注意
・キャラが万遍なく壊れています。
・特に魔理沙の扱いが酷いです。弱魔理沙です。
・でもハーレムです。魔理沙が。
・霊夢×魔理沙のつもりで書き始めました。
・でもそうなってないかもしれません。なってるかもしれません。
・そこは個人の判断でお願いします。
・人によっては過激とも取れる表現が使われているかもしれません。
・このSSは成分の90%が著者の趣味で出来ています。
・残りの10%は妄想です。逆かもしれません。
・そこも個人の判断でお願いします。
・上記を黙認できる方のみ先をお読みください。
「なぁ霊夢、少しばかり質問があるんだが」
「何かしら」
「……何で私は、朝起きたら縄で縛られて一切身動きの取れない状態になっているんだ?そして何故お前が私の家にいるんだ?」
「それは私がちょっと夜中に忍び込んで縛っておいたからね。そのまま今に至る」
霊夢は顔色一つ変えずに答えた。
「普通に言うな、不法侵入は犯罪だ!」
「普通でしょ?……まぁ、魔理沙ったらナニしても起きないから、他にも色々とやったけど」
魔理沙は、他って何しやがったこの紅白、と思ったが、聞かなかった。いや、怖くて聞けなかった。
「……なぁ、もう一つ聞いていいか?」
「どうぞ」
「私の気のせいかもしれないが……というかそうであって欲しいんだが、段々霊夢の顔が近づいてきているのは何故だ?」
「もちろん熱いベーゼを交わすためよ」
迫りくる霊夢の表情は、それ以外になにがあるの?とでも言いたげだった。
もしかしたら私の頭の横にお茶でもこぼれていて、お茶が大好きなこの巫女にはたとえこぼれたお茶でもそれを無駄には出来なく、床にこぼれたお茶を飲むのは人としてどうかとかそういうことを綺麗に無視して、お茶を啜るというある意味崇高な目的の為に床に顔を近づけているが故に顔が迫ってみえるのではないかという魔理沙の希望は完全に打ち砕かれた。
「ん~、まりさ~(はぁと」
――そして魔法の森の朝に、悲鳴が木霊した。(その後、偶然人形を使って盗撮していた、偶然通りかかった都会派魔法使いの決死の乱入によってどうにか魔理沙の貞操は守られた)
「あぁ、もうダメかと思ったぜ、さんきゅー、アリス」
縛られていた箇所をさすりながら、魔理沙はアリスに礼を言った。ちなみに霊夢は不意打ちでもろにレーザーをくらって焦げていた。
「べ、別に魔理沙のためじゃないわよっ。魔理沙の唇は私だけのものだとか、出来ればその先の関係になりたいっていうかもう今すぐ押し倒して既成事実作っちゃおうかしら、なんてこれっぽっちも考えてないわよ?」
(こ、こいつもか……)
魔理沙は背筋にひやりとするものを感じた。
「何言ってるのよこの七色魔法馬鹿!魔理沙の全ては私のものよ!」
「お前はジャイ○ンか」
レーザーの直撃などなかったかのように華麗に復活を果たした霊夢に突っ込みを入れたが、おそらく効果はない。
「はぁ!?あんたこそ何言ってるのよ。私と魔理沙はすでに一線を越えた仲なのよ!(妄想)」
「お前も何言ってる!?」
魔理沙の突っ込みを無視して、霊夢とアリス(妄想込み)の口論は激しさを増していく。
「あんたは人形使いらしく魔理沙の人形とでも乳繰り合ってればいいのよ」
「それはもうやってるわ!うらやましい?うらやましいのね?」
「(やってたのか)馬鹿じゃないの?私なんか魔理沙の乗用後ほくほくの箒使用よ」
どう使用するのかは創造できない。したくない。知りたくない。
(っていうかあいつ私が神社に着くとすぐに箒を持っていったのはそれが理由か)
「な……こ、この変態!」
「あら、私はその箒を使って庭を掃いているだけよ?一体何を想像したのかしら、変態さん?」
「~~~ッ」
真意の程はわからないが、アリスは顔を真っ赤にして黙ってしまった。
しばらく黙っていたアリスだったが、霊夢の勝ち誇った表情に耐えられなくなったのか、ゆっくりとスペルカードを取り出す。
