Coolier - 新生・東方創想話

ABC中略Z事件

2013/06/23 23:23:50
最終更新
サイズ
30.28KB
ページ数
1
閲覧数
3714
評価数
12/37
POINT
2080
Rate
11.08

分類タグ

 A


 昨晩の嵐がうそのような快晴だった。
 こんな天気の良い日は散歩にでもでかけようか、と霊夢はぼんやりと考える。
 けれど、こういう日は家でごろごろとしているのも捨てがたい。
 嵐の後の空気はなんだか澄んでいて、初夏のこの季節には抗いがたいほどの睡魔をもたらしてくる。
 昼寝したら気持ちいいだろうなぁ。
 そんなことを考えて、ひとつ大きな欠伸。
 しかし、のんきな霊夢とは裏腹に、早苗が血相を変えて飛び込んできた。

「た、大変です! 霊夢さん。事件です! 事件なんですよ!」
「あん? どうしたのよ、こんな朝っぱらから」
「寝ぼけてる場合じゃないです! ともかく早く来てください」
「どこに?」
「どこって決まってるじゃないですか!」
「落ち着きなさい」
「これが落ち着いていられますか!」
「んー?」

 眠たい目をごしごしこする。
 早苗は肩で大きく息をしており、どれだけ急いできたかがわかる。
 息を整える暇もなかったのだろう。
 おっぱいのあたりが激しく隆起を繰り返していて、なんというか凄まじく負けた気分になる。

「水持ってくるから」
「ちょ、ちょっと霊夢さん。水なんかどうでもいいですって」
「いいから。少しは落ち着いて、整理して伝えようとしなさいよ。面倒くさい」
「うー」

 水を与えると、早苗はごくりごくりと二息程度で飲み干した。
 やっぱり喉乾いてたんだと、霊夢はどうでもいいことを思う。

「で? なんなのよ」
「はい」

 早苗はコップを丁寧に置いて、信じられないほど低い声を出した。

「八雲紫さんが……何者かに殺害されました」







 現場につくと、そこには有力者たちが集まっていた。
 かつて異変を起こしたことのある者たちである。
 列記すると――

 レミリア・スカーレット
 魂魄妖夢
 八意永琳
 伊吹萃香
 比那名居天子
 八坂神奈子
 古明地さとり
 聖白蓮
 豊聡耳神子

 加えて、八雲紫の式である八雲藍および橙もいた。
 橙は震え泣きながら藍にすがりついている。
 藍のほうはというと、睨みつけるように周りをうかがっていたが、よく見ると小刻みに震えていた。
 恐怖によるものではなく、そこにはマグマが煮えたぎるような怒りがあった。

「どういうことよ。説明しなさい」

 霊夢は周りに向かって声を張り上げた。

「博麗……」

 藍が地下水脈のような冷たい声でこたえる。

「本当なの?」
「本当だ」
「見せて」
「……わかった」

 霊夢は自分が針のように尖った思考をしていることに気づいていた。
 自分でも驚くほど冷静だったのだ。
 少しは動揺するかと思ったのだが、そうはならなかった。
 むしろ心の中はさざなみひとつ立たず、凪すらない無風状態である。
 八雲紫とであったのはつい最近のことのようにも、ずっと長い時間が経っているかのようにも思えるが、
 ひとつだけ確かなのは、出会ってから紫ほど霊夢のことを気にかけている妖怪はいなかったということだ。
 もっとも、妖怪の長い生から見れば、人間の生など星のまたたきのようなもの。
 その触れ合いも児戯に等しく、戯れにすぎなかったのかもしれない。







 八雲紫が死んでいた。
 特に外傷らしきものは見当たらず、布団の上に手を軽く組んで眠ったように死んでいる。

「霊夢さん」

 早苗は哀しげな声を出した。
 紫と早苗はたいして交流があるわけでもないから、その声がかなしげだったのは、霊夢のことをおもんばかってのことだろう。

「大丈夫よ早苗。私は取り乱してなんかいない」
「でも……!」
「私はただ少しばかり困ってるだけよ。
 ああ、これで結界の維持にさらに時間を割かなくてはいけなくなるなとか、そんなことを考えてるだけ」
「霊夢さん……」
「それで、こんな面倒な状況を作り出したやつをぶんなぐってやりたいだけよ」
「犯人を捜すんですね」
「ええ、そうよ。でも犯人捜しするまでもないわ」
「え? もう犯人がわかったんですか」
「ええ……、わかったのよ」

 犯人は!

