やることも無く、湖の上を浮いていたら、あたいはあることに気が付いた。チルノって名前、なんか変。いや、変って言うわけじゃないけど、なんだか、物足りない。チルノ。ちるの、ちるの、ちるの。やっぱり、なんか変。そこで、あたいは他の人とくらべて見ることにした。
まずは、霊夢。霊夢はほんとは、博麗霊夢って言うんだ。これは、おかしくない。
つぎに、魔理沙。魔理沙は、霧雨魔理沙。これも、おかしくない。
つぎは、レティ。レティは、いつもあたいにちょっかいをかけるから、嫌い。レティは、えーと、レティ・ホワイトなんとか。わすれちゃった。むだに長いから、やっぱり嫌い。
つぎは、ルーミア。ルーミアは、ルーミアでおしまい。……あれ? なんだか、変な感じ。
ミスティア。ミスティアは、ミスティア・ローレライ。なんだか、カッコいい!
ルーミアだけ、あたいと同じで変。なんでだろう。それを考えると、胸がもやもやするような、苦しいような、変な感じ。……そうだ。名前がみじかいんだ! 他の人はながくて、ルーミアとあたいだけ、みじかい。こんな事に気が付くなんて、あたいってやっぱり天才ね! でも、ルーミアは四文字で、チルノは三文字。チルノのほうがみじかいから、あたいがいちばん変?
そんな事を考えていたら、向こう側からリグルが来るのが見えた。リグル。りぐる、りぐる、りぐる。そうだ、リグルも、名前がみじかい! それに、三文字で、あたいといっしょだ。それに気が付いたら、なんだか嬉しくなってしまった。あたいは、リグルのところに駆け寄った。
「リグル!」
「どうしたの? チルノ」
「リグルも、あたいと同じで、みじかいんだね!」
リグルは、少し不思議そうな顔をしてたけど、あたいと同じで三文字だよ、と言うと納得していた。
「チルノ。私の本名ね、リグル・ナイトバグって言うの。だから、ごめんね。いっしょじゃないんだ」
リグル・ナイトバグ? そう言えば、聞いたことあったかも。と言うことは、いっしょじゃないんだ。残念。
「チルノは、苗字がないのが嫌なの?」
みょうじ? なんだろう。
「あたいも、みょうじほしい! どこでもらえるの?」
リグルは、今度は困った顔をしていた。
「いや、苗字って貰えるものじゃないのよ。普通は最初からあるものなの」
最初から? じゃあ、あたいは、頑張ってもみょうじもらえないのか。残念。
「あ、そんなに悲しむことないよ。そうだね。結婚でもすれば良いだろうし」
けっこん? けっこんって、なんだろう。何だか、不思議なひびき。
「まあ、簡単に言えば、好きな人通しで家族になるってことなんだけど……」
「じゃあ、あたいとけっこんして」
今度は、もっと困った顔になった。そんなに顔を変えて、疲れないのかな? リグルは、しばらく考えていたけど、やっと口を開いた。
「チルノとは、結婚できないよ」
「あたいのこと嫌いなの?」
友達だと思っていたから、ちょっとショック。
「もちろん、チルノのことは好きさ。でも、私たちは友達だからね」
家族になれば、友達じゃなくなっちゃうよ? それでもいいの? とリグルは優しい声で言った。
「いやだ! リグルとは、ずっと友達でいたい」
あたいは、安心と同時に恐怖を思った。友達じゃなくなったら、そしたらリグルは、どこか知らない場所へ行ってしまう気がしたから。
「ほら、わかったら泣き止んで、もうそんな駄々をこねるのを止めるんだ。良い名じゃないか。チルノ。可愛らしくて好きだな、私は」
リグルに撫でられて、うれしくなる。心地よく撫でてくれるから好きなんだ。
「じゃあ、私はもう行くけど、他の人に結婚して、なんて言って回ったらダメだよ?」
そう言うと、リグルはさっさと飛んでいってしまった。あたいはさっそく他の人にけっこんを申し込みに行く事にした。リグルはああ言ったけど、やっぱりみょうじが欲しい。
まずは、霊夢のところへ行こう。霊夢は、友達じゃないし、ときどき怖いけど、お姉さんみたいで好きだ。あたいは、春の陽気のように浮かれていた。ああ、なんか変。いつものあたいじゃない。その気持ちを隠すように、いそいで神社に向かった。霊夢は、縁側でお茶を飲んでいた。いつも通りの光景だ。あいかわらずアホみたいにぼーっとしてる。
「あたいにもお茶ちょーだい」
隣に座りながら言った。霊夢は面倒くさい、とか言いながら奥に引っ込む。いつも悪態を吐きながらも、ちゃんとお茶を出してくれる。最初お茶をもらった時、熱くて飲めなかったけど、霊夢が冷ましてくれて、それで飲めるようになった。今では、最初から温くなったお茶を出してくれる。