霊夢も臨戦態勢に入った。
「だ、ダメだ……ここはちょっとパチュリーのとこにでも匿ってもらうか。このままじゃ色々と危ないぜ」
箒(霊夢に使用されていない新しいもの)にまたがって彗星のごとく飛ぶ。一刻も早く変態二人から離れたかった。
――紅魔館――
「……で、逃げてきた。と」
「戦術的撤退だぜ。というかあそこにいたらどっちにしろ美味しくいただかれてたな」
パチュリーが珍しく自分で淹れてくれた紅茶を飲み、ようやく魔理沙は一息つくことが出来た。
「そう、大変だったわね」
「まったくだぜ、本でも読んで心を落ち着かせることにするか……あぁ、念のため今日はここに泊まらせてくれないか?」
「もちろん、構わないわ、ええ、ベッドの中で私が守ってあげるからもう心配ないわよ?」
パチュリーの目が怪しく光った。
「い、いやいや、自分の身は自分で守れる。だからやっぱり今日はもう帰ることに……」
と、強力な眠気に襲われた。
「効き始めたみたいね、さっきの紅茶にいれておいた睡眠薬」
薄れゆく意識の中、パチュリーが浮かべた笑みは、まさに食事前の獣の笑みだった。
……私に安息の地はないのか?
「マ……」
「ま?」
「マスタースパーク!!」
「しまった、まだマスタースパークが撃てるほど意識が……」
魔理沙は力を振り絞って最後の一発を放った。火事場の馬鹿力というやつだろうか、パチュリーは遥かかなたに消えていった。
「もうだめだ……ぜ」
そして魔理沙も力尽きてその場で眠ってしまった。
「ん……」
目を覚ますと、そこは見なれた天井。どうやら博麗神社にいるらしい。
「あ、目がさめた?」
「霊夢!?」
襖を開けて入ってきたのは霊夢だった。朝の事を思い出し、布団から飛び起きて、逃亡態勢をとる。しかし箒が手元にないので、実際に逃げるには至らない。
てっきりまた縛られているかと思ったが、少なくとも表面上、何もおかしなことをされた様子はなかった。
「そんなに怯えないでよ。いや、それはそれでそそるんだけど……待って、何もしないから逃げないで!説明するから!」
「わかったから足を離せ、あ、こら、スカートの中に手を……んっ……や、やめ……」
「ハァ、ハァ……まりさ~」
「うわ~ん、何もしないって言ったのに~」
……本日二発目のマスタースパークが炸裂したのは言うまでもない。
「つまり、私に近づくと理性が崩壊する、と?」
「ええ、今も必死なのよ、あと1ミリで完全崩壊ね。ちなみに紅魔館のメイド長があなたを連れてきてくれたんだけど、あれは普通だったわね、あとこれ館の修理費の請求書だって。神社もあとで直すの手伝いなさいよ?」
「あれは不可抗力だぜ」
パチュリーを吹っ飛ばしたマスタ-スパークを受けて、ちょっと焦げただけで復活する巫女ってのは、蓬莱の人と比べてどっちが不死身度が上なんだろうか。
(いや、でもパチュリー軽いからな、霊夢は……)
「何か失礼なことを考えているわね。愛する魔理沙のことなら顔をみればわかるわ……って、私は軽いわよ!!」
「……プライバシーの侵害だぜ」
ポーカーフェイスの作り方を著した本を探さなければならなくなった。
「にしても、どういうことなんだ?」
「魔理沙……あなた昨日魔法薬の実験してたでしょ」
「あぁ、何で霊夢が知ってるんだ?(まさか盗撮?)」
「失礼ね、盗撮だなんてどこぞの七色と一緒にしないで。魔理沙が逃げたあと、私もアリスも急に冷静になってね、アリス(と私)が魔理沙の生活用品を漁っているうちに実験の跡を見つけたのよ」
冷静になってもやることは変態だった。
「そうか、マスタースパーク一名様追加だな……で、それがなんだっていうんだ?あの薬は失敗のハズだぜ?本当は飲むと魔力が増大するはずなんだが、とくに変化がでなかったからな」
「違うわ魔理沙。失敗ではないの」
「あ?」
「あれは魔力ではなく、魅力を増大させる薬だったのよーー!」