 あいつしかいない。

 霊夢が指差したのは、魂魄妖夢だった。

「え、ええええ!?」
 
 当の妖夢は驚いていた。

「そんなわけないじゃないですか。もしかして半人だから犯人とか言うんじゃないでしょうね」
「べつにあんたが犯人って言ってるわけじゃないわよ」
「え、どういうことです?」
「あんたんところの親玉が犯人だって言ってるの」
「え、幽々子様が?」
「そもそも幽々子が来ないであんたが来てる時点で違和感ありまくりじゃないの」
「幽々子様は、知らせを聞いたら寝込んでしまわれて、それで私が代理できたんです。
 おかしいことじゃないでしょ。幽々子様と紫様は親友だったんですから」
「それでも幽々子しかいないのよ」
「なぜ!」
「なぜもなにも、八雲紫の家の場所を知ってるのは幽々子しかいないから」
「あ……」
 よろよろと妖夢は後ろに数歩下がった。
 直観的にそれが正しいをわかってしまったからだろう。
 しかし、主人のことを考えて、必死に言い分けを考えている。
「藍さんが殺したかもしれないじゃないですか」
「なんだと。貴様」
 藍がとびかかろうとするが、他の者に抑え込まれた。
 霊夢は暴れる藍を横目に、妖夢と視線を合わせる。
「藍では無理よ」
「なぜ」
「なぜなぜって、あんた少しは自分で考えなさいよ。
 まあいいわ。はっきり言うと藍は八雲紫の式だから、えーっと『ぷろぐらむ』だっけ? に従って殺せないの」
「それは、そういうふうに藍さんや橙さんが吹聴してるだけかもしれないじゃないですか」
「まあその可能性もあるわね。けど、それだけじゃないわ。考えるまでもないことだけど、この事件が発覚したのはなぜなのか教えてもらえる?」
「それは……」
 妖夢が言いよどんだことで、霊夢のなかの推理が確信に変わる。
 早苗が現場に連れてきてから、今まで誰ひとり説明をしなかったのだが、当然知らせたのは藍に決まっている。
 その藍が殺した犯人であるはずがない。
「犯人捜しを楽しんでるだけかもしれないじゃないですか!」
 もはや言いがかりである。
 妖夢の姿は主人を守るために必死であったが、しかし、その必死さが逆に幽々子が犯人であることを印象づけた。
 霊夢は妖夢を機械のような正確さで分析する。
 妖夢は白。
 そう結論づけた。
 この場で、わざわざ幽々子を犯人だと決めつけ、妖夢を指差したのは、ひとえに共犯の可能性を危惧したからだった。
 幽々子が犯人であることは間違いない。
 しかし、妖夢が従犯かそうでないかの判断は後からではつけにくい。
 妖夢の必死さから考えると、きっと知らないところで行われた犯行だ。

「ともかく……、これではっきりしたわね。幽々子のもとに向かうわよ」
「私たちはどうすればいい?」
 レミリアが実力者の代表として聞いた。
「そうね。あんたらは自分の家に帰っていて。まちがっても異変とか起こすんじゃないわよ。面倒事が増える」



 B



 白玉楼に到着すると、




 西行寺幽々子が死んでいた。




 妖夢は白い顔をさらに悪化させて、もはや蝋人形のようになってしまっている。

「亡霊が死ぬなんて、ありえるんですか?」
 早苗が聞いた。
「ありえない話じゃないわね。犯人の目星はついたわ」
「ええ!? もうですか。早すぎですよ。霊夢さん。ちゃんと推理しているんですか?」
「推理、なにそれおいしいの?」
「もう。この状況ってどう考えてもミステリとかの類ですよ。ミステリといえば、推理。当然でしょう?」
「あんたって基本他人事よね」
「そりゃ、まあ……」

 他人事ですもん。
 と、小さくつぶやいたように思えるが、妖夢がくずおれる姿を見て、沈黙に移ったようである。

「ともかく! ミステリですよ。ミステリにはルールがあるんです」

 確かに本をたくさん読む者にとってはミステリのルールぐらい常識だろう。
 有名なところでいえば、ノックスの十戒である。

 このルールは絶対の力を持つ。
 反することはミステリという物語の特性上『原則的には』できない。


 ①犯人は物語の当初に登場していなければならない

 ②探偵方法に超自然能力を用いてはならない

 ③犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない

 ④未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない

 ⑤中国人を登場させてはならない

 ⑥探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない

 ⑦変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない

 ⑧探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない

 ⑨バカ

 ⑩双子・一人二役は予め読者に知らされなければならない

「特に霊夢さんは勘で解決してしまいそうで、⑥に反しないか心配です」
「あのね、早苗。幻想郷だったら2に反する事態なんていくらでもでてくるでしょ。
 それに推理じゃないとダメなんていったい誰が決めたのよ」
「それがルールなんです」
「知るか」