「あいにく今、客人用の茶葉を切らしていてね。まあ、あんたはコーヒーと紅茶の違いも分からぬ味音痴だから、この出がらしの茶で我慢してちょうだい」
あたいは、人肌ほどの温度になったお茶を一口飲んだ。急いできた事もあり、それでもそのお茶はずいぶんと美味しく感じられた。
「コーヒーと紅茶の違いくらい、わかるよ。苦くて不味いのがコーヒーでしょ?」
私は、だらしなく胡坐をかきながら反論した。以前、霊夢が良い香りのする飲み物を飲んでいたため、一口飲ませてもらった事がある。それを口に含んだ瞬間、そのあまりの苦さに吐き出してしまった。後で分かった事だが、それは西洋の飲み物でコーヒーと言うらしい。以来、霊夢は事あるごとにその事であたいをなじったり、わざとコーヒーを勧めてくるようになった。
「そうね、味音痴じゃなく、お子様舌だったわ、あんた」
そうしてまた、子供扱いするのもいつものやり取りであった。あたいは本気で腹を立ててはいないが、霊夢とのそういったやり取りを案外気に入っていたため、あえて反論するようにしていた。
「言ってくれるじゃない。アリスに聞いたよ。霊夢も、コーヒーには砂糖とミルクを入れないと飲めないってね。大方、あの時のコーヒーもこっそり流しに捨てたんでしょ? 貧乏巫女らしからぬ行為だよ」
霊夢はそれを聞いて、目線だけこちらに寄越すと、少し考える素振りを見せて口を開いた。
「自分の物をどうしようが、そんなの私の勝手よ」
「そんな事を言って、あのコーヒーは紅魔館からの頂き物だって話じゃない。察するにこの神社には砂糖もミルクも無いようだけど、どう処理するのかしら? まさか、捨てる訳もないし」
「ああもう、うるさい。それで? 今日は何の用だってのよ」
まくし立てると、霊夢は決まりが悪そうに話題を変えた。そこで、あたいは当初の目的を思い出した。
「けっこんしてほしいんだ」
風が吹き抜ける。この神社は高い場所にあるので、他より幾分か涼しかった。
「チルノは―――」
茶を啜り、遠くの景色を見ながら霊夢は口を開いた。
「その事を、魔理沙でもアリスでもなく、私に申し込んだ訳だ。とすると、魔理沙にもアリスにもない魅力が私にはあると、そう考えた訳ね」
「いや、そう言われると、何とも言い様がないけどね」
私は、心地の良い風を頬に感じながら答えた。
「別に、誰でもいいんだ。事実、さっきリグルに断られたばかりだし。まあ、霊夢と家族ってのも―――」
気が付いたら、あたいは地面に倒れていた。どうやら投げ飛ばされたらしい。湯飲みごと飛ばされたので、こぼれて服がびしゃびしゃになっていた。
「もう、帰ってちょうだい」
文句の一つでも言おうとした矢先、霊夢はさっさと座敷にあがり、こんな陽気なのに雨戸を閉めた。いつも通りを装ったのだろうが、その声が若干震えていたのと、乱暴な雨戸の閉め方でかつて無いほど頭にきている事が分かった。どうやらあたいの発した一言二言のうちに、何か気に入らない事を見出したらしい。いつも何だかんだ優しい霊夢がこんなに感情的になるのを始めて見て、さすがに怖くなったので素直に引き下がる事にした。
先程、霊夢がアリスの話題を上げたので、今度はアリスの家に行く事にした。別に魔理沙でも良かったのだが、どうせならシャワーを借りようと思い、なるべくなら清潔な方がいいだろうと考えた。二人の家は同じ森にあり、飛んでいけば案外近い。濡れた部分が風に冷えてかなり不快だったため、いつもより急いで行った。昼間でも薄暗い森に、ぽつんと見える赤く洒落た屋根が、目指すアリス邸だ。いつしか聞いた童話のイメージからか、その暗がりに浮かぶ真っ白い外壁も不思議と相性の良い様に感じる。
「アリス、いる?」
呼びながらあたいは、扉に取り付けられた丸い鉄製の物でガチャガチャと叩く。前に聞いたところ、これで扉を叩くのが西洋の作法だと言っていたが、どうせ呼べば気が付くのだし意味が無いと思いつつも、これを案外面白いものだと感じていた。はいはい、と声が聞こえ、アリスが扉を開いた。中からは、微かに砂糖菓子のような甘美な香りが漂った。
「ごきげんよう、アリス。なにやら良き香りがしますね?」
あたいは、おそらく作り立てであろう菓子を頂戴するため、わざとらしくスカートの端を持ち上げ、気取った挨拶をした。アリスは微笑んで、同じく気取って応えた。
「あら、あなた服が濡れているじゃない」