「なんだってーー!?」
驚愕の事実に仰け反って驚く魔理沙。
「魅魔さまと関係は……」
「ない」
「……おかしないな、あれはパチュリーが読んでたものをそのままぱくって……もとい借りてきたやつだったんだが……」
パチュリーは、魔理沙を落とすために魅力増大を図っていた。しかし、そんなものを作っているのがばれたら恥ずかしくて生きていけない。自分に魅力がないといっているようなものだ。だから、本に載っている薬の魅の字を魔に変えて堂々と調合しようとしていた。これぞ、『あら、これはただの魔力増強効果しかないからばれても何もやましい事はないわよ大作戦!!』しかし、実行されるまえに魔理沙に奪われてしまい、その晩のパチュリーの枕が涙に濡れたことを魔理沙は知らない。
「だから、ハァハァ……普段から理性の限界にぶち当たっている私達には、ハァハァ……今の魔理沙は……あぁもう限界!いただきます!」
「待て、落ち着け!誰か助けてーーーー!!!!」
「魔操『リターンイナニメトネス』!!」
「日符『ロイヤルフレア』!!」
凄まじい魔力の嵐が、霊夢ごと博麗神社を吹き飛ばした。
「きゃーーーーー!」
霊夢はお星様になりました。
(いつのまにか夜になってたんだな……)
「魔理沙、無事!?」
「あの巫女に変なことされなかった!?」
アリスとパチュリーが駆け寄ってきた。
「助けてくれたのは嬉しいが、あまりよらないでくれ」
「ええ、わかっているわ」
「……」
「パ、パチュリー?」
パチュリーは魔理沙の静止も聞かずに近寄ってくる。
(普段の内気な私じゃ魔理沙を勝ち取ることは出来ない……なら……)
「魔理沙ー、私の愛をうけとぐふう!?」
「抜け駆けしてんじゃないわよ!魔理沙、箒!!」
パチュリーを殴り倒したアリスが、何処から見つけてきたのか、はたまた盗ってきたものなのか魔理沙に箒を投げる。
「私もいつまで正気でいられるかわからないわ、早く逃げて!薬の効果は今日一日よ!切れたら確かめてあげるから家にくるのよ!」
(これで評価に差がついたハズ)
アリスは気付かなかったが、自然と怪しい笑みを浮かべていた。ちなみに薬の効果は三日間だった。
「お、おう!」
魔理沙は軽くひきながらも箒を受け取って、逃げることにした。
幻想郷最速と自負する、そのスピードは伊達じゃないといわんばかりに、あっという間に消え去っていく。
「うう……魔理……沙……ガクッ」
パチュリーの命の灯火も消え去ろうとしていたが、魔理沙が飛び去るときに翻ったスカートの中を覗くことに全神経を集中していたアリスはまったく気付かなかった。……鼻血がでていた。よくみるとパチュリーも出ていた。
「とはいえ、どこにいったらいいものか……。私に興味のないやつなら匿ってくれるか?」
とりあえず白玉楼にいってみた。
「わざわざご苦労様ねえ」
「身の危険が迫っているからな、悪いが三日ほど置いてくれ」
魔理沙はもちろん薬の有効期間を知っていた。大体本に書いてあったし。
(まぁ、終わったら一応礼に行こうとは思うがな)
幽々子に変化は見られなかった、あたりまえだが。
魔理沙は安心していた……が。
「その代わり、味見させてもらうわよ?」
「あー……何の話だ?」
箒を握る。
(いや、こいつに限ってそんな……妖夢もいるんだし……)
「安心して、私はいつも通り」
「……いつも変態なのか?」
「変態じみたプレイは妖夢にしかしないから安心して身を委ねなさい」
妖夢をあわれに思ったのは初めてではなかったが、今回ばかりは親身だった。
「邪魔したな」
「邪魔だったわ」
もしやこいつただ置きたくなかっただけなのでは?と思ったが、帰り際、妖夢の顔をみると、また今夜も私が餌食になるのか……と哀愁が漂っていたことから、逃げてよかったと心から思った魔理沙だった。
永遠亭にいってみた。
交換条件に薬の実験台になれといわれた。