 しかし、今回ばかりは勘や偶然ではなかった。
 霊夢は溜息をつきながら説明する。

「亡霊は死んでるから、これ以上死ぬことはないわ。それが原則。
 けど、ひとつだけ亡霊を殺す方法があるの」
「それは?」
「蓬莱人の肝を食わせること」
「つまり犯人は蓬莱人?」
「そう、だから藤原妹紅が犯人よ」
「ちょ、ちょっとまってくださいよ。
 蓬莱人って確か輝夜さんや永琳さんもだったはずじゃ。どうしてすぐに妹紅さんだと断定できるんです?」
「勘」
「だから、勘はダメですって」
「しょうがないわね……。単純に消去法よ。
 永琳や輝夜は基本的にウサギたちといっしょに暮しているでしょ。だから、人目を忍んで殺すのは難しい」
「それだって不可能とは言えないし、そもそもウサギさんたちは身内だからどうとでもなるんじゃ」
「古明地さとり」
 確かにあのとき古明地さとりはいた。
 だから、犯人はあの場所にはいない。
「ルール②に反しちゃいますって」
「知るか。現実の問題に物語のルールを持ちこまない」
「うー。ミステリマニアとしては納得できません」
「ともかく、妹紅の可能性が一番高いんだから、探すわよ」



 C



 結論から先に言えば、妹紅は失踪していた。
 幻想郷中を探してもどこにもいなかったのだ。

「うーん。これってなんだか未消化ですけど、妹紅さんが犯人だったってことでしょうか」
「早苗。それは違うわね」
「え? だって霊夢さんが妹紅さんが犯人だって言ったんですよ」
「ああ、確かに幽々子を殺したのは妹紅よ。でも妹紅を殺したのは別の犯人がいるってこと」
「え、そんなわけないじゃないですか。だって蓬莱人は死なないはずじゃ」
「そもそも『死』って何かしら」
「それは、えーっと、生命活動が停止することですね。現代社会においては三兆候説っていって、
 心臓停止、呼吸停止、瞳孔反応停止の三つが起きた状態のことを言うことが多いらしいです。あとは、脳死とか?」
「妖怪の類はその心臓とか、呼吸とか、瞳孔とか操れるやつも多いわよ。脳みそないやつもいるし」
「うーん」
「早苗の定義では死はとらえきれてないってことになるわね。ここ幻想郷では」
「じゃあ、霊夢さんにとっての『死』とはどういう状態のことを言うんです」
「簡単なことよ」

――ひとりぼっちになること

 霊夢の思考はどこまでもシンプルだった。
 死ぬということは他者と会話できないということだったのである。
 コミュニケーションの途絶こそが『死』だった。
 だから、失踪も『死』だ。

「犯人はひとりしかいない。妹紅を途方もない彼方へと追いやることができるのは、距離を操れる小野塚小町のみ」

 霊夢は断言した。



 D



 もうだいたいの様相はつかめてきただろう。
 小野塚小町は死んでいた。
 溺死である。渡し舟もともに沈んでいた。

「犯人はムラサね」
「あー、この能力だけで犯人扱いするのってどうなんでしょう」
 早苗は若干呆れ気味。
「犯人が特定できれば問題ないでしょ」
「様式美がー」
「知るか」
「そもそもルール違反とかやりはじめたら、そこの川を渡って直接被害者さんに聞きに行けばいいじゃないですか」
「今頃、被害者と加害者たちが楽しくののしりあってるんじゃないの?」

 妹紅は別として。



 E



 ムラサは死んでいた。
 彼女の場合は妖怪化しているので亡霊系ではあるが、死ぬという事象自体はありえる話らしい。
 さて、ムラサの場合は少しばかり様相が異なっていた。
 彼女が死んでいたのは、蔵の中である。
 ひとつしかない蔵の扉には巨大な錠前がしてあり、窓枠には鉄格子がはまっている。
 そこでムラサは首を吊って死んでいた。

「自殺……ですかね。やっと密室がでてきてそれらしくなってきたのに、これじゃあ……」
「あのねえ。早苗」
「はい。どうしました?」
「ここ幻想郷では空を飛ぶなんて珍しくもない能力なの。で、首吊りなんて苦しくてやってらんないことぐらいわかるでしょ」
「うーん。罪の意識を感じて必死に死んだとか」
「必死に死んだって、なによそれ……」

 霊夢は完全に呆れていた。
 しかし、今回ばかりは密室だけに難しかった。
 能力で特定できない死に方なのである。
 密室を突破する能力といえば、青娥の『壁抜け』が一番オーソドックスであるが、その他にもいろいろとやりようはあるように思われる。
 論理の幅が広すぎて誰が犯人なのかわからない。

「霊夢さん、どうしましょう。シンプルな密室だけに難しいですよ。迷宮入りしてしまいそうです」
「能力は使っていないという条件が要るわ。あの蔵、特殊な結界が張ってあって能力は使えなかった。そういうことにしましょう」
「そういうことにしましょうって、ものすごい力技な気が……」

 霊夢が突然後ろを振り向いた。
 そこには聖が悲壮の顔で立っていた。

「確かにそのとおりです。よくわかりましたね」
「一応、結界のプロよ。それくらいわかって当然」

 しかし、依然として謎は残る。
 今回ばかりは霊夢もうーんとうなっている。
 どうすれば能力なしで密室を突破できるのか。

「あ……」

 突然、早苗は気づいた。
 えー、いやー、まさかそんなー。そんな解き方でいいのというような思いつきである。
 勘の良い霊夢はすぐに早苗の様子に気づいた。

「どうしたの早苗。何か気づいた?」
「もしかして犯人がわかっちゃったかもしれません」
「ふうん。誰?」
「まさか単なるワトソン役だと思っていた私が気づいてしまうなんて、ついに私の時代来たー?」
「いいから早く教えなさい」
「あべし」