そういえば、お茶を零したのだった。こちらから頼む前にアリスはシャワーを勧め、促されるまま服を脱ぎお風呂場に向かった。蛇口が一つしかなかったため、操作に困る事もなかった。このお湯もやはり魔法で出しているのだろうか? 脱衣所には、既に服が用意されていた。それはおそらくアリスの古着で、しかしなかなか状態の良いものだった。なんだかアリスに包まれたような気がして多少気恥ずかしかったが、意識すると今度は顔が赤くなってくるだろうと思い忘れる事にした。髪を拭きながらダイニングに向かうと、アリスはクッキーを包んでいるところだった。
「あら、早かったわね」
アリスはエプロンを外しながらいらっしゃい、と言って椅子に腰掛けた。近くに寄ったは良いが、何をするのか分からないあたいはアリスの次の言葉を待った。だが、アリスは何を言うでもなく、あたいの手を引っ張り無理やり自分の膝の上に乗せた。あたいは先程の、アリスに包まれている感触を思い出してしまい、今度こそ羞恥に頬を染めた。それは忘れようとすれば余計に意識され、どうしようもなくなった。
「あら、なんだか顔が赤いわね」
のぼせたんだ、と咄嗟に言い訳をした。なんだか気まずくなり(あたいが勝手に思っているだけだが)間を埋める為に、重くない? とか、当たり障りのない事を聞いた。そうしている内に、頭に暖かい風が当たった。
「これね、香霖堂で売っていた機械を魔法で真似してみたの。どう? 気持ちの良いものでしょ」
たしかに、これは中々に良いものだった。だがそれ以上に、髪を撫で上げるアリスの細く女性的な指が心地良かった。人形遣いという事もあり、こう言った事は得意なのだろうか。あたいは、先程までの羞恥も忘れ、しばらくはされるがまま、目を閉じその感触を堪能していた。
「はい、お終い」
不意に風の魔法が止まった。
「チルノの髪は、細いし柔らかいし触り心地が良いわ」
保護者の顔をしてアリスは言った。あたいはありがとう、と礼を言いざま膝から下りた。
「褒めても何も出ないよ。アリスこそ、子供の扱いが上手ね」
あたいは皮肉を言ったが、自分でもその意味を理解出来なかった。
「ありがとう。褒めても―――」
紅茶とクッキーくらいしか出ませんが、とアリスは真に受けて答えた。あたいは子供らしくクッキーを頂く事にした。アリスのクッキーは、見た目も凝っていてなかなかに手間のかかったものだった。紅茶もあたいに合わせて甘くしてくれているが、少々甘すぎる様にも思えた。
「それで、今日は何か用でもあったの?」
その言葉で、目的を思い出した。霊夢の時もそうだが、あたいは自分で思っている以上に忘れっぽいようだった。
「いや、なに。ちょっと同じみょうじにならないか、と頼みにね」
クッキーを食べながら答えた。あたいの服が、部屋の隅に吊るしてあるのが見えた、あの様子じゃ、乾くのに時間がかかるだろう。
「同じ苗字、って―――」
「家族になりたいって事さ」
アリスは、言葉を失いこちらを見つめた。あたいは、少し前に霊夢に投げ飛ばされたのを思い出し、こう言うのは真面目に頼まなければいけないのか? と今更気が付いた。ティーカップを置く。真っ直ぐにアリスの方を向いた。
「けっこん、して欲しいんだ」
しばらくの沈黙を破ったのは、ティーカップの割れる音だった。アリスのその白く陶器を思わせる指からするりとティーカップが落ちるのを、あたいはスローモーションの様にただ見ていた。なぜか、胸が痛くなるほど緊張していた。その音を聞いてアリスは正気に戻ったのか、それでも紅茶の始末をするでもなく、うつむいて頬を染めている。なぜかあたいまで恥ずかしくなり、間を埋めるためティーカップの始末をした。
「あの、あ、アリス?」
アリスは放心しているようだった。あたいはこうした経験が無いため、どうして良いか分からなくなり、咄嗟に家を飛び出してしまった。何だか、怖くなったからだ。外は、もうそろそろ暮れ始めていた。木々の染まったその光景に、あたいは先程のティーカップの割れる瞬間、飛び散る紅茶を想った。空を飛んで、少しだけ冷静になった時にやっとアリスの古着を着たままな事を思い出した。そうしてまた染まった頬を、紅い夕日のせいにした。
あたいは魔理沙の家を目指した。そして、今度こそは目的を忘れまいと、開口一番に言う事を決めた。魔理沙の家は、外観からして酷いものだった。そうして中はもっと散らかっているのだからさらに酷い。
「魔理沙、いる?」
乱暴に扉を叩くと、眠たげな魔理沙が姿を見せた。
「なんの様だよ……。遊ぶんならまた今度な」
「あたいとけっこんして!」
魔理沙は一瞬生真面目な目でこちらを伺ったが、次の瞬間には大笑いしていた。
「な、なんで笑うんだよ!あたいは本気だ!」