逃げた。
どうせパチュリーは図書館から動かないだろうと思って、紅魔館に行ってみた。
近づいたら出てきた。
逃げた。死にもの狂いだった。
ちょっと不便だが、家の秘密の地下室に隠れようかと思った。
アリスが家を漁っていた。とりあえず撃った。
修理するものが増えた。
アリスの家も壊しておいた。
どっかの山で過ごそうかとおもった。
霊夢がいた。
星から復活して来れたようだ。
襲われた。
殺す気で箒を振り下ろした。
死んだかと思って近づいたら足を掴まれた。
叩きまくってどうにか逃げた。
逃げているうちに里についた。
「む。お前は……」
「け……」
「?」
「慧音ーー!!」
「うわ!?」
魔理沙は思わず慧音に抱きついた。
真人間に会えたのが嬉しくてしょうがなかった。
ことの経緯を話すと、慧音は快く承諾してくれた。
「助かったぜ、もう二日間寝てないんだ」
「あぁ、ゆっくり休むといい」
慧音は里の空き家を貸してくれた。里の人間も優しい人ばかりで、魔理沙はちょっと本気で泣いた。
「では私は妹紅のところに行ってくる。気をつけろよ。まだ油断は出来んぞ」
「おお、この借りはきっと返すぜ」
「お前に貸したものが返せるとは思わないがな」
「失礼な。私が返さないのは本だけだ」
「……本も返してやれ。どの道私は恩を売ったつもりはない。困った人間を助けるのは当然だ」
「その当然が出来るのは私の知る限りお前だけだぜ」
「……生きづらい世の中になったな……」
慧音にも思い当たる人名はなかった。妖夢ならわからないが、その主のことを考えると、この件で妖夢には人を救うことは出来そうもなかった。
「全くだぜ……」
慧音が出て行ってから少しして、里が騒がしくなった。
魔理沙は様子を見に外に出ようか迷っていたが、突如入ってきた里の若者に引っ張られて、何かに差し出された。
「悪く思わないでくれ」
あんなに優しかった人々も、自分達の生活が大事。と、標的であるよそ者を売ったのだ。
人間不信になりそうだった。いや、もうなってる。
……何かとは霊夢だった。
魔理沙に叩かれまくったせいで、紅白が赤一色になっていた。目は血走って、何かぶつぶつと呟いている。
「魔理沙……魔理沙……魔理沙……魔理沙」
はっきり言って魔理沙はちびった。本物の恐怖とは何かを知った瞬間だった。霊夢と目が合う。
「魔ぁ理沙ーーーー!!」
「ヒイイィィィィィィーーーー!!!!」
薬の効果は切れた。でも霊夢の理性は戻らなかった。
その日、慧音は新たに刻まれた歴史を知り、一人涙した。
その日どうなったかはわからないが、その日以来、魔理沙は霊夢に対して妙にしおらしい言葉を使うようになっていた。
・キャラが万遍なく壊れています。
・特に魔理沙の扱いが酷いです。弱魔理沙です。
・でもハーレムです。魔理沙が。
・霊夢×魔理沙のつもりで書き始めました。
・でもそうなってないかもしれません。なってるかもしれません。
・そこは個人の判断でお願いします。
・人によっては過激とも取れる表現が使われているかもしれません。
・このSSは成分の90%が著者の趣味で出来ています。
・残りの10%は妄想です。逆かもしれません。
・そこも個人の判断でお願いします。
・上記を黙認できる方のみ先をお読みください。
「なぁ霊夢、少しばかり質問があるんだが」
「何かしら」
「……何で私は、朝起きたら縄で縛られて一切身動きの取れない状態になっているんだ?そして何故お前が私の家にいるんだ?」
「それは私がちょっと夜中に忍び込んで縛っておいたからね。そのまま今に至る」
霊夢は顔色一つ変えずに答えた。
「普通に言うな、不法侵入は犯罪だ!」
「普通でしょ?……まぁ、魔理沙ったらナニしても起きないから、他にも色々とやったけど」
魔理沙は、他って何しやがったこの紅白、と思ったが、聞かなかった。いや、怖くて聞けなかった。