 後ろからはたかれ、早苗が少女らしからぬ声をあげる。
 だが、わかっちゃったのは本当のようだ。

「つまり溶接なんじゃないかと思ったわけです」
「なに溶接って?」
「えーっとですね。溶接というのはですね、機械の力で金属をくっつける技術ですよ」
「うーん?」
「つまり犯人はですね。なんらかの力を用いて鉄格子を切断し、
 その後、溶接技術によってまたくっつけなおしたというわけです」
「じゃあ犯人は?」
「私が見た限り、溶接技術はここ幻想郷では一般的ではありません。
 鍛冶屋さんがいるんで鉄格子自体は誰でも作れるみたいですけど、
 あの高いところにある鉄格子を誰にも見られないほど短時間でくっつけるには、
 飛ぶ能力があって、かつ溶接する技術がなければならないことになります」
「となると犯人は?」
「河城にとりさんしかありえません」
「でも、誰にも気づかれないものなの? その溶接って」
「確かに普段ならものすごい光と音で気づかれてしまうでしょうが、昨日は嵐でしたからね」
「そうね。確かに」

 まるで何かの伏線であるかのように、
 犯人が犯行をしても矛盾が生じないように――
 昨日は嵐だった。



 F



 河城にとりは死んでいなかった。




「なんだかカプセルハウスのような形ですね」
 にとり亭は卵を半分に切ったような形をしていた。
 上部には金属製の煙突がついていたが、小さくとても人が通れるスペースではない。
 そんなことを無意識に確認してしまう。
 窓もはめ込み式で壊さずに侵入することは難しそうだ。
 早苗がにとり亭のドアをたたく。
 反応はない。
 鍵はかかっていなかった。
 早苗は緊張の面持ちで霊夢と視線をあわせる。
 霊夢も首を小さく縦に振り、同意を示す。
 そっとドアを開けた。



 グサ



 と、そんな音がした。



「SAWなのか……」



 茫然として早苗が何事かつぶやいた。
 まるでルーミアみたいなつぶやきである。
 霊夢には意味が分からなかったが、その視線の先にあるものを見て、なんとなく何が言いたいのか理解した。
 にとりは椅子に縛られていた。
 そして、胸に大きな矢が刺さり絶命していた。
 壁を見ると滑車のようなものからロープが張られており、最終的には今開け放ったドアに向かうことがわかる。
 つまり――、
「あ、あ、わたし、ころし」
「落ち着きなさい」
「え」
 
 霊夢は早苗を後ろから抱きしめていた。
 混乱寸前だった早苗の頭が別の意味で混乱する。

「え、れ、霊夢さん、こんなところでいきなり何をするんです」
「あんたが悪いわけじゃないわよって言いたかっただけ」
「うー、でも私がもう少し慎重に開けておけば、にとりさんは……」
「五センチ」
「え?」
「五センチほど開けたら発射されたようね」
「よく見てましたね」
「まあ早苗が開けなかったら私が開けてたわよ。だから、早苗は悪くないし、もしなにか罪悪感でも感じてるなら、私のせいにしちゃいなさい」
「だ、大丈夫です。正直少しだけ罪の意識を感じちゃってましたが、今は大丈夫です」
「よし、だったらさっそく調べましょうか」
「さすがに今回は犯人を特定するのが難しいように思います」
「壁抜けできる青娥が犯人よ!!」
「えー、でも萃香さんも可能なのでは?」
「鬼がこんなまどろっこしいことするか」
「まあ、確かに」



 G



 青娥は死んでいた。
 自分で自分の首を絞めていた。
 目が飛び出るくらいに見開かれており、涎がだらだらと垂れ流し状態で、凄惨な有様であった。
 だが、霊夢と早苗は既に慣れていた。

「呪いね。つまり犯人は諏訪子」
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなわけないじゃないですか。呪いなら厄神様かもしれないですよ」
「厄は不幸になること、呪いとは別種よ」
「でも」
「でももかかしもあるか!」



 H



 洩矢諏訪子は死んでいた。
 四肢が部屋中に転がっている。
 いわゆる爆発四散状態である。早苗は「う」とうめいたが、耐性ができたのか、反応としてはそれだけだった。
 霊夢はもとより冷静だ。
 それよりも、この物語はいったいどこへ向かっているのだろう。
 仮に数珠つなぎでAからZまで行くとなると、
 BがAを殺す時間、CがBを殺す時間と累積されていき、矛盾が生じてしまわないだろうか。
 そんな考えが一瞬頭の隅をよぎったがすぐに捨てた。
 いまは考えてもしかたがない。