あたいは、何か心の何処かで意固地になっていた。初めこそ遊びに行く片手間に申し込んでいた節があるが、なぜか真っ向から否定されるとどうにも腹が立った。
「何が、結婚だよ。夜の営みも知らんガキが、言うに事欠いて結婚だと? 馬鹿だ、大馬鹿だ!」
「うるさい! あたいは本気だ。バカにするな!」
頭に血が上る。その一方で、それを自覚するあたいも居た。もう、この感情のやり場を失っているような気がしていた。
「傑作だ。ぜひ霊夢たちにも教えてやろう」
霊夢には、霊夢とアリスには―――。
「霊夢とアリスにはもう言ったよ!」
あたいは、ほとんど絶叫していた。それを聞いた魔理沙は途端に馬鹿笑いを止めた。あたいは、堪らずに泣き出した。止めようとしても、次々と涙が溢れる。泣きたくないのに、声と涙はどうにも止まらなかった。そしてやはり、心の奥底で冷静になっている自分もいた。
「悪かったよ、泣くなよ。ほら、取りあえず上がれ」
あたいは、あれほど怒っていた筈なのに素直に従った。こんな時だけ子ども扱いを甘んじる自分に腹が立った。家の中はやはり散らかっていた。魔理沙は乱暴に足で物を退け、そこに座りあたいをアリスと同じ様に膝に乗せ、頭を撫でた。リグルやアリスと違い、かなり乱暴だったが、それでも心地良かった。
「……霊夢とアリスにも言ったんだって?」
あたいは黙って頷いた。魔理沙の体温を感じる。悪友の様に思っていたが、こうしていると姉のようであり、また、母親のようにも思えた。
「……ごめんな、茶化したりして」
荒く撫でる手つきに、愛を感じた。誰かに教わった訳でもないその感情を、確かに愛だと確信した。生まれて初めて自覚した愛情は、不器用で、しかし深いものだった。
「今日は、もう寝ようか。泊まってけよ。あ、風呂入るか?」
「……アリスの家でシャワー浴びたから、いい」
だんだんとあたいは落ち着いてきて、今や泣き顔を晒した羞恥すら引っ込んでいた。背中に感じる魔理沙の体温がそうさせた。
「そうか、アリスの家で……」
温もりに包まれていると、眠気が襲ってきた。すっかり安心しきっていた。
「あたいが濡れたから、アリスの家で、シャワーを借りたんだ。アリスのゆび、気持ちよかった……」
「……ん?」
あたいは、眠さから、自分の言っている事がよく分かっていなかった。
「霊夢にも、乱暴されるし。散々だった……」
「……そうか。それは―――」
辛かったな、と魔理沙はあたいを抱きしめた。愛情が行為を以って示されて、さらに気が緩んだ。
「……魔理沙、今日は、一緒に寝て?」
「……このタイミングで、それを言うか?」
魔理沙はあたいを抱えて、ベッドまで連れて行った。しけって、カビの臭いがした。あたいに布団をかけて、魔理沙はその横に座った。
「……魔理沙は、寝ないの?」
眠るまで撫でてやるよ、と言って、優しく頬に手が触れた。その手は、そのまま頭を撫でた。一緒に寝て欲しかったが、これも良いものだ、と感じてそのまま眠ってしまった。
翌朝、目が覚めると、魔理沙は座ったそのままの体勢で眠っていた。その目には微かにクマが伺えた。あたいは、今更になって泣き顔を晒したのと、されるがまま甘えていた事を恥じて、魔理沙を起こすことなく黙って家を出た。
あたいは、いつもの湖に帰ってきた。帰ってきたはいいが、身に着けたままのアリスの古着の対処に悩んでいた。まさか、捨てる訳にもいかないし、かと言って返しに行くのも気まずい。しばらく唸っていたが、遠くに大妖精の姿を見つけたので、相談する事にした。
「大ちゃん!」
「あ、久しぶり、チルノちゃん。新しい服? 洒落ているね」
「その事なんだけど―――」
あたいは、昨日の事を、魔理沙の前で泣いた事を隠して全て話した。時折、大妖精は笑いを堪えている仕草を見せた。
「それは、災難だったね。そうだね、ことわざで言うと―――」
「口は禍の元?」
いや、と大妖精は少し間を空けて言った。
「禍も三年経てば用に立つ、と言ったところかな。ところでチルノちゃん」
―――私、名前すら無いんだ。
まずは、霊夢。霊夢はほんとは、博麗霊夢って言うんだ。これは、おかしくない。
つぎに、魔理沙。魔理沙は、霧雨魔理沙。これも、おかしくない。
つぎは、レティ。レティは、いつもあたいにちょっかいをかけるから、嫌い。レティは、えーと、レティ・ホワイトなんとか。わすれちゃった。むだに長いから、やっぱり嫌い。
つぎは、ルーミア。ルーミアは、ルーミアでおしまい。……あれ? なんだか、変な感じ。
ミスティア。ミスティアは、ミスティア・ローレライ。なんだか、カッコいい!