「……なぁ、もう一つ聞いていいか?」
「どうぞ」
「私の気のせいかもしれないが……というかそうであって欲しいんだが、段々霊夢の顔が近づいてきているのは何故だ?」
「もちろん熱いベーゼを交わすためよ」
迫りくる霊夢の表情は、それ以外になにがあるの?とでも言いたげだった。
もしかしたら私の頭の横にお茶でもこぼれていて、お茶が大好きなこの巫女にはたとえこぼれたお茶でもそれを無駄には出来なく、床にこぼれたお茶を飲むのは人としてどうかとかそういうことを綺麗に無視して、お茶を啜るというある意味崇高な目的の為に床に顔を近づけているが故に顔が迫ってみえるのではないかという魔理沙の希望は完全に打ち砕かれた。
「ん~、まりさ~(はぁと」
――そして魔法の森の朝に、悲鳴が木霊した。(その後、偶然人形を使って盗撮していた、偶然通りかかった都会派魔法使いの決死の乱入によってどうにか魔理沙の貞操は守られた)
「あぁ、もうダメかと思ったぜ、さんきゅー、アリス」
縛られていた箇所をさすりながら、魔理沙はアリスに礼を言った。ちなみに霊夢は不意打ちでもろにレーザーをくらって焦げていた。
「べ、別に魔理沙のためじゃないわよっ。魔理沙の唇は私だけのものだとか、出来ればその先の関係になりたいっていうかもう今すぐ押し倒して既成事実作っちゃおうかしら、なんてこれっぽっちも考えてないわよ?」
(こ、こいつもか……)
魔理沙は背筋にひやりとするものを感じた。
「何言ってるのよこの七色魔法馬鹿!魔理沙の全ては私のものよ!」
「お前はジャイ○ンか」
レーザーの直撃などなかったかのように華麗に復活を果たした霊夢に突っ込みを入れたが、おそらく効果はない。
「はぁ!?あんたこそ何言ってるのよ。私と魔理沙はすでに一線を越えた仲なのよ!(妄想)」
「お前も何言ってる!?」
魔理沙の突っ込みを無視して、霊夢とアリス(妄想込み)の口論は激しさを増していく。
「あんたは人形使いらしく魔理沙の人形とでも乳繰り合ってればいいのよ」
「それはもうやってるわ!うらやましい?うらやましいのね?」
「(やってたのか)馬鹿じゃないの?私なんか魔理沙の乗用後ほくほくの箒使用よ」
どう使用するのかは創造できない。したくない。知りたくない。
(っていうかあいつ私が神社に着くとすぐに箒を持っていったのはそれが理由か)
「な……こ、この変態!」
「あら、私はその箒を使って庭を掃いているだけよ?一体何を想像したのかしら、変態さん?」
「~~~ッ」
真意の程はわからないが、アリスは顔を真っ赤にして黙ってしまった。
しばらく黙っていたアリスだったが、霊夢の勝ち誇った表情に耐えられなくなったのか、ゆっくりとスペルカードを取り出す。
霊夢も臨戦態勢に入った。
「だ、ダメだ……ここはちょっとパチュリーのとこにでも匿ってもらうか。このままじゃ色々と危ないぜ」
箒(霊夢に使用されていない新しいもの)にまたがって彗星のごとく飛ぶ。一刻も早く変態二人から離れたかった。
――紅魔館――
「……で、逃げてきた。と」
「戦術的撤退だぜ。というかあそこにいたらどっちにしろ美味しくいただかれてたな」
パチュリーが珍しく自分で淹れてくれた紅茶を飲み、ようやく魔理沙は一息つくことが出来た。
「そう、大変だったわね」
「まったくだぜ、本でも読んで心を落ち着かせることにするか……あぁ、念のため今日はここに泊まらせてくれないか?」
「もちろん、構わないわ、ええ、ベッドの中で私が守ってあげるからもう心配ないわよ?」
パチュリーの目が怪しく光った。
「い、いやいや、自分の身は自分で守れる。だからやっぱり今日はもう帰ることに……」
と、強力な眠気に襲われた。
「効き始めたみたいね、さっきの紅茶にいれておいた睡眠薬」
薄れゆく意識の中、パチュリーが浮かべた笑みは、まさに食事前の獣の笑みだった。
……私に安息の地はないのか?