「フランドールしかいない」



 I



 フランドール・スカーレットは死んでいた。
 まっくらな地下の部屋の中で腕だけが残っていた。再生する気配がない。残存する魔力が無い。
 これは吸血鬼の魔力を消滅させる太陽の力を使ったからに他ならない。

「ロイヤルフレアを使ったのね」
「さすがにわかりやすすぎなのでは……」



 J



「で、パチュリーさんも死んでるんですね」
「まあそうでしょうね」



 そのとおりだった。
 パチュリーは図書館の一角にある自室で息絶えていた。
 机につっぷしている。
 ダイイング・メッセージでもないかと探したがそれもなし。

「死因がわかりませんね」
「永琳を呼びましょう」

 永琳が犯人の中からはずれるのは最初のリスト内に古明地さとりがいたことからも明らかである。
 永琳の調査により死因はすぐに明らかになった。

「インフルエンザね」
「いんふるえんざ?」

 霊夢は首をかしげる。ここ幻想郷ではインフルエンザはあまり知られていない。
 しかし、当然のことながら早苗は知っている。

「インフルエンザ程度で魔女が死ぬんですか?」
「インフルエンザをバカにしてはいけないわ。そもそも彼女の場合、躰が弱かったんじゃないかしら」
「んー。そうですか。でもこれは病死。つまり他殺ではないということになりそうですが」
「犯人はヤマメ!」




 K



 ヤマメは死んでいた。
 頭が割れている。近くには桶が転がっていた。

「キスメ」
「もうなんだかどうでもよくなってきちゃいました」



 L



 キスメは死んでいた。
 焼死体である。
 霊夢と早苗はキスメの下半身を初めてみた。
 彼女は桶から数歩離れたところで死んでいたのである。

「キスメは桶から離れることはないわ。つまり、これは無理やり動かされたと考えるべき」
「つまり屍体を操る能力を持ち、火を放つことができる者が犯人というわけですね」
「火焔猫燐が犯人よ」



 M



 火焔猫燐は死んでいた。
 今度こそ正真正銘の密室である。
 地霊殿の倉庫は鍵がかかる部屋があって、そこはしかも妖力を封じるお札が張ってある。
 能力は使えないし、出口はひとつしかない。
 出口の鍵は閉まっていたので、夢想封印(物理)で破壊した。
 出口を開けて、そっと中を覗くと、すぐそばに鍵が落ちていた。
 鍵のそばにお燐は倒れている。紐状のもので首をしめられた跡があった。

「こいししかありえない」

 確かにこいしであれば、認識できない状況で潜んでいる可能性がある。

「こいしちゃんならここにまだいるのでは?」
「早苗、出口をふさいでなさい。私が中を調べるわ」
「わかりました」

 それにしても、この場合は少しまずい状況ではないだろうか。
 こいしがもしもここで死んでいた場合、事件が収束してしまわないだろうか。
 犯人は自殺。
 それはそれで論理的に矛盾は生じないものの、探偵役としては巨大な謎を残すことになる。
 どうしてこうなった、ということへの説明がつかない。
 犯人が生きていれば少しは解明する手がかりが生じるはずであるが、それすらもないとなると、ほとんど無理ゲーだ。
 ミステリとしての完全な破綻である。
 だが、どうしてミステリのルールに従わなくてはならないのだろう。



 N



 果たして、こいしは死んでいた。
 パレットナイフが近くに転がっており、それで首を刺したのは明白であった。

「死んでたわ」
「へー……」
「おそらく自殺ね。だって密室状態なのだからしかたないわ」
「霊夢さん、ここまでがんばってきたんですから、もう少し考えましょうよ。そんな簡単な事件なわけないですよ」
「でも、この倉庫は完全な密室よ。外部にいるはずがない」
「いままでの経緯から考えて、こいしちゃんを殺したのは誰か違う妖怪のはずです」
「そんなの論理でもなんでもないじゃない」

 それこそ、まさしく勘だ。

「でも、そうじゃないと……」
「ひとつだけ可能性があるとすれば、自殺を教唆したという可能性ね」
「あ、なるほど」
「ミステリとしてはどうかしら。ただ、こいしが他の者には見えにくいということと、
 説得ができる存在を考えれば、やはり――」
「さとりさんしかいない?」
「そうなるわね」
「いよいよ核心に近づいてきましたね」
「むしろ真相からどんどん遠ざかってる気がするわ」



 O



 古明地さとりは死んでいた。
 彼女が死んでいたのは書斎の机である。大きな牛革だと思われる椅子に躰を預けるようにして死んでいた。
 頭の半分が吹き飛んでいる。
 虚空の表情はどこか安らぎめいたようにも見えるが、単に筋肉が弛緩しているだけかもしれない。



「客じゃないのよ」
 と霊夢は説明する。
 早苗はそれだけですべてを悟った。さとりだけに。
 でも本当は覚りと書くのである。
 そして、早苗はワトスン役として十分に優秀だった。
「どういうことなんでしょう。霊夢さん」
「ほら、さとりって几帳面だから、お客様が来たら出迎えるでしょう。それが座ったまま殺されている」
「うーん。殺したあと移動させたっていうのはどうですか?」
「あいつがそんな知恵があるわけないじゃない」