ルーミアだけ、あたいと同じで変。なんでだろう。それを考えると、胸がもやもやするような、苦しいような、変な感じ。……そうだ。名前がみじかいんだ! 他の人はながくて、ルーミアとあたいだけ、みじかい。こんな事に気が付くなんて、あたいってやっぱり天才ね! でも、ルーミアは四文字で、チルノは三文字。チルノのほうがみじかいから、あたいがいちばん変?
そんな事を考えていたら、向こう側からリグルが来るのが見えた。リグル。りぐる、りぐる、りぐる。そうだ、リグルも、名前がみじかい! それに、三文字で、あたいといっしょだ。それに気が付いたら、なんだか嬉しくなってしまった。あたいは、リグルのところに駆け寄った。
「リグル!」
「どうしたの? チルノ」
「リグルも、あたいと同じで、みじかいんだね!」
リグルは、少し不思議そうな顔をしてたけど、あたいと同じで三文字だよ、と言うと納得していた。
「チルノ。私の本名ね、リグル・ナイトバグって言うの。だから、ごめんね。いっしょじゃないんだ」
リグル・ナイトバグ? そう言えば、聞いたことあったかも。と言うことは、いっしょじゃないんだ。残念。
「チルノは、苗字がないのが嫌なの?」
みょうじ? なんだろう。
「あたいも、みょうじほしい! どこでもらえるの?」
リグルは、今度は困った顔をしていた。
「いや、苗字って貰えるものじゃないのよ。普通は最初からあるものなの」
最初から? じゃあ、あたいは、頑張ってもみょうじもらえないのか。残念。
「あ、そんなに悲しむことないよ。そうだね。結婚でもすれば良いだろうし」
けっこん? けっこんって、なんだろう。何だか、不思議なひびき。
「まあ、簡単に言えば、好きな人通しで家族になるってことなんだけど……」
「じゃあ、あたいとけっこんして」
今度は、もっと困った顔になった。そんなに顔を変えて、疲れないのかな? リグルは、しばらく考えていたけど、やっと口を開いた。
「チルノとは、結婚できないよ」
「あたいのこと嫌いなの?」
友達だと思っていたから、ちょっとショック。
「もちろん、チルノのことは好きさ。でも、私たちは友達だからね」
家族になれば、友達じゃなくなっちゃうよ? それでもいいの? とリグルは優しい声で言った。
「いやだ! リグルとは、ずっと友達でいたい」
あたいは、安心と同時に恐怖を思った。友達じゃなくなったら、そしたらリグルは、どこか知らない場所へ行ってしまう気がしたから。
「ほら、わかったら泣き止んで、もうそんな駄々をこねるのを止めるんだ。良い名じゃないか。チルノ。可愛らしくて好きだな、私は」
リグルに撫でられて、うれしくなる。心地よく撫でてくれるから好きなんだ。
「じゃあ、私はもう行くけど、他の人に結婚して、なんて言って回ったらダメだよ?」
そう言うと、リグルはさっさと飛んでいってしまった。あたいはさっそく他の人にけっこんを申し込みに行く事にした。リグルはああ言ったけど、やっぱりみょうじが欲しい。
まずは、霊夢のところへ行こう。霊夢は、友達じゃないし、ときどき怖いけど、お姉さんみたいで好きだ。あたいは、春の陽気のように浮かれていた。ああ、なんか変。いつものあたいじゃない。その気持ちを隠すように、いそいで神社に向かった。霊夢は、縁側でお茶を飲んでいた。いつも通りの光景だ。あいかわらずアホみたいにぼーっとしてる。
「あたいにもお茶ちょーだい」
隣に座りながら言った。霊夢は面倒くさい、とか言いながら奥に引っ込む。いつも悪態を吐きながらも、ちゃんとお茶を出してくれる。最初お茶をもらった時、熱くて飲めなかったけど、霊夢が冷ましてくれて、それで飲めるようになった。今では、最初から温くなったお茶を出してくれる。
「あいにく今、客人用の茶葉を切らしていてね。まあ、あんたはコーヒーと紅茶の違いも分からぬ味音痴だから、この出がらしの茶で我慢してちょうだい」
あたいは、人肌ほどの温度になったお茶を一口飲んだ。急いできた事もあり、それでもそのお茶はずいぶんと美味しく感じられた。
「コーヒーと紅茶の違いくらい、わかるよ。苦くて不味いのがコーヒーでしょ?」
私は、だらしなく胡坐をかきながら反論した。以前、霊夢が良い香りのする飲み物を飲んでいたため、一口飲ませてもらった事がある。それを口に含んだ瞬間、そのあまりの苦さに吐き出してしまった。後で分かった事だが、それは西洋の飲み物でコーヒーと言うらしい。以来、霊夢は事あるごとにその事であたいをなじったり、わざとコーヒーを勧めてくるようになった。