「マ……」
「ま?」
「マスタースパーク!!」
「しまった、まだマスタースパークが撃てるほど意識が……」
魔理沙は力を振り絞って最後の一発を放った。火事場の馬鹿力というやつだろうか、パチュリーは遥かかなたに消えていった。
「もうだめだ……ぜ」
そして魔理沙も力尽きてその場で眠ってしまった。
「ん……」
目を覚ますと、そこは見なれた天井。どうやら博麗神社にいるらしい。
「あ、目がさめた?」
「霊夢!?」
襖を開けて入ってきたのは霊夢だった。朝の事を思い出し、布団から飛び起きて、逃亡態勢をとる。しかし箒が手元にないので、実際に逃げるには至らない。
てっきりまた縛られているかと思ったが、少なくとも表面上、何もおかしなことをされた様子はなかった。
「そんなに怯えないでよ。いや、それはそれでそそるんだけど……待って、何もしないから逃げないで!説明するから!」
「わかったから足を離せ、あ、こら、スカートの中に手を……んっ……や、やめ……」
「ハァ、ハァ……まりさ~」
「うわ~ん、何もしないって言ったのに~」
……本日二発目のマスタースパークが炸裂したのは言うまでもない。
「つまり、私に近づくと理性が崩壊する、と?」
「ええ、今も必死なのよ、あと1ミリで完全崩壊ね。ちなみに紅魔館のメイド長があなたを連れてきてくれたんだけど、あれは普通だったわね、あとこれ館の修理費の請求書だって。神社もあとで直すの手伝いなさいよ?」
「あれは不可抗力だぜ」
パチュリーを吹っ飛ばしたマスタ-スパークを受けて、ちょっと焦げただけで復活する巫女ってのは、蓬莱の人と比べてどっちが不死身度が上なんだろうか。
(いや、でもパチュリー軽いからな、霊夢は……)
「何か失礼なことを考えているわね。愛する魔理沙のことなら顔をみればわかるわ……って、私は軽いわよ!!」
「……プライバシーの侵害だぜ」
ポーカーフェイスの作り方を著した本を探さなければならなくなった。
「にしても、どういうことなんだ?」
「魔理沙……あなた昨日魔法薬の実験してたでしょ」
「あぁ、何で霊夢が知ってるんだ?(まさか盗撮?)」
「失礼ね、盗撮だなんてどこぞの七色と一緒にしないで。魔理沙が逃げたあと、私もアリスも急に冷静になってね、アリス(と私)が魔理沙の生活用品を漁っているうちに実験の跡を見つけたのよ」
冷静になってもやることは変態だった。
「そうか、マスタースパーク一名様追加だな……で、それがなんだっていうんだ?あの薬は失敗のハズだぜ?本当は飲むと魔力が増大するはずなんだが、とくに変化がでなかったからな」
「違うわ魔理沙。失敗ではないの」
「あ?」
「あれは魔力ではなく、魅力を増大させる薬だったのよーー!」
「なんだってーー!?」
驚愕の事実に仰け反って驚く魔理沙。
「魅魔さまと関係は……」
「ない」
「……おかしないな、あれはパチュリーが読んでたものをそのままぱくって……もとい借りてきたやつだったんだが……」
パチュリーは、魔理沙を落とすために魅力増大を図っていた。しかし、そんなものを作っているのがばれたら恥ずかしくて生きていけない。自分に魅力がないといっているようなものだ。だから、本に載っている薬の魅の字を魔に変えて堂々と調合しようとしていた。これぞ、『あら、これはただの魔力増強効果しかないからばれても何もやましい事はないわよ大作戦!!』しかし、実行されるまえに魔理沙に奪われてしまい、その晩のパチュリーの枕が涙に濡れたことを魔理沙は知らない。
