「お姉さま、今日はハムスターを飼いたい」
「今日は、ってどういうこと?」
「だって、今日はハムスターが欲しい気分なのよ」
「ちょっと、気分で動物は飼えないわ。それに、それじゃあ買ってあげない」
今日のフランは、自分の部屋に住み着いているハツカネズミに新しい友達をあげたくなった。
ちなみに、昨日のフランは無性に鷹が飼いたかった。本で見た鷹が、とても格好良く感じたからだ。
そのことをレミリアに話したら、鷹は眼が怖いから飼いたくないと断られてしまった。
しかし、今日はハムスターだ。眼は怖くない。
「眼は怖くないよ。かわいいよ」
「そういう問題じゃ無いわ。フランは気分であれもこれも飼いたいというから駄目といっているの」
「今日は違うよ。本気だよ」
「フランの本気は持続性が無いから駄目ね」
「そんなことないよ」
昨日は本気で鷹が飼いたかった。一昨日は、庭にメタセコイヤを植えたがった。その前は、海に行きたがった。
全部本気だった。でも、一晩たつとなぜか次の本気が着てしまって前日の本気は灰色になってしまう。
でもでも、今日こそは本気だった。
「だいたい、その本気の根拠は何処から来るの?」
「何処からくるって? 知らないよ。分からないよ」
「ほらね、フランの本気は分からないところから来て分からないところに帰って行くのよ」
「でもね分からないところから来るってことは今分かったよ」
「まあとにかく、ハムスターは飼わないわ」
あくまで、レミリアは冷血な館の主なので残酷な吸血鬼だった。
フランが、ハムスターを欲しがっても買ってあげないのだ。それが、義務だと思っているらしい。
それに、レミリアだって本当は猫を飼いたいが館の主として威厳が無いから我慢している。
レミリアは基本この館の主としての何とかが障害になっている。
本当は色々なことがしたい。庭には本当はビワの木を植えたい。
「そんなぁ、ハムスター! お姉さま」
「だいたい、ハムスターは眼は怖くないけど、歯が怖い」
「たしかに、ハムスターの歯は怖いけど、それを恐れていたら吸血鬼の犬歯はどうなるの?」
「吸血鬼は吸血鬼だから、犬歯がとがっていても怖くはないわ」
「じゃあ、ハムスターもハムスターだから歯がとがっていても怖くないはずだよ」
「そんな、屁理屈は通らないわ」
レミリアは何がなんだか実は自分でも分かっていない。
ただ、館の主としての威厳的何かの為に言い返しただけだ。
「屁理屈じゃないよ。お姉さまのまねだよ」
「私の真似?」
「そうだよ」
「うぅ」
レミリアは、もう何も言い返せなかった。このまま、ハムスターを買ってあげてもいいような気がしてきた。
頭の中で、歯が怖いのと、眼がかわいいのを天秤にかけてみる。
やはり、歯が怖かった。
「どうしたの? お姉さま」
「フランにハムスターを買ってあげてもいいと少し思ったわ。でも、歯がね。歯がやっぱり怖いわ」
「……そんなに怖いの?」
「あぅ、怖い」
「……わかったよ。今日は諦めるよ」
「本当?」
「うん、本当だよ。でも、少し残念だよ。ハムスターは動きもかわいいのに」
フランは最後の賭けにでたのだった。
そう、賽は投げらたというやつだ。
レミリアに新たにハムスターのかわいいところを教えたのだった。
これが、受け入れられないなら諦めるしかない。
これを聞いたとたんにレミリアはその賢い頭の中で考えた。
歯が怖いは、動きがかわいいに勝るか勝らないかとても微妙なところだった。
でも、やっぱり歯が怖かった。
「だ、駄目! やっぱり、歯が怖い」
「……そう、わかったよ。諦めるよ、ごめんね。ハツカネズミちゃん」
そうフランが、言うとハツカネズミがフランの帽子の中から出てきて、残念そうにチチチと鳴いた。
「あ、ハツカネズミ!」
それを、見聞きしたレミリアの瞳はキラキラと凄く輝いたのだった。
「今日は、ってどういうこと?」
「だって、今日はハムスターが欲しい気分なのよ」