 犯人は霊烏路空しかいなかった。



 P



 霊烏路空は死んでいた。

「霊夢さん、どうしてこの物語はこんなに生き急いでいるんでしょう」
「そんなの知らないわよ。私だってもっと綿密に操作したいのよ。でもうまくいかないの」
「べつに一日で捜査しきれないと死んじゃうわけでもないでしょうに」
「おなかすくでしょ」

 確かに捜査のせいで、朝から何も食べていない。
 もうお昼の二時を回った頃だろうか。
 昨日だけでいったい何人死んでるのだろう。
 霊夢は大きなため息をつくと、その場にしゃがみこむ。

「あ、ダイイングメッセージ。えっと……『ぬえ』って書いてるわね」
「これは罠です!」早苗は大きな声をあげた。「私たちを陥れるため犯人が仕組んだ罠です」
「でも、このつたない文字はどうみてもこいつのよ」
「うー、ミステリとしてどうかと……」
「さぁ戻るわよ」



 Q



 再び命蓮寺に戻ると、やっぱりぬえは死んでいた。

「あ、あれは……」

 屋根の上、彼女は胸を矢で貫かれていた。
 ここにあるはずのないもの。
 すなわち、頼政の矢により。

「くだらない。こんな高度な幻術を施すなんてあいつにしかできないじゃない」
「え、幻術?」
「そうよ」

 霊夢が弓矢を引き抜くと、ポンという軽快な音を立てて葉っぱに変わった。

「こんな葉っぱに殺されちゃったんですか」
「ショック死したんじゃないの?」
「犯人は?」
「言うまでもないけど、マミゾウ」



 S



 マミゾウは死んでいた。
 老獪な妖怪をいったい誰が殺せるというのだろう。
 早苗はそう言いたげであるが、霊夢は気にしなかった。

「また綺麗な遺体ね。永琳を呼びましょうか」
「でも、よく考えたらさとりさんも犯人だったんですよね。その犯人から白つけられてもあまり意味ないのでは……」
「でもさとりはこいし殺しの犯人ではあるけど、他の殺妖とは無関係よ」
「無関係なんでしょうか。そもそもこの事件おかしくないですか」
「なにが?」
「だってこんな立て続けに事件が起こっているのに、
 被害者が加害者になったり、加害者が被害者になったりして、現実的にありえません」
「現実的に起こってるじゃないの」
「ですが」
「いい。早苗。そもそも妖怪なんて超常のカタマリ。理不尽のカタマリみたいなものじゃない。
 そこに人間のルールなんて持ち出しても無意味なのよ」
「それはそうですけど、妖怪だって、なんというか、人間のルールに従ってますよ」
「そう思ってるだけ。勘違いしてるだけかもしれないわ」
「いっしょに暮しているじゃないですか」
「いっしょに暮しているから何?」
「共存しているってことになりませんか」
「違うわ。いっしょに暮しているから、共存しているという考え方自体がひとつの『考え方』なのよ」
「そうではないと?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

 妖怪がどう思っているかなんて知りようがないし、
 他人がどう思っているかなんて知りようがない。
 動機なんて聞くだけ無駄である。

「だってそうでしょう?」

 共存か敵対かという解釈を施しているのは人間なのだし、
 知りたいと願うのは人間の暴力に過ぎない、と。

「でも、それでもいっしょにいたいんです」
「いたいと思うのは勝手よ」

 霊夢はそんなことに興味はなかった。
 これ以上の会話は無意味とでも言うかのように打ち切った霊夢に対し、
 なおも納得のいかない早苗はくってかかった。

「無視しないでください」
「無視してなんかいないわよ。ただ、そうね。蟲はいたようだわ」

 犯人はリグルらしかった。



 T

 リグルは死んでいた。
 毒殺されていた。
 犯人はメディスンだった。

 U

 メディスンは死んでいた。
 アリスが犯人に違いなかった。

 V

 アリスは死んでいた。
 右肩から足の先まで引き裂くような跡があった。
 雷であり、当然犯人は永江衣玖しかありえなかった。
 
 W

 永江衣玖は死んでいた。
 彼女はナイフで56箇所もの傷を全身につけられていた。
 十六夜咲夜が犯人である。

 X

「もう後がないですね」
 早苗はにっこりと笑った。
 屈託のない笑顔である。
 ついに壊れてしまったか、と霊夢はチラと考える。
「霊夢さん、私、わかったんですよ」
「なにがよ」
「この事件の真犯人がです」
「犯人ならいままでも全部わかってきてるでしょ」
「そうじゃなくて、これらバラバラに見える事件は実は関連性があったんですよ」
「へえ。どういうふうに」
「えっとですね。アガサクリスティの著名な作品にABC事件というのがあるんです」
「……」
 
