだ、と聖は訳もなく確信し、思わず、襖の方を覗き見ました。灯りはなかったので、それが神子さんかどうかは見えませんでした。顔を向けた際にしゅるりと布団の擦れる音が響き、あ、と神子さんが短く声を上げるのが聞こえました。戻ってきたのは間違いなく神子さんで、声を上げた神子さんが、気が動転して、口元を指で隠すのが、見えるようでした。
聖はいけないことをした、とどうしてか思いました。神子さんは何かを恥じるような態度で、襖をゆっくりと閉めました。少しの間音はしませんでしたが、神子さんの気配は部屋の中にあり、神子さんはやがて、ゆっくりと摺り足で、自らの布団に戻りました。それから、何もありませんでした。神子さんが時折寝返りを打つ音が聞こえ、やがて眠りに落ちて、安らいだ寝息が聞こえてきました。聖は、そっと寝返りを打って、神子さんの方に顔を向けました。神子さんの顔は見えませんでしたが、神子さんの方を見ていることだけで聖は良かったのです。
それから……聖が話してくれたのは、そこまででした。二人は朝を迎えて宿を出、二人して山を下って、寺の前で別れました。二人はそれから、互いの生活に戻りました。
聖と神子さんが旅行に行ったのは、その一度っきりでした。
聖が私に話してくれたことは、それで終わりです。
どうして、急に私がこのことを思い出したのか、おそらく、聖と神子さん、二人の間柄に、少しの変化が訪れたからだと思います。二人はその時から、互いに好き合っていたのではないか、そんな風に思えるのです。
聖と神子さんは、明日から二人で生活を始めます。道場や寺の者を裏切ったという訳ではありません。昼には互いを待つ者の所へ行き、これまでと変わらない生活を送ります。ただ、二人は、二人で住むことを決めました。
聖と神子さんの間に何があったのか、結びつきがどういう軌跡を辿ったかは、私は知りません。それに、あまり吹聴するものでもなく、聖と神子さんの中でだけ、穏やかに存在すればよいものでしょう。ともかく、二人は逢瀬を重ね、二人で過ごすことになりました。幻想郷では結婚という制度はなく、事実婚のような形になります。二人で住む区切りに、明日は小さな式のようなものもするそうです。
ひじみこもっと流行れ
語り口から色気が匂ってくるようで、読んでいてクラクラしました。
ひじみこ末長くお幸せに生きろ……
これは個人的な好みですが結婚の下りは無くても良かったかなと思いました
この作品をね、僕は 山を散策するようにゆっくり読ませていただきましたよ、ね?
なんとも意味深な奥ゆかしい雰囲気にのまれて、読んでいてとっても癒されました。
それでね、最後のパラグラフを読みはじめるまではね、
「あぁ、この作品は読んでいてすごい心が落ち着いて、いい作品だな。きっとしみじみとした読後感に浸れるだろうなぁ。」と
思っていたんですよ。最後の最後、最後の文章を読むまではね…
> 聖と神子さんは、明日から二人で生活を始めます。
!!!??どういうことじゃ!?な、なnんなんだこれは!!どういうことだ!出てこいよ!!!<ドンドン
まるで、さっきまで山の中を散策していたと思ったら、急に崖から転落した気分ですよ!
船越英一郎も勢い余って、犯人と一緒に崖に転落したんじゃないかってぐらいの急転直下なオチでした。
最後のパラグラフまでの、「鶴の恩返し」を読んでるようなしんみり切ない、ちょっと色っぽいお話も良かったし。
最後のパラグラフの、ひじみこ大☆勝☆利展開も良かったです。だって僕もひじみこ好きだもん。どんなに驚かされても許しちゃうよ。最高だよね。
GJ。
静かで趣のある雰囲気がすごく心地良くて、お話の内容がはっきりと頭の中にイメージできるようでした。読んでいて自然と溜息が出るくらいには深くはまり込んで、素直にすごいなあ、と思わされました。
そして、終盤の急展開に衝撃。どおいうことじゃあ!? びっくりだよ!
でも、いいや。どんな終わり方だろうと許してしまえるくらいにはお話の雰囲気に浸れたから、大満足!
二人の旅行は楽しく読ませていただきました。
温泉街ということで、私は二人が歩く街並みということで、渋温泉を浮かべました。
去年の夏に行ったので、その街並みを思い出しながら、読み上げました。
私の中で結構、様になった幻視を見た気がします。
ひじみこの雰囲気がとても良かったです。
もっと広がれ、ひじみこ。
これへさらにエロさがあると100点でしたわー
こんなひじみこもイイ。
そして聖が完全にお父さんとの馴れ初めを子供に聞かせるお母さんw
さすがに若干の戸惑いはありましたが、むしろ宿やその周辺の景色、天狗達の繊細な描写の素晴らしさに比べれば些末なもの。
ここまでノスタルジックな、幻想郷的な情景がありありと浮かんできたのは久し振りです。
次回作も心待ちにしております。
静かな雨に包まれているような、しっとり暖かなお話でした。
静かな雨に包まれているような、しっとり暖かなお話でした。
経緯が欲しいと思ってしまうのは欲張りなのだろうか
聞き伝と語りの混合のような部分が幾つかあり、その辺が少しきになっちゃったのが少し殘念でした
しかし、個人的というか身勝手と言いますか気になった箇所を
・改行が少なくキツキツでやや読みにくい
・皆さん言うようにラストが急展開すぎたかなぁ
それでも、やはり作品の雰囲気に魅入られました
お見事!!
そして「いま作者の狙い通り驚かされたな」と思って悔しかった・・・
第三者の目から口語で描かれる情景が素晴らしく、古典文学の装いを感じました。
そして、最後のひじみこ結婚しましたとはwww
旅行以降はさっぱりで何だったんだろうねーという風にゆったりとした雰囲気を残すのかと思いきや、結婚とは…
吃驚しましたが、GJです。
語り手が丁寧だからでしょうか、全体的にしっとりとした印象を受けました。
特に劇的な何かが起こったわけでもない二人の小旅行がとても魅力的で自分も行ってみたいなぁなんて思いました。
ほろ酔いの神子様かわいいよ神子様かわいい。
ひじみこは結婚した後にもう一度同じ旅館に泊まりに行くといいな!
末永く幸せに暮してください!!
こういう宿に泊まってみたい
情景が目に浮かぶようですね。素敵なSSです。
ホァァーッ!ホァァァーッ!!
結婚しましたか
そして最後のひじみこ!大好きです。
ひじみこが暮らす様になるまでを見たいってのは無粋かな
ひじみこサイコー!!!!!!