「だから、ハァハァ……普段から理性の限界にぶち当たっている私達には、ハァハァ……今の魔理沙は……あぁもう限界!いただきます!」
「待て、落ち着け!誰か助けてーーーー!!!!」
「魔操『リターンイナニメトネス』!!」
「日符『ロイヤルフレア』!!」
凄まじい魔力の嵐が、霊夢ごと博麗神社を吹き飛ばした。
「きゃーーーーー!」
霊夢はお星様になりました。
(いつのまにか夜になってたんだな……)
「魔理沙、無事!?」
「あの巫女に変なことされなかった!?」
アリスとパチュリーが駆け寄ってきた。
「助けてくれたのは嬉しいが、あまりよらないでくれ」
「ええ、わかっているわ」
「……」
「パ、パチュリー?」
パチュリーは魔理沙の静止も聞かずに近寄ってくる。
(普段の内気な私じゃ魔理沙を勝ち取ることは出来ない……なら……)
「魔理沙ー、私の愛をうけとぐふう!?」
「抜け駆けしてんじゃないわよ!魔理沙、箒!!」
パチュリーを殴り倒したアリスが、何処から見つけてきたのか、はたまた盗ってきたものなのか魔理沙に箒を投げる。
「私もいつまで正気でいられるかわからないわ、早く逃げて!薬の効果は今日一日よ!切れたら確かめてあげるから家にくるのよ!」
(これで評価に差がついたハズ)
アリスは気付かなかったが、自然と怪しい笑みを浮かべていた。ちなみに薬の効果は三日間だった。
「お、おう!」
魔理沙は軽くひきながらも箒を受け取って、逃げることにした。
幻想郷最速と自負する、そのスピードは伊達じゃないといわんばかりに、あっという間に消え去っていく。
「うう……魔理……沙……ガクッ」
パチュリーの命の灯火も消え去ろうとしていたが、魔理沙が飛び去るときに翻ったスカートの中を覗くことに全神経を集中していたアリスはまったく気付かなかった。……鼻血がでていた。よくみるとパチュリーも出ていた。
「とはいえ、どこにいったらいいものか……。私に興味のないやつなら匿ってくれるか?」
とりあえず白玉楼にいってみた。
「わざわざご苦労様ねえ」
「身の危険が迫っているからな、悪いが三日ほど置いてくれ」
魔理沙はもちろん薬の有効期間を知っていた。大体本に書いてあったし。
(まぁ、終わったら一応礼に行こうとは思うがな)
幽々子に変化は見られなかった、あたりまえだが。
魔理沙は安心していた……が。
「その代わり、味見させてもらうわよ?」
「あー……何の話だ?」
箒を握る。
(いや、こいつに限ってそんな……妖夢もいるんだし……)
「安心して、私はいつも通り」
「……いつも変態なのか?」
「変態じみたプレイは妖夢にしかしないから安心して身を委ねなさい」
妖夢をあわれに思ったのは初めてではなかったが、今回ばかりは親身だった。
「邪魔したな」
「邪魔だったわ」
もしやこいつただ置きたくなかっただけなのでは?と思ったが、帰り際、妖夢の顔をみると、また今夜も私が餌食になるのか……と哀愁が漂っていたことから、逃げてよかったと心から思った魔理沙だった。
永遠亭にいってみた。
交換条件に薬の実験台になれといわれた。
逃げた。
どうせパチュリーは図書館から動かないだろうと思って、紅魔館に行ってみた。
近づいたら出てきた。
逃げた。死にもの狂いだった。
ちょっと不便だが、家の秘密の地下室に隠れようかと思った。
アリスが家を漁っていた。とりあえず撃った。
修理するものが増えた。