「そうね、味音痴じゃなく、お子様舌だったわ、あんた」
そうしてまた、子供扱いするのもいつものやり取りであった。あたいは本気で腹を立ててはいないが、霊夢とのそういったやり取りを案外気に入っていたため、あえて反論するようにしていた。
「言ってくれるじゃない。アリスに聞いたよ。霊夢も、コーヒーには砂糖とミルクを入れないと飲めないってね。大方、あの時のコーヒーもこっそり流しに捨てたんでしょ? 貧乏巫女らしからぬ行為だよ」
霊夢はそれを聞いて、目線だけこちらに寄越すと、少し考える素振りを見せて口を開いた。
「自分の物をどうしようが、そんなの私の勝手よ」
「そんな事を言って、あのコーヒーは紅魔館からの頂き物だって話じゃない。察するにこの神社には砂糖もミルクも無いようだけど、どう処理するのかしら? まさか、捨てる訳もないし」
「ああもう、うるさい。それで? 今日は何の用だってのよ」
まくし立てると、霊夢は決まりが悪そうに話題を変えた。そこで、あたいは当初の目的を思い出した。
「けっこんしてほしいんだ」
風が吹き抜ける。この神社は高い場所にあるので、他より幾分か涼しかった。
「チルノは―――」
茶を啜り、遠くの景色を見ながら霊夢は口を開いた。
「その事を、魔理沙でもアリスでもなく、私に申し込んだ訳だ。とすると、魔理沙にもアリスにもない魅力が私にはあると、そう考えた訳ね」
「いや、そう言われると、何とも言い様がないけどね」
私は、心地の良い風を頬に感じながら答えた。
「別に、誰でもいいんだ。事実、さっきリグルに断られたばかりだし。まあ、霊夢と家族ってのも―――」
気が付いたら、あたいは地面に倒れていた。どうやら投げ飛ばされたらしい。湯飲みごと飛ばされたので、こぼれて服がびしゃびしゃになっていた。
「もう、帰ってちょうだい」
文句の一つでも言おうとした矢先、霊夢はさっさと座敷にあがり、こんな陽気なのに雨戸を閉めた。いつも通りを装ったのだろうが、その声が若干震えていたのと、乱暴な雨戸の閉め方でかつて無いほど頭にきている事が分かった。どうやらあたいの発した一言二言のうちに、何か気に入らない事を見出したらしい。いつも何だかんだ優しい霊夢がこんなに感情的になるのを始めて見て、さすがに怖くなったので素直に引き下がる事にした。
先程、霊夢がアリスの話題を上げたので、今度はアリスの家に行く事にした。別に魔理沙でも良かったのだが、どうせならシャワーを借りようと思い、なるべくなら清潔な方がいいだろうと考えた。二人の家は同じ森にあり、飛んでいけば案外近い。濡れた部分が風に冷えてかなり不快だったため、いつもより急いで行った。昼間でも薄暗い森に、ぽつんと見える赤く洒落た屋根が、目指すアリス邸だ。いつしか聞いた童話のイメージからか、その暗がりに浮かぶ真っ白い外壁も不思議と相性の良い様に感じる。
「アリス、いる?」
呼びながらあたいは、扉に取り付けられた丸い鉄製の物でガチャガチャと叩く。前に聞いたところ、これで扉を叩くのが西洋の作法だと言っていたが、どうせ呼べば気が付くのだし意味が無いと思いつつも、これを案外面白いものだと感じていた。はいはい、と声が聞こえ、アリスが扉を開いた。中からは、微かに砂糖菓子のような甘美な香りが漂った。
「ごきげんよう、アリス。なにやら良き香りがしますね?」
あたいは、おそらく作り立てであろう菓子を頂戴するため、わざとらしくスカートの端を持ち上げ、気取った挨拶をした。アリスは微笑んで、同じく気取って応えた。
「あら、あなた服が濡れているじゃない」
そういえば、お茶を零したのだった。こちらから頼む前にアリスはシャワーを勧め、促されるまま服を脱ぎお風呂場に向かった。蛇口が一つしかなかったため、操作に困る事もなかった。このお湯もやはり魔法で出しているのだろうか? 脱衣所には、既に服が用意されていた。それはおそらくアリスの古着で、しかしなかなか状態の良いものだった。なんだかアリスに包まれたような気がして多少気恥ずかしかったが、意識すると今度は顔が赤くなってくるだろうと思い忘れる事にした。髪を拭きながらダイニングに向かうと、アリスはクッキーを包んでいるところだった。
「あら、早かったわね」