「ちょっと、気分で動物は飼えないわ。それに、それじゃあ買ってあげない」
今日のフランは、自分の部屋に住み着いているハツカネズミに新しい友達をあげたくなった。
ちなみに、昨日のフランは無性に鷹が飼いたかった。本で見た鷹が、とても格好良く感じたからだ。
そのことをレミリアに話したら、鷹は眼が怖いから飼いたくないと断られてしまった。
しかし、今日はハムスターだ。眼は怖くない。
「眼は怖くないよ。かわいいよ」
「そういう問題じゃ無いわ。フランは気分であれもこれも飼いたいというから駄目といっているの」
「今日は違うよ。本気だよ」
「フランの本気は持続性が無いから駄目ね」
「そんなことないよ」
昨日は本気で鷹が飼いたかった。一昨日は、庭にメタセコイヤを植えたがった。その前は、海に行きたがった。
全部本気だった。でも、一晩たつとなぜか次の本気が着てしまって前日の本気は灰色になってしまう。
でもでも、今日こそは本気だった。
「だいたい、その本気の根拠は何処から来るの?」
「何処からくるって? 知らないよ。分からないよ」
「ほらね、フランの本気は分からないところから来て分からないところに帰って行くのよ」
「でもね分からないところから来るってことは今分かったよ」
「まあとにかく、ハムスターは飼わないわ」
あくまで、レミリアは冷血な館の主なので残酷な吸血鬼だった。
フランが、ハムスターを欲しがっても買ってあげないのだ。それが、義務だと思っているらしい。
それに、レミリアだって本当は猫を飼いたいが館の主として威厳が無いから我慢している。
レミリアは基本この館の主としての何とかが障害になっている。
本当は色々なことがしたい。庭には本当はビワの木を植えたい。
「そんなぁ、ハムスター! お姉さま」
「だいたい、ハムスターは眼は怖くないけど、歯が怖い」
「たしかに、ハムスターの歯は怖いけど、それを恐れていたら吸血鬼の犬歯はどうなるの?」
「吸血鬼は吸血鬼だから、犬歯がとがっていても怖くはないわ」
「じゃあ、ハムスターもハムスターだから歯がとがっていても怖くないはずだよ」
「そんな、屁理屈は通らないわ」
レミリアは何がなんだか実は自分でも分かっていない。
ただ、館の主としての威厳的何かの為に言い返しただけだ。
「屁理屈じゃないよ。お姉さまのまねだよ」
「私の真似?」
「そうだよ」
「うぅ」
レミリアは、もう何も言い返せなかった。このまま、ハムスターを買ってあげてもいいような気がしてきた。
頭の中で、歯が怖いのと、眼がかわいいのを天秤にかけてみる。
やはり、歯が怖かった。
「どうしたの? お姉さま」
「フランにハムスターを買ってあげてもいいと少し思ったわ。でも、歯がね。歯がやっぱり怖いわ」
「……そんなに怖いの?」
「あぅ、怖い」
「……わかったよ。今日は諦めるよ」
「本当?」
「うん、本当だよ。でも、少し残念だよ。ハムスターは動きもかわいいのに」
フランは最後の賭けにでたのだった。
そう、賽は投げらたというやつだ。
レミリアに新たにハムスターのかわいいところを教えたのだった。
これが、受け入れられないなら諦めるしかない。
これを聞いたとたんにレミリアはその賢い頭の中で考えた。
歯が怖いは、動きがかわいいに勝るか勝らないかとても微妙なところだった。
でも、やっぱり歯が怖かった。
「だ、駄目! やっぱり、歯が怖い」
「……そう、わかったよ。諦めるよ、ごめんね。ハツカネズミちゃん」
そうフランが、言うとハツカネズミがフランの帽子の中から出てきて、残念そうにチチチと鳴いた。
「あ、ハツカネズミ!」
それを、見聞きしたレミリアの瞳はキラキラと凄く輝いたのだった。
レミリアが小動物を飼うのを嫌がるのは知らない内に自分の本能と戦っているからかも…
何かを隠してあるように感じるんだけど、それが何か分からない。
いや、ひょっとしたら思い過ごしかもしれない。
ほのぼのしてるから、まあいいか。