アリスの家も壊しておいた。
どっかの山で過ごそうかとおもった。
霊夢がいた。
星から復活して来れたようだ。
襲われた。
殺す気で箒を振り下ろした。
死んだかと思って近づいたら足を掴まれた。
叩きまくってどうにか逃げた。
逃げているうちに里についた。
「む。お前は……」
「け……」
「?」
「慧音ーー!!」
「うわ!?」
魔理沙は思わず慧音に抱きついた。
真人間に会えたのが嬉しくてしょうがなかった。
ことの経緯を話すと、慧音は快く承諾してくれた。
「助かったぜ、もう二日間寝てないんだ」
「あぁ、ゆっくり休むといい」
慧音は里の空き家を貸してくれた。里の人間も優しい人ばかりで、魔理沙はちょっと本気で泣いた。
「では私は妹紅のところに行ってくる。気をつけろよ。まだ油断は出来んぞ」
「おお、この借りはきっと返すぜ」
「お前に貸したものが返せるとは思わないがな」
「失礼な。私が返さないのは本だけだ」
「……本も返してやれ。どの道私は恩を売ったつもりはない。困った人間を助けるのは当然だ」
「その当然が出来るのは私の知る限りお前だけだぜ」
「……生きづらい世の中になったな……」
慧音にも思い当たる人名はなかった。妖夢ならわからないが、その主のことを考えると、この件で妖夢には人を救うことは出来そうもなかった。
「全くだぜ……」
慧音が出て行ってから少しして、里が騒がしくなった。
魔理沙は様子を見に外に出ようか迷っていたが、突如入ってきた里の若者に引っ張られて、何かに差し出された。
「悪く思わないでくれ」
あんなに優しかった人々も、自分達の生活が大事。と、標的であるよそ者を売ったのだ。
人間不信になりそうだった。いや、もうなってる。
……何かとは霊夢だった。
魔理沙に叩かれまくったせいで、紅白が赤一色になっていた。目は血走って、何かぶつぶつと呟いている。
「魔理沙……魔理沙……魔理沙……魔理沙」
はっきり言って魔理沙はちびった。本物の恐怖とは何かを知った瞬間だった。霊夢と目が合う。
「魔ぁ理沙ーーーー!!」
「ヒイイィィィィィィーーーー!!!!」
薬の効果は切れた。でも霊夢の理性は戻らなかった。
その日、慧音は新たに刻まれた歴史を知り、一人涙した。
その日どうなったかはわからないが、その日以来、魔理沙は霊夢に対して妙にしおらしい言葉を使うようになっていた。
最後の魔理沙が霊夢に対してしおらしくなったって所で
(・∀・)ニヤニヤがとまりませんw
え?もちろん魔理沙に対してですよ?
名前が無い程度の能力様>ニヤニヤしていただけたら幸いです♪まぁアレですネ、ナニをされたかは個人の判断にお任せします(笑
名前を騙る程度の能力様>開き直ってさらに壊れたものがかけるよう精進します♪え、違う?(笑
打っても打っても立ち上がる恋愛ゾンビだw
何はともあれ楽しませていただきましたw
薬のせいかと思ったけど、素でも壊れてるし。
まあ、こんな霊夢も良しだな。
あと、誤字発見しました。
創造→想像
幽幽子→幽々子
だと思います。
名前が無い程度の能力様>霊夢、パチュリー、アリスは魔理沙のことが大好きだと脳内完結しています(笑
名前が無い程度の能力>思いっきり壊してみました(笑 誤字報告ありがとうございます♪
「魔理沙……魔理沙……魔理沙……魔理沙」
ここで吹いた。
・・・って元凶はパチェかよ!
どっちも薬害(人災?)から始まってますし。
ヴァイオレンスでハザードな巫女さんもとっても良いです♪