アリスはエプロンを外しながらいらっしゃい、と言って椅子に腰掛けた。近くに寄ったは良いが、何をするのか分からないあたいはアリスの次の言葉を待った。だが、アリスは何を言うでもなく、あたいの手を引っ張り無理やり自分の膝の上に乗せた。あたいは先程の、アリスに包まれている感触を思い出してしまい、今度こそ羞恥に頬を染めた。それは忘れようとすれば余計に意識され、どうしようもなくなった。
「あら、なんだか顔が赤いわね」
のぼせたんだ、と咄嗟に言い訳をした。なんだか気まずくなり(あたいが勝手に思っているだけだが)間を埋める為に、重くない? とか、当たり障りのない事を聞いた。そうしている内に、頭に暖かい風が当たった。
「これね、香霖堂で売っていた機械を魔法で真似してみたの。どう? 気持ちの良いものでしょ」
たしかに、これは中々に良いものだった。だがそれ以上に、髪を撫で上げるアリスの細く女性的な指が心地良かった。人形遣いという事もあり、こう言った事は得意なのだろうか。あたいは、先程までの羞恥も忘れ、しばらくはされるがまま、目を閉じその感触を堪能していた。
「はい、お終い」
不意に風の魔法が止まった。
「チルノの髪は、細いし柔らかいし触り心地が良いわ」
保護者の顔をしてアリスは言った。あたいはありがとう、と礼を言いざま膝から下りた。
「褒めても何も出ないよ。アリスこそ、子供の扱いが上手ね」
あたいは皮肉を言ったが、自分でもその意味を理解出来なかった。
「ありがとう。褒めても―――」
紅茶とクッキーくらいしか出ませんが、とアリスは真に受けて答えた。あたいは子供らしくクッキーを頂く事にした。アリスのクッキーは、見た目も凝っていてなかなかに手間のかかったものだった。紅茶もあたいに合わせて甘くしてくれているが、少々甘すぎる様にも思えた。
「それで、今日は何か用でもあったの?」
その言葉で、目的を思い出した。霊夢の時もそうだが、あたいは自分で思っている以上に忘れっぽいようだった。
「いや、なに。ちょっと同じみょうじにならないか、と頼みにね」
クッキーを食べながら答えた。あたいの服が、部屋の隅に吊るしてあるのが見えた、あの様子じゃ、乾くのに時間がかかるだろう。
「同じ苗字、って―――」
「家族になりたいって事さ」
アリスは、言葉を失いこちらを見つめた。あたいは、少し前に霊夢に投げ飛ばされたのを思い出し、こう言うのは真面目に頼まなければいけないのか? と今更気が付いた。ティーカップを置く。真っ直ぐにアリスの方を向いた。
「けっこん、して欲しいんだ」
しばらくの沈黙を破ったのは、ティーカップの割れる音だった。アリスのその白く陶器を思わせる指からするりとティーカップが落ちるのを、あたいはスローモーションの様にただ見ていた。なぜか、胸が痛くなるほど緊張していた。その音を聞いてアリスは正気に戻ったのか、それでも紅茶の始末をするでもなく、うつむいて頬を染めている。なぜかあたいまで恥ずかしくなり、間を埋めるためティーカップの始末をした。
「あの、あ、アリス?」
アリスは放心しているようだった。あたいはこうした経験が無いため、どうして良いか分からなくなり、咄嗟に家を飛び出してしまった。何だか、怖くなったからだ。外は、もうそろそろ暮れ始めていた。木々の染まったその光景に、あたいは先程のティーカップの割れる瞬間、飛び散る紅茶を想った。空を飛んで、少しだけ冷静になった時にやっとアリスの古着を着たままな事を思い出した。そうしてまた染まった頬を、紅い夕日のせいにした。
あたいは魔理沙の家を目指した。そして、今度こそは目的を忘れまいと、開口一番に言う事を決めた。魔理沙の家は、外観からして酷いものだった。そうして中はもっと散らかっているのだからさらに酷い。
「魔理沙、いる?」
乱暴に扉を叩くと、眠たげな魔理沙が姿を見せた。
「なんの様だよ……。遊ぶんならまた今度な」
「あたいとけっこんして!」
魔理沙は一瞬生真面目な目でこちらを伺ったが、次の瞬間には大笑いしていた。
「な、なんで笑うんだよ!あたいは本気だ!」
あたいは、何か心の何処かで意固地になっていた。初めこそ遊びに行く片手間に申し込んでいた節があるが、なぜか真っ向から否定されるとどうにも腹が立った。
「何が、結婚だよ。夜の営みも知らんガキが、言うに事欠いて結婚だと? 馬鹿だ、大馬鹿だ!」
「うるさい! あたいは本気だ。バカにするな!」
頭に血が上る。その一方で、それを自覚するあたいも居た。もう、この感情のやり場を失っているような気がしていた。
「傑作だ。ぜひ霊夢たちにも教えてやろう」
霊夢には、霊夢とアリスには―――。