 霊夢は無言で先を促す。
 ふたりが向かっている先は言うまでもないが、十六夜咲夜がいる可能性の高い紅魔館である。
 天界から紅魔館まではかなりの距離があるので、それまでの間の暇つぶしだ。
 ついに、時間は黄昏時を迎えていた。
 このままいけば、夜になり完全に妖怪の世界となるだろう。
 べつに夜だからといって負けるつもりはないが、しかし、妖怪の力がいや増すというのも事実。
 できるだけ早く決着をつけてしまいたい。
 正直、おなかがすいたのである。

「いいですか。霊夢さん。まず犯人はAさんを殺すんです。
 そしてBさん、Cさんを殺していくんですが、まったく関連性がなく捜査は混乱します」
「関連性がないならそうなるわね」
「そうなんです。それで最後に真実が明らかになるんですが……これネタバレですからね、えっといいですか」
「べつにかまわないわよ。そんな面倒くさいの読まないし」
「わかりました。では言いましょう」











 ネタバレ注意











『実は本当に殺したかったのはCさんで、AさんとBさんは動機がわからないようにするために殺した』










「……というのが真相だったんです」
「で?」
「なんとなく関連性があるかなー? と」
「ないわね」

 霊夢は断言した。
 即答のレベルである。
 さすがに、早苗は不満げに頬を膨らませた。

「どうして関係がないって言いきれるんですか」
「だって真犯人がいるとしたら、すべての犯人を操れる能力を持っていないといけないってことになるでしょ。そんなの無理よ」
「無理なんでしょうか。妖怪だからそこのところはなんとか」
「あんた朝と言ってること違う」
「うー、そうなんですけどね」

 紅魔館につくと、十六夜咲夜はやはり死んでいた。
 しかし、これが地味に難しい。
 彼女は時計塔から落下し、地面にたたきつけられて死亡していた。
 曲がりなりにも空を飛翔する能力のある彼女が時計塔から落ちたくらいで死ぬはずがない。
 そうなると、彼女が意識を失っていた可能性が考えられる。

「閃光手榴弾ですね」
「なにそれ」
「特大の音と光で人間は簡単に落ちるんです。
 これができるのはにとりさんと魔理沙さんですが、
 キャラ的ににとりさんは既出なので、魔理沙さんということになるでしょう」
「あんたんところのミステリってそんな論理で大丈夫なの?」
「もうあきらめました」



 Y



 霧雨魔理沙は生きていた。
 正真正銘、生きていたのである。

「魔理沙。あんたいるんでしょう。このドア開けなさい」
「なんだ。おまえら、もう夜だぜ」
「は、犯人が生きてる!?」と早苗も驚きを隠せない。

 法則の破れ。
 ルールの逸脱である。
 いったい何が起こっているのか。
 ついに事件は収束へと向かうのか。

「は、何言ってるんだ」
「ともかく、私が聞きたいことはただ一つ。あんたなぜ咲夜を殺したの」
「なんのことだ?」
「……えっとですね」

 早苗が助手役としていままでの経緯を説明した。
 荒唐無稽な話であるが、魔理沙は次第に青ざめていった。

「まさか、そんな、バカなことがあるか……!」

 魔理沙はすぐ近くにいた霊夢を突き飛ばす。
 予想もしていなかったのか、避け切れず、一瞬だけ態勢を崩した。
 それが狙いだったのだろう。
 魔理沙はほうきにまたがると、わき目も振らず逃走を開始した。
 さすがにスピードでは霊夢も早苗も分が悪い。
 必死になって追いすがるも、なかなか追いつけない。

「あいつ、往生際が悪い」
「向かってるのは人里のほうでしょうか」
「あいつが隠れられるところといったら、人里くらいでしょうけど、無駄ね。金髪なんて目立ちすぎるのよ」
「金髪でかわいらしい妖怪さんなんて珍しくもないですけど」
「確かにね」

 しかし、白黒なのはひとりしかいない。
 人里についたあと、魔理沙の姿は往来にはなかった。
 すぐに聞き込みを開始すると、一分で行先は明らかになる。

「まさか、ね……」

 霊夢は少しだけ怪訝に思ったようだ。
 勘が告げていた。
 真犯人は近い。この物語の終焉が近いことを。



 Z



 魔理沙は死に、上白沢慧音は犯人だった。

「まさか先生が犯人だなんて」
「慧音。一応聞いておこうかしら」
「なにを?」
 慧音は魔理沙の屍体を抱えていた。
 今日だけですでに二五回は見ている虚空の表情。
 瞳孔散大した瞳である。
「どうして、魔理沙を殺したの?」
「どうして、か。そんなことに興味があるのか?」
「……正直なところ、無いわね。ただ、このままでは納得ができないし、すぐに終わっちゃうでしょ」
「すぐに終わらしてしまえばいいじゃないか。
 どうやら君は今日一日、本当にご苦労なことに事件の真相を探ろうと奔走したようだし、おなかもすいているだろう。
 私も半分は人間だからよくわかるよ。人はすぐにおなかがすくものだとね」
「本当に事件が解決すれば終わるのかしら」
 霊夢はけだるそうに息をつく。
 お腹をさすりさすり。
 何か食べたい。
「また二週目があるとでもいいたげだね」
「そうね。はっきり言えば、私は個々の事件は解決してきたけれど、そこに関連性なんてものは見いだせなかったわ」
「だから二週目がありえるかもしれないと? 関連性がないのに」
「関連性がないからこそ、関連性がないという関連性がある」
「まるで哲学のような物言いだ」

