Coolier - 新生・東方創想話

博麗霊夢と×××

2013/05/20 21:54:30
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「霊夢、これはどういう事なんですか?」

 まだ冷たい風の吹く博麗神社の境内。
 一通りの掃除を終え、縁側で霊烏路空の黒い羽に包まり一息ついていた霊夢の所に、華扇が怒鳴り込んで来た。

「あら、いつの間に来てたの」
「たった今来た所です。 そんな事より、これはどういう事なんですか? はっきりと説明してもらいますよ」

 そういきり立つ華扇は、手に持っていた紙を霊夢に向かって突き付ける。
 何処かで見た事が有るような文字が並んでいて、写真が一緒に載っていた。
 擽ったそうに羽を揺らしている文と、蕩けた顔で夢中になって羽をいじっている霊夢の写真が。

「ああ、これの事?」
「これの事、ではありません!」
「いやまあ、それはその」

 あの羽触り心地良いし、などという正直な感想を言えるはずも無く、霊夢はお茶を濁そうとする。
 霊夢の隣で温泉卵を頬張っているお空は、そんな二人を不思議そうに眺めていた。

「まったくもう、こんなうらやま不純な誘惑に負けてしまって」
「はいはい分かった分かった――今なんて言った」

 さらっと、仙人らしからぬ言葉が聞こえた気がして、顔を上げる霊夢。

「どうかしましたか、霊夢?」
「ふーん」
 
 何事も無かったかのように続ける華扇を見て、霊夢は怪しい笑顔を浮かべる。

「あんたも触りたいの?」
「えっ? あっ」
「別に良いわよね、お空」
「うん、いいよ。んぐんぐ……」

 お空は笑顔で頷いて羽を広げ、また無心に温泉卵をかじっている。

「わ、私は大丈夫です。それに、それくらいなら普段から触れていますから」
「大丈夫、そんなのよりこっちの方がずっと気持ち良いわよ」
「そんなの……って! 貴女よりずっと愛情を掛けているという自負は有りますよ!」

 何処か華扇の逆鱗に触れてしまったらしい。羽に関して負けられない何かが、華扇には有った様だ。

「良いから良いから、一度触ってみれば分かるわよ」
「そこまで言うのなら、一度だけですよ」


 華扇は少しご機嫌斜めと言わんばかりにずかずかと歩いて、お空の隣に座り、


 ぽふ


 と、その羽に身体を預ける。


「こ、これは……!」

 その瞬間、華扇に戦慄が走った。

「等しく整った並びにムラの無い濡れ羽色の艶、僅かな風にも靡く軽さは絹の様にきめ細やか。
 それだけでも調度品の様に美しいのに、風を纏って揺れる様は正に空を舞う羽衣に匹敵している。
 触れば見た目に違わず手首まで埋もれる柔らかさに包まれて、尚も潰れない一枚一枚が肌をくすぐる様。
 かつ抜け落ちるという弱さは微塵も感じさせない力強さが有り、手を動かし掻き分けても乱れる事無く元の形に収まる。
 そして、仄かに心地良い暖かさが安心感も生み出し……!?」
「気付いた?」
「……匂い? この匂いは自然のものでは……まさか」
「その疑問、私が説明しましょう!」

 その声に気付いた華扇は、驚き顔を上げる。
 その先、いつの間にか現れていた早苗は、射命丸文を従えてニヤリと口元を歪ませた。

「私は外の世界の技術を惜しみ無く使用しました。これがどういう事か分かりますね」

 自信に満ちた早苗を前に、華扇は動揺する。

「わ、私の負けです……!」

 華扇は敗北を覚悟して両腕をわなわなと震わせ、お空の羽に顔を埋めて悶えだした。
 早苗もまた、文の黒羽に身体を巻かれて、上機嫌で勝ち誇っている。

「あのー……よく分かりませんが、変な勝負に私を出すのはやめてくれませんか、早苗さ……んんっ」

 妖怪としての尊厳を軽く失いながら、文は早苗に羽を撫でられて、身体を震わせる。
 どうやらお気に入りに認定されてしまったのか、早苗はその羽毛マフラーから離れようとはしていない。


「結局、華仙は何に負けたのよ……まあ、いいか」

 この羽の暖かさが有れば割とどうでも良い事だと、お空の温泉卵を一つつまんで、霊夢は思う。
 
「で、早苗は何しに来たの?」
「天気が良いので文さんと一緒に遊びに来ただけですが、なんだか面白そうなのでつい」
「なるほどね。で、そっちのカラスは?」
「カラスじゃなくて鴉天狗ですっ! ちなみに私もいつも通りネタを探しに来たんですが」
「良いネタならそこに居るわよ、好きなだけとっていって良いわ」

 そう言って指差すお空の隣、黒く柔らかい羽に包まって身悶えている華扇は、実に良い表情をしている。
 それを容赦無く写真に納める射命丸、こちらも良い表情をしていた。

「助かりました、これで次回の新聞もバッチリです。出来上がったら真っ先にお届けしますね」
「あ、私にも一部お願いしますね文さん」

 文は嬉しそうに何かを手帳に纏めて、丁寧に頭を下げる。
 

「で、本当の所は?」

 口の端を持ち上げて、霊夢が訊ねる。

「やはりバレてしまいますか」

 ちろり、と舌を覗かせて、顔を赤らめる文。

「それじゃあ、ネタの『代金』を貰いましょうか」
「お手伝いしますよ、霊夢さん」

 霊夢と早苗は揃って座り、両手を怪し気に動かして今か今かと待ち構える。

「……優しくしてくださいね」

 そう呟く文の羽は、ばさばさと激しく揺れていた。




「はね

 もふ」
「うにゅぅ……」

 
(これ堕ちてるな……)
ライア
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コメント



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7.100名前が無い程度の能力削除
魔理沙「実は私も羽を生やせるんだぜ☆」
完墜ちあやや美味しいです。
12.80名前が無い程度の能力削除
あらゆる快楽を経験し尽くした我々が最後にたどり着いたのは、羽毛へのフェチズムだった。
13.100名前が無い程度の能力削除
あの話大好きでした
今回も可愛いなー
16.80奇声を発する程度の能力削除
良いです
18.100名前が無い程度の能力削除
そら堕ちるわ
19.803削除
藍のしっぽもふもふネタはよく見ますが、この羽根ってのは珍しいですねぇ。