「霊夢とアリスにはもう言ったよ!」
あたいは、ほとんど絶叫していた。それを聞いた魔理沙は途端に馬鹿笑いを止めた。あたいは、堪らずに泣き出した。止めようとしても、次々と涙が溢れる。泣きたくないのに、声と涙はどうにも止まらなかった。そしてやはり、心の奥底で冷静になっている自分もいた。
「悪かったよ、泣くなよ。ほら、取りあえず上がれ」
あたいは、あれほど怒っていた筈なのに素直に従った。こんな時だけ子ども扱いを甘んじる自分に腹が立った。家の中はやはり散らかっていた。魔理沙は乱暴に足で物を退け、そこに座りあたいをアリスと同じ様に膝に乗せ、頭を撫でた。リグルやアリスと違い、かなり乱暴だったが、それでも心地良かった。
「……霊夢とアリスにも言ったんだって?」
あたいは黙って頷いた。魔理沙の体温を感じる。悪友の様に思っていたが、こうしていると姉のようであり、また、母親のようにも思えた。
「……ごめんな、茶化したりして」
荒く撫でる手つきに、愛を感じた。誰かに教わった訳でもないその感情を、確かに愛だと確信した。生まれて初めて自覚した愛情は、不器用で、しかし深いものだった。
「今日は、もう寝ようか。泊まってけよ。あ、風呂入るか?」
「……アリスの家でシャワー浴びたから、いい」
だんだんとあたいは落ち着いてきて、今や泣き顔を晒した羞恥すら引っ込んでいた。背中に感じる魔理沙の体温がそうさせた。
「そうか、アリスの家で……」
温もりに包まれていると、眠気が襲ってきた。すっかり安心しきっていた。
「あたいが濡れたから、アリスの家で、シャワーを借りたんだ。アリスのゆび、気持ちよかった……」
「……ん?」
あたいは、眠さから、自分の言っている事がよく分かっていなかった。
「霊夢にも、乱暴されるし。散々だった……」
「……そうか。それは―――」
辛かったな、と魔理沙はあたいを抱きしめた。愛情が行為を以って示されて、さらに気が緩んだ。
「……魔理沙、今日は、一緒に寝て?」
「……このタイミングで、それを言うか?」
魔理沙はあたいを抱えて、ベッドまで連れて行った。しけって、カビの臭いがした。あたいに布団をかけて、魔理沙はその横に座った。
「……魔理沙は、寝ないの?」
眠るまで撫でてやるよ、と言って、優しく頬に手が触れた。その手は、そのまま頭を撫でた。一緒に寝て欲しかったが、これも良いものだ、と感じてそのまま眠ってしまった。
翌朝、目が覚めると、魔理沙は座ったそのままの体勢で眠っていた。その目には微かにクマが伺えた。あたいは、今更になって泣き顔を晒したのと、されるがまま甘えていた事を恥じて、魔理沙を起こすことなく黙って家を出た。
あたいは、いつもの湖に帰ってきた。帰ってきたはいいが、身に着けたままのアリスの古着の対処に悩んでいた。まさか、捨てる訳にもいかないし、かと言って返しに行くのも気まずい。しばらく唸っていたが、遠くに大妖精の姿を見つけたので、相談する事にした。
「大ちゃん!」
「あ、久しぶり、チルノちゃん。新しい服? 洒落ているね」
「その事なんだけど―――」
あたいは、昨日の事を、魔理沙の前で泣いた事を隠して全て話した。時折、大妖精は笑いを堪えている仕草を見せた。
「それは、災難だったね。そうだね、ことわざで言うと―――」
「口は禍の元?」
いや、と大妖精は少し間を空けて言った。
「禍も三年経てば用に立つ、と言ったところかな。ところでチルノちゃん」
―――私、名前すら無いんだ。
イイハナシダナーと終盤まで引っ張っていくのはなかなかのお手並み。
このまま普通に終わってくれたら更に高評価でしたが、コレはコレでw
キャラの口調を所々崩しているのもいい感じ。
でもそうですか。ロリコンでしたか。
チルノの心理描写がいい感じです。オチも良かった。
面白くて可愛くてすき
大ちゃんで落とさず続けてもよかったと思いますが、これはこれで。
その文章に展開の妙と言いますか、ピリッと来るエッセンスの混ぜ方がまた巧いですね。
霊夢とアリスのその後を回収していないところがチルノ主人公のお話らしくもあり、
想像力を掻き立てられて素敵だと思います。
状況描写も性格がよく表れていて、それもまた素敵。
チルノの思考が終盤に行くにつれて少しずつ真面目がかった風に言葉選びをされているのも意図したものかしらん?
割とサクッと読める長さでしたが、とても楽しめました。
あと全然関係ないけどオチもいい!
前にも書きましたが名前どうにかならないんですかね……?