 クスリと慧音が笑う。

「それで?」

 霊夢は初めて逡巡を見せた。
 どう言うべきなのか言葉を失ったからだ。
 結局、霊夢はこの事件そのものを解決してはいない。
 仮に名づけるとしたらABC中略Z事件とでもいうような、
 この物語を、このミステリを解決に導く探偵などではなかった。
 彼女は――そう、
 博麗の巫女なのだから。



 見上げると、霊夢は私を手に取



 A



 こうして事件は解決したのです。
 おはようございます。稗田阿求でございます。
 え?
 意味がわからない。
 そうですね。
 ここから先は私の意思でもって伝えましょう。
 まず、事件の発端は蔵の中におさめられていたある魔具といいますか、ぶっちゃけ筆を見つけたところから始まったのです。
 やたらとつややかで、なんだか書いてみたい衝動にかられたんですよね。
 油断していました。
 つまり、呪われた装備だったというわけでして……。
 その筆ですが、どうやらミステリマニアの呪いがかけられていたらしく、自動筆記で無理難題をふっかけてきます。
 正直無理筋な問題、それに対して解答を提示しなくてはならない。
 書き続けなければ、おそらくは死ぬといった類の呪いでありながら、物語が終焉を迎えると、それもまた死につながる。
 そのようなどうしようもない袋小路なのです。
 必死になって抵抗しましたが、これがなかなか難しい。正直なところどんどん無理筋の問題になっていって、こちらも無理やり解決に導いていく形になります。
 正直、おなかすきました。
 で、私がとった方策というのは簡単で、家人が私の異変に気づき、霊夢さんに連絡してくれることでした。
 わりと出不精な私は、お部屋に誰も立ち入らせないことも珍しくなく、なんとか一日で連絡がついたのは運がよかったとしかいえません。
 最後に、その筆は容赦なく叩き折られ、今に至るという次第です。

 それにしても……。

 本当に私は助かったのでしょうか。
 いまここで思考している私も誰かによって書かれた存在なのかもしれません。
 いえ、そんなことを考えても無意味でしょうね。
 私が何者であるかなんて……。
 それこそ、この世界で残された最後のミステリというものではないでしょうか。
























 何か得体の知れない気配を感じ、
 振り返ると、
 そこには薄ら笑いを浮かべる『犯人』の顔があった。
紫さんなんですけどね
超空気作家まるきゅー
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1120簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
犯人はヤスってことでいいんですかね
2.100名前が無い程度の能力削除
まるきゅーさんのミステリだ!(トリックを)殺せ!

もう死んでた。
5.90奇声を発する程度の能力削除
とても面白く良かったです
6.50非現実世界に棲む者削除
それなりにミステリとしては良かったんだですが...やっぱりフィクションとは言えキャラが死ぬという表現を読むのは耐えられない。
結末が気になっていましたので、なんとか耐えて最後まで読み終えましたが...正直もうなにがなんだか。
頭も心も病んでいるような感じです。
じゃあ読むなよと言ってくるでしょうが、一読者としてミステリものは最後まで読むのが義務だと思っております故、ご容赦を。

一応誤字脱字を報告しておきます。
A項目の最後で」が抜けております。
生き急いで→行き
綿密に操作を→捜査

最後に。
作者さんを批判しているわけではないので、勘違いなさらぬよう切に願います。

長文失礼いたしました。
7.80名前が無い程度の能力削除
後書きで笑いました
9.無評価超空気作家まるきゅー削除
>非現実世界に棲む者さん

A項目の最後で」が抜けております。
→ミスでした。
生き急いで→行き
→これはまあこれで。
綿密に操作を→捜査
→これはまあこれで

といった次第です。
ご指摘ありがとうございます。

14.100名前が無い程度の能力削除
何がすごいって
1.中国さんがちゃんと登場していない
2.⑨
15.100削除
いいね
16.80名前が無い程度の能力削除
オチの発想はおもしろいけど、どこか釈然としないなにかが残るんだ
17.40名前が無い程度の能力削除
単調で退屈に感じてしまいました、オチに至るまでの全体の構成はよかったと思ったのですが、個人的に楽しめなかったので40点ですみません
21.70名前が無い程度の能力削除
最初から衝撃的でしたがこういう落ちか...
ただ後書きで何か納得できた気がします。
27.70名前が無い程度の能力削除
ABC事件の如く祟るもの
33.803削除
これどう落とし前をつけるのかとても気になっていましたが、なるほどこう来ますか。
しかしまあよくこれだけ関連付けられたものです。